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  • 『名句の所以』(著:小澤實)を読む

    Ryo Daimonji Blog しぐるるや駅に西口東口 安住 敦 出口を東西南北で示すところは多い。多くは南北の場合が多いがこの句、西口東口を示す。大きな駅なのだろう。この駅、地下鉄のそれではないのか。すっかり迷ってしまったではないか。そうなんだ、こういう句は何

  • 62『芭蕉の風景』(著:小澤實)を読む

    Ryo Daimonji Blog  春なれや名もなき山の薄霞 芭蕉   春ですねぇ。名もない山の薄霞さえのんびりと穏やかで心地よいです。ほどの意味だろうか、いつ、どこで、誰と、どのように詠まれたのかわからないが、のどかな春の景色や温度、気分までも上五「春なれや」で伝

  • 2012年(平成24年) 冬 大文字良 第一句集『乾杯』より

    Ryo Daimonji Blog 猪狩の間髪 入れぬ二発めぞ 

  • 『名句の所以』(著:小澤實)を読む

    Ryo Daimonji Blog 眉の根に泥乾きゐるラガーかな 三村純也  眉毛ではなく「眉根」である。一歩さらにラガーに近づく。泥乾きたるでなく「乾きゐる」である、まるで生き物を発見したかのように泥の存在を突き示している。つまるところ、ラグビーという運動の激しさと

  • 61『芭蕉の風景』(著:小澤實)を読む

    Ryo Daimonji Blog  海くれて鴨のこゑほのかに白し 芭蕉 山里育ちの私は鴨の声を日常的に聞くことはほぼない。しかし今はネットがある、早速聴いてみる。まあ鴨の声って色彩で表すにはダミ声にすぎる、白い、というならもっと透明感のある声であってほしい。だが、強

  • 2012年(平成24年) 冬 大文字良 第一句集『乾杯』より

    Ryo Daimonji Blog 霧襖トラック出たり十一墩 

  • 『名句の所以』(著:小澤實)を読む

    Ryo Daimonji Blog 冬ぬくしバターは紙に包まれて 中村安伸  暖冬とはいえセーターコートとついつい着込んでしまう。冷蔵庫の冷え切ったバターは紙に包まれている。出がけ前の朝食の一瞬、バターに目が入った。 食べ物俳句は写生句の基本だと思う。リアルに美味そう

  • 60 『芭蕉の風景』(著;小澤實)を読む

    Ryo Daimonji Blog 狂句木枯の身は竹斎に似たる哉  なるほど、「狂句」を外せば有季定型句になる。が、僕にとってこの句の難は「竹斎」であった、意味がわからなかったのである。竹斎は医者で、よくある店のコピーの「日本一まずい店」とかある、あれであるつまり世界一

  • 『名句の所以』(著:小澤實)を読む

    Ryo Daimonji Blog  冬麗の微塵となりて去らんとす 相馬遷子   うららかな冬の日に芥子粒のような塵となって、私はこの世を去ろうとしている、と辞世句を残したと解した。66歳の他界であった。武士を思わす潔い覚悟の言葉である。

  • 2011年(平成22年) 冬 大文字良 第一句集『乾杯』より

    Ryo Daimonji Blog 爪に折る千羽鶴なり春星忌 

  • 59『芭蕉の風景』(著:小澤實)を読む

    Ryo Daimonji Blog 明けぼのや白魚白きこと一寸 芭蕉 夜明けの空が白み始めた頃、芭蕉は宿泊の本統寺を抜け出し 浜に出ていることになる。その時刻に見た白魚が一寸の小ささで白くあった、と白魚の形状を読んでいる。通常の白魚は三寸ほどあるようなのでこの句の白魚

  • 『名句の所以』(著:小澤實)を読む

    Ryo Daimonji Blog 日の鷹がとぶ骨片となるまで飛ぶ 寺田京子 太陽に届かんとするほどに高く力強く飛ぶ鷹である。その鷹が一塊の骨となるまでかぎりを尽くして飛ぶ、と詠んだ。実際に鷹がそこまで、自死するほどに飛ぶことはあるまいが、作者は鷹の勇壮さを俳句表現

  • 2011年(平成22年) 冬 大文字良第一句集『乾杯』より

    Ryo Daimonji Blog D 51の模型冷たし無人駅  

  • 58『芭蕉の風景』(著:小澤實)を読む

    Ryo Daimonji Blog あそび来ぬ鰒釣かねて七里迄 芭蕉 まず、この句のふぐ(魚編に豕)の漢字は私の辞書では見当たらなかった。当て字で失礼します。句意は比較的平易である。「遊びで鰒釣に出かけたが釣れず、ついつい七里までも来てしまいました」ほどに解した。七里と

  • 『名句の所以』(著:小澤實)を読む

    Ryo Daimonji Blog 天空は生者に深し青鷹 宇多喜代子 この天空は単に高い空のことを言っているのではなく、冥界につらなる空を越える空域を言っているのだと思う。従って、我々生とし生ける物にとって高いのではなく深いのである。問題は「青鷹(もろがえり)」である。

  • 2010年(平成22年) 冬 大文字良 第一句集『乾杯』より

    Ryo Daimonji Blog わびすけや 舟屋に船の鎮もれる 

  • 57『芭蕉の風景』(著:小澤實)を読む

    Ryo Daimonji Blog 宮守よわが名をちらせ木葉川 芭蕉  宮守さんよこの水もなく枯れ葉に敷き詰められた川にこそ私の名前を散らせてください。とやや自虐的に詠嘆してみせた。しかし、この木葉川、この上なく侘しく美しくこの川に自分を重ね詠む芭蕉会心のナルシズムと

  • 『名句の所以』(著:小澤實)をよむ

    Ryo Daimonji Blog 飛鳥仏けふも面長大根干す 斉藤夏風  この句を読んで私が真っ先に思い浮かべたのは中宮寺の半跏思惟像である。その他にも法隆寺金堂の釈迦三尊像などもずっしりと重みのある三体の仏像で、面長である。中宮寺の仏さんは膝を半跏けに崩して人間臭さ

  • 2021年(平成23年) 冬 大文字良 第一句集『乾杯』より

    Ryo Daimonji Blog 月極駐車場銀杏落葉や土瀝青 

  • 56『芭蕉の風景』(著:小澤實)を読む

    Ryo Daimonji Blog  石山の石にたばしるあられかな 芭蕉 この景どこかで見たことがある。ところでこの上五の石山は固有名詞なのか、一般的に岩の多い石山と解していいのか、後者と解して進める。あとは「たばしる」だが聞きなれた感じはするのだが、繰り返すとそう

  • 『名句の所以』(著:小澤實)を読む

    Ryo Daimonji Blog 酒なくば無口な波郷忌も近し 伊藤白潮  昭和31年43歳、療養中の波郷である(アサヒグラフ1985.4)。酒を飲むと妙に気が晴れ陽気な気分になりついつい饒舌になったりするものである。「酒なくば」か、誰でもそうだがしらふの波郷の素顔を瞬間捉えた。

  • 2007年(平成19年) 秋 大文字良 第一句集『乾杯』より

    Ryo Daimonji Blog寄せ鍋や蓋に押さへる蟹鋏

  • 55『芭蕉の風景』(著:小澤實)を読む

    Ryo Daimonji Blog 冬の日や馬上に来る影法師 芭蕉この句を読むのは2度目だ。前回もこの影法師は芭蕉自身と解している。かっこいい影法師でなくしょぼくれた冬の日を負い来る己れを詠嘆しているものと読んだ。今回もその解釈に変わるところはない。この影法師を田に映る

  • 『名句の所以』(著:小澤實)を読む

    Ryo Daimonji Blog pことごとく未踏なりけり冬の星 高柳克弘 この句「未踏」という言葉に命が宿る。直接的な意味としては「残らず全て、踏み込んだことがない」ほどの意味と言えようが、それだけでは足りない。大きく志を持って踏み込もうとする彼の地であるが、未だこ

  • 2007年(平成19年) 秋 大文字良 第一句集『乾杯』より

    Ryo Daimonji Blog 朝霧の千の太陽輝ける  

  • 54 『芭蕉の風景』(著:小澤實)を読む

    Ryo Daimonji Blog びいと啼く尻声悲し夜ルの鹿 芭蕉  一読「ぴい」ではないのかと思った。鹿鳴く季節の今、確かに鹿は遠く悲しくぴいーと鳴く、昼夜問はない。季語にも「鹿笛」とある。ならばこそ「ビイ」なんだ、芭蕉の耳というわけだ。鹿が鳴くのは求愛のためだと

  • 『名句の所以』(著:小澤實 毎日新聞出版)より

    Ryo Daimonji Blog 『名句の所以』(著:小澤實p202  毎日新聞出版)より 放屁虫貯へもなく放ちけり 相島虎吼 放屁虫、僕たちはカメムシ、ヘコキムシとか言ったりする。少し暖かくなるとカーテンのうしろなどに出没する。とるときべっぴんさんとか嫁さんとか呪文のよ

  • 2007年(平成19年) 秋 大文字良 第一句集『乾杯』より

    ブルースにジャズにボサノヴァ赤のまま 

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