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  • 畑――豆の花

    あすから四月。旧暦を使う俳句の季語からいえば、明日から夏になる(厳密にいえば立夏から)。「豆の花」という季語は三月頃から咲く豌豆や空豆の花のこと。したがって、季節は「春」になる。畦道に豆の花咲く別れかな(星野椿)実がみのった「豌豆」や「蚕豆(そらまめ)」は「夏」の季語になる。蚕豆も豌豆も咲くや庭畠(正岡子規)蝶々が羽を広げているような形が豆の花の特徴。蝶形花(ちょうけいか)という。外側に大きな花びらがあり、真ん中に二つの花びら、その中にもう二つの花びらがある。そして、それに包まれて雄しべと雌しべがある。だから雄しべと雌しべは見えない。ならば、どうやって受粉するのか?真ん中の花びらに昆虫がとまると、重さで花びらが下がり、もう二つの花びらが出てくる。昆虫はその中にもぐりこみ受粉させる仕掛けになっている。豆の花...畑――豆の花

  • ちょっといっぷく50 桜

    明治時代の小説家、評論家、翻訳家、劇作家。近代日本文学の成立や演劇改良運動に大きな影響を与えた坪内雄蔵(坪内逍遥)による高等科女子用の国語教科書にある桜の詩。軍国主義に偏る前の国粋主義(日本の文化・伝統の独自性を強調し、保守しようとする思想)的な誌です。桜の歌我が国は、桜名高き花の国。都も、ひなも春くれば、朝日ににほふその花の風情ぞ、やがて国ぶりと、昔の人の歌言葉。咲いては、かをる花の雲、塵もとどめぬ薄くれなゐ、すきとほる程うつくしく、散ってはこごえぬ花ふぶき、しべも残さぬいさぎよさ。桜こそ、よそには咲かぬ国の花。薔薇はかをり高けれど、枝にとげあり、木もちさし。桃はその実の甘けれど、木ぶり、花ぶりひなびたり。ああ、さくら花、国の花、そのいさぎよさ、うつくしき。実をむねとせで、此の花を、めずるけだかき心こそ...ちょっといっぷく50桜

  • ちょっといっぷく49 ご利益

    一昨日の雨で畑はまだ濡れている。草抜きくらいしかできない。ほんでもって、昼から、「花見に行こか!」と車で南へ。千早街道に入って、ふと「今日は何日や?」、「28日!」。「ほなら不動さんにでもお詣りしょ!」と、「でも」付の滝谷不動尊参拝。日本三不動の一つで「目の神様」「芽の出る不動様」などと呼ばれる。どっちもご利益にあやかりたい。「おい、賽銭おくれ」、「あっ、一円しかない」。「仏説摩訶般若波羅蜜多心経・・・」と般若心経を一巻唱えたつもりで、お賽銭の一円。チャリーンではなくニャラリーンと乾いた音。どうもご利益に与(あずか)りそうにない。露店をひやかそうと境内を出たが、店がない。昔は駅まで露店が並んでいたのに・・・。しかたなく、帰ろうとすると、下の駐車場に15店ほどが開店していた。乾物屋があって、干しエビを500...ちょっといっぷく49ご利益

  • ちょっと一服48 花見

    石川の堤防はちょっとした桜の名所。2キロほどの堤防に桜の並木が続く。土日ともなれば多くの人が花見に来る。いつもならバーベキュウの美味しそうな臭いが漂ってくるのだが、焼肉どころか、あいにくの雨。そこで、せめても絵で豪華な花見。『嵐山桜狩之図』豊国『千代田大奥御花見』楊洲周延弁当も豪華に!ビールはこれ!そして宴会!「五座候」ああ、酔った、酔った!※錦絵は国立角界図書館デジタルちょっと一服48花見

  • 一寸一服47 夜桜

    一週間前に植えたプリンの容器温室のトマトが芽を出し始めた。トマトはおっちょこちょいで、少し温度をキープしてやると発芽のスイッチが入る。しかし、雨続きで窓際に置いていても地温が上がらないのでパシッと葉を開かない。ショートケーキ温室のナスはまだ。ナスは寒さに弱いので慎重に発芽スイッチを入れる臆病な野菜である。近くの堤防の桜は五分咲き。桜はある温度になれば発芽するのではなく、2月1日からの日々の最高気温を足して600℃になる頃に開花する。なかなか手堅い植物である。今日の夜は町内の元青年団が集まって飲み会。華麗に夜桜と思いきや焼肉屋で一杯とか。加齢には勝てない。※横山大観『夜桜』東京富士美術館収蔵品データベース一寸一服47夜桜

  • ちょっといっぷく46

    昨日の雨で今日の畑仕事はなし。そこで花見がてらに久々に遠足。少し遠出をして弁当を食べるのが我が家の遠足。9時30分から、よく行く和歌山の橋本へ。考えてみると、大阪を出るのは今年初めてになる。コロナ禍ですっかり出不精になってしまった。紀見峠を越えて産直市場の「やっちょん広場」へ。みかんと野菜、それに「いつもの弁当」を買う。いつもなら、10分ほど走った九度山の道の駅「柿の里くどやま」で弁当を食べるのだが、まだ11時。ならばというので、九度山を通り過ぎて、伊都郡かつらぎ町上天野にある丹生都比売神社へ。考えてみると出不精になったために、正月のお詣りもしていない。これが今年の初詣になる。このブログの「歴史12願わくば」で書いた西行法師の奥さんが住んでいた天野の里にある神社。世界遺産にふさわしい華麗な神社にお詣り。私...ちょっといっぷく46

  • ょっと一服45 かって

    唐突な質問「〇〇が鳴くからかーえろ(帰ろう)」。〇〇に入る動物はナニ?♪夕焼け小焼けで日が暮れて山のお寺の鐘がなるおててつないでみなかえろうからすといっしょにかえりましょ♪(『夕焼け小焼け』作詞:中村雨紅、作曲:草川信)多くは「からす」と答える。しかし、からすが鳴くのは「カラスの勝手」で帰る理由にはならない。正解は・・・天気予報が当たって今日は雨なのだ。野菜の生育のためには雨は降ってくれなければ困るのだが、永く続くと気が滅入る。雨が降って元気なのはカエル。皮膚呼吸をしているので、湿気が多い方がカエルは元気になる。だから、「カエルが鳴くと雨になる」というような観天望気(自然現象を根拠にした天気予報)が成り立つ。「♪カエルが鳴くからかーえろ。オタマがいるから大丈夫♪」という童歌があった。カエルが鳴くと雨になる...ょっと一服45かって

  • 畑――アカンがな

    庭の梅が小さな実をつけている。梅の木の下のリュウキンカが艶やかな花を咲かせている。ずっと「龍金花」だと思っていたが、調べてみると「立金花」と書く。立つように茎を伸ばしてその先に花をつけることからついた名だという。近くの堤防の桜が咲き出した。花見シーズンに入るのだが、明日からは雨模様。そこで、芽出しをしている里芋に雨をあててやろうとビニールを外していると、近くの百姓仲間がぶらりとやって来た。「今年は親芋植えに挑戦するわ!」と言うと、土に埋まった親芋を見て、「それあったら逆さまにせんとアカンがな!」大きな芽が出ている頭の部分を3㎝ほど切って、その切り口を下に、根の部分を上にして植えるのだと言う。そうしないと太い芽が一本の大きな茎となって、葉っぱだけが茂って子芋をつけないそうだ。逆さに植えるといくつかの芽が出て...畑――アカンがな

  • 畑――とうがたつ

    家の近くの堤防の桜が咲き出した。やはり、うきうきする。ところが、畑のブロッコリーも一斉に花が咲き出した。すこしむかむかする。早めに収穫して茹でて冷凍にしておけばよかった。この時期、道の駅に出荷する野菜でクレームが多いのがブロッコリー。店の照明で、朝に出したのが夕方には花を咲かせている時がある。白菜は目立たないが、買って、家に帰って切ってみると花茎があってクレームがつくことがある。大根はスが入る。玉ネギは芯ができる。花茎が伸びてくることを「薹(とう=花茎)が立つ」という。これを人間にあてはめて、盛期を過ぎた人を「薹がたっている」という。クレームをつけるのは、薹がたち始めた人が多い。とおに薹がたった人は案外クレームをつけない。そんなのを食べてきた経験か、共感か、諦観か。※以上は個人的意見である。ブロッコリーや...畑――とうがたつ

  • ちょっといっぷく44 はる

    桜のつぼみが膨らみだした。草木の芽も張る。春の語源は「張る」だという。この季節になると、毎年、知人からツクシを頂戴する。地面を突き破るように芽を出すので「突く子」が語源。これに「土筆」と漢字を当てたのも言い得て妙。「春苦味、夏は酢の物、秋辛味、冬は油と合点して食え」と昔から言われる。蕗の薹(ふきのとう)にしろ土筆にしろ、春の山菜は苦味がある。苦味の正体は今流行りのポリフェノール。赤ワイン同様に抗酸化作用が強く、活性酸素などの有害物質を無害な物質に変える作用がある。子供の頃は、この苦味がえぐいので、土筆を甘辛く煮て卵でとじて食べた。今は天ぷら。ほんのりとした苦味に春を感じる。おまけに元気になって田畑を墾る(はる=開墾する)。この「墾る」も春の語源とか。ちょっといっぷく44はる

  • 畑――はず

    春の彼岸と桜の開花は種を蒔く目安。東京で14日(火)に桜の開花宣言。それに沿った大坂の開花日は彼岸の21日。ならばというので、ナス・トマト・鷹の爪トウガラシを蒔種。夏野菜の発芽温度は25℃前後。夜でも20℃が必要。昼間はキープできるが夜は無理。そこで、我が家に温室を建設。予算の関係から、スーパーで買ったケーキとプリンの容器。土を入れて蓋をして完了。夕方現在の室温は19℃。寝る前に毛布をかぶせる。朝からは、蓋をはずして窓際に置く。でないと40℃以上になってしまう。これを毎日繰り返す。すると一週間で芽が出る、はず!はず・・・でないのがハズレ!畑――はず

  • 畑――めだし

    目刺しではない。芽出しである。秋に収穫した里芋を土をかぶせて保存。暖かくなったので掘り出して元気そうなのを種芋にする。例年は親芋に付いた子芋を植えるのだが、今年は「親芋植え」に挑戦。赤芽の里芋なので親芋も食べられるのだが、市場に出しても売れない。それでいつもは捨てていたのだが、親芋は栄養分が豊富で大きく育ち、収量が1.5倍だとか。里芋の発芽適温は25~30℃と高温だ。それが何日か続かないと発芽のスイッチが入らない。地上に芽が出るまで一か月かかる時もある。そこで、暖かい所に仮り植えして、ある程度の長さの芽を出してから定植する。そうすると初期の成長が速い。芽出しとか催芽(さいが)という。ところがである。子芋の芽出しは育苗箱に並べてビニールハウスの中に置いていたが、15㎝もあるの親芋はそうはいかない。仕方なく、...畑――めだし

  • 畑――ふせる

    例年のごとく春の植え付けのトップはジャガイモ。皮が剝きやすいのにしてという相方のお達しで、今年の品種はメークイン。春においしくなることから英語のMayQueen。スーパーで最もよく見かける品種。理由は貯蔵性が最も良いからである。一つの種芋を大きさによって三等分か四等分に切る。オカンなどは一芽ずつ切って、八等分くらいにしていた。そんなにたくさん植えると、ジャガイモはナス科なので、同じナス科のナスやトマト、ピーマンなどを植える場所がなくなってしまう(連作障害)。そこで、ざっくりと三等分して一晩切り口を乾かし、朝に畑へ行って植え付け。切り口を下にして植えるので、ジャガイモは「植える」ではなく「ふせる(ふす)」という。「顔を伏せる」の「ふせる」である。あるいは、土をかけられて見えなくなるので「姿を伏せる」の「ふせ...畑――ふせる

  • 畑――春めく

    例年なら二月の中頃から畑仕事を始めるのだが、立春を過ぎても寒い日が続き、雨も多かったので「冬眠」を延長していたら、ようやく春めいてきて、三月になっているのにふと気づいた。ニンニクに追肥をするのを忘れている!イチゴにマルチを掛けなければ!ジャガイモを植えなければ!こりゃいかんわい・・・と心がざわめき、三っ日前に冬眠を打破して、蠢(うごめ)きだした。冬ごもりを終えて土中から這い出る虫の気持ちがよく解る。そこで久々の出勤。キャベツやハクサイの収穫にたまに畑に行っているときは気づかなかったが、冬草も色めいてきたのか、にわかに大きくなり、花もつけている。スズメノカタビラ(雀の帷子)という可愛らしい名がついているが、びっしりと根を張る厄介者である。少しなら鍬で削り取るのだが、ひどく蔓延(はびこ)って鍬の歯が入らない。...畑――春めく

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