何もない私達のどこにでもある日常

最後に手をつなぐくらいでいい（6）

授業の終わりを告げるチャイムがなり始めると同時に、教室の空気は風船が沈んでいくように緩む。 机の上に響くシャーペンを置く音があちこちに鳴り、紗季もコ...

2011/02/22 21:55

最後に手をつなぐくらいいい（5）

にほんブログ村 右肩にかすかな感触があるようにを感じる。 遠慮がちに紗季をつついているようだ。 いつのまにかおろしていた...

2010/12/21 01:45

最後に手を繋ぐくらいでいい（4）

落ちるような眠りの中、紗季は中学生の頃を思い出す。 トイレに行くのに手をつないでいく女子を見たときは顔には出さないものの、 女子特有の...

2010/12/16 23:25

最後に手を繋ぐくらいでいい（3）

「帰り道なんか足に染みてきそう、最悪」 「由衣、今日…」 紗季がそう言いかけたところで、違う声が横から入ってきた。 「由衣...

2010/12/14 23:36

最後に手を繋ぐくらいでいい（2）

「紗季ってほんとグサってくること言うんだから」 「大丈夫。大丈夫。今は元のまあ可愛い顔に戻ってるよ」 「まあって何よ？」 ...

2010/12/13 01:27

最後に手を繋ぐくらいでいい

殴りかかってくるかように雨が窓に体当たりしている。 教師の一定のリズムで書かれていく黒板から目をそらし、紗季は窓の外を眺めた。 木は左右...

2010/12/12 01:34