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何となく、色々と文献を読んでいたが、興味深い一節があったので、学んでみたい。是の故に瓔珞経に云わく、始め具縛の凡夫より、未だ三宝を識らず、善悪の因と之の果とを知らざるに、初めて菩提心を発すは、信を以て本と為し、仏家に住在し、戒を以て本と為す。菩薩戒を受けて、身身に相続し、戒行闕かさずして一劫・二劫・三劫を経て、始めて初発心住に至る。『浄土十疑論』「第五疑」ということで、『浄土十疑論』である。『大正蔵』などでは、天台智顗の著作となっているが、既に先行研究で、それは否定されている。むしろ、単純に中国浄土教の文献として見るべきで、特にこの場合は自力・他力の問題を扱っている文脈である。それで、上記は自力の文脈である。自力なので、上記の通り『菩薩瓔珞本業経』から引用して、菩薩戒を持ち、そこから菩提心に至る状況を記し...『浄土十疑論』に見える菩薩戒の意義について