私は、あまりしてこなかった様に思う。 集積所へのゴミ捨てに始まり、ご飯の支度や、色々な場所へのお使い等の、 「家の手伝い」 と言うヤツを。 ただ、 アレ一つを除いて。 母親が夕飯の準備をしている。 私は決死の覚悟でそこへ向かう。 下手をすれば命に関わると真剣に考えていた。 その名も、 「風呂の湯沸かし」だ。 団地に住んでいたあの頃。 我が家では、バランス釜と言うシステムでお風呂を沸かしていた。 うん。水は風呂桶に充分溜まっている。 さあ、ガスの元栓をひねろうか。 そして、上部のツマミを押しまわす。 ツマミは押し込んだまま、下部にあるハンドルを回し、「かちっ」と鳴らす。 ツマミはそのままで、20…