おかあさん
中学2年の時だった。先生たちの都合で授業が早く終わった。家に帰るのもなんだか嫌だった。そうだおばあちゃんちに行こう。ゆう(犬)の散歩までゆっくりしよう。もうすぐT字路がある。左に曲がると本家とばあちゃんちがある。季節は初夏。ゆっくりと歩いていると後ろから声がかかった。徹君、徹君でしょ。お母さんがいるよ。振り向いた先に女の子がいた。大きな瞳の勝気そうな女の子だった。どっかで見たような。お母さんて何?こんなところにいるの。確か土崎というところだと聞いていた。おいでと言ってその子は前を歩いた。わけがわからないままについていった。花屋さんの横の通路を通った。ウナギの寝床のような土間が続いていた。花屋の終わりから部屋が続いていた、2つ目の沓脱石のところで女の子は障子を開けた。お母さん徹君を連れてきたよ。声をかけられ...おかあさん
2023/11/20 13:33