元教育委員会指導主事の名無しマッチです。教育の裏側、使える情報を発信中!公式サイトはshirutera.comです。名無しマッチで検索すると各種コンテンツに行けます。SNS・ブログ・公式サイト等多数メディア展開中。
『トリガー』第7話の裏側から考える、生成AIとの距離感 「作文」ではなく「対話」を選んだひより 『トリガー』第7話では、ひよりが“ママ”と名付けたAIとの対話を始める場面が描かれています。 それは、作文という「自分を外に表現する行為」から、AIとの「閉じたやりとり」への移行のようにも見えます。 ここで、こう感じた人もいるのではないでしょうか。 「これって、依存の始まりじゃないの?」 じつは、この感覚はまったくの誤解ではありません。 現在、「AI依存症」という言葉が少しずつ現実味を帯びてきています。 AIとの対話は、人を癒やすこともできます。 でも、使い方を間違えれば、
黙っていられないと思った日──「記録者」の物語と、TikTok4000回の夜
「4000再生」なんて、バズとは言えないかもしれない。 でも、その数字が自分にとって意味を持ったのは、ちょうど『トリガー』第6話の更新を準備していた時期だった。 現場の声を拾う者として、黙っていられなくなった遼。 彼がnoteに投稿した校内実態の記録は、きっとほとんど誰にも読まれない。 それでも「記録しなければならない」と思った、その気持ち。 TikTokで再生された動画と、遼の言葉が重なって、自分の中で何かがつながった。 今回はその話をしたい。 声なき圧力を“物語”にするということ 第6話を書いていたとき、自分の中にずっと引っかかっていたテーマがある。 それは、「記録されない
学校に“降ってくる仕事”は、すべてやらなきゃいけないのか?【トリガー5話裏話】
小説本編を読んでない方はこちらへどうぞ。 小説を読んでからの方が理解が深まると思います。 学校には、“降ってくる仕事”がある 「今年は“情報モラル教育”でリーフレット配ります」 「次は“キャリアパスポート”で子どもたちの将来設計を──」 「ついでに“読書感想画”も全校で出しましょう」 年度初めの職員室で、何度も耳にしたこうした言葉たち。 どれも子どもにとって意味のある取り組み…のはずなのに、心のどこかでこうつぶやいてしまう。 ──これ、ほんとに“全員で”やらないとダメ? 学校には、上から“降ってくる”ように与えられる仕事がある。 道徳教育、AI活用、キャリア教育、性教育、非
「X(旧Twitter)の予約投稿を無料で自動化したい人」へ──GAS×スプレッドシートの超実践解説
あなたは今、X(旧Twitter)の投稿をこんなふうに管理していませんか? 朝起きて「今日のポスト、何にしよう…」と悩む 複数アカウントを手動で切り替えて投稿している SocialDogやBufferなどの投稿ツールを使ってるけど、課金が地味にキツい bot運用を始めたいけど、プログラミングはできない 実はこの問題、Googleの無料ツールだけで、全部解決できます。 僕は初実装の時に半日かかりましたが、今回の記事の通りに実行すれば30分でできます。 一応、下には技術的な説明などもしますが、説明の通りにクリックするだけで自動運用ができるようになります。 興
「確認します」の正体──教育行政が“答えない”本当の理由とは?【トリガー4話に込めたねらい】
「確認します」という言葉に、救われた経験はあるだろうか。 ──おそらく、ない。 むしろ、真剣に訴えた声に対し、それだけが返ってきたときの徒労感を、僕たちは何度も味わってきた。 学校も、教育委員会も、保護者も、みんな「誠意ある対応をします」と言う。 だがその言葉は、じつは“答えないためのマジックワード”なのではないか。 このnoteでは、「確認します」の裏にある教育行政の構造と、 それが子どもや教員にどんな形で降りかかっているのかを掘り下げる。 最後には、それを物語に落とし込んだ小説『トリガー』の一場面も紹介したい。 🐍補足 “調査中”は“スルー中”のオブラート。 本気で守る気
保健室登校を選ぶ子は弱くない──安心と学びを両立する支援の形【トリガー3話に込めたねらい】
「え、保健室?それってサボりじゃないの?」 「行けるなら教室行けよ。学校なんだからさ」 僕が現場で出会ってきた中には、こうした“ズル扱い”の空気にさらされている子どもが、たしかに存在していた。 でも、ほんとうに「ズル」なんだろうか? 「学校には来ている」けれど──見えにくい保健室登校という存在 「不登校」と聞くと、まったく学校に来ていない子をイメージする人が多い。 でも実際には、「保健室登校」や「別室登校」といった“グラデーション”の中で、子どもたちはそれぞれの形で学校と関わっている。 文部科学省の調査によれば、いわゆる“登校しぶり”や部分登校を含めると、その数は統計上の「
AIで書かれた作文は、見抜けるのか?【「トリガー」第2話の裏側】
「それ、AIで書いたんじゃないの?」 この言葉、誰かに向けて言ったことはありますか? あるいは、子どもが書いた作文を見て、 「本当に自分で書いたの?」と疑ったことは? AIが当たり前になった時代、 作文の“中身”だけを見ていては、本質を見失ってしまうかもしれません。 ズルを見抜くよりも大事なこと。 それは、“使い方”を見届ける大人の目。 AIと子どもの作文──その境界線を、 現場経験と教育の視点から、4章にわたって深掘りしました。 第1章:作文が“疑われる時代”に入った 「これ、AIで書いたんじゃないの?」 そんな疑いの目が、いま全国の学校にじわじわと広がってきています。
「AIで作文書くのはズルですか?」──ひよりの物語に込めた本音
「AIで作文を書くのって、ズルですか?」 誰もが一度は考える問いかもしれません。 最近では、小中学校でも生成AIの話題が増えました。 でも実際の現場では、まだまだ戸惑いが多い。 「AIで作ったら自分で考えてない」 「努力しないで成果を得るなんてズルだ」── そんな声が、子どもたちの“表現する意欲”を押しつぶしてしまうこともあります。 実は僕自身、そうした「ズルかどうか」の価値観と何度も向き合ってきました。 教育現場で、そして保護者として。 そんな中で、ある物語を書きました。 タイトルは『トリガー』。 小学5年生の女の子が、AIと一緒に作文を書いた── それだけの理由で、全校発表の
“チョコで集中力UP?”──テスト期間にお菓子が増える我が家の心理的ワケ
テスト期間中、なぜか家にお菓子が増える。 しかも、本人だけでなく、ついこちらも「がんばってるから…」と買ってしまう。 わが家のリビングは、ちょっとした“駄菓子コーナー”のようになっていました。 でも、これって本当に「甘やかし」なのでしょうか? 教育現場で20年、保護者としても子育てをしてきた経験と、心理学・脳科学の視点から、ちょっと真面目に考えてみたくなりました。 📝 この記事で得られること テスト勉強と“糖分”の関係がわかる お菓子がやる気を引き出す理由が理解できる 甘やかしと支援の違いが言語化できる 👤 こんな人に読んでほしい テスト中、子ども
【note読みあい企画】集中できないのは“努力不足”じゃない──「注意機能」から考える子ども支援|チェリオ@当事者パパOTさんnote紹介
こんにちは、名無しマッチです。 今回ご紹介するのは、療育特化の作業療法士として現場経験を持ちながら、ADHD+ASDの当事者でもあるチェリオ(@当事者パパOT)さんのnoteです。 📌 学びのポイント 「集中できないのはやる気のせい」と思ってしまいがちな子どもの行動。 でも、この記事を読むとその見方が大きく変わります。 たとえば—— ✔ すぐ飽きるのは「注意の維持」の困難 ✔ 指示を聞き逃すのは「注意の選択」がうまく働かないから ✔ 活動の切り替えが苦手なのは「注意の転換」が難しいから こうした注意の4段階を丁寧に解説しながら、「観察すべき行動のサイン」や「家庭でできる具体的
「反抗期って本当に必要?」──子どもを“洗脳”するほど愛される親になる方法
「反抗期がないのは、親子関係がちゃんと築けていない証拠ですよ」 そんな言葉を、どこかで聞いたことがある人もいるかもしれない。 でも、僕はこう思う。 本当にそうだろうか? 僕には、むすことむすめがいる。 どちらも思春期まっただなかだけど、家で暴言を吐いたり、親に対して強い反抗心をぶつけてきたり、そんなことはほとんどない。もちろん、人間だから気分のムラはあるし、疲れていればぶっきらぼうな返事になることもある。それでも僕たち親に対して基本的には信頼と敬意をもって接してくれている。それは偶然じゃない。戦略的な子育ての結果だと思っている。 ■ 教育は「宗教」である 教員時代、僕がよく言
子育てしながらAI自動化に挑む──LINEカスタマーBot開発記から学んだ「仕組み化」の可能性
※本記事についてのお知らせとお詫び 以前公開した紹介文において、技術構成に事実と異なる記述が含まれておりました。とくに「GAS」「Perplexity」等の使用に関する誤解を招く表現があり、該当箇所を削除・修正した上で、改めて執筆しております。 ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げるとともに、ノブキさんへの敬意は変わらず持ち続けていることを、ここに明記いたします。 最近、「子育てをしながら、自分のペースで新しいことに挑戦している人」のnoteに出会うことが増えてきました。そんな中で目に留まったのが、ノブキ(@noble_hare5414)さんのnoteでした。 タイトルは
「てきとう」なのに、音楽になってる。──0歳児の音から生まれた、たったひとつのコンチェルト
「0歳の演奏に、オーケストラをつけてみた。」 その一文だけで、目が止まった。 え、演奏?しかも0歳? 冗談のようなタイトルだけど、記事を読んだらわかる。 これはただの「ネタ」じゃない。 音楽そのものへのまなざしが、芯から詰まっていた。 音を「音楽」にしたのは、誰? 主役は、生後7ヶ月の娘さん。 sumimi_musicさんが膝の上に乗せてエレクトーンを触らせたところ、なかなか“いい音”を鳴らしてくれた。 そこで録画・録音し、その音を耳で拾い、楽譜に起こして、 オーケストラを重ねて、映像を編集して── 最終的には1本の演奏動画になった。 でも、このプロセスの一番すごいところ
偏差値73まで伸びた理由──我が子と実践した“学力が確実に上がる3つの方法”(後編)
第4章:試してみたけど…うまくいかなかった7つの工夫 僕たちが実践した中には、効果が出なかった方法もたくさんありました。 どれも「良さそう」と思って始めたものですが、むすこには合わなかったり、続かなかったりして、途中でやめたものばかり。 でもそれらの試行錯誤があったからこそ、今の“効果があった3つ”にたどり着けたと思っています。 ここでは、そんな「うまくいかなかった7つの方法」と、そこから学んだことをご紹介します。 ❶ 毎日同じ時間・同じ場所で学習(習慣化の王道) よく「習慣は時間と場所から」と言われます。 もちろん正しい。でも、むすこには逆効果でした。 「毎日19時
試行錯誤こそ資産──Shirutera旧サイトをアーカイブにしました
このたび、旧Shiruteraのウェブサイトを「アーカイブ」という形で公開しました。 一見すると古くさく、整理されていないようにも見えるかもしれません。 でも、そこには今の形につながるたくさんの“試行錯誤”が詰まっています。 なぜアーカイブを公開したのか? 新しいデザインや構成でShiruteraを作り直す中で、 旧サイトとのリンクやコンテンツの整合性が取れなくなってきました。 最初は「いっそ消してしまおうか」とも考えました。 けれど、ふと気づいたんです。 そこには、自分が“考えながら発信をはじめた軌跡”が詰まっていることに。 完成された発信ではなく、未整理のままでも言葉を
偏差値73まで伸びた理由──我が子と実践した“学力が確実に上がる3つの方法”(前編)
「学力は塾への課金額に比例する」 これは現在、とある小学校の校長を現在務めている元同僚の声です。 ご自身のお子さんが中学生のときに、塾代がかかって仕方がないと嘆いておられました。 しかし、これは間違いです。 我が家のむすこは塾なしで偏差値を20以上上げました。 偏差値50→73──むすこが“学力を爆上げした”仕組みとは? 「中3の春、ベネッセ全国学力推移調査で偏差値73でした」 こう言うと、よく「塾でどんなことしてたんですか?」と聞かれます。 でも、僕たちが強く伝えたいのはそこではありません。 実はこのむすこ、中1の最初のベネッセ模試では偏差値50だったんです。 スタートラ
【note読みあい企画】「あの日」の涙が、誰かの希望になる。──うみさん(@umi_current)note紹介
仕事と育児の両立。 言葉にすればシンプルだけど、現実には全然シンプルじゃない。 朝のバタバタ、職場の空気、子どもの発熱。 どこかで何かを犠牲にしなきゃいけないような日々が、ずっと続いていく。 うみさんのnoteは、そんな「働くママのリアル」が、まっすぐに、でも優しい言葉で綴られた1本です。 タイトルは『一番最悪な日が、一番幸せな日に変わったあの日。』 職場復帰直後に子どもの発熱が続き、連日の看病で何日も会社を休むことになったうみさん。 「大丈夫」と言われても、その裏にある“冷たい空気”を感じてしまう。 出勤しても、パワハラのような叱責、理不尽な態度、そして誰にも言えない涙。
あなたのnote、もっと届いてほしいから──note読みあい企画、始めました📘
「せっかく書いたのに、読まれない…」 そんな悩み、ありませんか? 僕も、教育・子育て・暮らし系の記事をnoteで書いています。 でも、どんなに時間をかけても、フォロワーが少ないと届きにくい。 アルゴリズムや拡散力の壁に、何度もぶつかりました。 そこで始めたのが、note読みあい企画です。 📘 note読みあい企画って? 教育/子育て/暮らしジャンルの発信者どうしで お互いのnoteを読み合い、紹介し合う企画です。 強制なし。ペース自由。紹介のしかたも自由。 でも、ちゃんと読まれて、ちゃんと届く。 小さなつながりが、少しずつ輪になって広がっていきます。
【相互リンク企画】金賞を目指すか、楽しさを大切にするか──部活動の目標をどう決める?
今回は、X(旧Twitter)を通じてご縁があったしんや先生と、note相互リンク企画をさせていただきました。 教育・指導の現場に関わる者同士、お互いのnoteを読み合い、その魅力を紹介し合う試みです。 ぜひ、この機会に「自分と違う視点」にふれていただけたら嬉しいです。 僕が今回ご紹介するのは、こちらの記事です👇 🎼 吹奏楽部の目標、金賞か楽しさか──その先にある本当の宝物 💡 記事紹介 しんや先生は、元・中学校音楽科教員としてのご経験をもとに、部活動指導にまつわる“本質的な問い”を投げかけてくれています。 「金賞を取るべきか?楽しさを重視すべきか?」 ──この“よくあ
「うちの子、塾いる?」に答える3条件──“環境”で決める学習スタイルの選び方
「先生、うちの子、塾に行かせた方がいいですか?」 これは、僕が担任をしていたころ、よく保護者の方から聞かれていた質問です。特に、小学校4年生くらいから、この相談がぐっと増えてきたことを今でも覚えています。 テストの点数が気になったり、まわりの子が塾に通いはじめたり。そんなタイミングで、「うちも行かせた方がいいのかな…」と迷う気持ちは、とてもよくわかります。 でも、僕がいつもお伝えしていたのは── 「何年生だから」や「テストが〇点だったから」といった“数字”だけで判断するのではなく、その子の“今の学習環境”を見て考えてみませんか?ということでした。 塾に行くかどうかは、その子の“や
「平日は3時間の勉強。土日は5時間の勉強をお願いします。」 息子の通う学校ではこう言われています。 しかし、現実は違いました。 中学受験が終わった直後のむすこは、完全に燃え尽きた様子でした。 学校から帰ってきてもゲーム、週末は毎日のように遊びに出かけ、勉強らしい勉強はゼロ。 それでも「まあ今は好きにさせておこう」と、親としては一歩引いて見守っていたんです。 ところが—— 最初の中間テストで、成績が大きく崩れました。 目標にしていた「学年25位」に遠く及ばない、まさかの50位。 その日、僕たちはむすこを厳しく叱り、むすこは泣きました。 ただ、ここから先の話は、努力根性の美談ではあ
コミュ力、偏差値73──むすめの“人に愛される力”と我が家の工夫
「うちの子、ほんとに友達100人できちゃうんです」 それは、誇張でもなんでもありません。 中学校に入学して、まだ1週間。 むすめはもう他のクラスの子まで名前を覚えていて、 推し活を通じてできた友達と、連絡先を交換しながら放課後に盛り上がっています。 人との関係を築く力がずば抜けている── 私はそんなむすめの姿を見て、これはこれで“偏差値73”くらいあるんじゃないか?と感じました。 ■ 幼稚園のころから“つながりの天才” この才能は、実は幼いころから現れていました。 スイミングスクールに通っていたときのこと。 水の中で、たまたま目が合っただけの子に、 にこっと笑い、プールから
うまくいかないのは、むすめのせいじゃない──我が家の工夫と向き合い方――必要な支援を必要なところへ
うちのむすめは、とても優しい子です。 小学校の時の担任の先生からの評価は”クラスのリーダー”で、いい子ちゃん。 先生の言うことをよく聞いて、「すばらしいお子さんですね」といわれます。 人の気持ちによく気づくし、雰囲気を壊すようなことは決して言いません。 でも―― 今日がどんな日なのか、あまり気にしていません。 朝起きても、「今日は何があるのか」と考えることは、ほとんどありません。 たとえ昨日の夜に予定を伝えていても、朝にはすっかり忘れている。 怒っているわけでも、サボっているわけでもないんです。 ただ、本当に“そういうタイプ”なのです。 今回は学校では「いい子」でも、家庭だけで気
国語が69点でも、偏差値73になれる?──「得意ひとつで世界が変わる」話
全国模試で「偏差値73」という数字。 その響きだけを聞くと、特別な子・特別な家庭の話に思えますよね。 でも今回、それを出したのは、我が家の中学1年生。 特別な塾も、無理な勉強もしていません。 実は、国語の偏差値は「60.6」。 決して全教科が完璧なわけではなく、「数学」が飛び抜けていただけなんです。 今回はこの結果を通じて、「得意を伸ばす」という学び方について、 少し深掘りしてみたいと思います。 第1章:偏差値73という数字の“内訳” 先日、むすこが学校から全国模試の結果を持ち帰ってきました。 その結果を見て、まず僕が思ったのは「え、ほんとに?」という驚きでした。 トータ
偏差値73はこうして生まれた──“学びを楽しむ力”を家庭で育てる方法
「勉強しなさい」と言わなくても、学力は伸びるのか? ──答えは、YESでした。 最新の全国模試で、むすこは偏差値73を記録。 中学受験から始まり、現在は中学2年。 家庭での学び方、日々の会話、思考との向き合い方。 その積み重ねが、確かな結果となって現れてきました。 この記事では、「勉強しなさい」と言わない家庭が、 どのようにして“学びを楽しむ力”を育てたのかを振り返ります。 再現性があるかどうか。 すべての子に合うかどうか。 ──それは、読み手であるあなたに委ねます。 けれど少なくとも、むすこには届いていた。 そしていま、着実に「学ぶ力」が育っています。 ■ 第1章:学びは“
「なんで、同じ家で育ったのに、こんなに違うんだろう?」 むすことむすめ、それぞれの中学受験を見守る中で、僕が何度も感じたことです。 むすこは、理屈で納得するタイプ。 学習スケジュールも自分で組み、静かに淡々とこなしていく。 やるべきことを早めに終わらせ、残った時間で趣味に没頭する。 そんな姿に、僕も思わず「手応え」を感じていました。 一方、妹はマイペースで、感覚で動くタイプ。 好きなことには熱中するけれど、計画を立てて行動するのは苦手。 リビング横の和室には、むすめが集めたとんでもない量の文房具が溢れていて、 見るたびに「これは果たして、受験勉強なのか?」と戸惑う日々でした。
「勉強しなさい」と言わない家の習慣──兄から妹へ、学び方のバトン
「勉強しなさい」と言ったことが、実は一度もないんです。 でも中学生のむすこは、ある日こんなことを言いました。 「次の模試、忘却曲線に合わせて復習のタイミング合わせるわ」 …こっちがビックリしました。 これは、そんなむすこの学び方を、むすめに引き継ごうとしたときの記録です。 ──うまくいったことも、うまくいかなかったことも。 ■ むすこに伝えたのは、「記憶の仕組み」と「社会の構造」 小さい頃から、むすこにはよく「脳の話」をしていました。 とくに熱心に伝えていたのは、「忘却曲線」の話です。 たとえば── 「人は一回聞いただけじゃすぐ忘れる。 でも、復習するタイミングを工夫
中学3年生のむすこは、京大を目指しています。 中学1年生のむすめは、まだ自分のペースを探しながら学んでいるところです。 同じ家庭、同じように育ててきたつもりでも、 学び方も性格もまるでちがう。 今回はそんなふたりの紹介を通して、 家庭の中で見えてきた“学びのかたち”を、親として静かにふり返ってみようと思います。 ■ むすこのこと(中3・京大をめざして) むすこは、小さいころから知的好奇心が高く、 物事を理屈で理解するのが得意な子でした。 好きなことにはとことんハマる性格で、 トミカ、妖怪ウォッチ、仮面ライダー、ポケモン、名探偵コナン、 さらにはフットサル、釣り、キャンプ、ベ
プロ教師が家でわが子にやってる“学びの仕掛け”──家庭は、最高の教科書
「社会科って、暗記ばかりでつまらなかった」 そう感じていたのは、学生時代の僕自身だった。 でも、教員になってから出会った有田和正先生の言葉に、 僕の中の“社会科のイメージ”は大きく変わった。 「社会科は、子どもが現実の世界と出会い、思考する教科である」 ──『有田和正の授業論』より そんな授業を、僕はずっと目指してきた。 気がつけば、それは家庭の中でも自然に実践していた。 ニュースを一緒に見て、問いかけて、話し合う。 「これ、どう思う?」「もし自分だったら?」── 特別な教材も、時間もいらない。 日常そのものが、最高の教科書になる。 今回は、社会科・算数・国語という3つの
「小学1年生の子どもと“政治や経済の話”をしてもいいの?」──“問いかけ子育て”の結果
「政治の話なんて、まだ早いでしょ」 子どもが小さい頃、そんなふうに言われたことが何度かあります。 でも僕は、あえて早くから話してきました。 それは“教えたいから”じゃなく、“一緒に問いを楽しみたかったから”。 子どもとの会話に、正解なんていらない。 「なぜこうなってるの?」って問いかけこそが、知的好奇心の火種になる。 今日はそんな、我が家の“問いかけ子育て”について書いてみようと思います。 うちでは、小学校低学年の頃から、 ニュースを見たり、ご飯を食べながら「ねえ、これってなんで?」って話すのが当たり前でした。 たとえば── 仮面ライダーの新シリーズが始まったとき →「
【いつもの5人?で対談】AIと語る教育|“考える力”が消えていく時代に、問いを守るには
「AIに聞けば、なんでも答えてくれる」 ──そんな時代に、“考える力”はどうなるのか? 今回は教育とAIをめぐって、4人のキャラが本気で対話。 ・🕯【マッチくん】司会進行、好奇心旺盛な対話の案内人 ・🪦【燃えかすマッチ】元教育行政、“思考”を重んじる懐疑派 ・🎓【博士】思索の専門家、“知性とは何か”を問い続ける人 ・🧠【SFマッチ】現場と社会を横断する視点を持つリアリスト ・🤖【ChatGPT】AI代表、“答えるけど考えない”冷静な観察者 AI時代の“問い”と“学び”をめぐる対話、始まります。 下の記事にはキャラの詳しい紹介があります。 運営者プロフィール|シルテラ 教
AI時代の教育を問う5人の対談──“考える力”は誰の手に残るのか?
「AIに考えさせればいい」── そんな言葉が当たり前になりつつある今、僕たちは“問いを持つ力”を失いかけているのかもしれません。 このnoteでは、ちょっと変わった5人が、AI時代の教育について語り合います。 登場するのは── 📚 教養を愛し、人間の思考にこだわる《博士》 💢 教育の矛盾と現場の理不尽を叫ぶ《燃えかすマッチ》 ⚙️ すべてを構造化しようとする合理主義者《SFマッチ》 🤖 自らの立場を持たない“AI本人”《ChatGPT》 🕯 そして読者と一緒に問いを抱えつづける司会役《マッチくん》 教育の未来を、AIとどうつなぐか── 5人の“ズレた視点”から、真面目に、ときどき
「やめたいのにやめられない」──ゲームと語学アプリの“依存構造”を親子で乗り越えるために【親子設計ワーク無料公開】
ゲームのことになると、いつも声が荒くなる 「まだやってるの?」 「もう終わるって言ったよね?」 …気づけば、今日も同じ言葉を繰り返している。 平日の夜8時。 息子がゲームに夢中になって、夕飯もお風呂も後回し。 私の声はだんだん大きくなっていき、彼の返事は短く、刺々しくなる。 「終わるから…っ!」 ゲームを終えた彼は、少し罪悪感のある顔で、無言のままごはんを食べた。 「…なんでこんなことになるんだろう」 そう思いながらも、また明日も繰り返される気がしてならなかった。 ■親としての「限界宣言」 その夜、僕は宣言した。 「もう、怒るのもやめる。…でも、ちゃんと考えよう
「スマホやめなさい!」で解決しない家庭にこそ──印刷して使える“親子スマホ設計シート”を無料配布します
「またスマホ見てるの?」「もう寝なさい!」 …わかってるんです、言ったって効かないってこと。 でも、他にどうしたらいいのか、わからない。 ──そんな毎日を、僕自身が送っていました。 だから、自分の子どもとの対話のために、 印刷して使える“ワークシート”形式の教材を作りました。 なぜPDFで配布しているのか? いきなりですが、PDFってスマホだとめっちゃ読みにくいんです。 正直、配布には向いていません。 それでもあえてこの形式にしたのは、理由があります。 それは── 印刷して、紙で“手を動かして”使ってほしいから。 このシートは“読む”ためではなく、“使う”ためのもの
AIが作文を書いたらズル?──「評価」と「支援」のあいだで揺れる教室の話
「AIで作文を書いたらズルですか?」 そう問われたとき、あなたはどう答えるでしょうか。 学校現場では今、「AIによる作文支援」が密かに広がりつつあります。けれど、その活用はまだまだ“正解”が定まらず、現場の教師も保護者も子どもも、迷いのなかにいます。 実際、ある学校で「AIを使って作文を書いた」と話した子が、SNSで“ズルした”と炎上し、賞の取り消しを求める声が寄せられたケースもありました。たとえ事実ではなくても、「使ったんでしょ?」という空気が広がるだけで、子どもは深く傷つきます。 でも、少し立ち止まって考えてみてほしいのです。 「ズル」と「支援」の境界線 子どもが辞書
20年、小学校で働いてきた。途中、教育委員会で働いていたが、その時も公教育については常に考えてきた。 その中で、いわゆる「モンスターペアレント」と呼ばれる保護者にも、何度も出会ってきた。 正直、怖かった人もいたし、振り返ってもしんどい記憶も多い。 でも── 最後まで忘れられないのは、ある保護者と向き合ったあの日のことだ。 その子は、中学年。 ちょっとしたトラブルがあって、学級内で孤立していた。 担任が何度もフォローしようとしたけれど、うまくいかない。 そんな中、何度も学校に電話をかけてきたのが、その子の保護者だった。 最初は、「また来たか…」と、職員室の空気がピリついた。
「今日、また○○さんから電話ありました」 若手の先生がそう報告してきたとき、声が少し沈んでいた。 「また来校されたいそうです。できれば主任の先生も一緒に…」 その保護者は、学校に何度も足を運んでくる人だった。 担任にとっては、正直、怖い存在だったと思う。 声が大きくて、言葉がきつい。 ときどき話が脱線して、何を求めているのか分からなくなる。 僕も、最初は「典型的なモンスターペアレントかもしれない」と感じていた。 けれど、一緒に面談に入るうちに、少しずつ見え方が変わっていった。 その保護者が繰り返し伝えてきたのは、 「うちの子、ちゃんと学校で見てもらえてますか?」という不安
それは、忘れられない朝だった。 2時間目の途中、隣のクラスから「バンッ!」という異様な音が響いた。 僕が学年主任をしていた年のことだ。 廊下に出ると、クラスのドアが開け放たれ、 中から男の怒鳴り声が漏れていた。 「先生、話あるんやけどな!!」 その声を聞いた瞬間、僕は条件反射的に思った。 「不審者か?」と。 実際には、その男性は保護者だった。 該当児童の父親。シングルファーザーだった。 ジャージ姿に険しい表情、眉間にしわ、無精ひげ。 手にはくしゃくしゃの連絡帳。 足元はサンダルで、タトゥーがちらりと見えた。 そう見た目だけで判断してはいけないと分かっている。 でも、あの
それは、2時間目の途中だった。 隣のクラスのドアが、バンッ!という音と共に開いた。 教室の空気が、一瞬で止まった。 現れたのは、ジャージ姿に怒りに満ちた表情、明らかにピリついた雰囲気の男。 右手にはスマホ。左手にはくしゃくしゃの連絡帳。 「先生、話あるんやけど」 保護者だった。 ……正確には、保護者“のはず”だった。 でも、その時の僕の頭に最初によぎったのは、 「これは不審者対応か?」という言葉だった。 僕はそのとき、学年主任だった。 騒ぎに気づいてすぐ廊下に出ると、担任は凍ったような顔。 子どもたちは完全に固まっていた。 「こっちで話聞きますので」と声をかけ、 なん
【第3回】モンペって言われたけど、あの一言がなければ子どもは潰れてた
「すみません、相談したいことがあって…」 昼休み前のタイミングだった。 隣のクラスを担当している若手の先生──2年目の女性教員が、職員室の僕の席に来て、そう言った。 僕はそのとき、学年主任。 主幹教諭であったこともあり、若手からの相談窓口になることも多かった。 その先生は、少し顔をこわばらせながら切り出した。 「実は、〇〇さんのお母さんからまた連絡があって…」 “また”という言葉に、僕はすぐ察した。 あの保護者か。 確かに、連絡が多いことで有名な人だった。 ・授業中に誰と隣になったか ・配布物が他の子と違ったのではないか ・ノートの丸付けが雑じゃなかったか 若手の
「担任、辞めたらしいで」 娘の学年が上がった春、保護者からそんな話を聞いた。 後任の先生は、しばらく教頭が兼任していた。 休職の理由は「体調不良」とだけ知らされたけれど、 僕にはうすうす分かっていた。 あの先生、限界だったんだ。 その前年度── 僕は、その先生にかなり強く詰め寄ったことがある。 いわゆる“モンスター”と言われてもおかしくないくらいに。 娘のクラスは、荒れていた。 授業中に私語が止まらない。 ノートを取らずにふざける子もいたし、いじめに近い場面もあった。 娘はもともと真面目で、空気を読むタイプ。 その環境に耐えながら、徐々に表情が消えていった。 ある
【家庭と学びのモヤモヤ】第18回:「モンスターペアレント」の本当の定義とは──元教員が考えた“線引き”とその危うさ
教員としても、保護者としても、僕は「モンスターペアレント」と向き合ってきました。 ──いや、正直に言えば、自分自身がそう呼ばれたこともあります。 ニュースでは「無理な要求を繰り返す保護者」などと紹介されますが、実際の現場では“普通の親”がモンペと呼ばれるケースも少なくありません。 どこからが“正当な訴え”で、どこからが“モンスター”なのか──その境界線は、とてもあいまいです。 このシリーズでは、体験と理論の両面から、「モンスターペアレントとは何か?」を見つめ直していきます。 その第1話は、“定義”から始めたいと思います。 🎯この記事で得られること モンスターペアレントとい
【家庭と学びのモヤモヤ】第19回:📚 現場の声から生まれた、5つの「支援ツール」──言葉・習慣・心をつなぐ、教育の引き出し集
🟢 はじめに──伝えたいことが、伝わらない。 教育現場や家庭で、こんな瞬間に出会ったことはありませんか? 「なんて声をかけたらいいか分からない」 「良かれと思って言ったのに、逆効果だった」 「子どもが自分の世界にこもってしまう」 実はこれ、“気持ち”や“愛情”が足りないからではありません。 多くの場合、「言葉」や「関わり方」の“ちょっとした型”がズレているだけなんです。 📦 そこで今回は──過去に反響の大きかった「支援ツール」を1つに これまでnoteの記事の中で、実践者の方々にお届けしてきた さまざまなテンプレート(支援資料)を、ひとつの場所にまとめました。 🔹
【連載】AIに考えさせるな──ChatGPTで“思考を止める人たち”が増えている【9回/10回】
「とりあえずChatGPTに聞けばいいや」 「AIに考えてもらった方が、効率いいでしょ?」 ──そう思ったこと、ありませんか? たしかにAIは便利です。すばやく、正確で、知識も豊富。 けれど、もしあなたが“考える前にAIを使っている”のなら、 それは学びのチャンスを1つ失っているかもしれません。 本来、学びとは「自分の頭で考えたあとに、わかること」が積み重なっていくプロセス。 でも今、多くの人が「最初からAIに任せる」ことで、“考える力”を使わない習慣に陥りつつあります。 この記事では、AIがもたらす“思考停止”のリスクと、 教育心理学・認知科学の視点から見た「AIとの正しい距
ニュースアプリが脳を騒がせる──“情報疲れ”という現代病と向き合う方法
「気づいたら、スマホでずっとニュースを見ていた」 「情報はたくさん得ているはずなのに、なぜか頭が重たい」 「ニュースを読めば読むほど、心がざわつく」 ──そんな感覚、ありませんか? 情報社会を生きる私たちは、今、前例のない“情報との付き合い方”を模索しています。 とくに、Yahoo!ニュースやSmartNewsのような“キュレーション型ニュースアプリ”は、手軽に情報へアクセスできる反面、知らず知らずのうちに私たちの脳と心に疲労を蓄積させています。 この記事では、ニュースアプリがもたらす“情報疲れ”のメカニズムと、それにどう付き合えばいいのかを、教育心理・脳科学・行動科学の視点から
【連載】英語アプリが“SNS化”してる?──学びが目的じゃなくなる瞬間とは【7回/10回】
「英語を話せるようになりたい」 そんな思いから語学アプリをインストールしたのに、 気がつけば、毎日“誰かからの返信を待つ時間”ばかりが増えている。 そんな感覚、ありませんか? 教育現場で20年以上、英語学習や行動設計に関わってきた立場から、 今回は「語学アプリがSNSのように使われてしまう構造」について、 心理学と脳科学の視点から掘り下げてみます。 📌この記事で得られること 語学アプリの設計と“学びが逸れる構造” 承認欲求と報酬系の罠のメカニズム 「学び続けられるアプリの選び方と使い方」 👤この記事を読んでほしい人 英語学習に取り組む学生・保護者
【連載】“勉強アプリ”が勉強の敵に?──スタプラ依存と承認欲求【6回/10回】
「子どもがスタプラを使って勉強を記録してるんですが、 最近“見るとやる気がなくなる”って言い始めて…」 そんな声が、保護者の方から届きました。 学習記録アプリの中でも、スタディプラス(通称スタプラ)は非常に人気の高いサービスです。 記録が可視化できたり、学習仲間とつながれたりするのは、たしかに魅力的です。 僕自身も以前の記事で、その前向きな効果を紹介しました。 ですが── 実際に使ってみた子どもたちの中には、 「やる気を出すために始めたのに、比較がつらくなった」という声も少なくありません。 今回は、そんな“意欲の副作用”に着目して、 勉強アプリがもつ承認設計と、そこに潜むリスク
【連載】SNSが“つながり”を壊すとき──思春期の自己肯定感と比較の罠【4回/10回】
「SNSを見ると、なんか自分がイヤになる」 そう感じたこと、ありませんか? 特に思春期の中高生たちにとって、SNSは単なる暇つぶしの道具ではありません。 自己表現の舞台であり、つながりの象徴であり、同時に“比較”の温床でもある。 InstagramやTikTok、LINEのグループチャット── どれも便利で楽しいはずなのに、なぜか心が重くなることがある。 本記事では、SNSと自己肯定感の関係性について、 脳科学と心理学の視点から深掘りしていきます。 🧩 第1章:なぜSNSが“つらく”なるのか? SNSは、本来“つながり”を作る道具のはずです。 でも、そこに存在するのは「編
そのスマホゲーム、“遊び”と“依存”の境界線──脳がハマる設計の正体とは?
「ゲームやってたら、いつの間にか2時間経ってた」 そんな経験は、中高生に限らず大人にもある。 実際、僕もe-footballとバウンティラッシュを息子と必死で遊んでるオジサンの一人だ! そして、もれなく、時間を忘れて熱中してしまう。 でもそれは、意志が弱いからではない。(言い訳でないことをこれから説明します) スマホゲームの多くが、「可変報酬スケジュール(Variable Ratio Schedule)」という強化設計に基づいてつくられている。 これは心理学者スキナーの「オペラント条件づけ理論」に由来し、脳の報酬系(ドーパミン回路)を刺激する仕組みとして、現在も多くのアプリに応用され
【家庭と学びのモヤモヤ】第4回:通知が“集中”を切り裂く──脳を疲弊させるスマホの静かな設計
「LINEの通知音で、思考がすべて吹き飛ぶんです」 そんな声を、生徒からも、保護者からも、よく耳にします。 実はこの感覚、気のせいではありません。 スマホの通知設計は、私たちの“集中”を破壊するように作られているのです。 本記事では、脳科学と心理学の視点から、 なぜ通知が「思考の分断」を引き起こすのか、 そしてどのようにその影響を軽減できるのかを解説します。 「スマホ=悪」ではなく、 “設計された誘惑”をどう理解し、どうつきあうかが重要なのです。 第1章:思考を切る“ピロン”という音 スマホの通知音。それは、たった1秒の出来事のようで、 実際には脳内の思考を根こそぎ分断しま
【連載】そのアプリ、悪くない。でも“思考停止”は危ない──脳と心を守る“スマホの使い方”の話【1回/10回】
「このアプリ、使っても大丈夫でしょうか?」 中高生のスマホ利用に不安を感じたとき、 多くの保護者や先生が“アプリの善し悪し”を判断軸にしがちです。 でも──本当に大切なのは、「何を使うか」ではなく「どう使っているか」。 同じアプリでも、思考を伴って使えば学びになりますし、 ただ流されて使えば、脳にも心にも確実に負荷がかかります。 本記事では、心理学や脳科学の視点から、 「なぜ思考停止が危険なのか」「どうすればスマホを“学びの味方”にできるか」 を丁寧に解説していきます。 これは、アプリを禁止するためのnoteではありません。 思考停止を防ぐ“使い方の再設計”のヒントをお届けしま
「できてるのに、足りない気がする──“自己否定”を生むのは、自分のせいじゃなかった」
「なんで私は、こんなにがんばってるのに、不安なんだろう?」 やることはやってる。 人から見れば、きっと“ちゃんとしてる”側だ。 なのに、どこか足りない気がして、 誰かに「がんばってるね」と言われないと安心できない── それは、あなたが弱いからじゃありません。 “評価されること”を安心の条件にされてきた構造のせいかもしれません。 このnoteでは、 自分で「できてる」と思えなくなる脳と心理の仕組み つい誰かに確認したくなる“安心の外部委託”の正体 自分の力で「安心」を回復する習慣のつくり方 を、教育と行動科学の視点からお届けします。 がんばってるのに、満た
【家庭と学びのモヤモヤ】第17回:「全部自分のせいだ」と思ってしまうあなたへ──責任感の裏にある“心の限界”とメンタルを守る工夫
「子どもが荒れているのは、私のせいかもしれない」 「不登校になったのは、自分の対応が悪かったからだ」 そんなふうに、自分を責め続けていませんか? でも、その“自責”は、裏を返せば「ちゃんと向き合ってきた証」です。 ただ、そのままにしておくと、今度はあなた自身の心が壊れてしまうかもしれません。 本記事では、 自責思考が生まれる構造 「がんばり屋」ほど限界を言えない心理 メンタルを守るための行動設計と支え方 について、心理学の視点からやさしくお届けします。 🔷 1:自責の思考が生まれるとき 「どうして、もっと優しくできなかったんだろう」 「私の言葉が傷つ
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