不登校や発達障害について25年以上の現役教員の立場からお伝えします。支援級や通級指導教室も担当経験があるため、幅広くお子さんを見てきています。
発達障害の子が入学後に不登校に…療育ではうまくいっていても通常級で難しくなった理由【現役教員の事例】
「療育にはずっと通っていました」 「幼稚園では、それなりに楽しく過ごせていました」 「だから、小学校も通常級で大丈夫だと思っていました」 発達障害や発達特性のある子どもの就学について、保護者からこうした話を聞くことがあります。 もちろん、療育に通っていたことは大きな支えになります。 ただ、ここで一つ知っておいてほしいことがあります。 療育と小学校では、そもそもの仕組みが違います。 療育でうまくいっていたからといって、そのまま通常級で同じように過ごせるとは限りません。 今回は、私が学校現場で見てきた一つの事例を通して、 なぜ療育では大きな問題にならなかったことが、小
原因は?「頑張れ」がつらかった子が不登校になり、中学校で再び通い始めるまで
これは、ずいぶん前に関わった、ある子どものお話です。 「不登校の理由は一つではない」。この子のことを振り返るたびに、そう思います。 友達とのトラブル、家庭の変化、学校との相性。どれか一つに原因を決められたら、話は簡単です。 でもこの子の場合は、いくつものことが重なっていました。 本人の感じ方、学校での小さな出来事、家族の変化、保護者の心配、学級の雰囲気、そして本人の成長。それらが少しずつ、学校との距離を変えていきました。 だからこの記事は、「こうすれば学校に行けるようになる」という方法の記事ではありません。書きたいのは、一人の子の経過です。 何が起きていて、周りの大人や友達
就学相談前に知っておくべき事実、通常級は「子どもが合わせる環境」
就学相談で支援級や支援学校の方がお子さんに合うのではないか」と伝えられたとき。 親御さんから、 「最近は成長してきています」 「家ではできています」 「友達の中に入ったほうが、刺激を受けて成長できると思います」 という話を聞くことがあります。 もちろん、親御さんがお子さんの成長を信じたい気持ちは、とてもよく分かります。 ただ、学校現場で、「合わない環境に通い続けることの大変さ」を見てきた立場からすると、就学前に知っておいてほしいことがあります。 「今できるか」だけではなく、「学校生活を続けられるか」 就学先を考えるとき、 「今はできるようになってきた」 「家では問題なくできてい
不登校でゲームばかり…依存症?やめさせるべき?昼夜逆転した子に親ができること|現役教員が解説
不登校の親御さんの悩みでトップ5くらいに入るのがゲームのこと。 「ゲームばかりで心配」 「依存症ではないか」 「ゲームをしていて昼夜逆転になっている」 ゲームにのめりこむ理由①現実逃避 不登校になると、親御さんからしてみたら何を考えているかわからずにもやもやとすることもあるかもしれません。 だけど、子どもって、親御さんが思っている以上に、すんごく悩んで考えているものです。 「先生やみんなは今頃何しているんだろ」 「勉強している時間だな」 「受験勉強みんなしてるんだろうな」 そう、勉強もその一つ。 気になっているからこそ、学習のことを話すと反発する。 これは、”あるある”です。
学研WILL学園の口コミ・評判を現役教員が調べてみた。不登校の子に合うのはどんなケース?
「学校には行けない。でも、ずっと家にいるのも心配」 不登校のお子さんについて相談を受けていると、そんな言葉を聞くことがあります。 学校に戻ることだけが答えではない。 そう思っていても、 「じゃあ、どこで勉強する?」 「人との関わりはどうする?」 「高校進学は大丈夫?」 と、次々に考えることが出てきます。 そんな中で選択肢のひとつになるのが、学研WILL学園です。 今回は、学研WILL学園の口コミや評判、学費などを調べながら、現役教員として「こういう子には合いやすそう」「ここは入る前に確認したい」と感じたことをまとめます。 「WILL学園って、そもそも何をするところ?
学研の家庭教師はどんな子に向いている?口コミから考える家庭教師の選び方
「家庭教師をつけたら、勉強するようになるのかな?」 不登校や登校しぶりのお子さんを見ていると、そんな相談を受けることがあります。 家ではなかなか勉強しない。 でも、塾に行くのは難しい。 親が教えようとしても、親子だとつい言い合いになってしまう。 そんなときに候補に出てくるのが、家庭教師です。 今回は「学研の家庭教師」の口コミを調べながら、家庭教師を選ぶときに私が大切だと思うことを書いてみます。 家庭教師は「勉強を教えてもらう場所」だけではない 家庭教師というと、 「分からないところを先生に教えてもらう」 というイメージが強いと思います。 もちろん、それも大きな役割
「夏休みが終わる。そろそろ学校が始まるけど、うちの子は大丈夫かな」 そんなふうに、夏休み明けが近づくにつれて不安になっていませんか? そして、いざ学校が始まる朝。 「学校、行きたくない」 子どもからそう言われると、親の頭にはいろんなことが浮かびます。 「今日休んだら、このままずっと行けなくなるんじゃない?」 「1学期は行けていたのに、どうして?」 「無理に行かせたほうがいい?それとも休ませたほうがいい?」 夏休み明けは、子どもにとっても、親にとっても大きな節目です。 でも、25年以上教員として子どもたちを見てきて思うのは、 夏休み明けに「行きたくない」と言ったからと
「今日も行けなかった」と思った朝に、教員が親御さんへ伝えたいこと
朝。 子どもが起きてこない。 「今日はどうする?」 声をかけても、布団から出てこない。 時計を見ると、もう家を出る時間。 「今日も行けないのかな……」 そんな朝を迎えているご家庭もあるのではないでしょうか。 不登校の子どもを支える親御さんと関わっていると、子どものことだけでなく、親御さん自身が自分を責めている姿を目にすることがあります。 「もっと早く気づいてあげればよかった」 「私の育て方が悪かったのかな」 「学校に行かせることができない自分は、親失格なのではないか」 でも、25年以上、学校で子どもたちを見てきた私からすると、どうしても伝えたいことがあります。
【登校しぶり】発達障害の子のサインは家で先に出る⁉現役教員が解説
25年以上、小学校で教員・通級指導教室担当をしている、なり先生です。 今日は、不登校や登校しぶりの相談で、親御さんが一番孤立しやすい場面についてです。 「学校では問題ないですよ」の残酷さ 家では毎晩「学校に行きたくない」と泣く。 宿題のことを言うと荒れる。 下の子にきつくあたる。 心配になって担任に相談すると、返ってくるのはこの言葉です。 「学校では問題ないですよ。ふつうに過ごしています」 親御さんはここで、行き場を失います。学校で問題がないなら、家での荒れは何なのか。私の育て方の問題なのか——。 教員の立場から言うと、これはよくあることです。 25年子どもたちを見てきて
発達障害の子が「勝ち負け」にこだわるときは?現役教員おすすめの遊び「坊主めくり」
「負けると大泣きしてしまう…」 「ゲームになると友達とトラブルになる…」 「一度負けると立ち直るまでに時間がかかる…」 発達障害のある子どもの中には、勝ち負けへのこだわりが非常に強い子がいます。 もちろん、すべての子に当てはまるわけではありません。 しかし学校現場では、 負けるとゲームをやめてしまう 友達を責めてしまう 癇癪につながる 気持ちの切り替えが難しい といった姿を見かけることがあります。 実は、この力は「性格だから仕方ない」で終わらせるものではありません。 遊びの中で少しずつ練習していくことができます。 その中でも、私がよくおすす
思春期の子が朝起きられなくなったら疑うこと|現役教員が起立性調節障害と不登校の関係を解説
思春期になると、 「朝になると起きられない」 「学校に行こうとすると体調が悪くなる」 「昼からは元気なのに学校だけ行けない」 そんな様子が見られることがあります。 保護者としては、 「怠けているのでは?」 「このまま勉強が遅れたらどうしよう」 と不安になるものです。 しかし、その背景には「起立性調節障害」が隠れていることがあります。 現役教員として多くの子どもたちを見てきましたが、起立性調節障害による不登校は決して珍しくありません。 今回は、起立性調節障害と不登校の関係、そして学習支援の大切さについてお話しします。 起立性調節障害はどんな病気? 起立性調節障害
「子どもを傷つけたくない」が落とし穴に。現役教員が伝えたい「脱錯覚」という視点
「うちの子、自分で言えないんです。」 「失敗を怖がって、チャレンジしようとしません。」 「誰かがやってくれるのを待っていることが多くて……。」 保護者の方から、このような相談を受けることがあります。 もちろん、子どもの個性や発達のペースは一人ひとり違います。 ただ、現場で多くの子どもたちと関わる中で、 「もしかすると、幼い頃の大人との関わり方が影響しているのかもしれない」 と感じることがあります。 そこで今回は、精神分析学者ウィニコットの「脱錯覚」という考え方と、薮下遊先生が示した「脱錯覚を阻害する対応」について紹介したいと思います。 脱錯覚がうまくいかないことが不登
【現役教員が伝える】不登校中の勉強、どうする?「勉強させる」より大切なこと
不登校になると、多くの保護者が悩むことがあります。 「勉強はどうしたらいいのだろう?」 学校に行けていない。 授業も受けていない。 このまま学力が下がってしまうのではないか。 そんな不安を抱えるのは当然です。 しかし、現役教員として多くの子どもたちを見てきた中で感じるのは、 勉強しないのではなく、勉強できない状態になっている子がいる ということです。 なぜ勉強したがらないのか 保護者からすると、 「1日10分でもいいからやってほしい」 と思うことがあります。 ですが、子どもの側には別の理由があります。 ①学校を思い出してしまう 不登校の子どもにとって、
思春期の不登校の子からオンラインゲームを取り上げない方がいい理由|現役教員が感じる「居場所」の大切さ
「このままずっとゲームばかりだったらどうしよう…」 不登校や登校しぶりが始まると、多くの保護者の方がまず心配になるのが“ゲーム”です。 昼夜逆転。 部屋にこもる。 会話が減る。 見ている側は、本当に不安になります。 しかも思春期になると、親が何か言えば言うほど、関係がこじれてしまうこともあります。 でも、学校現場で子どもたちを見ていて感じるのは、 「オンラインゲームだけが、その子の居場所になっている」 というケースが、実は少なくないということです。 「ゲームをしている」のではなく、「誰かとつながっている」 大人から見ると、 ゲーム=遊び に見えます。 でも子ども
不登校の子どもが「逃げてばかり」に見えるとき、まず好きなことを増やしてあげてほしい理由
不登校の子どもが 「学校が嫌」 「〇〇が嫌」 と言い続けるとき、多くの親御さんは、 「このまま逃げ続けて大丈夫なのか…」 と不安になります。 でも、少し視点を変えてみてほしいのです。 「嫌なことから逃げる」という行動は、今のその子にとって、自分を守るための正しい反応です。 特に、繊細な子や感覚が過敏な子は、普通の学校生活だけでも相当なエネルギーを使っています。 教室の音。 人との距離感。 集団行動。 空気を読むこと。 周りからは見えなくても、毎日かなり頑張っています。 だから、限界になる前に「逃げる」という選択をした。 私は、それは弱さではなく、その子なりの“賢さ”だと思
「集団生活が苦手なので、集団療育をすすめられました」 保護者の方から、こうした相談を受けることがあります。 もちろん、集団療育が合うお子さんもいます。 ただ、現役教員として感じるのは、“集団が苦手=集団療育が合う”とは限らないということです。特に、 ADHD傾向 自閉傾向 集団生活への苦手さ 行き渋り 不安の強さ などを抱える子の場合、支援の選び方によって、その後の学校生活が大きく変わることがあります。今回は、 発達障害のある子が不登校になる原因 療育選びで気をつけたいこと 小学校で苦しさが強くなる子の特徴 学習面からで
子どもの「お腹が痛い」は不登校のSOS。現役教員が見てきた今必要なこと
こんにちは。25年以上、現役の教員として多くの子どもたちと向き合い、現在は通級指導教室で一人ひとりの「困り感」に寄り添っています。 お子さんが「お腹が痛い」「頭が重い」と訴える。病院へ行っても「異常なし」。 そんな日が続くと、親御さんとしては「甘えではないか」「このまま不登校になるのでは」と、焦りや不安で胸が締め付けられる思いでしょう。 しかし、現場で多くの子を見てきた私からお伝えしたいのは、それは決して「甘え」ではなく、子どもが出せる精一杯のSOSだということです。 なぜ「言葉」ではなく「体調」に現れるのか 特に自閉傾向など自分の気持ちを言葉にするのが苦手な特性を持つお子さん
「学校に行けない」は逃げじゃない。現役教師が教える「環境ミスマッチ」の考え方
不登校の原因がわからない…と悩む親御さんへ 子どもが学校を休み始めたとき、多くの親御さんが「どうしてうちの子だけ」「何かしてあげなきゃ」と焦ります。 そして、どんどん気持ちが暗くなっていく…。 私はこれまで、そうしたご家庭をたくさん見てきました。 20年以上、現場に立ち続けてわかったことがあります。 それは、「学校に行けない」という状態は、その子が弱いわけでも、育て方が悪かったわけでもないということです。 不登校の原因は「環境が合っていない」だけかもしれない 魚は空を飛べないし、鳥は海を泳げない。 ただ、環境が合っていないだけ。 これは不登校の専門家の言葉ですが、現場の教
「学校に行かせなきゃ」と思わなくていい理由を、現役教員が話します
はじめまして。教員歴20年以上、現在は通級指導教室を担当している現役小学校教員の「なり」です。 子どもが学校に行かなくなったとき、多くの保護者が最初に感じるのは「なんとかして学校に行かせなきゃ」という焦りだと思います。 でも、その「なきゃ」が、お子さんよりも先に保護者自身を追い詰めていくことがあります。 このnoteでは、現場の教員として感じてきたことを正直に書いていきます。「学校に行かせること」以外の選択肢について、一緒に考えてみませんか。 なぜ、この発信をしているのか 担任として、不登校や登校しぶりの子どもたちと関わるなかで、ずっと気になっていたことがあります。 それは