息をとめる夜

息をとめる夜

息を吐く朝今日も狂いなく始まる人生ゲームいよいよ中盤戦だろうみんな躍起になって手に汗握るレース「あと少し、あと少し」順番が来るのを待ってる僕はちがう。進めない、進まない行き止まりそこ止まり僕は利口だからサイコロなんか振らない回れない、回らない振り出し繰り返し僕はもうわかっているからルーレットになんか触れない見ない、見ないゴールの先は行き止まり競って、競ってなにをそんなに生き急ぐのですか視界に収まる程度の盤ゲーム生まれた時から終わりはわかってる息をとめる夜精一杯のルール違反いよいよ中盤戦だろう命が進まぬように、ただ1秒でも長く。堪らなく、息がもれる夜生きている生きてしまっている。息をとめる夜