5月の

5月の

     立原さんの逝く丁度一週間ぱかり前の雨の日に、私たちは中野の病舎にお見舞にいった。ライラックと赤い小さい花の薔薇の鉢植と本とを持って。立原さんは大へん元気であった。「何か欲しいものが