いつもみなさん、ありがとうございます。 さて今回は日蓮が天台教学から引き継いだ「五時八教判」について、それが近代以降の仏教学において批判され、史実とは異なることが指摘されたことについて少し説明してみたいと思います。今回、参考にしたのは岡田文弘「二十一世紀の長者窮子-今日的地平における五時教判-」(『日蓮学』第8号所収、国際日蓮学研究所、2024年10月13日)です。論文中、引用される関口真大、梅原猛、浅井要麟氏の著作等は多く参考のために引用する必要がありますが、あえて読みやすさ、便宜をとって一部割愛しました。いずれ少しずつ紹介してみたいと思います。 天台教学の五時教判は天台智顗(538〜597…