封印された登記ファイナル
「封印された登記3」の続き。 猛暑が続いたある夏の日、私は地元の裁判所にいた。 裁判所には行きたくなかったのだが(擬制陳述)、裁判所から出頭するように言われていた。 空調はまったく効いていないようだった。 顔なじみの裁判所書記官、特別代理人の弁護士の順に臨場した。私は媚を売るような笑顔で会釈した。 裁判官が降臨したので、一同立ち上がって敬礼をした。 閣下は書記官殿としばし書類のやり取りをした後、仰せになられた。 「書面のとおりですか」 「終わります」 形式的に短時間で終わる裁判のことを何と呼んだだろうか、みこすり半劇場だったか。 「異議あり!裁判長、被告は本件について何ら審議を尽くしていない!…
2023/11/25 16:37