流暢な日本語を話すウクライナ人の先生との週1回のマンツーマンレッスンは、順調そのものだった。レッスンを重ねるうちに、僕のロシア語はメキメキと上達した。ある程度の日常会話なら、なんとか形になるようになってきた。キリル文字も、もはや苦労していたころが懐かしいくらいにすらすら読める。半年前に「もう無理かも」と諦めかけていた自分が信じられなかった。そんな僕を見た先生が、二つの提案をしてくれた。一つ目は、ロシア語検定5級の受験だ。「このまま続ければ十分狙えるレベルだよ」と先生は言ってくれた。ロシア語検定は、英検やTOEICのようにロシア語の実力を公式に証明できる資格だ。5級は入門レベルだが、独学に近い形でここまで来た僕にとっては十分に意味のある目標だった。二つ目は、来年度からの正規授業への編入だ。ただし、これには少々複雑な事情があった。僕の学部では、専攻言語以外の授業に出ることが原則NGだったのだ。なぜそういうルールなのかは正直よくわからないが、とにかくそういう決まりで、フランス語専攻の僕がロシア語の授業に出ることは認められていなかった。でも先生は、「自分の授業なら、単位は出せないけど特別に聴講