北斎×プロデューサーズ 蔦屋重三郎から現代まで
展覧会名の「プロデューサー」は、板元(はんもと)を指す。板元とは、版本や版画を出版・販売する店、いわば出版業者だ。浮世絵版画は現在では美術品として扱われるが、江戸時代には出版物だった。浮世絵版画は、下絵を描く絵師、板木を彫る彫師、紙に摺り上げる摺師、の三者の分業と連携で制作される。そして見逃せない重要な役割を担うのが板元だ。板元は、まず浮世絵の企画を行う。絵師を選び、彫師・摺師を統轄指揮する。そして浮世絵を店頭などで販売する。つまり板元は現代でいう総合プロデューサーなのである。
2025/03/31 14:44