安らぎという幸福 Vol.7

安らぎという幸福 Vol.7

 その映画は太宰治の“ヴィヨンの妻”だった。遊び人の主人を、その妻が何も言わずに支え続けるという夫婦愛を描いたストーリーだ。古い日本の女性は、自分の主張も出来ず、なんて悲しい存在だったのだろうか。奥ゆかしさや、いじらしさ、という美