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志貴野ハル
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2022/07/06

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  • ★28処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    「あっ…あ…っ、あぁっ……んぅっ」 背中を丸めて、イッた瞬間に口を閉じた。そのせいで、アキラくんの指を噛んでしまった。ゴリッとした骨の感触に、慌てて口を開いて指を解放する。「あ、アキラくんっ、や……っ」「んっ……もう少し……っ」  ガクガクと震える私

  • 【短編】幼なじみの彼女は、セックス中にデレる。⑪

    3回目の絶頂なのに、貪欲に飲み込んでくる。莉胡ちゃんが言った言葉も嘘じゃないってわかる。 嬉しくて盛りのついた犬みたいに腰を振りまくった。莉胡ちゃんが泣いても、イっても、やめない。「おみくんっ、ま、ってぇ、」「うん……っ」 離れるように、ぐいぐ

  • 【短編】幼なじみの彼女は、セックス中にデレる。⑩

    莉胡ちゃんが実は、面倒見がいいことも、優しいことも、可愛いことも、エロいのも、知ってるのは俺だけ。 これ以上にない、幸福だ。「ぅあ、っ、ぁあっ、……おみくんっ、おみくんっ」「……莉胡ちゃんは本当に甘えんぼだね」 体勢を変えて、向き合う。涙と涎

  • 【短編】幼なじみの彼女は、セックス中にデレる。⑨

    ガクガクと震えて左右に揺れるお尻を固定して、ダラダラと涎を垂らしまくっている肉棒を奥まで突っ込む。「あぁああっ」クッションの中で莉胡ちゃんが叫んだ。動かずにそのまま、キュンキュンと痙攣を繰り返す莉胡ちゃんの一番奥の感触まで味わう。 スロープみた

  • 【短編】幼なじみの彼女は、セックス中にデレる。⑧

    「莉胡ちゃん、お尻あげて」 うつ伏せの状態で、ビーズクッションに寝そべる莉胡ちゃんの真っ白なお尻に、ちゅ、と口付ける。ビーズクッションはベッドと同じくらいの厚みがあった。高さにしたらだいたい40cmくらいか。 莉胡ちゃんは小刻みに震えながら、のろのろ

  • 【短編】幼なじみの彼女は、セックス中にデレる。⑦

    「いい? このまま俺だけイッても」 ごちゅごちゅと下から突き上げる。莉胡ちゃんは下を向いたままぶんぶんと首を横に振った。しばらくぷるぷる震えたままで、それからようやく決心したのか、ぐいっと体重をかけて俺の上半身を押し倒した。唇とぎゅっと結んで、泣きな

  • 【短編】幼なじみの彼女は、セックス中にデレる。⑥

    「莉胡ちゃん、体起こして、太ももに手ぇついて、いつもみたいに動いていいんだよ」 制服のブラウスもスカートもパンツもブラジャーも脱ぎ捨てて、紺色のハイソックスだけになった莉胡ちゃんが俺のチンポを突っ込んで、べったりと体をくっつけたまま止まっている。たぶん

  • 【短編】幼なじみの彼女は、セックス中にデレる。⑤

    股間を撫で続ける手がゆっくりに変わる。莉胡ちゃんへ視線を下ろすと、大きなぱっちり二重の目が日向ぼっこしている猫みたいに細く垂れていた。 背中に回っていた腕が、ブレザーの袖を掴む。ぐいぐいと引っ張られながら、ショッキングピンクのビーズクッションに着地した

  • 【短編】幼なじみの彼女は、セックス中にデレる。④

    彼氏の欲目で言ってるわけじゃなく、莉胡ちゃんは、地味でもブスでも協調性皆無でもない。そう振舞っているだけだ。本来はもっと明るい子だった。3年のクラス替えを機に始まった女子特有の嫉妬から来るいじめで、そうなっただけだ。でも俺は、不謹慎だけど、今のままでいいと

  • 【短編】幼なじみの彼女は、セックス中にデレる。③

    「ごめん、莉胡ちゃん、痛かったよね」 慌てて彼女に駆け寄り、後頭部を抑えている手に触れる。「子供じゃないんだからさ、靴飛ばしあうなら外でやりなよ」「うん、ごめん」「何回謝るんだよ、鬱陶しいな」「うん、」 また、「ごめん」と言いかけて口を閉じる。 莉胡ちゃ

  • 【短編】幼なじみの彼女は、セックス中にデレる。②

    授業中の廊下は静まり返っていて、一足先に教室を出た彼女の足音だけが響いていた。保健室にでも行くのだろうか。 廊下の端にある階段の踊り場に差し掛かる彼女を追うと、その足は1階の保健室ではなく、3階に向いていた。 スタスタと躊躇い無く上っていく。 背後からに

  • 【短編】幼なじみの彼女は、セックス中にデレる。①

    高校デビューとはよく言ったもので。化けの皮が剥がれることなく、無事、3年目に突入できた。「あっ、ごめん!」 5時間目。先生の用事とかで自習になっていたこの時間、俺は友人達と靴を飛ばしあっていた。 始まりは、なんだったか。ただ懐かしい遊びをしようということ

  • ★27処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    「……あぁっ」「ほら、ちゃんと足閉じて」「だってっ、こんなのっ」  ビリビリと痺れる感覚に襲われた。イッた後に触ったことなんてないから、その先の感覚が全くの未知で怖い。アキラくんのちんぽが硬く敏感になったクリトリスを何度も往復しながら擦る。その度に背中

  • ★26処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    右手の中指が下着越しに私の中に潜り込もうとする。プチュプチュとわざと音を立てながら入り口をいじられて、絶対に入ってこないってわかっていても少し怖い。指の一本でも入れられたら痛いと聞く。アキラくんの指は長いから、きっと奥まで入ったら痛くて泣くかもしれない

  • 【短編】2ヶ月ぶりにセックスした俺と彼女の話。⑤

    ******* 起きたら17時を過ぎていて、俺の下半身は申し訳程度にバスタオルで隠されていた。枕元に畳んで置いてあった服を身につけて、リビングへ続く扉を開ける。「おはよう」「あ、おはようございます……」 反省の意味を込めて敬語で話す俺を見て、彼女が首をかし

  • 【短編】2ヶ月ぶりにセックスした俺と彼女の話。④

    「はぁっ、もっと、」 もっと早く動いて欲しいし、めちゃくちゃに動きたい。そっちだって、きゅうきゅう締め付けてきて余裕ないはずなのに……。「!?」「あは、乳首、気持ちいい? 爪でかりかりするの、好き?」「……やめっ、」「やだよぅ」 ちゅぅっ、と彼女の唇が乳首

  • 【短編】2ヶ月ぶりにセックスした俺と彼女の話。③

    「久しぶりだね、元気にしてた?」 すりすりとスボン越しに屹立を撫でられる。いや、どこに話しかけてんの……。そうツッコみたかったけど、刺激に体が反応してそれどころじゃない。「うん……、元気だよ」「そうは見えないな、仕事忙しかった?」「う、……まぁまぁ」 会

  • 【短編】2ヶ月ぶりにセックスした俺と彼女の話。②

    つぅ、と、太ももを指でなぞる。なんの反応もない。 胸の上で組んでいる腕をどかせば、さすがに起きそうだから触れない。とりあえずソファからはみ出ている足元に移動した。血が通っていないんじゃないか不安になるくらい真っ白な足先に触れる。 小さくて飾り気のない足

  • 【短編】2ヶ月ぶりにセックスした俺と彼女の話。①

    13時に会う予定だったのに、まるまる1時間、猛暑の中を待たされた。メッセージは未読のままだし、電話にも出やしない。 付き合いたての頃、無理やり渡された合鍵で中に入ると、まずは外気温との差が20度以上はありそうな冷たい空気に顔を包まれた。昼夜逆転生活だと言って

  • ★25処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    それでも手は止まらなかった。手だけじゃなく、今度は首の後ろに鼻をうずめてきた。探査犬がそうするようにわざとらしく鼻を鳴らす。背中にぞわぞわと電気が走って腰が抜けそうになる。 お尻を撫であげていた手が今度は太ももの前に移動する。慌てて力を込めると、不意に

  • ★24処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    心の準備が、いつまでたっても整わない。 アキラくんに言われた通り、服を脱いで下着だけのままベッドの中に潜り込む。本当は下着姿でいることも渋られたけど、まだ十四時過ぎで日も出ていて、カーテンを閉めても部屋のなかはたいして暗くならないから恥ずかしいと訴えた

  • 23処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    邪魔にならないように、湯気のたつマグカップをそっと左手側に置く。また「ありがとう(へにゃ)」で、私の頬も緩みまくる。まるで受験勉強を頑張る息子を応援する母親にでもなった気分だ。実際は不真面目で講義を休んでばかりで、ただノートを写しているだけなのに、めち

  • 22処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    私はといえば兄が所蔵していた十八禁の書物や、真希ちゃんとノリで立ち読みしたレディースコミックから得た知識を持ち合わせたくらいだから、アキラくんの期待に応えられるかどうか、不安しかない。この前、やっとお触りを卒業したレベルなのに。 というか、きっとアキラ

  • 21処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    そのまま渡してしまえばこれで終わりなんだけど、アキラくんのことだからきっと受け取って満足して終わりな気がする。たぶん、見返したりもしないんだろう。 「アキラくん、五コマまで暇なんだよね」「うん」「ここでノート取っていって。アキラくん、この講義、苦手で

  • 20処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    コンクリートのひんやり冷たい階段を上りながら、朝、バタバタと出てきた部屋を思い出す。朝ごはんと食べた後の食器は片付けたっけか、ベッドメイキングはしたっけか、ノートパソコンは閉じたっけ。  特にノートパソコン。画面を開いてままにして、うっかりデスクトップ

  • 19処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    「アキラくん、今日、この後ヒマ?」「今日は、うんまぁ、5コマまで暇かな」「よかったら、今までの講義のノート、貸そうか?」「えー、いいの?」「うん、もらった資料とかもあるし。あの、この前、アキラくんの友達に、留年させないでって頼まれたから。予定がなけれ

  • 18処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    アキラくんが他の必修講義で見ないのは、二度、留年するまでの間に取れる単位を取っていたからで、それを知ってしまったら会える機会は意外と少ないのだと気づいた。だから今期会えるのは毎週月曜の一コマ目だけだというのに。アキラくん本人はあろうことか、11月に入っ

  • 17処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    アキラくんの可愛さから勝手に同い年かと思っていて、なんなら歳下のように「かわいい、かわいい」って思ってて、でも歳上で……、生意気だと思われてたらどうしよう。あのチャラついた集団の中で私のことを話してたらどうしよう。大学に入って部活もないし、体育会系、年

  • 16処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    学食に着くと、ほとんどの席が埋まって賑やかというよりうるさかった。入り口付近には、大学生活をめちゃくちゃに楽しんでいそうな5人の男女グループが長テーブルをくっつけ合ってバカ騒ぎしていた。あぁ、私の苦手なタイプだ……。そう思っていたら一際目立つ背の高いホ

  • 15処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    講義室を出てすぐの手洗い場で、後処理に使ったハンカチを洗っていると、見計らったかのようなタイミングでスマホのバイブ音が鳴り出した。待たせすぎた真希ちゃんかもしれない。 「……あ、俺だ」 アキラくんが、平然とスキニーの尻ポケットからスマホを取り出した。

  • ★14処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    「……ダメ。ちゃんと集中して」  今度は邪魔されないように、チンポを握ったまま立ち上がり、アキラくんの足の間に膝を入れる。そうしたのはアキラくんに近づくためと、自分の足で立ってられなかったから。 アキラくんが私の胸に顔を埋めるようにしがみついてきた。グ

  • ★13処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    ふと、アキラくんのチンポが目に入る。指を舐めるのに夢中になっていて忘れていた。アキラくんの手ですら収まりきらなくなったその部分を見ていたら、どうしても触りたくなった。「わ、私も、触っていい……っ?」 返事を待たずに立ち膝になって手を伸ばす。屹立を握っ

  • ★12処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    立ったままだとアキラくんのつむじしか見えないから、私もイスを取り出してアキラくんの前に座った。アキラくんの邪魔にならない程度に近づき、腕を伸ばせば太ももに触れるくらいまで距離をつめる。バニラのような甘い柔軟剤の香りが鼻腔をくすぐった。前のめりになりなが

  • 11処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    私が繰り広げる演説の熱量に引き気味のアキラくんは、私がどんなに説いても、彼の頭の中はあの写真をどうやって消してもらうかしか考えてないのだろう。 ならば、やはり、こうするしかない。「……写真、消してもいいけど」「っ、うん」「また、一人でしてるところ見せ

  • 10処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    「今、時間大丈夫?」  「今……」と呟いて真希ちゃんのほうを見る。真希ちゃんは瞬時に察したのか「先に学食行ってる」とスタスタ講義室を出て行ってしまった。5分もしないうちに講義室にはアキラくんと私の二人だけになった。ここは次の講義で使わないのか、私たちも移

  • 9処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    ふと斜め前が暗くなった。 「……っあ」 教授が教壇に立つ数秒前に、アキラくんが音を立てずにいつもの席に座った。白いフード付きのパーカーに黒のスキニーを着た彼は、私の声に気づいたのか、振り向いて「おはよう」まで言ってくれた。 よかった、避けられてないみた

  • 8処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    「おはよう、小春」  講義開始10分前。いつものようにアキラくんが座る席の斜め後ろで待機していたら、声と共に隣の席に黒いリュックがどすんと降ってきた。「おはよう、真希ちゃん」 真希ちゃんは小学校から一緒の幼なじみだ。「また睨んで。今日もアキラくんは来ない

  • 7処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    第二章 入学後に受けた専門教科のガイダンスで、初めてアキラくんを見た。 窓側の席にぽつんと座って、うつむき加減で手元のスマホをいじっていた。シンプルな白いTシャツから伸びる腕は細く、海外の彫刻のように整った小さな横顔は、第二次性徴期を迎えてない少年に見

  • ★6処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    「あっ、……うぁっ、みみっ、だめ……っ」  無視をして、どんどん責め立てる。舌を尖らせながら耳穴の中をほじくるようにして抜き差しを繰り返す。だめと言いながら、腰をくねらせるアキラくんの手の動きが一層激しくなった。「あぁあっ、あぁああああ……っ、いっ、く

  • ★5処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    舌を離して顔を上げると、アキラくんは目尻に涙を溜めながら私を見下ろしていた。 呼吸が荒く、小刻みに震えている。顔も、耳まで真っ赤だ。さっきまでおとなしかったボクサーパンツの中身も、いつの間にか中心に黒く濡れたシミを作り、窮屈そうに盛り上がっていた。「…

  • ★4処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    「ねえ、どういうふうにするの?」  膝丈のスカートをたくし上げる。紺色のボクサーパンツの中心は、特に勃ってはない。アキラくんの前に跪き、露わになった太ももを撫でる。運動とは無縁のような、筋肉のない滑らかな触り心地。膝は骨張っていて堅そうではあるけど、太も

  • 3処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    効果は抜群だ。至近距離にある綺麗な顔立ちに、心臓が止まりそうになる。いつも座ってるところしか見たことがなかったから、意外に身長差がないことを知った。少し顔を上げればすぐに目が合う。「何をしてたのか教えて」 胸のスマホをぎゅっと握り締める。本当は取り上

  • 2処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    「あ、いや、……ごめん、ちょっとこっち」  手を引かれて出てきたばかりのビルに逆戻りする。 中は薄暗く、ゆったりとしたオルゴールのBGMが流れている。入って右側にはテレビのような大きな画面にいくつもの部屋の画像が映し出されていて、左側にはウォーターサーバー

  • 1処女ですが、好きな人(変態)のオナニーを見ることになりました。

    ずっと、斜め後ろから見てた。 午前中の日の光にキラキラ反射する茶色い髪も、眠そうにあくびをした後の、目を伏せたときにできるまつ毛の影も、海外の美術館に展示されそうなくらい整った綺麗な鼻筋も、薄い桜色の唇も。 だから、どんな格好をしていても見抜くことがで

  • 成り下がる。48

    「先輩が、多分、婚約者の人とうちのマンションに来てて……」 「怖くて帰れない」と告げた自分に驚いた。怖い。総司も婚約者も。今、スマホの電源を入れたら、また何度も電話がかかってくるかもしれない。このまま帰って、マンションの前でばったり会うかもしれない。婚

  • 成り下がる。47

    結局、会社の最寄り駅に戻ってしまった。午後七時にもなっていない駅前はまだ学生や社会人が多く、賑わっていた。駅中にあるカフェに入り、注文したカフェオレを持ってソファに座るまで、心臓の音が耳元で鳴り、手は震えていた。昨日の夜に充電をし損ねて無言の塊になって

  • 成り下がる。46

    四 律 新年度だからと飲みに誘う課長にやんわりと断りを入れ、律は定時で会社を出た。乗り気で参加する数人の女性社員に捕まって、面倒臭そうな表情の遥と一瞬目があった。だけど、それにも気づかないふりをした。昨日は自分でも驚くほどあり得ない行動をとってしまった

  • 成り下がる。45

    「それが何? アンタだって同じでしょう。結婚するまで何をしてたかなんて関係ないし、婚約を延期されたこの三年間、あたしがどれだけ恥をかかされたと思ってるの? それともアンタが他の女と付き合ってる間、あたしは大人しく待っていればよかったの? そんなのおかしい

  • 成り下がる。44

    「総司さん、私、子供が欲しいです」「……何?」 唐突な発言に面食らう。見ると、あの貼り付けたような笑顔で見つめ返してきた。「子供ですよ。私、二十五歳になったんですよ。そちらの都合で三年も待ちましたし、順番が逆でもいいと思うんです。それに両親から急かされ

  • 成り下がる。43

    「どうかした?」「……冷蔵庫の中身を処分してたの忘れてました。すみません、下に行って買ってきますね」「あぁ、いいよ。そんなに長居をするつもりはないんだ」 総司が立ち上がると慌てたように伊織が振り向き、「あ」と呟いてダイニングテーブルに置かれたコンビニ袋

  • 成り下がる。42

    「ここに誰か知り合いでも? それとも私に会いに?」「いや、まぁ」 終話ボタンを押しながら総司は歯切れの悪い返答をする。 まさか律と一緒のマンションに住んでいたとは知らなかった。もしかしたら知らないうちにすれ違っていたかもしれない。俺とはそうじゃなくても

  • 成り下がる。41

    三 総司 その日の夜、断られたにも関わらず、総司は何も言わないまま律のマンションまで来ていた。電話もメッセージもあえて入れなかったのは、もう律が自分から距離を置いているのがわかっていたからだ。付き合っていた当時からあまり同期と飲みにいくことがなかっ

  • 成り下がる。40

    「なに……っ」 思い出さないようにしていた昨夜の出来事が一気に蘇ってきた。あの夜、何度も遥のものを飲み込んだ時のように、律の奥が無意識にきゅうっと反応する。 手を振り払うように立ち上がると、肉厚なカーペット敷きのフロアにヒールの踵が刺さり、そのまま尻餅

  • 成り下がる。39

    二 律 たった数メートルの距離を走っただけなのに、過呼吸寸前のように息が上手く吸えない。 とうとう言った。やっと言えた。この不誠実な関係に甘んじていたのは自分も同じなのに、総司だけを責めるような言い方になってしまったのは申し訳ないが、ようやく終止符

  • 成り下がる。38

    律が小さくため息をついた。そして諭すように微笑んだ。「じゃあ、もう終わりにしましょう。やっぱり、こういうのはダメですね」「終わりって……もう会わないってこと?」 こくりと頷く。そのまま俯き目を合わせようとしない律に思わず手を伸ばすと、さっと手を振り払

  • 成り下がる。37

    六階の非常ドアの前で立ち止まり、弾む息を整える。なんて言って総務課に入ろうか。普段は一切交流のない部署だ。いきなり行ったら訝しがられるに決まっている。忘年会のときのようにみんなに酒が入っていれば、多少は雰囲気も柔らかいだろうに。たった一人に会うためにそ

  • 成り下がる。36

    第四章 一 総司 この前から、律は少し変だった。うまく言い表せないが、知り合って間もない頃のどこか他人行儀のような、一歩下がってこちらの反応を見てから話すようなことが多くなった。律がそんな態度をとる原因に、思い当たる節があるにはあるが、正直に話

  • 成り下がる。35

    ぐっしょりと濡れた場所を確認すると遥がやっと腰の動きを止めた。見下ろされて少し笑われたような気もする。シーツを掴んでいた手は強く握りすぎたせいで、形状記憶したように固まっていたため、動かして顔を隠すことができなかった。律はグスグスと鼻を鳴らしながら、こ

  • ★成り下がる。34

    五 律 実際、恥ずかしくて死にそうだった。総司には舐められたことはあっても律自身が嫌がるためそういう経験は少なかったし、入浴を済ませた直後ならまだしも一度達している。そうなったときの自分の下半身の状況なんて、何度も経験していれば想像がつく。 恥ずか

  • ★成り下がる。33

    触ってみてわかる。律の中は今まで抱いたどの女とも違っていた。ざらざらとした猫の舌のような感触は蜜で満たされると極上の刺激になるし、蠢動する肉壁は貪欲に絡み付いて細い指ですら離そうとしない。中の指を動かさずに肉の芽だけを執拗に舌で責め立てると、腰が浮き、

  • ★成り下がる。32

    遥の肩に頬を乗せて体重を預けたまま、律はぐったりと動かなくなった。その背中を手のひらで何度も撫でる。首筋に鼻を埋めて、大きく息を吸い込んでからため息のように吐き出すと、ゆるゆると律が頭を上げた。「……ありがとう」 ぽつりと呟いて、紅く上気した頬がかす

  • ★成り下がる。31

    「んっ」 舌を無理やりねじ込んで吸い付く。熱くて柔らかくて、甘い。抵抗するくぐもった声がさらに昂らせる。「んふぅっ、んうっんぁうっ」 結合部からぬちゅぬちゅといやらしい音を立てながら体をくねらせる。逃げているはずなのに自分から腰を振っているような、気持

  • ★成り下がる。30

    喘ぎすぎて酸欠になったのか、遥の体温が移ったのか、熱に浮かされたように体が熱くなり意識が朦朧とする。このまま中のものを動かされたら……、想像しただけですぐに達しそうだった。「––––イキたい?」 心の中を見透かされたのかと思った。栗の顔がかぁっと熱くな

  • ★成り下がる。29

    馬乗りのような態勢になり、見下ろされた。一瞬、目が合ったような気がして慌てて逸らす。「……やっぱりダメだった……?」「……いや」 細切れの息を吐き続けたせいで喉が乾燥して掠れた声が出る。それを同意と受け取ったのか、律の指が巻き付くようにペニスに添えら

  • ★成り下がる。28

    一瞬の間の後、律の指が掬い上げるようにそこに触れた。水分を含んだ冷たくしっとりとした感触に身震いする。その瞬間、律の頭が足の間に入り込み、ぬるま湯のような暖かさに先端が包まれた。舌のざらざらした感触が裏筋を撫で、小刻みに往復する度に身体中の熱が上がるよ

  • 成り下がる。27

    シャワーを浴びたいと言う律に、タオルを貸してやり部屋で待つ。 一時の食事や寝床を提供してもらう代わりに、生活費を稼ぐために、女を抱いたことは何度もある。なのに今のこの状況はなんなんだ。自分の得になるようなことはないのに、なんで拒否をしなかったんだ。

  • 成り下がる。26

    四 遥 「……なんで、知ってるの」「逆になんで知られてないと思ってたんですか。俺は総司と須藤さんを別れさせるために婚約者に依頼されて、同じマンションに住んでたのに。どこ出身なのか、出身校とか、全部調べられてますよ、須藤さん」 みるみるうちに顔の色が

  • 成り下がる。25

    カチリとドアノブの回る音が聞こえて飛び上がる。ぼんやりと考えすぎていた。濡れた髪のまま戻ってきた遥が、一瞬目を見開いて立ち止まった。「ごめん、まだお邪魔してました」「……いえ」 ぶっきらぼうに返事をして、遥が冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出した後

  • 成り下がる。24

    「座るところがないので適当に、ベッドか床にどうぞ」「うん、ありがとう」 言われた通りに床にぺたりと膝をつく。刺すような冷たい感触がじわじわと膝に伝わってくる。「嘘、冗談です。ベッドに座ってください」 ぐいっと腕を引っ張られてベッドまで誘導させられた。

  • 成り下がる。23

    三 律 タクシーの中でスマホを見る。店を出る間に着信が五件きていた。全て総司からだった。隣に座る遥に気づかれないように、電話に出られなかった謝罪と今日は会えないことを送信して電源を落とした。最後にセックスをした日から二週間が経つ。あれから何かと理由

  • 成り下がる。22

    それまで饒舌だった律から笑顔が消えた。遥も何を言っていいのかわからずに、ただ黙々と目の前にある料理を胃の中に押し込んだ。 どこからかスマホのバイブ音が聞こえる。一瞬、伊織から連絡が来たのかと画面を見るが自分のものではなかった。律もバッグの中を確認したが

  • 成り下がる。21

    烏龍茶と生ビール、適当に頼んだだし巻き卵や枝豆が並んだ。これからホッケの開きと生春巻きも来るという。選ぶ料理が酒飲みのそれなのに、飲まないつもりでいたのか。他にもまだ来ていないものはあったが、昼を抜いていた律は「食べていい?」と目を光らせた。「どうぞ」

  • 成り下がる。20

    もしかしたら「昼の仕事が終わってないから行けない」と、土壇場で断られる気がして店の予約は取らないでいた。就業時間になり、コートを羽織って早々に遥のデスクに来た律にそれを告げると、「私、残業なんてほとんどしたことないけど」と不思議そうに首を傾げた。 結局

  • 成り下がる。19

    二 遥 結納の話をしたのが間違いだったと思った。あの日から二ヶ月経つが、須藤律の元気がない。仕事に支障をきたしているわけではないが、周りが何事かと探りを入れるくらい目に見えて落ち込んでいた。もともと痩せていた体もさらに薄くなったような気がする。「須

  • 成り下がる。18

    それでも総司が部屋に来ると、律は付き合っていた頃のようにぽつぽつと場繋ぎ的に近況を話した。総司がそれを頷きながら聞く。たまに話を振ってみるが「特に面白いことはなかったよ」と目尻を下げて笑うだけだった。そう言われてしまうと何も聞くことができない。一応用意

  • 成り下がる。17

    第三章 一 律 「結納、二月末だって」 年が明けた一月末。昼休憩中、昼食を食べ終えて眠気覚ましにコーヒーを飲もうとカフェスペースに寄ると、遥がいた。軽く挨拶を交わしてやり過ごそうと思っていたのに、言葉が脳で処理できなくて聞き返してしまった。教育期間

  • 成り下がる。16

    二十分後、部屋に来た総司はアルコールの匂いを漂わせ、ひどく酔っ払っていた。聞くと午前中に取引先への今年最後の挨拶回りを済ませた後、昼から親戚の集まりで食事会をしていたようだ。 コートと背広を受け取り、相変わらずソファの左側に座る総司へ水を手渡す。寝室の

  • 成り下がる。15

    四 律 帰宅後、食事と入浴を済ませた律は、つけっぱなしのテレビを観るでもなくリビングのソファでくつろぎながらスマホをいじっていた。あと三日もすれば年が明ける。会社も明日からまるっと一週間、正月休みだ。帰省する実家も、新年の挨拶に向かう親戚もいない

  • 成り下がる。14

    何を言っても反応がない遥を見て機嫌を損ねたのか、伊織が契約更新の書類を他のダイレクトメールと共に丸めて、キッチンのゴミ箱に投げ捨てた。 どうやら俺は、来年の三月いっぱいで任期満了を迎えるらしい。 その後も当てつけのように立てる物音が耳障りだったが、ここ

  • 成り下がる。13

    三 遥 「なにこれ。……あぁ、もう更新時期か」 シャワーを浴びバスローブ一枚で入ってきた伊織は、ダイニングテーブルに無造作に置かれていたA4サイズの封筒を手にして、ビリビリと封を破った。住んではいないがこの部屋の名義は伊織のもので家賃も彼女が払っている

  • ★成り下がる。12

    二 遥 今年最後の仕事が終わり、「仕事納めだ、飲みに行くぞ」とテンションを上げる上長をかわし、遥はいつも通り定時で帰り支度をしていた。向かいの席では、律が大掃除だと言いながら机の中をひっくり返している。「それ、今やることですか?」「新年は綺麗な机で

  • 成り下がる。11

    「なんで須藤さんだったんだろう。特別、綺麗なわけでもないし、こんな平凡で地味なのに。むしろそこが良かったの?」「わ、私に聞かないで。ていうかずっと前から思ってたけど、幸田くん、私に対して当たりきついよ」「そうですか? ……そうかもしれません。須藤さんを見

  • 成り下がる。10

    第二章 一 律 夜明け前、ベッド脇に脱いだスーツを身に付けると総司は足速に部屋を出て行った。なぜ遥のスマホから連絡してきたのかは問われず、別れ際に「また来る」と一言だけ告げられた。 具体的な日にちを明確にしないし、こちらからも不用意に連絡はでき

  • ★成り下がる。9

    六 総司 無音で溢れ出る涙がワイシャツを濡らしていく。顔を上げさせようと頭を撫で耳に指をかけたが、律はいやいやをするように首を振った。苦笑しながら、律の尻のに腕を回して体を持ち上げる。背中にあった小さな手が今度は首に回り、意地でも顔を見せないという

  • 成り下がる。8

    五 律「それ、持ってていいよ。総司が昔、俺に持たせてくれた携帯の番号そのまま使ってて、総司以外からかかってくることないから。俺は俺でもう一台持ってるし」「えっ、いい、いらないよ」「……さっき泣かせたから。すみませんでした」 急に潮らしくなって額が膝につ

  • 成り下がる。7

    四 遥 幼い頃から総司が父親に逆らえないというのは、子供の目から見ても明らかだった。だから誰と付き合ってもいずれ父親の思惑通りになるのだし、放っておいてよかった。だけど須藤律が俺達の母親のような女だったら、伊織に言われるまでもなく別れされるつもりだっ

  • 成り下がる。6

    三 律「何階?」「……五階」 そう言った律が観念したようにエレベーターの中に足を踏み入れると、滑るようにゆっくりと地上から離れていく。あっという間に五階に到着したものの、ドアが開かない。見ると、操作板の前に立つ遥が今度は「閉」ボタンを押してドアを止めてい

  • 成り下がる。5

    二 遥 酔いが回って足元がおぼつかないくせに、二次会をすると道端で喚く女上司を新入社員に預けて、遥は律の介抱を買って出た。総務課の人間全員が店の前からいなくなるのを見届けてからタクシーの予約アプリを開く。 新着メッセージの通知がいくつか入っていたけど

  • 成り下がる。4

    忘年会当日は仕事が終わった者から会場となる居酒屋に行くことになっていた。十七時の定時で仕事を終えた律は、何をするでもなく自分の席に座ったままスマホを眺めていた。忘年会は十九時から始まる。家に戻るには時間が足りず、会場へ行くには早すぎる。中途半端な時間だ

  • 成り下がる。3

    第一章 一 律 別れることになってひと月が経つと、総司が婚約したというニュースは瞬く間に社内に広がった。ゴシップ好きの先輩社員が持ってくる彼の婚約者の噂話を耳にする度、周りと同調することもできずに律はただ薄笑いで聞くしかなかった。 総司とは、あれから

  • 成り下がる。2

    二 一之瀬総司は笑うしかなかった。三年も付き合った彼女に、別の女と結婚することになったと告げた後、泣いて縋ってくれるかもしれないと期待していた。それくらい愛されていると自惚れていた。なのに返ってきた言葉が「おめでとうございます」だなんて、他人行儀すぎ

  • 成り下がる。1

    プロローグ 一 「結婚することになった。早くて多分、来年の春頃」 情事の後、大きな手のひらで髪をすかれながら心地よい疲労感の中で微睡んでいたら、突然爆弾でも落とされたような強い衝撃に襲われた。 寝たふりをして聞かなかったことにしてやろうと思った

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