読書中『ヒトラーの描いた薔薇』ハーラン・エリスン
読み終えたあとのすっきりしない後味がこの作家の個性だ。それを愉しめるか否かで合わない人も多いだろうな。SFジャンルになっているけれど誤解を招きそう。サスペンスのようなホラーのような、恋愛要素もあるし、〇〇小説とジャンル分けするのは難しいと思うのだけど。タイトルの短編は数ページだけで肝心のヒトラーはちょっとしか登場しない。地獄の門が開いてしまい、切り裂きジャックやカスター将軍などの世界に名だたる悪人たちが地獄のから逃げ出してしまう。でもヒトラーは開いた門のすぐそばにいたのに逃げなかった。なぜ地獄に留まったのかはネタバレになるのでここでは明かせない。グロテスクで切なくて、独特の余韻が残る作品だ。(いつも応援ありがとうございます)読書中『ヒトラーの描いた薔薇』ハーラン・エリスン
2022/09/30 06:30