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  • 茶話188 / も

    あちこちでゲリラ豪雨が発生して被害の出ている地域もある。 と、ここまで書いてキーボード打つ手が止まる。「地域も」の「も」が気になる。 普段、助詞「も」は「彼も僕も彼女が好きだ」というような、同等のものを〈並列〉するときに使用する。だから「AもBも」と「も」を二つペアで並べなければならない。 一行目はの文では、「地域も〇〇も」とすべきではないか? しばらく思案していると、我が相方が病院から帰って来て言う。 「病院に行ったら3万円もかかった」 なるほど、これか! 助詞「も」には〈強調〉の働きもあるのだ。「夢にも思わなかった」も「ぐうの音もでない」も〈強調〉なんだ。 こないだ天気予報を見ていると「大…

  • 茶話187 / 変なかんじ

    町内の百姓仲間の中に、85歳になる大先輩がいる。 「わしは、中学校しか出てないけど、漢字はよう知ってるで」というのを自慢にしている人だ。 先日、農協の農薬講習会に「みんなで参加しませんか」とメールを送ったら、返事が返ってきた。 有難う。先程の講習会案内に就いては 行って見様かと思った物の、嫁に相談した所、「此の間、何れもう直ぐ百姓を止めると言うたんと違うん? 好い加減にしいや!」との事でした。私も、歳の為、腰痛や神経痛等で身体が思う通りに行かず、沢山の病が有るので、嫁の言う通り行か無い方が良いと思う様に成りました。拠って、残念乍ら参加出来ません。申し訳御座いません。彼方で参加して下さい。 漢字…

  • 畑210 / おはよう

    週に一度、子ども見守り隊の活動で交差点に立つ。もう5年目に入った。 天候によっては邪魔くさいなと思う日もあるが、子どもたちの元気な声に励まされる。 「おはよう!」 「おはようございま!す」 たまにムッとしたまま通り過ぎて行く子もいるが、次の週には明るく挨拶してくれる。日々変わらぬ年金生活のオジンとは違って、子どもは、毎日、いろんな経験をしながら、日々成長しているのだ。 家に帰って朝食を摂り、畑に行く。 「おはよう!」 「……」 前回「畑/向日葵」で書いたヒマワリ娘たちは、相変わらず背を向けてつれない素振り。 ヒマワリは花を咲かすと東側に向きを固定するという習性を知って納得していたものの、なんか…

  • 茶話186 / 古希

    186今週のお題「上半期ふりかえり2025」 四月に古希を迎えた。だからといって、殊更に目出度くもない。時間が経てば自動的にやってくるものだから。 「古希」の語源は、中国の詩人杜甫の漢詩の中にある「人生七十古来稀なり」だが、詩の中で、杜甫は目出度いなんて言っていない。 戦(いくさ)で敗戦の責任を負わされた家老を弁護したがために、杜甫は王の怒りをかう。その苛立ちを紛らわすために、毎日、飲み屋に入りびたって酒を飲む。そんな中で出た言葉が「人生七十古来稀なり」 「人生なんて、七十歳まで生きる奴は希なんだから、これからは、好き勝手に生きてやる!」 「人生七十古来稀なり」は、杜甫の自棄になった気持ちを表…

  • 茶話185 / AY

    ブログを引っ越してきて一週間が経った。しかし、部屋の中には引っ越し荷物が積まれたまま。 文章や写真は、そのまま引き継いで配置してくれたので、ブログの引っ越しなんぞは、けっこう簡単なもんだと思っていたが、「タグ付け」までは引き継いでくれない。 ブログを始める前は自分のホームページをもっていた。自分が生まれ育ち、今も住んでいる大阪は南河内の歴史・文化・自然を紹介するHPで、『河内国喜志村覚書帖』と題していた。はてなブログのタイトルを「河内国覚書帖』としたのは、その名残だ。ホームページ代わりだから、ブログの一つの特性である「日記」という性格は薄い。 いつか自分が死んだとき、そのいつかまでの自分が、こ…

  • 畑209 / 向日葵

    春にダイソーで、ミニひまわりの種を買った。種が6個入っていて、6個とも芽が出た。そのうちの4本を、西側にある畑の入口に定植した。朝、畑に行った時、ひまわり娘が、真っ先に元気な挨拶をしてくれるだろうと楽しみにしていた。 ♪誰のために咲いたの それはあなたのためよ 白い夏のひざしをあびて こんなに開いたの♪ (『ひまわり娘』伊藤咲子 作詞:阿久悠 作曲:シュキ・レヴイ) 五月の下旬ごろから大きな蕾が出来て、梅雨に入った頃から咲きだした。 だが、東を向いたまま振り向いてくれない。なんともつれないひまわり娘だ。 ♪恋の夢を求めて まわるひまわりの花 そしていつも見つめてくれるあなた太陽みたい♪ ひまわ…

  • 茶話184 / スマホ

    夕方、畑から帰ってきて、スマホが無いことに気づいた。 どうせ畑に忘れてきたのだろうと畑に行く。畑では、スマホは重いので休憩場所に置いて作業する。 ところが、休憩場所に行ってもスマホはない。少し不安になる。 いつもとは違う場所に置いたのだろうか? 我が相方に電話して、着信音を鳴らしてもらおうと思ってポケットをさぐって、そのスマホを探しに来たのだと気づく。歳をとると万事がこの調子で自己嫌悪に陥る。と同時に、どこかに落としたのではないかと、嫌な予感がしてくる。 頭の中で、今日一日を振り返るが、今日は畑以外どこにも行っていない。ということは、他人の手には渡っていないのだ。だとしたら、8年も前に買った安…

  • 畑208 / トマト

    オカンがよく言っていた。 「トマトは、いじめたらんとあかんで」 不穏当な言いようだが、「肥料や水を遣り過ぎるな」という意味だ。 肥糧と水を遣れば、どんどん大きく成長する。しかし、美味くない。 過保護に育てると、子孫を残すための実に、糖分を蓄えようとしなくなるからだ。過保護に育てると、身体ばかりが大きくなり、自分で何もしなくなる。人間と同じだ。 若い時の苦労は買ってでもせよ。それが将来のためになる。トマトも同じだ。 ★ もちろん、苗を定植してしばらくは、頻繁に水を遣る。しかし、花を着けだした頃からは、水を控える。 トマトの原産地は南米のアンデス高原。標高2000~3000mの山岳地帯で、ほとんど…

  • 畑207 / 青田

    田植えをして二ヶ月ちかく経った。稲の株は「分げつ(茎の根元から新しい茎が出てくること)」して、田んぼ一面が緑におおわれている。この頃の田んぼを「青田」という。 古い日本語には、色を表す言葉は赤と青しかなかった。白と黒という語もあったが明暗を表す言葉だった。七色の虹でいえば、赤・橙色・黄色・紫は「赤」で、緑色・青・藍色は「青」だった。 「青い空に緑の田」は、「青き空なる青田」だった。これで茶色い土も「青」だったら、世の中は一面の青になってしまう。そう思っていたら、青い土が有った。 あをによし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今盛りなり 奈良を表す枕詞の「あおによし」は、「「青丹吉」と書く。この「青…

  • 茶話183 / 引っ越してきました

    ランキング参加中gooからきました 「茶話135/野の花」で書いたネジバナ(モジズリ)が咲きだした。螺旋状にねじれて咲く、珍しい花だ。きれいなピンクの花を下から順に咲かせていくので花期が長い。 右側は野朝顔。あまり大きくならないので、狭い我が家にはちょうどいい。 左側はサツキ。本来なら、もう散っているのだが、まだ咲いている。 春と夏が混在ししている。温暖化の影響で季節が揺らいでいる。花や野菜の旬がずれてきている。 梅雨入りして一週間雨が続いたが、その後は連日の猛暑。 朝の5時半に畑に行って、7時を過ぎると気温は30度近くになっている。これ以上は危険な状態。 早々に帰って涼しいとこでじっとしてい…

  • 畑206 / 至福のグルメ

    雨をはさんで8日間、実質作業6日間かけて600個のニンニクを収穫した。 ニンニクは掘ってお終いではなく、根を切って、皮を剥いて、根の付け根を平らにしなければならない。ハサミやカッターナイフを使うのだが、毎日100個ともなると手が痛くなる。 ニンニクのうま味成分といえばアリシンだが、アリシンには非常に強い殺菌力があり、皮膚の潤いを保つアミノ酸を破壊する。 すると、皮膚の細胞が壊れて、火傷と同じような症状を起こしてしまうのだという。 作業を終えて、家に帰ってオロナイン塗って、風呂に入ってからハンドクリームを塗っての毎日だったが、ようやく、収穫し終えた。 だが、まだまだお終いというわけにはいかない。…

  • 畑205 / 貧乏爺(ジジイ)

    ニンニクの葉がだいぶんと黄色くなってきた。 さて、今日は、のんびりと気楽にニンニクを掘るとするか。 去年、種ニンニクが安い所をネットで見つけたので買った。 一袋(1K)が1100円。 4袋セットだと3200円。 歳をとっても貧乏根性の治らないジジイだから、必然的に4袋セットを買った。 一袋に10個入っているから、一個で10片取れるとして……、一袋で100片の種が取れる。4袋だから、しめて400個で、ちょうどいい数になる。 そう思っていたら、届いてびっくり下谷(したや)の広徳寺で、一袋に15個入っていたつまり、4袋で600個……。 どうしよう? 貧乏根性の抜けないジジイは、600個を植えたのであ…

  • 畑204 / 2025万博

    我が町会の地車(だんじり)が、9・10日に2025大阪・関西万博に出展された。その間、町内の出演者連絡用のライングループに楽しそうな写真が投稿されてくる。 本来なら、新しく買ったカメラで、自分も投稿していたのに……。神経痛で行くことができなくなった。 YouTubeでも、今回の万博で目玉の総木造造りの大屋根リング(外径675m・高さ12m)の中を、賑やかに曳行されていく地車が投稿される。 本来なら、その中に自分がいたのに……。 見るまいとするのだが、自分が、その中にいるような気がして、ついつい見てしまう。神経痛の痛みをかばいながら、ひょっこりひょっこり歩いている自分が居りはしないかと……。ひょ…

  • 茶話182 / おいおい

    我が町会の地車(だんじり)が、富田林を代表して、今日9日からから11日まで万博の「大阪の祭り」に出演する。本当は、今日、それに付いて行って、今頃はその記事を書いている予定だった。しかし、前回書いた「爺の悲劇」に見舞われたので欠席にした。万博会場には、ゆっくりと休憩できる場所が少ないそうだ。痛みはだいぶん楽になったが、まだ軽く咳をするだけで痛みが背中を走る。万博のガイドブックを買ったのに……。背中に神経痛を抱えた人間が行ったのでは、みんなに迷惑をかけるだけだ。新しいカメラを買ったのに……。行ったところで、自分だって苦痛だし面白くない。 若いときだったら、「これくらいの痛みは酒を飲んだらなおるわい…

  • 茶話181 / 爺の悲劇

    玄関先に、鉢に植えたクサフジがきれいな花を咲かせている〈茶話137/藤の花〉。どこにでも見かける雑草だが、クサフジの紫の花と、傍にあるオレンジのメダカと一緒に写真を撮れば、ブログの記事になりそうだ。クサフジの鉢をメダカの水槽の前に持ってきてパチリ! おお、こりゃ、いい写真が撮れたわい! 爺(じじい)が、一人で悦にいっている。 しかし、これが爺の悲劇の始まりだった。 爺の足下に、薩摩芋にカビが生えたのを干しているのが有った。爺はその存在を忘れていたのだ。 爺が立ち上がって右足を一歩進めた所に有った薩摩芋を踏んでしまった。芋はコロコロと前に転げる。その上にある爺の右足も、どんどんと前に進む。しかし…

  • 畑203 / 夏を待つ

    前回書いたごとく、例年より10日ほど早く周囲で田植えが始まった。持ち主が水稲栽培業者に委託している田んぼだ。我が家が貸している隣の田んぼにも水が張られた。これで東西南北四方を水で囲まれたことになる。どこからでも水を汲むことができるので水やりが楽になった。 ナス・トマト・キュウリ・ピーマン・トウガラシ・スイカの夏野菜の苗を定植する。畝の準備はすでに完了しているし、自家消費用で四、五株ずつだから、たいして時間をとらない。 ♪夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る♪ 日向の作業で少し汗ばむ。若葉は茂っているが、季節はすでに夏! 人参の間引き菜と食べられそうな豌豆を少し持って帰る。今日の昼食はかき…

  • 畑202 / 八十八夜の別れ霜

    この時期、週にニ、三回、総会屋やら会議やら行事やらがあって、畑仕事もままならない。それでも、夕方には畑へ行く。 作業をしにいくのではなく、日に日にあふれていく緑を見に行くのだ。 見に行くといっても、なんらかの意思がはたらいているのではなく、なんとなく出かけて、なんとなく眺めて、ぼぉーっとしているだけ。 殊にこの季節の緑は気持ちが安らぐ。 黄緑、萌黄、ライムグリーン。 夏の濃い緑とは違って明るい緑。 調和・平和・自然・安息・新鮮・健康・生命力……。 心も体もポジティブにしてくれる。 まだ四月だというのに、周りで田植えが始まった。例年より十日ほど早い。 八月の下旬に稲刈りをして、刈り取った株から出…

  • 茶話180 / お引越し

    今までに三回、引っ越しをしている。 一回目は24歳の時で、兄が結婚するというので実家を離れた。駅前にあるアパートで、憧れの独り暮らしが出来るというので嬉しかった。 ところが、二年ほどして父が亡くなり、母屋には祖母と母の女二人なので、不用心だから実家に戻ることになった。独り暮らしを謳歌していたのに……ちょっと寂しい二回目の引っ越しだった。 三回目は今住んでいる家に引っ越した。まだ結婚していなかったので、再びの独り暮らしで嬉しかった。 医療費の負担が3割から2割になる歳になって、次に引っ越すのはあの世に逝くときだと思っていたら、ひょんなことから引っ越しをするはめになった。と言っても家を引っ越すので…

  • 茶話179 / 時間

    ちょっとした探し物があって、あちこちをひっくり返しているうちに、滅多に開けなくなっていた我が机の引き出しから、現役時代に使っていたストップウォッチを見つけた。 仕事を辞めたのは8年前の4月……、その前に買った物だから、まさか動いてはいまい。 そう思っていたら、どっこい生きていた。 さすがに15分遅れていたが、それで、逆に、見つけたストップウォッチが愛おしくなる。 暗い机の引き出しの中で、8年間も独りで静かに動いていたのだ。 今の自分は、8年前の自分から何分遅れて生きているのだろうか……? 今は、時間に追われる生活ではないから、何分遅れていようと別段支障はない。当然、時計なんぞは必要ない。 だが…

  • 畑201 / Welcome

    桜が咲いた。 じゃが芋の芽も出そろった。 Spring has comeである。 大地の底で目覚まし時計が鳴ったかのように、草木が一斉に眠りから覚める。映像を早送りしたかのように、草木は日に日に緑を増していく。 ようこそ春よWelcome。 命の息吹く春がきた。 この三日間、歩いた動いた働いた。 表彰台の上で金メダルを歯で噛みたいほどに働いた。三月に芽出ししたトマトにナスにブロッコリー、レタスにピーマンを大きなポットに植え替えた。スイカにキュウリ、カボチャにマッカ。ダイコン、ニンジン、インゲン、ゴーヤ。 夏野菜の種も蒔いた。 芽が出て育った夏野菜の苗を植える畝も立てた。 さあさ、いつでもWel…

  • 畑200 / 種まき

    昨日3日は、一粒の種が万倍に育つという「一粒万倍日」。加えて、黄金色の毛が金運をもたすという「寅の日」。もう一つおまけに、太陽が隅々まで明るく照らしてくれて、すべての物事がうまくいくという「大明日」。こんな大吉日に、じっとしていては運を逃す。朝の早から畑へ行って、蒔いた蒔いた蒔きました。スイカにキュウリ、カボチャにマッカ。ダイコン、ニンジン、インゲン、ゴーヤ。縁起担いで、ソーリャソラソラお祭りだ! 数日前に70歳をむかえた。「人生七十古来稀なり」。中国は盛唐期の詩人、杜甫の漢詩「曲江」の中の一句が「古希」の出典となった。 朝(ちょう)より回(かへ)りて日日(ひび)春衣(しゅんい)を典(てん)し…

  • 旅21 / 老いの小文 六の④

    ※①~③のつづきです。旅17から読んでください。 備前の旅も四日目、大阪に帰る日だ。 昼前に出ようと友人が言うので、それまで周匝の町をぶらぶらしてくるとウォーキングに出た。 山沿いに町まで向かう。途中、道の真ん中に大きな樹がある。石碑があって、髭が生えたような文字から「南無妙法蓮華経」だと読み取れる。なにを祀っているのだろう? 近くで80歳くらいのお爺さんが竹ほうきで落ち葉を掃除している。尋ねてみようと「おはようございます」と声をかける。 「でぇれぇ、さみーに、どけーいなれる?」 なんとなく解ったので、「町まで散歩です」と応える。 「ほーけ。わちゃー、歳とって、なーんもできん厄っけー者じゃーと…

  • 旅20 / 老いの小文 六の③

    ※①~②のつづきです。旅17から読んでください。 岡山県は、瀬戸内海と中国山地に囲まれ、温暖で晴れの日が多いことから「晴れの国」をキャッチフレーズにしている。 なのだが、過去5度来たうちの半分以上が、晴れるはずなのに雨だった。だから、「晴れの国」ではなく「ハズの国」だと愚痴っていた。 そこで、昨年の秋の旅からは天気予報に合わせて日程を組むことにした。今回も同様に日程を組んだので、見事な晴れの国の三日目となった。 午前中は、昨日立てた畝に、私が持って来た里芋と菊芋を植えた。秋に来た時の楽しみにするためである。 農作業を早々に切り上げて早い昼食をとる。スーパーで買った100円ラーメン。オジン二人の…

  • 旅19 / 老いの小文 六の②

    ※①のつづきです。旅17から読んでください。 川岸に植えられているソメイヨシノはまだ蕾だが、家々の庭に植えられている他の品種は花を付けている。そんな桜を車窓から追いながら、和気から吉井川沿いを走り、4時頃に備前の国の友人宅に着く。 荷物を下ろして庭に出る。半年ぶりに見る懐かしい山々。 山際の冬木立が老人のハゲた頭の産毛のようで、山の端と空の境が定かではない。山桜が咲いているのだろうが、冬木と同化してよくわからない。 少し歩くとサクランボの花が満開。これも桜に違いないと写真を撮る。 ひゅーっと風が吹いて、ぶるっと震えたので家に戻る。 我が嫁はんへの「到着こメール」に、さっきのサクランボの写真を添…

  • 旅18 / 老いの小文 六の①

    今年こそ満開の桜を観に来いよと、備前の国に家を持つ友人が誘ってくれた。 予報では26日が開花で、満開は四月の上旬。だが、四月は何かと所用があり日程が合わない。ならば、満開の桜は諦めて、せめて天気の良い日にと思い、三月の下旬に備前の旅に出ることになった。 弥生も末の七日。昼前に、友人が堺の実家から車で迎えに来てくれた。備前の土産にと用意していたキャベツやレタスの苗を積み、いつも通り西国街道(山陽路)をひた走る。 途中、明石の宿で弁当を買おうとするも、昼遅く、お握り二個と沢庵の入った弁当しかない。まあ、播磨の国の美味しい米を食すのも悪くはあるまいと購入する。 ベンチに座って弁当に張られたシールを見…

  • 畑199 / 畑の法則

    孫が遊びに来て「今年もイチゴをいっぱい食べさせてね」と言う。 ……。 去年の春のカラスに落花生の苗200株を全部引き抜かれた事件で、イチゴの苗を採るのを忘れてしまった。夏に思い出して、あちこちに生えているのをかき集めて20株ほど苗床に植えておいた。ところが、秋に定植しなければならないのに、アライグマに落花生を食べられた騒動で忘れてしまったのだ。 さて、どうしよう……、自分のせいではなくカラスとアライグマのせいだからと責任転嫁して、特にやらなくてもいいだろうと勝手に理由をつくり、どうにでもなれと居直って、結局、放ったらかしにしてしまった。随分と長く考えたあげくだったのに……。 「今年もイチゴをい…

  • 畑198 / エメットの法則

    暖かくなったので、朝の7時に畑へ。 さて、なにしよう? やるべきことが無いのではなくて、やるべきことがたくさん有りすぎる。 そりゃそうだ。3月になっても寒かったし、たまに暖かい日があっても、健気に咲く花を眺めているだけだったんだから……。さーてと……畑を見回す。 そして、最も後回しにしてしまうであろう作業をすることにしている。 仕事を後回しにしてしまうと、忘れてしまうかもしれないし、仕事に追われてしまうかもしれない。結果として労力が倍になってしまう可能性がある。 経営コンサルタントのリタ・エメットという人が著書で提唱したので、「エメットの法則」という。 法則なんぞと大げさに言わなくったって、そ…

  • 畑197 / 根本

    畑の片隅にある趣味のコーナ。 盆栽でもやってみるかと、挿し木から育てた、さつき、くちなし、それと木瓜。普段は放ったらかしにしているが、花が咲くころに存在に気づく。 木瓜の蕾が膨らみだした。「ぼけ」とはまた不幸な名を与えられたもんだ。そのうえ、半分ボケた老人に育てられていたのでは、たまったもんではなかろう。しかし、その花は肉厚で光沢があり、美しい。蕾は、頬を紅く染めた少女のようiに可愛いい。 中国名の「木瓜」を音読みして「ボクカ」、それが訛って「ボケ」となった。「木の瓜」と書くように、瓜のような実をつける。盆栽用の木瓜は実のならない品種だから、とんと実を見たことない。 カリンに似た実がつくらしい…

  • 畑196 / 健気

    今日(21日)は全国的に暖かく、大阪も17℃の暖かさ。 だが、朝一で百姓仲間からlineメール、「やられた! 白菜400株! 全滅!」 犯人はヒヨドリ。数百匹の集団で舞い降りて来て芯を喰ってしまうので商品にはならない。カラスに次ぐ害鳥だ。我が畑でも、キャベツをボコボコにやられたことがある。 なんとも切ないが、朝の7時半から子ども見守り隊があるので、いつもの交差点へ。 「おはよう!」 「おはようございます!」 不安げだった1年生も、元気に挨拶できるようになった。 家に帰って朝食をとって畑へ。 ビニールハウスの中で冬越させていたホテイアオイが、なんとか緑を保って冬を越してくれ。随分小さいが、冬の間…

  • 畑195 / 百姓はつらいよ

    露地植えのエンドウが、ようやく伸びだした。とはいえ、まだまだ30㎝くらいしかない。 ビニールハウスの中で栽培しているエンドウは、すでに実が付きだした。二月から花が咲いたのだが、寒さのせいか、花が終わって実になりかけの頃にポロポロと落ちてしまう。三月になって、ようやく実が大きくなり出した。 1・2・3・4・5……莢の数を数えて……50で辛んどくなってやめた。実エンドウは、実が大きくなって、莢(さや)に少ししわができるまで、開花から30日ほどかかる。今の様子だと、あと二週間もすれば収穫できるだろう。 露地植えだと五月の連休頃が収穫期だから、一ヶ月早く春が味わえる。それに、去年はカラスにほとんど食べ…

  • 畑194 / 彼岸

    彼岸に入ったというのに昨日は雪。ご先祖様も、さぞかし驚いておられるにちがいない。 夜を寒み 朝戸を開き出で見れば 庭もはだらに み雪降りたり (万葉集:作者未詳) 「彼岸過ぎても七はだれ」という諺(ことわざ)がある。 「はだれ」は「はだれ雪(まばだに、薄く積もった雪)」のこと。彼岸が過ぎても七回は、はだれ雪が降る。北海道や東北の春の遅い地方の諺だろう。 うってかわって今日は雲一つとてない彼岸の中日。 暑さ寒さも彼岸まで。春の早い地方では、こっちの諺がぴったりだ。 ビニールハウスの中の椅子を外に出して、のんびりと日向ぼっこ。この世かあの世か、此岸(しがん)か彼岸か分からない、ぼーっと時を過ごせる…

  • 茶話178 / まいどおおきに!

    記事の数が500になった。 一月の下旬で、ブログ開設からちょうど三年。それまでに達成したかったが、冬場にさぼりすぎてできなかった。冬場はたいした働きをしていないから、頭も働かない。書こうとするのだが、先に進まない。書きかけのものが十ほどある。 いつかどこかで、ブログの記事は味噌汁のようなものだと書いた。書きかけのネタ(味噌)を蔵で寝かせておいたら、いつか豆腐や油揚げのネタと結びついて味噌汁(記事)ができる。 しかし、今回のは、冬の話題ばかりだから、春が来ればお蔵入りになる。いくらなんでも一年も寝かせるとカビが生える。 四つのカテゴリーで記事を書いている。 「よもやま話(茶話)」は、様々なテーマ…

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