『新編 土左日記 増補版』
東原伸明/ローレン・ウォーラー編。 武蔵野書院。 この本であらためて『土左日記』を読んで驚きました。編者は『土左日記』をモダニズム文学と見ていると思われ、「補注」ではバフチンや村上春樹の名前が出てきます。言葉遊びといい、時間の幻想性(同時性)といい、澁澤龍彦の『高丘親王航海記』とも引き比べられる気がしました。 この本の「解説」と「補注」で『土左日記』の虚構性と多文体性(移り詞、独白、多声性、批評性、散文における和歌や歌謡など)の面白さに今さらながら気づかされました。因みに私は『土左日記』(紀貫之)の質(たち)の悪い笑い(若干自虐的なものもある)も好きです。キューブリックのような。 追記。..
2021/01/15 10:55