6月23日に、下記にブログを引っ越しました。★楽天ブログ(河内のおっさんのブログ)※一行分かち書きしていた過去記事を散文に改め、写真は必要最低限に書き直して、毎日、一記事をアップしています。https://plaza.rakuten.co.jp/ottusanlando/★はてなブログ「河内国覚書帖」※gooブログの記事を、そのまま引っ越しました。新規の記事更新は、こちらでしています。https://f62xyq39w.hatenablog.com/ブログを引っ越ししました
あすから四月。旧暦を使う俳句の季語からいえば、明日から夏になる(厳密にいえば立夏から)。「豆の花」という季語は三月頃から咲く豌豆や空豆の花のこと。したがって、季節は「春」になる。畦道に豆の花咲く別れかな(星野椿)実がみのった「豌豆」や「蚕豆(そらまめ)」は「夏」の季語になる。蚕豆も豌豆も咲くや庭畠(正岡子規)蝶々が羽を広げているような形が豆の花の特徴。蝶形花(ちょうけいか)という。外側に大きな花びらがあり、真ん中に二つの花びら、その中にもう二つの花びらがある。そして、それに包まれて雄しべと雌しべがある。だから雄しべと雌しべは見えない。ならば、どうやって受粉するのか?真ん中の花びらに昆虫がとまると、重さで花びらが下がり、もう二つの花びらが出てくる。昆虫はその中にもぐりこみ受粉させる仕掛けになっている。豆の花...畑――豆の花
明治時代の小説家、評論家、翻訳家、劇作家。近代日本文学の成立や演劇改良運動に大きな影響を与えた坪内雄蔵(坪内逍遥)による高等科女子用の国語教科書にある桜の詩。軍国主義に偏る前の国粋主義(日本の文化・伝統の独自性を強調し、保守しようとする思想)的な誌です。桜の歌我が国は、桜名高き花の国。都も、ひなも春くれば、朝日ににほふその花の風情ぞ、やがて国ぶりと、昔の人の歌言葉。咲いては、かをる花の雲、塵もとどめぬ薄くれなゐ、すきとほる程うつくしく、散ってはこごえぬ花ふぶき、しべも残さぬいさぎよさ。桜こそ、よそには咲かぬ国の花。薔薇はかをり高けれど、枝にとげあり、木もちさし。桃はその実の甘けれど、木ぶり、花ぶりひなびたり。ああ、さくら花、国の花、そのいさぎよさ、うつくしき。実をむねとせで、此の花を、めずるけだかき心こそ...ちょっといっぷく50桜
一昨日の雨で畑はまだ濡れている。草抜きくらいしかできない。ほんでもって、昼から、「花見に行こか!」と車で南へ。千早街道に入って、ふと「今日は何日や?」、「28日!」。「ほなら不動さんにでもお詣りしょ!」と、「でも」付の滝谷不動尊参拝。日本三不動の一つで「目の神様」「芽の出る不動様」などと呼ばれる。どっちもご利益にあやかりたい。「おい、賽銭おくれ」、「あっ、一円しかない」。「仏説摩訶般若波羅蜜多心経・・・」と般若心経を一巻唱えたつもりで、お賽銭の一円。チャリーンではなくニャラリーンと乾いた音。どうもご利益に与(あずか)りそうにない。露店をひやかそうと境内を出たが、店がない。昔は駅まで露店が並んでいたのに・・・。しかたなく、帰ろうとすると、下の駐車場に15店ほどが開店していた。乾物屋があって、干しエビを500...ちょっといっぷく49ご利益
石川の堤防はちょっとした桜の名所。2キロほどの堤防に桜の並木が続く。土日ともなれば多くの人が花見に来る。いつもならバーベキュウの美味しそうな臭いが漂ってくるのだが、焼肉どころか、あいにくの雨。そこで、せめても絵で豪華な花見。『嵐山桜狩之図』豊国『千代田大奥御花見』楊洲周延弁当も豪華に!ビールはこれ!そして宴会!「五座候」ああ、酔った、酔った!※錦絵は国立角界図書館デジタルちょっと一服48花見
一週間前に植えたプリンの容器温室のトマトが芽を出し始めた。トマトはおっちょこちょいで、少し温度をキープしてやると発芽のスイッチが入る。しかし、雨続きで窓際に置いていても地温が上がらないのでパシッと葉を開かない。ショートケーキ温室のナスはまだ。ナスは寒さに弱いので慎重に発芽スイッチを入れる臆病な野菜である。近くの堤防の桜は五分咲き。桜はある温度になれば発芽するのではなく、2月1日からの日々の最高気温を足して600℃になる頃に開花する。なかなか手堅い植物である。今日の夜は町内の元青年団が集まって飲み会。華麗に夜桜と思いきや焼肉屋で一杯とか。加齢には勝てない。※横山大観『夜桜』東京富士美術館収蔵品データベース一寸一服47夜桜
昨日の雨で今日の畑仕事はなし。そこで花見がてらに久々に遠足。少し遠出をして弁当を食べるのが我が家の遠足。9時30分から、よく行く和歌山の橋本へ。考えてみると、大阪を出るのは今年初めてになる。コロナ禍ですっかり出不精になってしまった。紀見峠を越えて産直市場の「やっちょん広場」へ。みかんと野菜、それに「いつもの弁当」を買う。いつもなら、10分ほど走った九度山の道の駅「柿の里くどやま」で弁当を食べるのだが、まだ11時。ならばというので、九度山を通り過ぎて、伊都郡かつらぎ町上天野にある丹生都比売神社へ。考えてみると出不精になったために、正月のお詣りもしていない。これが今年の初詣になる。このブログの「歴史12願わくば」で書いた西行法師の奥さんが住んでいた天野の里にある神社。世界遺産にふさわしい華麗な神社にお詣り。私...ちょっといっぷく46
唐突な質問「〇〇が鳴くからかーえろ(帰ろう)」。〇〇に入る動物はナニ?♪夕焼け小焼けで日が暮れて山のお寺の鐘がなるおててつないでみなかえろうからすといっしょにかえりましょ♪(『夕焼け小焼け』作詞:中村雨紅、作曲:草川信)多くは「からす」と答える。しかし、からすが鳴くのは「カラスの勝手」で帰る理由にはならない。正解は・・・天気予報が当たって今日は雨なのだ。野菜の生育のためには雨は降ってくれなければ困るのだが、永く続くと気が滅入る。雨が降って元気なのはカエル。皮膚呼吸をしているので、湿気が多い方がカエルは元気になる。だから、「カエルが鳴くと雨になる」というような観天望気(自然現象を根拠にした天気予報)が成り立つ。「♪カエルが鳴くからかーえろ。オタマがいるから大丈夫♪」という童歌があった。カエルが鳴くと雨になる...ょっと一服45かって
庭の梅が小さな実をつけている。梅の木の下のリュウキンカが艶やかな花を咲かせている。ずっと「龍金花」だと思っていたが、調べてみると「立金花」と書く。立つように茎を伸ばしてその先に花をつけることからついた名だという。近くの堤防の桜が咲き出した。花見シーズンに入るのだが、明日からは雨模様。そこで、芽出しをしている里芋に雨をあててやろうとビニールを外していると、近くの百姓仲間がぶらりとやって来た。「今年は親芋植えに挑戦するわ!」と言うと、土に埋まった親芋を見て、「それあったら逆さまにせんとアカンがな!」大きな芽が出ている頭の部分を3㎝ほど切って、その切り口を下に、根の部分を上にして植えるのだと言う。そうしないと太い芽が一本の大きな茎となって、葉っぱだけが茂って子芋をつけないそうだ。逆さに植えるといくつかの芽が出て...畑――アカンがな
家の近くの堤防の桜が咲き出した。やはり、うきうきする。ところが、畑のブロッコリーも一斉に花が咲き出した。すこしむかむかする。早めに収穫して茹でて冷凍にしておけばよかった。この時期、道の駅に出荷する野菜でクレームが多いのがブロッコリー。店の照明で、朝に出したのが夕方には花を咲かせている時がある。白菜は目立たないが、買って、家に帰って切ってみると花茎があってクレームがつくことがある。大根はスが入る。玉ネギは芯ができる。花茎が伸びてくることを「薹(とう=花茎)が立つ」という。これを人間にあてはめて、盛期を過ぎた人を「薹がたっている」という。クレームをつけるのは、薹がたち始めた人が多い。とおに薹がたった人は案外クレームをつけない。そんなのを食べてきた経験か、共感か、諦観か。※以上は個人的意見である。ブロッコリーや...畑――とうがたつ
桜のつぼみが膨らみだした。草木の芽も張る。春の語源は「張る」だという。この季節になると、毎年、知人からツクシを頂戴する。地面を突き破るように芽を出すので「突く子」が語源。これに「土筆」と漢字を当てたのも言い得て妙。「春苦味、夏は酢の物、秋辛味、冬は油と合点して食え」と昔から言われる。蕗の薹(ふきのとう)にしろ土筆にしろ、春の山菜は苦味がある。苦味の正体は今流行りのポリフェノール。赤ワイン同様に抗酸化作用が強く、活性酸素などの有害物質を無害な物質に変える作用がある。子供の頃は、この苦味がえぐいので、土筆を甘辛く煮て卵でとじて食べた。今は天ぷら。ほんのりとした苦味に春を感じる。おまけに元気になって田畑を墾る(はる=開墾する)。この「墾る」も春の語源とか。ちょっといっぷく44はる
春の彼岸と桜の開花は種を蒔く目安。東京で14日(火)に桜の開花宣言。それに沿った大坂の開花日は彼岸の21日。ならばというので、ナス・トマト・鷹の爪トウガラシを蒔種。夏野菜の発芽温度は25℃前後。夜でも20℃が必要。昼間はキープできるが夜は無理。そこで、我が家に温室を建設。予算の関係から、スーパーで買ったケーキとプリンの容器。土を入れて蓋をして完了。夕方現在の室温は19℃。寝る前に毛布をかぶせる。朝からは、蓋をはずして窓際に置く。でないと40℃以上になってしまう。これを毎日繰り返す。すると一週間で芽が出る、はず!はず・・・でないのがハズレ!畑――はず
目刺しではない。芽出しである。秋に収穫した里芋を土をかぶせて保存。暖かくなったので掘り出して元気そうなのを種芋にする。例年は親芋に付いた子芋を植えるのだが、今年は「親芋植え」に挑戦。赤芽の里芋なので親芋も食べられるのだが、市場に出しても売れない。それでいつもは捨てていたのだが、親芋は栄養分が豊富で大きく育ち、収量が1.5倍だとか。里芋の発芽適温は25~30℃と高温だ。それが何日か続かないと発芽のスイッチが入らない。地上に芽が出るまで一か月かかる時もある。そこで、暖かい所に仮り植えして、ある程度の長さの芽を出してから定植する。そうすると初期の成長が速い。芽出しとか催芽(さいが)という。ところがである。子芋の芽出しは育苗箱に並べてビニールハウスの中に置いていたが、15㎝もあるの親芋はそうはいかない。仕方なく、...畑――めだし
例年のごとく春の植え付けのトップはジャガイモ。皮が剝きやすいのにしてという相方のお達しで、今年の品種はメークイン。春においしくなることから英語のMayQueen。スーパーで最もよく見かける品種。理由は貯蔵性が最も良いからである。一つの種芋を大きさによって三等分か四等分に切る。オカンなどは一芽ずつ切って、八等分くらいにしていた。そんなにたくさん植えると、ジャガイモはナス科なので、同じナス科のナスやトマト、ピーマンなどを植える場所がなくなってしまう(連作障害)。そこで、ざっくりと三等分して一晩切り口を乾かし、朝に畑へ行って植え付け。切り口を下にして植えるので、ジャガイモは「植える」ではなく「ふせる(ふす)」という。「顔を伏せる」の「ふせる」である。あるいは、土をかけられて見えなくなるので「姿を伏せる」の「ふせ...畑――ふせる
例年なら二月の中頃から畑仕事を始めるのだが、立春を過ぎても寒い日が続き、雨も多かったので「冬眠」を延長していたら、ようやく春めいてきて、三月になっているのにふと気づいた。ニンニクに追肥をするのを忘れている!イチゴにマルチを掛けなければ!ジャガイモを植えなければ!こりゃいかんわい・・・と心がざわめき、三っ日前に冬眠を打破して、蠢(うごめ)きだした。冬ごもりを終えて土中から這い出る虫の気持ちがよく解る。そこで久々の出勤。キャベツやハクサイの収穫にたまに畑に行っているときは気づかなかったが、冬草も色めいてきたのか、にわかに大きくなり、花もつけている。スズメノカタビラ(雀の帷子)という可愛らしい名がついているが、びっしりと根を張る厄介者である。少しなら鍬で削り取るのだが、ひどく蔓延(はびこ)って鍬の歯が入らない。...畑――春めく
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6月23日に、下記にブログを引っ越しました。★楽天ブログ(河内のおっさんのブログ)※一行分かち書きしていた過去記事を散文に改め、写真は必要最低限に書き直して、毎日、一記事をアップしています。https://plaza.rakuten.co.jp/ottusanlando/★はてなブログ「河内国覚書帖」※gooブログの記事を、そのまま引っ越しました。新規の記事更新は、こちらでしています。https://f62xyq39w.hatenablog.com/ブログを引っ越ししました
「茶話135/野の花」で書いたネジバナ(モジズリ)が咲きだした。螺旋状にねじれて咲く、珍しい花だ。きれいなピンクの花を下から順に咲かせていくので花期が長い。右側は野朝顔。あまり大きくならないので、狭い我が家にはちょうどいい。左側はサツキ。本来なら、もう散っているのだが、まだ咲いている。春と夏が混在ししている。温暖化の影響で季節が揺らいでいる。花や野菜の旬がずれてきている。梅雨入りして一週間雨が続いたが、その後は連日の猛暑。朝の5時半に畑に行って、7時を過ぎると気温は30度近くになっている。これ以上は危険な状態。早々に帰って涼しいとこでじっとしているほかはない。とはいえ、何もしないのは勿体ないのでプログの引っ越し作業。◇すでに、ライブドアと楽天に引っ越し中だが、どうもしっくりこない。マンガ(コミック)や芸能...茶話208/まだまだ引っ越し中
去年の秋に植えて冬を越したエンドウ・玉ネギ・ニンニクの収穫。春先に植えたジャガイモ・キャベツ・レタスの収穫。ナス・トマト・オクラ・スイカなどの夏野菜の植え付け。里芋・薩摩芋・落花生などの秋野菜の植え付け。春の農事は春夏秋冬が一度にくる。なんとも忙しかったが、それもそろそろ終盤。梅雨入りまでに全て終えてしまおうと、四月から芽出しさせていたサツマイモを植えて終了。落花生の草抜きをしていると、雨がぽつぽつと降りだした。タマネギ・ニンニク干場で雨宿りしていると、ラジオで近畿・東海地方の梅雨入りのニュースが流れる。帰り支度してから、春の農事の名残を味わおうと畑を一周する。雑草捨て場の片隅に咲く朝顔。土手に咲いていたのを採取してきたもので、朝顔が野生化した野朝顔。500円玉ほどの花をつける。園芸種のような派手さはない...畑207/愛しき花たちよ
今日、六月九日は、旧暦の五月十三日。四百年余り前のこの日、平泉の金色堂(光堂)に拝観した松尾芭蕉が詠んだ句が、五月雨の降りのこしてや光堂五月雨(さみだれ)は、今時分に降る雨だから梅雨のことだ.。五月雨や上野の山も見あきたり/正岡子規明治三十四年、正岡子規の死の前年の作。身動きもままならない病床にあった子規は、降り続く五月雨と上野の山を毎日見て、うんざりとしていた。それだけに、五月雨の合間の五月晴れは嬉しかったのだろう。五月晴れを詠んだ句が実に多い。五月晴や窓をひらけば上野山見えそめて青雲うれし五月晴雨には、涙・別れ・災いというマイナスのイメージがつきまとう。しかし、心の中までじめじめしていたのでは身体のためにはよくない。心だけでも五月晴れでありたい。雨の中で唄ってる雨の中でひたすら唄う気分はもう最高さまた...茶話183/五月雨
ブログの引っ越しを取り合えず終えたが、レイアウトが思い通りにならないやら、タグ付けまで引き継いてくれないなど、どうもしっくりこない。gooブログは「誰でも簡単」が売り物だったが、その通り簡単だったとつくづく思う。そこで、ライブドアに加えて、もう一つ楽天にもブログを開いた。こちらは、引っ越しではなく、過去の記事のリメイク版にした。過去の記事を見直しして、一日一つを公開していく計画だ。gooに500以上の記事があるから、一年半ほどで完了させる計画だ。◇せっかくだから、一行分かち書き(一文一行)をやめて、普通の散文にした。一行分かち書きは、文のつながりが多少飛躍しても意味が解るという利点がある。そのかわり段落が定かでなくなるという欠点がある。それを補うために、写真を挿入していた。しかし、散文にすると段落が明確に...只今、ブログの引っ越し中
雨をはさんで8日間、実質作業6日間かけて600個のニンニクを収穫した。ニンニクは掘ってお終いではなく、根を切って、皮を剥いて、根の付け根を平らにしなければならない。ハサミやカッターナイフを使うのだが、毎日100個ともなると手が痛い。ニンニクのうま味成分といえばアリシンだが、アリシンには非常に強い殺菌力があり、皮膚の潤いを保つアミノ酸を破壊する。すると、皮膚の細胞が壊れて、火傷と同じような症状を起こしてしまうのだ。作業を終えて、家に帰ってオロナイン塗って、風呂に入ってからハンドクリームを塗っての毎日。ようやく、収穫し終えた。これでお終いというわけにはいかない。4個ずつ束ねて、紐で縛って、吊って、干して、乾燥させなければならない。そのためには、新しいビニールハウスを建てたので、要らなくなった古いハウスを干場に...畑206/至福のグルメ
ニンニクの葉がだいぶんと黄色くなってきた。さて、今日は、のんびりと気楽にニンニクを掘るとするか。去年、種ニンニクが安い所をネットで見つけたので買った。一袋(1K)が1100円。4袋セットだと3200円。歳をとっても貧乏根性の治らないジジイだから、必然的に4袋セットを買った。一袋に10個入っているから、一個で10片取れるとして……、一袋で100片の種が取れる。4袋だから、しめて400個で、ちょうどいい数になる。そう思っていたら、届いてびっくり下谷(したや)の広徳寺で、一袋に15個入っていたつまり、4袋で600個……。どうしよう?貧乏根性の抜けないジジイは、600個を植えたのである。ビニールマルチが剥がしやすいように、葉っぱの下で茎を切る。マルチを剥がして、しばらく土を乾かす。土が白くなってきたら、シャベルを...畑205/貧乏爺(ジジイ)
我が町会の地車(だんじり)が、9・10日に2025大阪・関西万博に出展された。その間、出演者連絡用のライングループに楽しそうな写真が投稿されてくる。本来なら、新しく買ったカメラで、自分も投稿していたのに……。神経痛で行くことができなくなった。YouTubeでも、今回の万博で目玉の総木造造りの大屋根リング(外径675m・高さ12m)の中を、賑やかに曳行されていく地車が投稿される。本来なら、その中に自分がいたのに……。見るまいとするのだが、自分が、その中にいるような気がして、ついつい見てしまう。神経痛の痛みをかばいながら、ひょっこりひょっこり歩いている自分が居りはしないかと……。ひょっとしたら、地車の上で、「河内俄の口上」を上げている自分が居りはしまいかと……。しかしである。その間、くよくよ、いじいじしていた...畑204/2025万博
我が町会の地車(だんじり)が、富田林を代表して、今日9日からから11日まで万博の「大阪の祭り」に出演する。本当は、今日、それに付いて行って、今頃はその記事を書いている予定だった。しかし、前回書いた「爺の悲劇」に見舞われたので欠席にした。万博会場には、ゆっくりと休憩できる場所が少ないそうだ。痛みはだいぶん楽になったが、まだ軽く咳をするだけで痛みが背中を走る。万博のガイドブックを買ったのに……。背中に神経痛を抱えた人間が行ったのでは、みんなに迷惑をかけるだけだ。新しいカメラを買ったのに……。行ったところで、自分だって苦痛だし面白くない。若いときだったら、「これくらいの痛みは酒を飲んだらなおるわい」という気概が有った。今でも、そんな気概は有る。しかし、体力が無いので、気概が長続きしなくなった。すぐに、なよなよと...茶話182/おいおい
玄関先に、鉢に植えたクサフジがきれいな花を咲かせている〈茶話137/藤の花〉。どこにでも見かける雑草だが、クサフジの紫の花と、傍にあるオレンジのメダカと一緒に写真を撮れば、ブログの記事になりそうだ。クサフジの鉢をメダカの水槽の前に持ってきてパチリ!おお、こりゃ、いい写真が撮れたわい!爺(じじい)が、一人で悦にいっている。しかし、これが爺の悲劇の始まりだった。爺の足下に、薩摩芋にカビが生えたのを干しているのが有った。爺はその存在を忘れていたのだ。爺が立ち上がって右足を一歩進めた所に有った薩摩芋を踏んでしまった。芋はコロコロと前に転げる。その上にある爺の右足も、どんどんと前に進む。しかし、爺の上半身は後ろに取り残されたたままだ。オイオイ!マテマテ!爺は、必然的に後ろに倒れてしまった。ギャアッッッッ!爺の左の背...茶話181/爺の悲劇
前回書いたごとく、例年より10日ほど早く周囲で田植えが始まった。持ち主が水稲栽培業者に委託している田んぼだ。我が家が貸している隣の田んぼにも水が張られた。これで東西南北四方を水で囲まれたことになる。どこからでも水を汲むことができるので水やりが楽になった。ナス・トマト・キュウリ・ピーマン・トウガラシ・スイカの夏野菜の苗を定植する。畝の準備はすでに完了しているし、自家消費用で四、五株ずつだから、たいして時間をとらない。♪夏も近づく八十八夜野にも山にも若葉が茂る♪日向の作業で少し汗ばむ。若葉は茂っているが、季節はすでに夏!人参の間引き菜と食べられそうな豌豆を少し持って帰る。今日の昼食はかき揚げ丼に決まる。我が相方が「薩摩芋まだある?」と訊いてくる。それで、保存用のハッポースチロールの箱の蓋を久々に開けた。包んで...畑203/夏を待つ
この時期、週にニ、三回、総会屋やら会議やら行事やらがあって、畑仕事もままならない。それでも、夕方には畑へ行く。作業をしにいくのではなく、日に日にあふれていく緑を見に行くのだ。見に行くといっても、なんらかの意思がはたらいているのではなく、なんとなく出かけて、なんとなく眺めて、ぼぉーっとしているだけ。殊にこの季節の緑は気持ちが安らぐ。黄緑、萌黄、ライムグリーン。夏の濃い緑とは違って明るい緑。調和・平和・自然・安息・新鮮・健康・生命力……。心も体もポジティブにしてくれる。まだ四月だというのに、周りで田植えが始まった。例年より十日ほど早い。八月の下旬に稲刈りをして、刈り取った株から出た穂をもう一度刈り取って、二回採りするのだという。これも温暖化の影響なのだろう。春が短くなり、夏が長くなった。近くを通りかかった百姓...畑181/八十八夜の別れ霜
今までに三回、引っ越しをしている。一回目は24歳の時で、兄が結婚するというので実家を離れた。駅前にあるアパートで、憧れの独り暮らしが出来るというので嬉しかった。ところが、二年ほどして父が亡くなり、母屋には祖母と母の女二人なので、不用心だから実家に戻ることになった。独り暮らしを謳歌していたのに……ちょっと寂しい二回目の引っ越しだった。三回目は今住んでいる家に引っ越した。まだ結婚していなかったので、再びの独り暮らしで嬉しかった。医療費の負担が3割から2割になる歳になって、次に引っ越すのはあの世に逝くときだと思っていたら、ひょんなことから引っ越しをするはめになった。と言っても家を引っ越すのではない。ブログの引っ越しだ。gooブログが11月で閉鎖になる。半年後だから、ゆっくりと考えようと思っている時に、gooより...茶話180/お引越し
桜が咲いた。じゃが芋の芽も出そろった。Springhascomeである。大地の底で目覚まし時計が鳴ったかのように、草木が一斉に眠りから覚める。映像を早送りしたかのように、草木は日に日に緑を増していく。ようこそ春よWelcome。命の息吹く春がきた。この三日間、歩いた動いた働いた。表彰台の上で金メダルを歯で噛みたいほどに働いた。三月に芽出ししたトマトにナスにブロッコリー、レタスにピーマンを大きなポットに植え替えた。スイカにキュウリ、カボチャにマッカ。ダイコン、ニンジン、インゲン、ゴーヤ。夏野菜の種も蒔いた。芽が出て育った夏野菜の苗を植える畝も立てた。さあさ、いつでもWelcome!植えるcomeの春がきた。畑201/Welcome
昨日3日は、一粒の種が万倍に育つという「一粒万倍日」。加えて、黄金色の毛が金運をもたすという「寅の日」。もえ一つおまけに、太陽が隅々まで明るく照らしてくれて、すべての物事がうまくいくという「大明日」。こんな大吉日に、じっとしていては運を逃す。朝の早から畑へ行って、蒔いた蒔いた蒔きました。スイカにキュウリ、カボチャにマッカ。ダイコン、ニンジン、インゲン、ゴーヤ。縁起担いで、ソーリャソラソラお祭りだ!数日前に70歳をむかえた。「人生七十古来稀なり」。中国は盛唐期の詩人、杜甫の漢詩「曲江」の中の一句が「古希」の出典となった。朝(ちょう)より回(かへ)りて日日(ひび)春衣(しゅんい)を典(てん)し毎日江頭(こうとう)に酔いを尽くして帰る酒債は尋常行く処に有り人生七十古来稀(まれ)なり花を穿(うが)つ蝶々は深深(し...畑200/種まき
※①~③のつづきです。旅17から読んでください。備前の旅も四日目、大阪に帰る日だ。昼前に出ようと友人が言うので、それまで周匝の町をぶらぶらしてくるとウォーキングに出た。山沿いに町まで向かう。途中、道の真ん中に大きな樹がある。石碑があって、髭が生えたような文字から「南無妙法蓮華経」だと読み取れる。なにを祀っているのだろう?近くで80歳くらいのお爺さんが竹ほうきで落ち葉を掃除している。尋ねてみようと「おはようございます」と声をかける。「でぇれぇ、さみーに、どけーいなれる?」なんとなく解ったので、「町まで散歩です」と応える。「ほーけ。わちゃー、歳とって、なーんもできん厄っけー者じゃーと、みながそげーなことゆーて、えれーいらまかしょる。せーじゃけー、厄っけー者じゃー言われんよーに、ちーたー掃除ぐれえーしよお思ーち...旅20/老いの小文六の④
※①~②のつづきです。茶話179から読んでください。岡山県は、瀬戸内海と中国山地に囲まれ、温暖で晴れの日が多いことから「晴れの国」をキャッチフレーズにしている。なのだが、過去5度来たうちの半分以上が、晴れるはずなのに雨だった。だから、「晴れの国」ではなく「ハズの国」だと愚痴っていた。そこで、昨年の秋の旅からは天気予報に合わせて日程を組むことにした。今回も同様に日程を組んだので、見事な晴れの国の三日目となった。午前中は、昨日立てた畝に、私が持って来た里芋と菊芋を植えた。秋に来た時の楽しみにするためである。農作業を早々に切り上げて早い昼食をとる。スーパーで買った100円ラーメン。オジン二人の食事は実に質素だ。酒の肴を含めても、三日分でしめて3000円。しかし、なににも勝るご馳走である。昼食を終えて、すぐに家を...茶話181/老いの小文六の③
※①のつづきです。茶話179から読んでください。川岸に植えられているソメイヨシノはまだ蕾だが、家々の庭に植えられている他の品種は花を付けている。そんな桜を車窓から追いながら、和気から吉井川沿いを走り、4時頃に備前の国の友人宅に着く。荷物を下ろして庭に出る。半年ぶりに見る懐かしい山々。山際の冬木立が老人のハゲた頭の産毛のようで、山の端と空の境が定かではない。山桜が咲いているのだろうが、冬木と同化してよくわからない。少し歩くとサクランボの花が満開。これも桜に違いないと写真を撮る。ひゅーっと風が吹いて、ぶるっと震えたので家に戻る。我が嫁はんへの「到着こメール」に、さっきのサクランボの写真を添えて送る。友人と無事到着の乾杯をし、そのままオジン二人の家飲みの宴となる。翌朝、家々に引かれた防災無線の音楽で目が覚める。...茶話180/老いの小文六の②
今年こそ満開の桜を観に来いよと、備前の国に家を持つ友人が誘ってくれた。予報では26日が開花で、満開は四月の上旬。だが、四月は何かと所用があり日程が合わない。ならば、満開の桜は諦めて、せめて天気の良い日にと思い、三月の下旬に備前の旅に出ることになった。弥生も末の七日。昼前に、友人が堺の実家から車で迎えに来てくれた。備前の土産にと用意していたキャベツやレタスの苗を積み、いつも通り西国街道(山陽路)をひた走る。途中、明石の宿で弁当を買おうとするも、昼遅く、お握り二個と沢庵の入った弁当しかない。まあ、播磨の国の美味しい米を食すのも悪くはあるまいと購入する。ベンチに座って弁当に張られたシールを見る。播磨の米のはずだと思って買ったのに、製造は「京都府城陽市」とある。備前の旅は「~のはずなのに」が、なぜかよくある。桜が...茶話179/老いの小文六-①
明日、畑で何しようという目的と明日の天気で、何時に起きるかが決まる。毎度の猛暑で8時頃までしか動けない。やることがいっぱいあれば4時30分に起きて、5時から畑へ。あまりなければ6時に起きて、のんびりと畑へ。目が覚めて、外で雨音がしていれば、ゆっくりと寝る。この一週間、雨が降れば豪雨という日が三回。土の渇く間がなく、畑の中に入れなかった。ようやく今日になって梅雨前線が北上。さっそく5時に起きて畑へ。と言っても、まだ土が湿っているから畑には入らずに、土が固い通路や畔の草抜き。雑草は抜いても刈っても容赦なく生える。雨降り前に抜いて放ったらかしにしていた雑草なんぞは、もう生き返って根を伸ばしている。なんとまあ……と呆れるとともに、なんとも逞しいものよ……と感心する。♪生きる事がつらいとか苦しいだとか言う前に野に育...畑166/雑草
「命にかかわる暑さ」などと言われると、外出をせずに部屋でじっとしているしかない。戸を閉め切ってクーラーを利かし、外部と遮断された部屋の中で過ごす。炎天を来てクーラーに冷さるる/石塚友二クーラーのなかった昔は、北と南の縁側の戸を開け放って風通しをして、自然と一体になっていた。大の字に寝て涼しさよ淋しさよ/小林一茶今はクーラーによって受動的に冷やされるだが、昔は積極的に涼しさを求めた。自然にあるものを利用した簾(すだれ)と葦簀(よしず)で日差しを防いだ。水の蒸発で熱が奪われるのを利用して道に打ち水をした。軒先の吊りしのぶや風鈴に、目と耳で涼しさを感じた。そして、それらを風情として愛でた。それどころか、花火や舟遊びのように、涼しさを求めることを夏の行事にして、暑さをみんなで楽しんだ。日本人は、涼しさを皮膚だけで...茶話139/涼しい
あんなけ雨が続いたのに、もう一週間も雨が降らない。梅雨の大型連休。トマトなんぞは、わざと水をやらずに虐めてやった方が甘いのが出来る。しかし、花が咲き始めた落花生は水を欲しているのに、畝の土がカラカラに乾いて、可哀そうに元気がない。そこで久しぶりに「お浸し」。とはいえ、料理して食べるのではない。隣の田んぼから畑に水を入れて、畑を水浸しにするのだ。基本的に蒔種や定植、よほど葉がしなびている時にしか水はやらない。自然農法……などという洒落たものではない。邪魔くさいのだ。畝の間にたっぷりと水を入れて半日ほど放ったらかしに水攻めしてやると、畝に水がしみこんで真っ黒になる。野菜の葉っぱはしゃんとして元気になる。欠点は雑草も元気になることだ。が溜まる間、スイカをつるしあげる。とはいえ、こてんぱんに批難するのではない。網...畑165/なんとも物騒な
毎日、「危険」のアラートが出されて、もはや畑仕事は早朝しかできない。5時に起きて、畑へ行く。4月に植えたサツマイモから、ようやく植えることができるほどの苗が出来た。植え時期としては少し遅いができないことはない。昔は梅雨に入る6月に植えたものだ。それが今では、温室で苗を作るので、4月や5月と早くなっただけだ。季節感の無い世の中になったものだ植え終わって、やれやれと8時頃に帰る。朝食を済ませて、涼しければ、もう一度畑へ行くが、すでに30度に達している。毒炎焼くがごとく地は焦げ、命あっての物だねである。家の中でじっとしているしかないが、我が狭い寓居には居場所がない。庭に出て影の下で暇をつぶす。去年に作った「吊りしのぶ(62/しのぶ)」を吊るそうと針金で台を作る。さて、吊る段になって、コンクリートで固められた軒に...茶話138/天まで届け
南と西の田んぼの田植が終わった。これで東西南北を稲田に囲まれた「ぽつんと一軒畑」になる。なんとなく寂しいが、これでカラスがいなくなってくれればと期待している。逆に、我が畑に集中攻撃をかけてくるかもしれない。だが、畑全体に防鳥糸やネットを既に張り巡らせている。来るなら来てみろだ!田植がされている間は、農道を車が頻繁に移動するので、邪魔をしてはと畑に行くのを控える。その間は、我が0円花壇の手入れで暇をつぶす。写真の前列左から、去年作ったコケ玉(62/しのぶ)。コケだけでは殺風景なので、庭の片隅に生えていたウンランをトッピングしている。前列真ん中は道端にあったのを引っこ抜いてきたスミレ(畑158/アレする)。根っこだけでも芽を出す植物なので、すぐに定着した。前列右は庭の片隅に生えていたミツバ。マクドのコーラーの...畑164/喜びの共有
先週あたりから30度超えの日が続いて、畑活は朝夕の夏勤務。6時頃に畑へ。カラスのために余計なことをしなければならない。畑の四方と上に、防鳥糸を張り巡らせた。身長よりも低い所に糸が張ってあるので、頭が糸に引っかかる。畑に入る時は、麦わら帽子を脱いで、頭を下げなければならない。なんとも礼儀正しい畑である。実りだしたキュウリは、慇懃無礼なカラスの被害にはあっていないので、糸の効果はあるのだろう。8時に、近くの工場の始業のサイレンが鳴ると、我が畑活は終了。今年からの帰宅の儀式の始まり……。パーン!カラスを追い払うために、ロケット花火を一発撃ちあげる。パン、パン!百均で買った玩具のピストルを二発ぶっぱなす。高圧電線に留まって、「あのオッサン、早く帰らんのかな」と眺めている奴らが一斉に飛び立つ。ざまあみろ!青田を背景...畑163/めぐる季節の中で
カラスに全滅にされた落花生の種の蒔き直し。小さなトンネルを作って防鳥ネットで囲ったうえに、雨除けと保温のためのビニール。これだけ頑丈にすればカラスも手が出せまい。朝早くにビニールをめくって風通しを良くしてやる。家に帰って朝食して、再び畑へ行く。トンネルの辺りから二羽のカラスが飛び立つ。まさかと思って見ると、やられた!ええ?ここから口ばしを突っ込んだの?と疑うほどの隙間しかない。一羽がネットを持ち上げ、もう一羽が首を突っ込んで取り出したとしか考えられない。なんともエゲツナイカラスの学習能力!人間虐待!こうなりゃ最後の手段!家に帰って食パンを一枚取って来る。小さく切って、竹櫛に刺して、ハイどうぞ!君たちには、もうかなわないから仲よくしよう!中生(なかて)の玉ネギを抜いて乾かしておいて家に帰った。昼食終えて、畑...畑162/カッテにしやがれ!
例年なら、この時期はのんびりとしているのだが、落花生の苗200株全滅(前の記事)から、何かと仕事が増えて二週間休みなし。今日は、午前中に草抜きして、昼から小雨模様なので、やっとのんびり。白菜一玉800円から、ようやく価格が安くなってきた。そんな時期になって、ようやく我が家の白菜が食べごろに。これから、せっせと食べていかないと、この時期の白菜はすぐに花芽が出てくる(とう立ち)。だいたいにおいて、この時期、白菜はあまり食べないから、半分は友人にあげている。一方、こっちは、わざととう立ちさせた玉ネギ。普通なら、失敗作を人に見せたくないので引き抜いてしまう。だから、一度玉ネギの花を見たことがないので放ったらかしにしておいた。ネギ坊主のような花を咲かすのは想像できたが、1メートルほどの高さになるのは意外だ。ついてだ...畑161/楽しみの種を蒔く
落花生の発芽が悪く、根を傷めまいと、発芽前に200株を定植するという、苦肉の策の九二九作戦(畑159)。いつものように畝の左右にカラスの嫌がる防鳥糸を張る。自然相手の農作業は、人間の意思ではどうにもならないことが起こる。しかし、その都度、創意工夫して苦難を乗り越えて来た。それが、農耕民族であった日本人の勤勉、緻密さ、信頼感」、専門性などの世界に誇れる日本人の魅力になってきた。農民根性が大和魂になってきたのだ。次の日、いくつかは青々とした本葉を出しているはずだと、朝、意気揚々と畑へ。玉砕!やられた。全滅!カラスに……!引っこ抜いて豆の部分だけが食われている。防鳥糸が効かない!大和魂がくじけてくる。写真を撮ろうにも落花生の姿は無いし、撮る気力も無い。ナミダすら出無い!五種類を植えているので、残った種を数えて、...畑160/遂に8K88作戦!
5月8日に落花生を100個ほどビニールポットに種蒔きして今日で14日目。7~10日で発芽して出そろう予定が、本葉が出たのは一割ほど。一気に定植するのは辛どいので、日にち差をつけて一週間後に植えた100個は沈黙したまま。落花生は発芽に加湿を嫌うので水やりしなくとも発芽したが、二週間で発芽しないと、さすがにカラッカラ。そこで一発勝負の水やりをしたが、どうも芳しくない。胚軸(双葉の下の茎)と一本の本根は出ているはずだが、地温が上がらないために細い根が張ってくれななんで?こんなん初めて!一日の気温を1時間ごと測定気した気温を平均したものが平均気温。単純にいえば、最低気温と最高気温を+して2で÷ればいい。温暖化だ、夏日だと囃されているが、この時期は大陸からの冷気も入ってきて最低気温が低い。そこへきて、雨や曇りが多い...畑159/九二九作戦発令!
朝6時に目が覚めて畑へ。落花生はというと10個ほど本葉を出している。まあええかと少しだけ納得して、あとはひたすら草抜き。一昨日に雨が降って、今日あたりが抜きやすい。8時過ぎに家に帰って朝食。もう一度畑へ行こうと玄関に出て、ふと思い出した。そうだアレをしなければ。春先に、家の近くの道路の脇でアレを見つけた。なかなか綺麗な花をつけている。調べてみるとアリアケスミレらしい。5月になったら種を採取して、庭に蒔いてやろうと決めていた。見に行くと、すでに種を飛ばしているのもある。だが、大半の実はまだ下を向いている。実が上を向いているのが成熟している証拠。ばかーっと三つに割れて種を遠くへ飛ばす準備をしているやつだ。そいつを見つけて封筒に入れておく。今日中に割れて、一粒で30個ぐらいの種が採れる。割れるのを待っている間、...畑158/アレする!
落花生の種を蒔いて、三日ほどで胚軸(双葉から下の茎)が出て、その拍子に種が土をぷっくりと盛り上げた。いい調子、いい調子。胚軸から根が伸びてから、種が二つに割れて本葉が一斉に出る。種を蒔いて発芽がそろうと実に嬉しくなる……。……はずだったが、一週間経っても種が割れない。ここしばらく肌寒くて、平年気温より1℃ほど低い。そのために地温が上がらず、根が成長していないのだ。厄介なことになった。出来るだけ水やりはしたくなかったが、土がカラカラに乾いているので、少し湿らせないといけない。やむを得ず、指で土をちょいちょいと取って豆を露出させ、蒸れないようにして水をかけるしかない。それで一気に発芽してくれればよいが、落花生は、水分が多すぎると発芽を止めてしまうことがある。さあ、どうしよう?雨の日が多く、気温の変化が大きいた...畑157/勝負や!
見ているだけで腹が立ってくるので、エンドウを早々に撤去した。いつもならネットごと刈り取って、新しいネットに張り替える。しかし、カラスが枝をボキボキにして、まったく成長していないので、エンドウをネットから取り外して、ネットは再利用することにした。すっきりとした畑を見て、気持ちもすっきり。それに、今日は、カラスもどこかへ行ったのか、やけに少ない。なんとも気ままなカラスだと思っていると、隣の畑の方から、周波数の合っていないラジオのような音がする。なるほど、うちと同じように枝をボキボキにやられたので、カラス除けの超音波機かなにかを買ったのに違いない。どんなものかと、帰り際に見に行くと、ラジオのようなではなく、ラジオだった。わざと周波数をはずして鳴らしていたのだ。砂嵐の音の間にピーとかヒューとかの音が交じる。住宅地...畑156/音
負けた。カラスにエンドウを襲われて、防鳥糸を張ったが全く効果がない。カラスではなくハトだと思って、黒マルチの幟を立てて百姓一揆を起こした。しかし、効果があったのは最初だけで、ニ、三日するとエンドウの上に下りて、枝をボキボキにされた。近くの畑も同様の被害にあっていると言う。仲間と話をしているうちに、やはりカラスの仕業だという結論になった。カラスの脳の重さは鳥類の中でもずば抜けて重く、人間の7歳程度の知能があるという。人間の顔や服装も識別できる。近くの農小屋の屋根にカラスが留まっているのを見て、「あいつら何を考えとんやろか」と人間は思う。しかし、奴らは、じーっとこっちを見て、逆に人間を観察しているのだ。「このオジン、いつ帰るねん!帰ったらエンドウを喰いにいったるのに!」なんとも小癪な奴だ。そうこうしているうち...畑155/カラスの勝手
連休中に農水路の共同清掃(井路掘り)があった。昔は、田植えや害虫防除、稲刈りや脱穀など、仲間と共同ですることがたくさんあった。村のほとんどが専業百姓だから、仲間意識、ムラ意識があって運命共同体が形成されていた。今はもう、職業がてんでばらばらになって、井路掘りだけが残っているだけだ。利害が一致していれば運命共同体が形成されるが、利害がばらばらになっているのが現状だから、少しずつ井路掘りの参加者も減っていくだろう。井路掘りが終わると水の準備は完了、田植えが始まる。畑の周りもあっという間に水田に変わった。これでしばらくは水の心配をせずに済む。さあ、落花生の種を蒔くとするか。今年は、里芋の出荷をやめて、落花生が唯一の現金収入。いわば、命の落花生だ。ビニールポットに一粒ずつ蒔く。まずは100株蒔いて、あとの50株は...畑154/落花生
山々に立ち込めた薄絹の朝霞が少しずつ晴れ渡る。星の雫かと思うような露が草葉の上で朝陽に光る。ここちよい風が胸を撫でると、露の玉が地に落ちて、鈴々と楽の音を奏でて土に入っていく。なんともすがすがしい皐月の朝。名も知らぬ野の草が風に揺れる。現役時代は、五月の連休中も働いていた。こんな爽やかな季節こそ、畑でのんびりと野良仕事がしたい。それが理由で、定年前に仕事を辞めた。どうせ70歳くらいまでしか生きないのだから、年金なんて早くもらう方がいい。なんとも我がままだが、正解だったと思う。蜜柑の花が満開。ほんのりとジャスミンのような甘美な香りがただよってくる。16aある土地の3aほどで畑をしていたが、リタイアする前の年から畑を倍の6aにした。残りは業者に委託して稲作をしてもらっている。仕事を辞める時に、業者の社長に「米...畑153/立夏
今年、チャレンジする野菜は、岡山の友人からもらってきた山わさび。清流で栽培される「わさび(本わさび)」は、日本独特の食材だから英語でも「Wasabi」。畑で栽培される「山わさび(西洋わさび)」は、フィンランド原産で英語名は「Horseradish」。粉わさびやチューブのわさびは、ほとんど山わさびからつくられている。山わさびは本わさびより1.5倍も辛い。本わさびのような辛さの中に甘味はないが、舌がしびれるような刺激的な辛さが好みの人にはむいている。寒さには強いので鉢植えにして外に置いていたら、春になって虫食いだらけ。見るとアオムシがいっぱいついている。調べると、キャベツや白菜と同じアブラナ科だった。手で捕殺して、根を大きくするために露地植えにする。もう一つのチャレンジは「おくら」。なんとも日本語らしい名前だ...畑152/ひ弱に
今日は「夏も近づく八十八夜♪」。よくご存じの唱歌『茶つみ』だが、よくご存じでない二番の歌詞。♪日和つづきの今日此の頃を心のどかに摘みつつ歌ふ摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ摘まにゃ日本の茶にならぬ♪末広がりの八が二つ重なる八十八夜に摘んだお茶は、不老長寿の縁起物として好まれる。縁起のいいのはお茶だけではない。「八」「十」「八」の3つの字を組み合わせると「米」という字になるため、百姓にとっても大切な日だった。この頃から田植えが、ぼちぼち始まる。そのために、農水路をきれいにして、川の水を流す準備をする。全国的に農水路を井手というようだが、我が村では井路(いじ)とよび、村中から人が集まり井路を掃除するのを「井路掘り」とよんでいる。今はコンクリートで固められているが、昔は、文字通りに井路を掘っていたのだ。今日は、その...畑151/88
ブドウがつぼみを着けだした。花が咲くのは中旬頃。それまでに、枝の先っぽのつぼみは摘んで、枝元のつぼみ一つ残す。咲きだした頃に、ジベレリンという植物ホルモン液に漬けると種無しブドウになる。孫に食べさせてやろうと、去年、初めてジベレリンに漬けた。みごと種無しになった。しかし、実も無くなった。花がすべて枯れてしまったのだ。だいたい、野菜や果物には種ができるものだ。それを無理やり薬で種を無くすのは、自然の摂理から外れるし、神への冒涜だ。ブドウたけでなく、種無しピーマンやスイカとかも出だしたが、野菜や果物は種があるから美味しい。種の有るブドウなんて、スーパーでは売っていない貴重品なのだ。だから、今年はジベレリン処理をしない。種のある大人の味を楽しむ。河川敷で掘り上げて来たネヂモジが大きくなった(茶話135/野の花)...畑150/種のネタ
朝方に雨が降った。五月は半分の日が雨だった。日月曜の連休の間に、頑張って夏野菜の畝立てを終えて正解だった。雨上がりのうちに畑へ。昨日植えた赤シソは、水を吸って元気だ。それはそうと、ハトに襲われたエンドウを守るための「百姓一揆」の結末を確かめなければ……。うーん?手薄だった東西の端がやられた。スナップはもはや全滅状態。うーん?思案の末に黒ビニールの幟(のぼり)を増やした。30年ほどエンドウを作っているが、こんなの初めて……。黒いビニールが立ち並ぶ、情けない情景を呆然と眺める……。遠くの山々が白いベールに覆われだしている。こんな時は雨になる。泣きたいのは、こつちやがな……。……思っているうちにポツリポツリと降り出した。ビニールトンネルの中に慌てて入って、椅子に座ってぼんやり……。羅生門の下で、一人で雨やみを待...畑149/雲外蒼天