山の手線の神様

山の手線の神様

ほんの1、2秒。ゆっくりと過ぎ去った時間があった。通勤ラッシュが落ち着いたくらいの朝の山の手線。新宿を出てまばらに席は空いているけれど立っている人も多かった。案の定、多くは携帯を見て過ごしている車内。僕はどちらかといえば、意識的に見ず、広告を眺めあれやこれやと一人で実に勝ってな考えを巡らせている。これも対して意味ないんだけど何か良い過ごし方がないか…試しては見るけど。意識すると余計に目のやり場に困ってしまうという具合。そんな時間を過ごしていると車両の奥から声がしてきた。避けているような動きをしてる人が見えた。確かに神様が向こうから、近くにいる人全てに話しかけながら直進してきていた。神様は恐らく中東系。坊主に髭。髭は白髪交じりだが年齢は若くもみえると言った感じだ。何を言っているかはわからないがとにかく軽い感じで話...山の手線の神様