トゥカチンチラの古典案内

阿呆物語ーDer abenteuerliche Simplicissimus Teutsch

阿呆物語 上 (岩波文庫 赤 403-1)クチコミを見る阿呆物語 中 (岩波文庫 赤 403-2)クチコミを見る阿呆物語 下 (岩波文庫 赤 403-3)クチコミを見る 「阿呆物語」とは17世紀のドイツを代表する小説。17世紀には三十年戦争という大きな出来事があり、半ば必然的にその出来

2011/12/30 18:22

マンスフィールド短編集（岩波文庫）

イギリスの夭折した20世紀の作家、キャサリン・マンスフィールドの短編集。 何か超常的なことが起きるのではなく、また、大きな物語があるわけでもなく日常の機微を独特な感性で描写。マンスフィールド本人が抱いていたであろう、人生の悲しみが、この作品の光の部分の

2011/12/29 14:18

ジョウゼフ・アンドルーズーThe History of the Adventures of Joseph Andrews

ジョウゼフ・アンドルーズ〈上〉 (岩波文庫)クチコミを見るジョウゼフ・アンドルーズ〈下〉 (岩波文庫)クチコミを見る モームはフィールディングによって書かれた「トム・ジョーンズ」という作品をもっとも健康的な小説であると称している。それと同じ作者によって書かれた

2011/12/28 20:53

マンスフィールド短編集（新潮文庫）

マンスフィールド短編集 (新潮文庫)クチコミを見る イギリスの夭折した20世紀の作家、キャサリン・マンスフィールドの短編集。 何か超常的なことが起きるのではなく、また、大きな物語があるわけでもなく日常の機微を独特な感性で描写。マンスフィールド本人が抱いてい

2011/12/25 12:02

坑夫

坑夫 (新潮文庫)クチコミを見る もともとこの「坑夫」という作品は漱石が力をいれてつくられた作品ではない。雑誌に島崎藤村の作品「春」が連載される予定だったが、彼の筆の進捗が中々捗らず、その埋め合わせをする形で、即席でつくられたこの作品が連載されることになっ

2011/12/24 20:34

ドイツ幻想小説傑作選

ドイツ幻想小説傑作選 ――ロマン派の森から (ちくま文庫)クチコミを見る 19世紀前半に流行したドイツ・ロマン派の幻想小説を選出・収録。題名どおり、非日常的・超自然的なものを取り扱ったものばかりである。ただ、アニメや映画が普及した現代では少々物足りなさを感じ

2011/12/19 20:09

イギリス詩人伝ーLives of the English Poets

イギリス詩人伝クチコミを見る サミュエル・ジョンソン博士は、ボズウェルの書いた伝記の主役人物として専ら知られている。だが博士自身の書いた作品はあまり知られていない。それで彼の書いた作品の代表作として、モームが「読書案内」において寝る前に読むにふさわしい

2011/12/18 21:33

クライスト短編集

チリの地震---クライスト短篇集 (KAWADEルネサンス/河出文庫)クチコミを見る ドイツ文学のハインリヒ・フォン・クライストの短編集。ヘッセは、クライストの作品は詩、戯曲、小説すべての全集を手に入れておく必要がある、と述べたが正直過大評価だと思う。ぶっちゃけいって

2011/12/18 08:36

門

門 (新潮文庫)クチコミを見る 夏目漱石の「三四郎」「それから」に続く前期三部作の最後の作品である「門」は他の二作と赴きがやや異なる。前半の二つは静かながらもその裏側に情熱がひそめていたのだが、それらに比べこの作品は情熱性というものが少なくなっている。 物

2011/12/17 14:46

幸福について、人生論ーAphorismen zur Lebensweisheit

幸福について―人生論 (新潮文庫)クチコミを見る ショーペンハウアーは厭世的な哲学、厭世的な人生観を持っていたことは有名な話である。特に「幸福な人がもしいたとしたら、その人は酔っぱらってでもいたのだろう」という台詞が彼の性格を表しているといえるだろう。 で

2011/12/17 12:11

変身ーDie Verwandlung

変身 (新潮文庫)クチコミを見る ある日サラリーマン、グレゴールは目を覚ましたら、昆虫になっていました、という有名なお話。その後の彼と家族との対応が異常にリアリスティックなものである、 ところでカフカといえば変身、変身といえばカフカというほどこの作品は有名。

2011/11/19 11:22

不思議な少年ーThe Mysterious Stranger

不思議な少年 (岩波文庫)クチコミを見る マーク・トウェインといえば「トム・ソーヤの冒険」という具合に快活なイメージがあるのだが、世の天才の御多分に漏れずそんなことはなく、ペシミズムを心の中に秘めていた。「トム・ソーヤ」にもペシミスティックな要素がちらほら見

2011/11/02 21:29

自殺について

自殺について 他四篇 (岩波文庫)クチコミを見る 「自殺について」という今にも社会騒動が起きそうな題名を持つこの本。実際は5つの小エッセイによって成り立っている本であり、「自殺について」のエッセイは10ページ程しかない。もともとはどれもショーペンハウアーの代

2011/11/02 03:03

ジェーン・エアーJane Eyre

ジェーン・エア (下巻) (新潮文庫)クチコミを見るジェーン・エア (上) (新潮文庫)著者：C・ブロンテ新潮社(1953-02)販売元：Amazon.co.jpクチコミを見る 主人公であるジェーン・エアが孤児になり、学校へと送られるがそこでさまざまな不条理な目にあいながらも生き延び、

2011/11/01 03:10

だまされた女・すげかえられた首ーDie Betrogene/Die Vertauschten Köpfe

だまされた女/すげかえられた首 (光文社古典新訳文庫)クチコミを見る トーマス・マンの晩年の短編集を二作品収録。この本の帯に「エロスの官能」とか書かれているが、その通り官能をテーマにした作品である。 かなり晦渋であり、もっとわかりやすく説明できるであろうこと

2011/11/01 00:58

それから

高等遊民、現代感覚で言えば東大卒のニートといえばしっくり来るだろう、を取り扱った話。30歳であるにも関わらず、親の仕送りに頼り、のらりくらりと毎日を生きていて、紹介される結婚相手も片っ端から拒絶する始末。ある日妻を紹介したかつての友人と再会し、社会と自

2011/10/25 21:44

思索について・著作と文体・読書についてーÜber Lesen

読書について 他二篇 (岩波文庫)クチコミを見る ショーペンハウアによるエッセイ三篇「思索について」「著作と文体」「読書について」を収録。他のエッセイにおいても見られるように、凡庸なるものへの辛辣さが特徴的である。 どの三篇にも共通してみられるのが、「自

2011/10/24 23:42

たくみと恋ｰKabale und Liebe

たくみと恋 (岩波文庫 赤 410-0)クチコミを見る 大旋風を巻き起こしたシラーの処女作「群盗」に次ぐ第二作。題名通り、 地位の高い男と平民の娘の若い二人の恋と、それを阻止するべく権威者が行う奸計により恋を翻弄する物語。 感想を正直に述べるとすれば、面白い、面白

2011/10/23 02:42

デミアンーDemian

デミアン (新潮文庫)クチコミを見る 「ロスト・ジェネレーション」作家というのはヘミングウェイやフィッツジェラルドを始めとした第一次世界大戦が終わった1920年代のアメリカ文学を専ら指す言葉である。戦後ということで、若者の価値観・世界体系が喪失し、生き場を失

2011/10/21 17:04

サイラス・マーナーーSilas Marner

サイラス・マーナー (岩波文庫)クチコミを見る 若いころ、信心深かったサイラスが、信仰していた宗教での奸計に陥られ、親友や婚約者に裏切られ、失意の底にあったサイラスは、別の町へと移り、機織りで生計を稼ぎつつ半ば隠遁のような生活を送る。或る日蓄えた金も盗まれ、

2011/10/18 10:49