時代についていけない話
明治5年11月に入ると全国の大店は番頭を集めて今年は12月2日が大晦日であくる日は6年元旦になるから掛取りに遺漏がないよう手はずを整えるよう申し渡した。日本はいままての太陰暦から太陽暦に変わった。太陰暦では23年に一度1年を13ケ月にしてきたが、太陽暦では2,4,6,9,11月を30日に4年に一度2月を閏月とした。この混乱を薩長主体の政府を西欧重視の社会変革だと「西を向く侍」と官吏として採用されず屋敷も没収され農業、商人として生きることを強いられた旧幕臣たちは薩長政府を揶揄した。まだマゲも落とさず刀を腰に挿してひたすら官吏として登用されるのを待っていた。今までは敬意を払って路を明けていた市民も今は時代についていけない哀れみの目を向けてきた。第二話新政府になるまで日本は明け六つから暮れ六つまでの間に農業を済ませ商...時代についていけない話
2015/07/29 16:34