雇用調整助成金(以下、「雇調金」と略す)は、経済上の理由で事業縮小を余儀なくされた事業主が、労働者を休業させる際の費用を助成し、雇用の安定を図る制度であり、「雇用の最後の砦」と言われる。 事実、リーマンショックの際やコロナ禍の際において、雇調金の支給
労務管理に関する基礎知識や情報など皆さんのお役に立つ記事がきっとある。 タイトルは事務所電話番号から。
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雇用調整助成金(以下、「雇調金」と略す)は、経済上の理由で事業縮小を余儀なくされた事業主が、労働者を休業させる際の費用を助成し、雇用の安定を図る制度であり、「雇用の最後の砦」と言われる。 事実、リーマンショックの際やコロナ禍の際において、雇調金の支給
問題を起こした従業員には、注意・指導を与えたうえで、「始末書」を提出させるべきだ。 それは、懲戒としての意味だけでなく、次のような効果を期待してのことである。 第1に、「教育的効果」である。 ともすれば、上司や人事担当者は始末書を提出させただけで満足
法人の役員(健康保険に関しては満75歳未満、厚生年金保険に関しては満70歳未満の者に限る)は、原則として、健康保険・厚生年金保険の被保険者(以下、本稿では単に「被保険者」と呼ぶ)となる。 そして、法人の役員として被保険者になった場合、その者に個人事業
高齢者雇用安定法は、60歳未満の定年の定めを禁じたうえで、65歳までの雇用を義務づけ、70歳まで就業機会を確保することを努力義務としている。 ここで、「65歳までの“義務”」は「雇用の確保」であるのに対し、「70歳までの“努力義務”」は「就業機会の確
「特許を受ける権利」は発明者が有するとされ(特許法29条)、これは、従業員がその職務において発明した場合でも原則として適用される。しかし、職務発明の場合は、一定の要件の下に、会社がその権利を譲り受けることが可能とされている。 その要件とは、まず、雇用契
失業者がハローワークで「特定受給資格者」と認定されると、失業給付の基本手当を給付制限なく待期(7日間)経過後すぐに受給でき、また、受給日数の面でも有利になる。 特定受給資格者となるか否かの判断はハローワークに委ねられるが、基本的には、離職票に記載され
※記事(見出しと内容)の一部に誤解を招く表現がありましたので、修正しました。 未使用の年次有給休暇(以下、「有休」と略す)を会社が買い上げるのは原則として違法だが、従業員が退職する際においては、残った有休を買い上げても良いこととされている。 ただ、誤
従業員が会社の金品を着服した場合(本人もそれを認めている場合)、会社は、その着服された額を本人に支払うべき給料から控除することは可能なのだろうか。 まず押さえておかなければならないのは、たとえ不当利得であったとしても、そしてそれを本人が認めていたとし
現行民法第166条は、債権の消滅時効について、次のような定めを置いている。 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 1 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。 2 権利を行使することができる時から
「事業性融資の推進等に関する法律」が今年(令和8年)5月25日に施行されることとなり、有形資産を持たない事業者(新興企業等)も資金調達が容易になるものと期待されている。 具体的には、経営基盤やノウハウなどを含めた企業の価値を「企業価値担保権」として商
年次有給休暇は前年度繰越分から順に消化? それとも今年度発生分から?
年次有給休暇(以下「年休」と略す)を取得する権利は、発生してから2年間で時効により消滅する。 したがって、年度内に使い切れなかった年休は、翌年度に限り、繰り越すことが可能と解することができる。 ところで、前年度繰越分を有する従業員が年休を取得する場合
昨年(令和7年)4月から国家公務員に「選択的週休3日制」が導入され、これに倣って民間企業の週休3日制も増えるかと思いきや、そうでもなかったようだ。 先ごろ厚生労働省が公表した「令和7年就労条件総合調査」によれば、「何らかの週休3日制」を導入している企
働き方改革に関連して「同一労働同一賃金」が法制化されて5年が経過した。 これを受け、厚生労働省に設置された労働政策審議会では、パートタイム・有期雇用労働法(以下、「パート有期法」と略す)の見直しを検討している。 では、ここで改めて、現行のパート有期
出向とは、所属している会社(出向元)とは異なる会社(出向先)で業務の指揮命令を受けて従事することを言う。 なお、出向元との雇用関係を絶つ「転籍」のことを「移籍出向」と呼ぶこともあるが、本稿では、出向元に所属したまま他の会社に行く「在籍出向」のことを指し
不幸にして個別労働関係紛争(従業員と会社との間における労働に関する争いを言い、労働組合と会社との間の“集団的労使紛争”は含まない。また、ハラスメント事案等に代表される従業員間の争いも含まない)が生じた際、地方裁判所や簡易裁判所における民事訴訟の他、裁判
「進退伺い」は、業務上の不始末を起こした従業員が、その責任をどう取るべきか、会社(経営者または上司;以下同じ)の判断を仰ぐために提出する書類をいう。 会社側が提出を命じる(懲戒処分の一環としている例も多い)「始末書」とは異なり、「進退伺い」は、ミスや
業種によっては「待機時間」の発生が不可避なものがあるが、これを「休憩」と勘違いしている経営者も少なくない。 例えば、ある小売店において、上司が部下に「商品搬入のトラックが到着したらすぐに店頭に陳列するように。それまでの間は適宜休憩。」と指示したとする
社内に「賞罰委員会」や「懲戒委員会」といった組織を設けている(もしくは必要に応じて設けることとしている)会社もあるだろう。 賞罰委員会は“賞”と“罰”を議論するので常設のもの、懲戒委員会は懲戒事由が発生した場合に設ける臨時のもの、というイメージがある
会社は、該当する従業員に対して、育児や介護に関する制度等について個別に周知し、それらの制度を利用するか否か本人の意向を確認することとなっている。 これは育児介護休業法の令和6年改正によるもので、従来は、従業員から制度利用の申し出があったら拒めないとい
従業員の処遇を論じる時には、「“処”(=職制)の問題」と「“遇”(=労働条件)の問題」とを区別して考えなければならない。 まず、“処”の問題についてであるが、昇格・降格・配置転換等は、人事権(従業員を採用し配属する経営上の権限)の一環として、会社に広
「休日に働かせたら135%の賃金を支払わなければならない」と認識している経営者がいるかも知れないが、その「休日」というのが、所定休日(会社が定めた休日)のことを指しているのだとしたら、それは正しいとは言えない。 たしかに、労働基準法第37条に関する政
従業員が“業務上の傷病”に罹ったときは、療養のために休業する期間およびその後30日間(打切補償を支払う場合や天災事変等により事業の継続が不可能となった場合を除く)は解雇できない(労働基準法第19条)が、その期間が経過した後、あるいは、そもそも“私傷病”
新規学卒予定者に採用内定を出す時期は年々早まる傾向にあるが、内定を出してから入社してくるまでの期間が長くなれば、その間に会社の業績や内外の環境が変化して、内定を取り消さざるを得ない事態も生じやすくなる。 ところで、「採用内定」とは、また、「内定取消」
労働基準法第32条は、労働時間の上限を(原則)「1日8時間、1週40時間」と定めている。 これを超えて労働させるには、「時間外労働に関する労使協定」(同法第36条に基づくことから「三六協定=サブロク協定」と呼ばれる)を締結しなければならない。 しかも、
厚生労働省は先ごろ、賃金不払いが疑われる事業場への監督指導について公表した。 それによれば、令和6年は件数・対象労働者数・不払い金額のいずれも前年より増加している。 また、公表された指導内容を見ると、かつてのような単なる給料の未払いや遅配(会社倒産に
外国人従業員が業務中に負傷したときに労災保険の給付を受けられるのは日本人と同じ扱いだが、その外国人が正規の就労資格を得ていなかった場合にも、労災保険の給付は受けられるのだろうか。 結論を先に言うと、不法就労であっても、事業に使用され賃金を得ているなら
近年は、企業内での労働組合の組織率が低下している(推定組織率16.1%;厚生労働省「令和6年労働組合基礎調査」より)一方で、合同労組が労使紛争に関与するケースが増えている。 「合同労組」とは、企業の枠を超えて地域単位で労働者を組織する労働組合のことで
近年、AIの進化やデジタル化の進展により経済・社会・産業構造が急激に変化する一方で、労働者の構成や意識も変化しつつある。 そんな中、厚生労働省に設置された「今後の人材開発政策の在り方に関する研究会」は、今年1月から6回の会合を経て、先ごろ『報告書』を
新たに従業員を雇ってみたら、面接では判断できなかった不適格性があって、指導・教育の余地すら無い、ということがあるかも知れない。 そういう場合には、解雇も視野に入れて考えざるを得ないだろう。 しかし、解雇である以上、「客観的に合理的かつ社会通念上相当な理
先ごろ、今年10月からの最低賃金が公表され、特に東京など都市部において大幅な引き上げとなることとなった。 これを踏まえて民間企業としては、賃上げ分を取引価格に転嫁することを検討しなければならないかも知れない。 一方で、発注する側の立場としては、受注
給与は、通貨(現金)で支払うのが原則である(労働基準法第24条第1項)が、労働者の同意があれば銀行・証券会社等の本人口座(以下、本稿では「銀行口座等」と呼ぶ)へ振り込むこととしてもよい(労働基準法施行規則第7条の2第1項第1号・第2号)。 また、令和
人は誰しもミスをするものだ。 しかし、そんなことは先刻承知でも、それが重大なミスだったりすると、経営者としてはその従業員に辞めてもらいたくもなる。 その気持ちも分からないではないが、短気を起こしていきなり解雇してしまうと、トラブルとなり、結果的に会社
ここ数年はコロナ禍もあって、めっきり減った印象だが、それでも、慣例的に「暑気払い」あるいは「夏の納会」といった行事を催している会社もある。 ところで、会社行事としての「暑気払い」は、労働時間として扱うべきなのだろうか。 これは、会合に参加することが
労働者災害補償保険(以下、「労災保険」と略す)の保険料算出方法には、業務災害発生の有無により保険率を原則±40%の範囲内で増減させる「メリット制」という仕組みがある。 これは一定規模以上(継続事業の場合、「労働者100人以上」または「労働者20人以上
給与は、その全額を直接通貨で支払わなければならない。「通貨」すなわち「現金」で支払うことを労働基準法は求めているのだ。しかし現実には、銀行振込により給与を支払っている会社は多いが、労基法上それは例外扱いであって、労働者の同意(労働協約または個別同意)が
先ごろ厚生労働省が公表した『労働政策審議会労働政策基本部会 報告書 ~急速に変化する社会における、地方や中小企業での良質な雇用の在り方~』は、企業向けに次の5つを提言している。 これらは、地方や中小企業のみならず大企業にも当てはまりそうだ。 1.AI
職業紹介事業者(職業安定法第4条第1項)と募集情報等提供事業者(同第6項)(これらは「雇用仲介事業者」と総称される)に対する規制が、この4月から強化された。 その規制について説明する前に、両者の違いを簡単にまとめておく。 「職業紹介事業者」は、求人
セクシャルハラスメントの相談を受けた時に、対応を誤ったばかりに却ってトラブルを大きくしてしまう事例が後を絶たない。 最もまずいのが「無かったことにする」という対処だ。 特に相談者に対して「我慢しなさい」と要求したり、まして「あなたの方が悪い」と責めた
労働基準法第39条に定める年次有給休暇(以下、「年休」と略す)は、1日単位で取るのが原則だが、労使協定を締結することにより、時間単位で取れるようになる。 この制度(以下、「時間単位年休」と称する)を導入すれば、年休が取得しやすくなって、従業員のロイヤリ
6月1日から2026年大卒採用選考が解禁されたとか。 もっとも、既に半数を超える学生が内定を得ているとの調査もある。 ところで、従業員の採用(新卒採用だけでなく中途採用を含む)にあたって、学校の就職課やハローワークや求人サイト等に掲出した募集要項と
いわゆる“正社員”のように期間を定めずに雇用している従業員が退職しようとする際には、民法第627条の規定が適用され、2週間前に申し出ることによって雇用関係を終了させることができる。 その一方で、期間を定めて雇用している従業員(“契約社員”や“パートタイマ
育児休業により賃金が支払われないまたは休業前の80%未満に低下した場合は、雇用保険制度から育児休業給付金を受けられる。 その支給期間は原則として「子が1歳(パパママ育休プラスに該当する場合は1歳2か月)に達するまで」であるが、保育所等の利用を申し込ん
社会の高齢化と高齢者の雇用を確保する施策により、労働者全体に占める60歳以上の割合が18.7%(令和5年)となる中、労働災害の死傷者(死亡および4日以上の休業)に占める60歳以上の割合は29.3%(同年;前年比0.6ポイント増)に達している。【参考】厚生
巷間、裁判員制度について話題になっている。 死刑の判断を迫られる精神的ストレスの話もさることながら、企業の労務管理の立場からは、従業員が裁判員として会社を休んでいる間の給料を出すか出さないかが悩ましい問題だ。 まず、従業員が裁判員に選ばれた場合には
通算5年を超えて更新された有期契約は、労働者が申し込むことにより無期契約に転換する(労働契約法第18条)。 さらに昨年4月からは、該当者には契約更新の際に、無期転換を申し込める旨を明示しなければならないこととなった(労働基準法施行規則第5条)。 一方
令和5年12月22日に閣議決定された『こども大綱』において、「共働き・共育ての推進」(「共育て」は、文脈によっては「保護者と学校・保育所等とが連携すること」あるいは「地域社会全体における子どもの成長支援」とも解されるが、ここでは「両親ともに(特に父親が
労働基準法第20条は、従業員を解雇する場合には、労働基準監督署長の予告除外認定を受けた場合を除き、30日以上前に予告するか、30日に満たない日数に係る解雇予告手当(以下、単に「予告手当」と呼ぶ)を支払うべきことを定めている。 これは、逆に言うと、予告
介護休業は、要介護状態(2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態)にある対象家族の介護等のために取得することができる(育児介護休業法第11条・育児介護休業法施行規則第2条ほか)。 この「常時介護を必要とする状態」というのは、「(介護認定を受けている
育児介護休業法の改正に伴い、この4月から「子の看護休暇(子の看護等休暇)」および「介護休暇」の取らせ方が変わる。 「子の看護休暇」は、養育する子(実子に限らない)の病気やけが、予防接種・健康診断等のために、年間5日(複数の子を有する者は年間10日)の
育児介護休業法が改正され、今年(令和7年)4月1日からと10月1日からと、段階的に施行されることになっている。 これに伴って、今、就業規則や育児休業・介護休業に関する社内規程の改定作業を進めている会社も多いことだろう。 今般の法改正ポイントはいくつかあ
会社の役員(取締役、執行役、監査役、会計参与等)は経営者であって、本来、従業員の立場とは一線を画する。 しかし、役員でありながら、従業員としての身分(部長・支店長・工場長等が該当するが必ずしも役職に就いていることを要しない)を有し、従業員としての賃金を
有期労働契約(雇用期間の定めのある契約)が通算5年を超えることになった場合は、労働者の申し出により無期契約に転換する(労働契約法第18条)。 これは労働者が申し出るだけで無期契約化するのであって、相手方当事者(会社)の同意は不要だ。 また、例えば3年契約
従業員が他社に雇用される兼業や副業(以下、本稿ではその主副を問わず「兼業」と呼ぶこととする)を認める人事制度を有する会社は約52%(リクルート2023年1月調べ)、しかも、そのうち71%がその人事制度を導入したのが「3年以内」と回答しており、今や兼業を禁じ
「労働からの解放」に関する新しい概念2つ ~ 法制研究会報告書
厚生労働省に設置された労働基準関係法制研究会は、令和6年1月23日から17回にわたって、その名の通り「労働基準」に関する法令等について議論してきたが、年明け1月8日に「報告書」をまとめて公表した。 労働基準の問題は、ざっくり「労働者たる身分」と「労働
雇用調整助成金(以下、「雇調金」と略す)は、経済上の理由で事業縮小を余儀なくされた事業主が、労働者を休業させる際の費用を助成し、雇用の安定を図る制度であり、「雇用の最後の砦」と言われる。 事実、リーマンショックの際やコロナ禍の際において、雇調金の支給
問題を起こした従業員には、注意・指導を与えたうえで、「始末書」を提出させるべきだ。 それは、懲戒としての意味だけでなく、次のような効果を期待してのことである。 第1に、「教育的効果」である。 ともすれば、上司や人事担当者は始末書を提出させただけで満足
法人の役員(健康保険に関しては満75歳未満、厚生年金保険に関しては満70歳未満の者に限る)は、原則として、健康保険・厚生年金保険の被保険者(以下、本稿では単に「被保険者」と呼ぶ)となる。 そして、法人の役員として被保険者になった場合、その者に個人事業
高齢者雇用安定法は、60歳未満の定年の定めを禁じたうえで、65歳までの雇用を義務づけ、70歳まで就業機会を確保することを努力義務としている。 ここで、「65歳までの“義務”」は「雇用の確保」であるのに対し、「70歳までの“努力義務”」は「就業機会の確
「特許を受ける権利」は発明者が有するとされ(特許法29条)、これは、従業員がその職務において発明した場合でも原則として適用される。しかし、職務発明の場合は、一定の要件の下に、会社がその権利を譲り受けることが可能とされている。 その要件とは、まず、雇用契
失業者がハローワークで「特定受給資格者」と認定されると、失業給付の基本手当を給付制限なく待期(7日間)経過後すぐに受給でき、また、受給日数の面でも有利になる。 特定受給資格者となるか否かの判断はハローワークに委ねられるが、基本的には、離職票に記載され
※記事(見出しと内容)の一部に誤解を招く表現がありましたので、修正しました。 未使用の年次有給休暇(以下、「有休」と略す)を会社が買い上げるのは原則として違法だが、従業員が退職する際においては、残った有休を買い上げても良いこととされている。 ただ、誤
従業員が会社の金品を着服した場合(本人もそれを認めている場合)、会社は、その着服された額を本人に支払うべき給料から控除することは可能なのだろうか。 まず押さえておかなければならないのは、たとえ不当利得であったとしても、そしてそれを本人が認めていたとし
現行民法第166条は、債権の消滅時効について、次のような定めを置いている。 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。 1 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。 2 権利を行使することができる時から
「事業性融資の推進等に関する法律」が今年(令和8年)5月25日に施行されることとなり、有形資産を持たない事業者(新興企業等)も資金調達が容易になるものと期待されている。 具体的には、経営基盤やノウハウなどを含めた企業の価値を「企業価値担保権」として商
年次有給休暇(以下「年休」と略す)を取得する権利は、発生してから2年間で時効により消滅する。 したがって、年度内に使い切れなかった年休は、翌年度に限り、繰り越すことが可能と解することができる。 ところで、前年度繰越分を有する従業員が年休を取得する場合
昨年(令和7年)4月から国家公務員に「選択的週休3日制」が導入され、これに倣って民間企業の週休3日制も増えるかと思いきや、そうでもなかったようだ。 先ごろ厚生労働省が公表した「令和7年就労条件総合調査」によれば、「何らかの週休3日制」を導入している企
働き方改革に関連して「同一労働同一賃金」が法制化されて5年が経過した。 これを受け、厚生労働省に設置された労働政策審議会では、パートタイム・有期雇用労働法(以下、「パート有期法」と略す)の見直しを検討している。 では、ここで改めて、現行のパート有期
出向とは、所属している会社(出向元)とは異なる会社(出向先)で業務の指揮命令を受けて従事することを言う。 なお、出向元との雇用関係を絶つ「転籍」のことを「移籍出向」と呼ぶこともあるが、本稿では、出向元に所属したまま他の会社に行く「在籍出向」のことを指し
不幸にして個別労働関係紛争(従業員と会社との間における労働に関する争いを言い、労働組合と会社との間の“集団的労使紛争”は含まない。また、ハラスメント事案等に代表される従業員間の争いも含まない)が生じた際、地方裁判所や簡易裁判所における民事訴訟の他、裁判
「進退伺い」は、業務上の不始末を起こした従業員が、その責任をどう取るべきか、会社(経営者または上司;以下同じ)の判断を仰ぐために提出する書類をいう。 会社側が提出を命じる(懲戒処分の一環としている例も多い)「始末書」とは異なり、「進退伺い」は、ミスや
業種によっては「待機時間」の発生が不可避なものがあるが、これを「休憩」と勘違いしている経営者も少なくない。 例えば、ある小売店において、上司が部下に「商品搬入のトラックが到着したらすぐに店頭に陳列するように。それまでの間は適宜休憩。」と指示したとする
社内に「賞罰委員会」や「懲戒委員会」といった組織を設けている(もしくは必要に応じて設けることとしている)会社もあるだろう。 賞罰委員会は“賞”と“罰”を議論するので常設のもの、懲戒委員会は懲戒事由が発生した場合に設ける臨時のもの、というイメージがある
会社は、該当する従業員に対して、育児や介護に関する制度等について個別に周知し、それらの制度を利用するか否か本人の意向を確認することとなっている。 これは育児介護休業法の令和6年改正によるもので、従来は、従業員から制度利用の申し出があったら拒めないとい
従業員の処遇を論じる時には、「“処”(=職制)の問題」と「“遇”(=労働条件)の問題」とを区別して考えなければならない。 まず、“処”の問題についてであるが、昇格・降格・配置転換等は、人事権(従業員を採用し配属する経営上の権限)の一環として、会社に広
職業紹介事業者(職業安定法第4条第1項)と募集情報等提供事業者(同第6項)(これらは「雇用仲介事業者」と総称される)に対する規制が、この4月から強化された。 その規制について説明する前に、両者の違いを簡単にまとめておく。 「職業紹介事業者」は、求人
セクシャルハラスメントの相談を受けた時に、対応を誤ったばかりに却ってトラブルを大きくしてしまう事例が後を絶たない。 最もまずいのが「無かったことにする」という対処だ。 特に相談者に対して「我慢しなさい」と要求したり、まして「あなたの方が悪い」と責めた
労働基準法第39条に定める年次有給休暇(以下、「年休」と略す)は、1日単位で取るのが原則だが、労使協定を締結することにより、時間単位で取れるようになる。 この制度(以下、「時間単位年休」と称する)を導入すれば、年休が取得しやすくなって、従業員のロイヤリ
6月1日から2026年大卒採用選考が解禁されたとか。 もっとも、既に半数を超える学生が内定を得ているとの調査もある。 ところで、従業員の採用(新卒採用だけでなく中途採用を含む)にあたって、学校の就職課やハローワークや求人サイト等に掲出した募集要項と
いわゆる“正社員”のように期間を定めずに雇用している従業員が退職しようとする際には、民法第627条の規定が適用され、2週間前に申し出ることによって雇用関係を終了させることができる。 その一方で、期間を定めて雇用している従業員(“契約社員”や“パートタイマ
育児休業により賃金が支払われないまたは休業前の80%未満に低下した場合は、雇用保険制度から育児休業給付金を受けられる。 その支給期間は原則として「子が1歳(パパママ育休プラスに該当する場合は1歳2か月)に達するまで」であるが、保育所等の利用を申し込ん
社会の高齢化と高齢者の雇用を確保する施策により、労働者全体に占める60歳以上の割合が18.7%(令和5年)となる中、労働災害の死傷者(死亡および4日以上の休業)に占める60歳以上の割合は29.3%(同年;前年比0.6ポイント増)に達している。【参考】厚生
巷間、裁判員制度について話題になっている。 死刑の判断を迫られる精神的ストレスの話もさることながら、企業の労務管理の立場からは、従業員が裁判員として会社を休んでいる間の給料を出すか出さないかが悩ましい問題だ。 まず、従業員が裁判員に選ばれた場合には
通算5年を超えて更新された有期契約は、労働者が申し込むことにより無期契約に転換する(労働契約法第18条)。 さらに昨年4月からは、該当者には契約更新の際に、無期転換を申し込める旨を明示しなければならないこととなった(労働基準法施行規則第5条)。 一方
令和5年12月22日に閣議決定された『こども大綱』において、「共働き・共育ての推進」(「共育て」は、文脈によっては「保護者と学校・保育所等とが連携すること」あるいは「地域社会全体における子どもの成長支援」とも解されるが、ここでは「両親ともに(特に父親が
労働基準法第20条は、従業員を解雇する場合には、労働基準監督署長の予告除外認定を受けた場合を除き、30日以上前に予告するか、30日に満たない日数に係る解雇予告手当(以下、単に「予告手当」と呼ぶ)を支払うべきことを定めている。 これは、逆に言うと、予告
介護休業は、要介護状態(2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態)にある対象家族の介護等のために取得することができる(育児介護休業法第11条・育児介護休業法施行規則第2条ほか)。 この「常時介護を必要とする状態」というのは、「(介護認定を受けている
育児介護休業法の改正に伴い、この4月から「子の看護休暇(子の看護等休暇)」および「介護休暇」の取らせ方が変わる。 「子の看護休暇」は、養育する子(実子に限らない)の病気やけが、予防接種・健康診断等のために、年間5日(複数の子を有する者は年間10日)の
育児介護休業法が改正され、今年(令和7年)4月1日からと10月1日からと、段階的に施行されることになっている。 これに伴って、今、就業規則や育児休業・介護休業に関する社内規程の改定作業を進めている会社も多いことだろう。 今般の法改正ポイントはいくつかあ
会社の役員(取締役、執行役、監査役、会計参与等)は経営者であって、本来、従業員の立場とは一線を画する。 しかし、役員でありながら、従業員としての身分(部長・支店長・工場長等が該当するが必ずしも役職に就いていることを要しない)を有し、従業員としての賃金を
有期労働契約(雇用期間の定めのある契約)が通算5年を超えることになった場合は、労働者の申し出により無期契約に転換する(労働契約法第18条)。 これは労働者が申し出るだけで無期契約化するのであって、相手方当事者(会社)の同意は不要だ。 また、例えば3年契約
従業員が他社に雇用される兼業や副業(以下、本稿ではその主副を問わず「兼業」と呼ぶこととする)を認める人事制度を有する会社は約52%(リクルート2023年1月調べ)、しかも、そのうち71%がその人事制度を導入したのが「3年以内」と回答しており、今や兼業を禁じ
厚生労働省に設置された労働基準関係法制研究会は、令和6年1月23日から17回にわたって、その名の通り「労働基準」に関する法令等について議論してきたが、年明け1月8日に「報告書」をまとめて公表した。 労働基準の問題は、ざっくり「労働者たる身分」と「労働