最後の雨
雨の日の散歩は物悲しいけれど、 晴れの日の散歩よりは思うことが多い 薄暗い空からは傘で遮断され、 辺りに満ちた雨音で耳は利かない 隔絶された空間で巡りに巡る言葉たち 結論、は出ないけれど、 熱を帯びた言葉のフラクタルで まるで電子レンジみたいに 僕の周りは温められてゆく びしょびしょに濡れて 不快になってゆく足元を 意識しないように歩くけど そんなの無理だって 後ろから自転車が追い越していき、水しぶきを浴びる。 正面に出たテールランプが 赤く 明滅しながら遠ざかるのをぼんやりと視界に置きながら 、 まあ、いっか、と思う。 それを合図に ..
2010/04/21 17:40