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「ナレイちゃんも、楽しく生きることならできるよ」と あなたに言われて気づいたの私にはもう 「楽しい」ってどんな感情なのか「嬉しい」ってどんな感情なのか忘れていることにどんな感情を忘れても もういいのただただ 眠りたい眠ることさえしばしば 断たれる私に何がわかるというの?「楽しさ」や「喜び」は病と引き換えにどこかへ捨ててしまったのかも知れない土砂降りの 雨の日は私の死欲をそそるそそる「楽しい」も「嬉...
草木が風に 揺れるのと一緒に私も 揺れていられたら雲が流れるのと一緒に私も 流れていられたら空が広がるのと一緒に私も 広がっていられたら鉛のような我欲は 全て沈む 夕陽と一緒に 沈めて轟く海のように 悲しみ揺れる菜花のように 笑ってただ草木が 揺れるままに雲が 流れるままに空が 広がるままに自然の なすがままにいられたら私は きっと楽になれるはずなのに#ネガティブのままでいい#シニア女性#現代詩#詩#...
世の中が汚いとかみんなエゴイストだとかそんなこと言っても仕方ないじゃない?みんな そう思ってるのよ自分だけは違うって世の中が汚くて他人が エゴイストだってそうよ私も あなたもエゴイストだけどあなたの白いシャツの襟もとからときおり覗く優しさや温かさは本物でそれがあれば 十分なのその優しさに救われる私が いるのだから自分の手の中に垣間見られる ぬくもりは本物でそれがあれば 十分なのそのぬくもりに安心し...
眠れない夜の闇の中では自分でも気づかぬうちに 幻想に 耽ってしまう堕落にこの身を 任せたくなってしまうでも 任せ切れなくて中途半端な 現実を見てるだから物事を 曲解し誤解し堕落と現実の 狭間で宙ぶらりんになっている亡き母の幻影を 捨てたくても 捨てられなくて堕落しきれぬまま右往左往するばかりやるならやっちゃえよとことん堕ちるまででも堕落しきれない 自分は結局 何も出来ぬまま宙ぶらりんの 姿勢を崩せ...
幸せになりたい誰もが そう願うでも幸せほど脆いものはない幸せと不幸とは背中合わせだから幸せとか希望とかそんな 脆いものを後生大事に 抱えることはしんどいよそんなことより今日の風の 香りと明日の風の 香りが毎日違っている と今日の空の色と明日の空の色が毎日違っている と感じられる心はきっと豊かなのだろう毎日違う 風の肌触りを毎日違う 空の色を感じられるような自分にわたしは なりたいそしたらきっと楽に...
心のない 体はもう いらない海の青が 見えているのに何も 見ていない目ならもう いらない脈打つ 世界の音が聞こえているのに何も 聞いていない耳ならもう いらない私は ただこの折れない心だけを 頼りに勇気を出して闇の中で海の青を 見ようノイズの中で脈打つ世界の音を 聞こう肉体のないむき出しの意識だけを携えてもう一度産まれ出るためにもう一度産まれ出るために#ネガティブのままでいい#シニア女性#現代詩#詩#...
過去形な わたし「過去の産物」なんて言葉があるけどわたしもそんなようなもの世の中の主役は若者たちなの楽しそうに戯れる若い女の子たちその姿は青い果実が弾けるようにこの目に映りわたしにもあんな頃があったっけと思う過去形な わたし現在進行形だったわたしはやがて老いて行くことを理屈でしかわかってなくて今はすっかり過去形 になって途方に暮れるそうわたしはもう過去形なの人に忘れ去られ自分もあの日を忘れ果てただ...
自分の欠如をおおやけに晒して生きる傷ついても傷ついても自分の欠如を晒しつづけるこの欠如を誰かに埋めてもらうのでなく依存や 支配や幻想で埋めるのではなく欠如は 欠如のままでだって 欠如している私がわたし なのだからそしたら きっと欠如した わたしのままでも世界を 真っ直ぐに見られるはずだから#ネガティブのままでいい#シニア女性#現代詩#詩#自作ポエム#ポエム...
私の胸の奥に深く 刻まれた傷を渓流の 静かな水が優しく 洗い流す雲が そっと傷をぬぐう穏やかな風に傷が 晒され私の傷は少しずつ少しずつ癒えていくあらゆる自然に私の傷は 癒やされて季節が巡るその度に傷の痛みも きっと和らいでいくと信じたいこの傷が なくなることはないけれど目の前に広がる自然に 身を任せれば私の傷は 癒えていくきっとそして いつか今度は私が 水になって雲になって風になって傷ついた人を ...
秋の 兆しは病の 兆し秋は窓を閉めても鍵をかけても急ぎ足で容赦なく侵入して来て自由を 奪う朝も夜も全ての季節も未来の箱に閉じ込めて私の自由を取り戻したいうつろう季節と時の流れに翻弄されて右に左に体が吹き飛ぶ秋に吹く風病の兆しを告げる風逃げても逃げても逃げきれず病の深みにはまる冬がまたやって来る秋の兆しは病の兆し私にはなす術もなし#ネガティブのままでいい#シニア女性#現代詩#詩#自作ポエム#ポエム...
自分が病気になったとき絶望したあなたに突然の別れを 告げられたとき絶望した母の突然の死に絶望したいつしか絶望が日常 になった苦しみに 喘ぎ悶えることが日常になった絶望の 闇の中で光を 探す夜明け前の空に輝く明星のような光を探す苦しいのは絶望しきっていないからどこかで何か まだ期待をしているから思い切ってもっと もっと絶望しきってごらんそしたら光が自然と私の中に灯るかも知れないから私の中で明けの明星...
年を重ねる毎に大切な 何かを毎年 毎年ひとつずつ失くしていくようでその 何かが何なのかわからないけれどもう とっくに失くした自分の未来とかじゃないもう とっくに色褪せたあの人との思い出とかじゃないそれは毎年 毎年この目に映るこの肌に 感じる新緑や はだか木や花の色香のような何かで毎年 抑えるこの胸がほんの微かに 冷たくなるような何かでそれは ずっと失ってはいけない何かでそんな 何かが毎年 毎年一枚...
正義という名のナイフで私を 刺さないで善意という名の真綿でこの首を 絞めないで自由とか権利とかそんなものいらないどんな不自由の中にあってもわたしはわたしだと訴えるから世間一般の道徳とか倫理とかで私を縛るのはやめてわたしにはわたしだけの倫理や道徳があるから安全とか安心とかにわたしを押し込めるのはやめて少々危険な目に遭ってもわたしはわたしの決めた道を歩きたいからいい加減にしてくれる?非国民でごめんなさ...
台所の流しには汚れた食器と 一緒にむき出しの 寂しさと無防備な 孤独とが置いてある食器の汚れはすぐ落ちるのに孤独も寂しさもどう片づけようとしても片付かないこんにちはとだけ言ってすれ違う人にさえすがりつきたくなる夏なのか冬なのかはっきりしない狂った気候はまるで私の 気持ちの変化のようで哀しい#ネガティブのままでいい#シニア女性#現代詩#詩#自作ポエム#ポエム...
「ひと様にご迷惑だけはかけないように」とよく言うけれどひと様に 思い切りご迷惑をかけながらしか生きられない 私はどうすればいいの?ひとは互いの欠如や心に空いた 小さな穴や心に負った 小さな傷を埋め合い癒やし合えるからこそひと と呼ぶのではないの?ときに傷つけ合い憎み合ったとしてもひとの心に 吹き込まれた「ご迷惑」が 小さな灯りとしてともり受け止められるときひとの心は 温まる互いに 思い切り迷惑をか...
秋の気配は背中から入って来てわたしの肩を抱く秋の気配は孤独の度合いを増す慌てて部屋を暖めてももう遅い孤独に占拠されたこの部屋でわたしは余りにも無力で秋に言われるままに改めて孤独をじっと噛みしめる背中から爪先まで孤独な季節を噛みしめる#ネガティブのままでいい#シニア女性#現代詩#詩#自作ポエム#ポエム...
散りゆく 桜も夢のあと目覚めた街の喧騒に私の心は震え出す孤独に埋もれて夢のあと行方知れずの私の心落ち着く先はどこにもなくて春 爛漫も夢のあと色褪せた私の心はどこへやらこの世も人も夢のあと#ネガティブのままでいい#シニア女性#現代詩#詩#自作ポエム#ポエム...
ふと届いた冷たいメールに気がふれて 冬目覚める度に改めて独りの知らせ 冬虚無の色色のない色 冬春に見ていた夢を奪われて 冬真夏の海に別れを告げられて 冬冬はわたしから大事なものを全て奪ってこの街に横たわる残酷な 冬冷淡な 冬ひとりぼっちの 冬寒さに気がふれる 冬#ネガティブのままでいい#シニア女性#現代詩#詩#自作ポエム#ポエム...
世界とひとつになれたなら私が歩けば景色が 流れる私が 歌えば小鳥も歌う私が怒れば海が轟く私が泣けば雨が降る世界の中に私がいて私の中に世界が 広がる世界とひとつになれたなら心はもう 揺らがない自分がいなくなっても安心できるだって私は自然のつづきになれるのだかから#ネガティブのままでいい#シニア女性#現代詩#詩#自作ポエム#ポエム...
この虚無の瞳に映るのは終わらない冬終わらない日常春が見えない悲しい心褪せた唇路地裏の孤独愛に飢えているくせに愛なんてくだらないと言って聞かせる夢も未来も捨てて尚生きられるのかと自分に問うわたしは過去だけを抱いていつもの闇の路地裏で野良猫のように寒さに震える#ネガティブのままでいい#シニア女性#現代詩#詩#自作ポエム#ポエム...
悲観 挫折 失敗そんな世間でいう「不幸」ばかりを背負って生きるだけどそれは本当に「不幸」なの?何度も何度も失敗して挫折して悲観してそれでも失敗するから人は変われる挫折するからやり直そうと思う悲観するから楽 に向かおうとする挫折や失敗のない人生に成長 はあるの?人は弱いから何の挫折もなしに変わることはできない挫折して失敗して悲観するから変わろうと思うそれで成長できたとしたら挫折や失敗のない人生よりず...
枯れ葉の秋に震える季節やがて街中が白い呼気に包まれる季節カレンダーは残り数枚虫や草木が冬になったら春までの眠りにつくように鳥たちが南へ南へ渡るようにわたしも眠る虫と共にわたしも羽ばたく南へ南へ時計やカレンダーなど捨てて季節の風の行方だけを頼りに暖かな場所へ眠れる場所へ鳥になり虫になり草木になってただ風の行方を追って愚かな自分のカレンダー残り 数枚の憂鬱など全て 捨てて南へ 南へ春へ 春へ#ネガティ...
この胸に刻まれた傷から垂れた血の一滴悲しみに暮れる大雨のような涙のひと粒それらはみんなこの秋の風に乗って空になり大地に返り花を咲かせる雨になる花びらのひとひらを雨のひと粒を丁寧に 紡いだら涙も 血もことば となって詩 が出来るだからわたしは存分に血を流し存分に涙を零すわたしだけのことば を紡いで詩 ができるわたし は幾つもの詩になってやがて またわたしの元へ返って来る悲しければ 悲しいほど痛ければ...
この秋の気配にわたしは毎年心病む未来が一層暗くなって冬時間になった町のサイレンが心を揺さぶるみんなわたしを置いてあの空へ行ってしまったと思うと無性にあとを追いたくなる死んではいけないその安易な言葉がわたしをより死の渕へ追いやる死んではいけないそんなことわかっているのよわたしもねそう思って耳を塞ぐそうしてわたしはまた足音を立てずにやって来る冬に怯え寒さに堪える#ネガティブのままでいい#シニア女性#現代...
私は世の人々に比べたら大して忙しいほうじゃないむしろ ヒマと言えるだけどうつのままで仕事やら所用やらをこなしていると頭の中でヘタクソなバイオリンの音がギーコギーコと 鳴り響いてその場に 座り込みたくなる未明の冷気とノイズが私を 襲い体の自由を 奪う水が 欲しい咽喉ばかり 渇く愛なんかいらない煙草と水が欲しい愛が欲しい なんて元気な人の 戯言よと つぶやいては自虐ゲームばかり繰り返している教えて欲し...
わたしは今あなたの全身に感謝していますわたしは今あなたの背中の海に感謝していますあなたはわたしを叱ってくれたからあなたはわたしにいつも厳しかったからその厳しさには愛と期待がありましただからわたしはその期待に応えるために頑張ることができました頑張っているわたしをあなたは いつも見守っていてくれましたその 海のような広い 青い眼差しに抱かれていたからわたしは頑張ることができましたわたしが行き先に迷った...
お母さんが 死んでもう20年以上経つのにもしかすると私はまだお母さんを看取ったあの最期の6号室にいるのかも知れないあの6号室でいや もう6号室さえなくなったあの場でもういないお母さんの看病をしているのかも知れないだからこんなにしんどいのかも知れない壮絶 という言葉はこういうときに使うのだと知った余命一ヶ月末期癌の日々この世に地獄を見た余命一ヶ月末期癌の日々お母さんは癌性腹水でカエルのようにパンパンにな...
私の病はもしかすると辛かったことや悲しかったことしか記憶できない病かも知れないあったはず私にだって楽しかったことや嬉しかったこともそう自問して目をつぶって探してみても見つからない今日の秋晴れのように暖かな陽射しとやわらかな風に包まれてたときもあったはずそれが見つからないのは悲しい記憶のほうがナイフで刺されるように深く 刻まれてしまうから楽しい思い出は悲しい思い出の流れ出る血に上書きされてしまうから...
凄まじい悪夢をたっぷりと見ていつものように未明の目覚め眠剤の誘惑と闘いながら今日一日の予定を憂う予定がなければないでまた今日も苦しむ自分を呪う生きる意味を考えるなど無意味だとわかっていても苦しみから逃れたいだけの心は生きる意味の答えを見つけようとする生きる意味の答えはないそれが 答えなのに生きることに意味があってもなくても私たちは生かされるそれが答えなのに秋の長雨に濡れながらまたやって来る永い冬に...
目覚めはむごいと思いながらようよう 起き上がるお湯を沸かさなきゃ疲れた今日は確か燃えるゴミの日流しを洗ってゴミをまとめる疲れた着替えなきゃあのGパンはどこ?疲れたお腹が空いたけど冷蔵庫は空っぽ何を食べる?疲れたそんなルーティンしかない日々を無性にぶち壊したくなる旅に出てみたいただひとりでどこかへ宿も列車も何も決めずに秋の冷気が 棘のように幾つも幾つも背中に 刺さって痛いのに私は このルーティンに逆...
悲しみに 暮れ果てて泣いて 泣いて泣き明かしてぐずぐずに 崩れたいなのに 崩れられないのはひとりだから気がつくと理性の 針金がピキーーン・・・!と脳天から 背中を貫く崩れそうな 自分が どこかに 消え失せ頭痛だけが 残るいつものことか・・・と ため息をつく酸素の不足した 頭が しきりに 生あくびを呼ぶ崩れたい私は 人間キカイじゃないダメな自分に 素直でいたい闇夜の月に 霞がかかっていた#ネガティブ...
ばらばらばらばら不安の種が降って来てあちこちで不安が 芽吹く何の手入れもしないのに不安の芽は 強くって勝手に育ってやがて不安の森になる不安の森に視界を 遮られると真実を見る目が霞む正体のわからぬ不安はより大きな 不安を呼ぶ不安な夜に胸を押さえ不安な朝に耳を塞ぎ真実も現実も見えない鬱蒼とした不安の森急にうすら寒くなった秋の風が私の不安をかき立てる#ネガティブのままでいい#シニア女性#現代詩#詩#自作ポエ...
死にながら 生きています死にながら 生きていると景色が全てモノトーンに見えます青空の青も日に輝く緑も白と黒にしか見えません死にながら 生きています死にながら 生きていると行き交う人が眩しく この目に映ります私にはないオーラを放っていてとても眩しく死にながら 生きています死にながら 生きていると心のあちこちが ほころびてその ほころびからわたし が少しずつ零れ落ちます零れ落ちたわたし はこの秋の夜風...
真っ暗闇の絶望何も見えない聞こえない全てを失って ひとりもがき続けて何年になるだろう絶望の反対語は「希望」?いや 安易な希望なんか持ったところできっと また絶望中の絶望に叩きつけられるだけだからでも絶望の闇にいるからこそ見えるものもある絶望の中でこそ光を掴むことが出来る昼間見えない星たちが夜になると輝いて見えるように絶望という名の天空には数多の星が きらめいているその光を 掴めるか流れ星と一緒に流...
あれこれと考えれば考えるほど心の迷路にはまってく入り口も出口もわからぬ心の迷路私が生きる 答えなど見つけられない心の迷路私は 方向音痴なの出口を聞こうと人を探して見回してはみるけれど人っ子ひとり いやしない迷路の出口は どこですか?答えを 教えて下さいな空を低く飛ぶ鳥たちは答えを さえずり飛び去って行く鳥の言葉はわからない最初から生きる答えなどどこにもありはしないのに考えるだけ無駄なのにそれに気づ...
秋が来るもう秋が来るいわし雲は不安の兆しまた今年も鬱々とした 秋に侵されて心を じわじわ食べられる逃げ場を失って右往左往するしかない私秋になると虫や獣も冬眠の準備を始める冬眠のできない私はいつまでも女々しく夏にすがりついて秋を 拒む寒くなると人が 死ぬ秋のせいで人が 死ぬ私は一体何度 喪服を着ればいいのだろう冬眠のできない 私の毎年の不安の兆し喪服の 秋#ネガティブのままでいい#シニア女性#現代詩#詩...
海が 鳴いている星が 震えている山が 唸っているノイズだらけの街の中にいても皆が眠っているこの静寂の未明には海からの風が渡って来る星のきらめきがこの目に映る山の呼び声が聞こえる汚れた都会の 隅っこが海になる星になる山になる苦しみに喘ぐときは手を当てて 深呼吸をしてここ に渡って来た海や星や山を感じることで何とか とどまるいつか 私自身が海になり星になり山になれる その日までいま ここに何とか とど...
宇宙はこんなに広くってその中で人間なんてけしつぶのようなものそう思えば私の悩みなんて枯れ葉がかさりと音を立てる程度なのにこの心は広い宇宙を見ずに枯れ葉の音に怯えてる広い宇宙を 見渡せば聞こえはしない枯れ葉の音に私は 悲鳴をあげて 頭を抱える宇宙はこんなに 広いのにほんの小さな枯れ葉の音に耳を 澄ましてしまう広い宇宙を見渡してごらん怖いものなど何もないから大きな世界を見てごらん自分の病など些末なこと...
テーブルの上の荒れ果てた様は私の心を 代弁してる飲みかけのままのコーヒーカップ吸殻で溢れた灰皿空になったペットボトル整理しても整理してもすぐにまた 荒れ果てる秋の気配が侵入して来るのを止めるようにピタリ ドアを閉める唇に紅でも引いて秋の浪漫を楽しみたくても秋になると 不安が芽吹く芽吹いた不安は秋と一緒に 膨らんで大きな大きな 不安になる荒れ果てたテーブルの上を整理しなくちゃ整理しなくちゃ芽吹く不安...
あなたを思い出すのはいつも あの日の悲しい別れなのに何年経ってもわたしはあなたを忘れられないもう淀んでしまった瞳に光るこの涙をせめて あなたに届けたい丁寧に箱に詰めてこの沢山の涙をあなたの元に届けたいそしたらあなたも少しはわたしを思い出してくれるでしょう?忘れたいもうあなたを忘れたいのでも季節の雨のように降る 涙はその行き先を失ってまた 新たな涙となって戻って来るからこの胸が痛い忘れられない あな...
解けない 呪縛不自由な 心自由を 取り戻しても今度は また「自由」と言う名の不自由に 苛まれるだけ怖い怖いと私の中の赤子が泣くの私の中の赤子の泣き声は小さくてええん・・ええんと泣くだけだから誰の耳にも届かない私の中の赤子は今にも消え入りそうで弱くて脆くてへその緒に縛られたままだから私はいつまで経っても自立できずにこの呪縛を持て余しているもっと大きく泣きなさい私はここにいるんだともっと大きく叫びなさ...
過去 という街で夢見通りを歩きながら思い出 というダイヤモンドを探しているどこまでもつづくこの夢の夜道で探しているたそがれ横丁に入るときらきらと輝いていたあの頃のわたしがいた光になったあの子がいた優しいばかりのあなたもいた夢や 笑顔というダイヤモンドがそこかしこに輝いていたわたしはそれらをひとつひとつ丁寧に拾ってポケットにしまい込む過去という街でしか生きられなくなった自分はいま への帰り道がわから...
街は うららかな春なのに私の クリアな頭には冬の根雪が 巣食って痛い冬の 根雪は凍ったままでピキピキと音を立て私の思考の 邪魔をする春の 花が街中を 彩って人々を 和ませているのに私の すさんだ心には冬の根雪が 巣食って痛い冬の 根雪は硬いまんまでキリキリと私の 感情を乱す痛い痛い凍った 根雪が刺さって 痛い残酷な西日涙色の景色季節の終わりを追う心春の暖かな 風にも解けることなく頑固に巣食う私の ...
街が 静かに呼吸している花は こっそり一枚一枚その花びらを 開かせる呼吸が乱れて喘ぐ夜はそんな街の 息遣いを感じながら私の呼吸さえ 奪うのかと誰を恨んで良いかもわからず誰も恨めないことを 恨む苦しみに耽るいとまもない日常に脅されると見えない誰かを 恨みたくなる恨みが高じると悲しみになる静寂の 風恨み節の 夜街中が 私の乱れた呼吸を無視するせめて苦しみに耽るいとまが欲しい日常はいつだって情け容赦もな...
私が わたしを手放せたら私はきっと楽になる私が わたしを捨てられないから私はいつも苦しいの私が わたしを消せたなら私はきっとあの空と交わえる私が わたしを消せないから私はいつも悲しいの私が わたしをあきらめたら私はきっと夏の優しい夜風になれる私に わたしはいらないの私は わたしを捨てて行くこの広い世界を心から信頼して花に食べられて草や木に飲み込まれて自然の中に溶け込むために私は わたしを捨てて行く...
私は いつも 悲しんでいるそれが私の日常でもう慣れてしまった私の心はこんな夏の青空よりずっと先の季節にいてしとしと しとしと悲しみの雨に暮れている私にだってちょっと目を凝らせば喜びや楽しみはきっといくらでもあるはずだけど何かある度「自己嫌悪」という言葉を免罪符にして悲しみに逃げている「こんな自分はさいてー」だとか「こんな自分きらい」だとかそれは過剰な自己愛の裏返しわざわざ心を真冬にして震えてるしと...
名前を失くした 私はあなたに 何もしてあげられないあなたと手をつなぐこともあなたと夜明けを過ごすことも二人で グラスを傾けることも何も何も できない私は 血まなこになって自分の名前を探す私の名前は 何なのか私は一体 誰なのか私の名前はずっと昔に置いて来てしまったのか無名 という名前のままでは生きられない無縁仏になることなら一向にかまわないけれど生きている限り昔々に失くした自分の名前を探すしかない#...
幸せを 求めない幸せは求めれば求めるほど逃げてゆくものだから車窓を流れる景色のように病気を 治さない心の病は治そうとすればするほど治らないから自分の首を真綿で絞めるように絶望を しつづける希望を追いかけるよりとことん絶望しきった場所に本当の希望があるから海底から見える陽の光のように全て あきらめるあきらめない 絶対にあきらめないそれは ときには大事だけれど執着すればするほど苦しくなるだけだから沈む...
曇天の空が 低い夏の終わりの陽の光にベールがかかった曇天の空に 思う母の手を追い続けてばかりいた幼い日ひとりにされる不安に支配されていた幼い心それをずっと引きずって不安は慢性化された怖い怖い理由のわからぬ恐怖ほど怖いものはない曇天の空に 苦しむ曇天の 空は太陽を 隠して何層にも 雲を張っているけれどその厚い雲を 突き抜ければいつもそこには 青い空が 広がっているのに突き抜けられない曇天の 空突き抜...
皆 様々なストレスを抱えて生きていると思うだけど生きていること自体がストレスの私は一体 どうすればいいんだろうストレスを感じると私は 幻想に逃げる幻想は生ぬるい部屋にいるみたいに現実の景色に直接触れなくて済むから現実の世界には出来れば見たくない光景も触ると痛い場所もあって私はその痛みに堪えられないらしい現実の自分を 見たくないらしいだって現実の私は引き裂かれてるんだものまるで天と地みたいにそれでも...