phantom pein (3)

phantom pein (3)

入院からひと月近くたって、ようやくリハビリも本格的になってくると、男はそれまでの個室から6床の大部屋に移された。自分ひとりだけが静かに横たわるしか無い個室では、誰か他人が尋ねてこない限りは、まるで自分が死んでいるのか生きているのか、はっきりとしないように男には思えた。窓の外には、...