20131010

20131010

日中はまだ夏の余韻を残しているとはいえ、さすがに神無月も幾日か過ぎれば陽が落ちると少し肌寒い。 今日はこんなに遅くなる予定ではなかったのだが、予定外の仕事も任務の内と数多の雑務をこなすうち約束の時間はとうの昔に過ぎてしまった。 陽もとっぷりと暮れ墨を流したような闇を残す路地を抜け十四郎は上着の前を合わせて歩を速めた。 いつもの団子屋をすぎ万事屋まであとわずかである河原の土手まで来たところで、ふと…