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CuriousHunter 依存リハ https://curiousquest.hatenablog.com/

依存症を好奇心のままに探索していきます。 合法、非合法の薬物の依存症。 ギャンブル、ゲーム障害等の行動への依存。 さらに、これらの社会的影響、子供たちへの影響も取り扱います。 これらの問題について、予防と治療についても触れます。

日本で理学療法士の資格取得。 その後、タイで依存症を学び 現在は、イギリスで依存症の修士課程を就学中

CH 依存リハ
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2022/03/26

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  • アルコール依存の治療に有効な薬物? 幻覚剤は役に立つのか?

    アルコール依存の治療法として薬物療法・心理療法等がありますが、今回紹介するのは、薬物療法ですがさらに、詳しく言うと違法薬物と定められている幻覚剤での治療についてのお話です。 *幻覚剤とは* 幻覚剤とは、その名の通り幻覚をもたらす薬物です。 時々、日本でもサイケデリックという言葉を聞いたりしますかね。 幻覚剤の例では、LSD・マジックマッシュルーム・MDMA等ですかね。 幻覚剤は、昔から宗教的な儀式で使われたり、シャーマンや心理療法に用いられていましたが日本では脱法ドラッグ対策として幻覚剤は規制されてしまいました。世界も同様な対策をし、幻覚を発生させるというだけで医学のための研究がほとんど行われ…

  • お酒の値上げをして、酒害を減らす? アルコール政策

    基本的には、アルコールが健康に害を与えることを無視することが難しくなってきています。 もちろん、個人で飲まないという判断ができるように情報を与えることも大切かもしれませんが政策で人々ができるだけお酒を飲まない判断を促す手段もありそうですよね。 実際に、私がいるイギリスの一部であるスコットランドがお酒の法律を変えて、効果判定をしたのでその紹介をします。 その前に、再びお酒の情報を少し出しますね。 *飲む量を少し減らすだけでも良い?* もちろん、お酒を飲まない方が健康への害は減ります。実際に、どれほどのお酒なら許容範囲なのかと言う話を前の記事で書いたので読んでみてください。 結論として、ほぼ飲まな…

  • アルコールは体に悪い・良い? お酒の安全な量とはない?

    私の住んでいるイギリスでは、コロナ渦で2020年アルコールによる死者数が過去最大になりました。 お酒の売り上げも30%も増加したと言われています。 さらに、科学者の中にはアルコールが一番被害を生む薬物だと主張している人もいます。その人の自伝があるのでリンク張っておきます。依存症の事を勉強している人は、この人を知らないという人はいないだろうというぐらいすっごい有名人です。 Nutt Uncut 作者:Nutt, David Waterside Press Amazon ということで、お酒が実際に健康に良いのか悪いのか見ていきます。 *アルコールの神話* アルコールは、少しなら健康に良いと言われて…

  • 薬物使用の意思決定の手助け【依存症再発予防】意思決定マトリックス【リラプスプリベンション】

    依存症再発を防ぐことがゴールとして扱われることが多いですが、そのための方法としてリラプスプリベンションがあります。 その内容の1つとして意思決定マトリックスがあります。 このマトリックスを使用することで薬物使用・依存行動の神話・プラセボ効果を取り除くことができると考えられています。 アルコールのプラセボ効果についての記事をまだ、読んでいない人はぜひチェックしてみてください。 curiousquest.hatenablog.com *費用便益分析* *アルコール使用の利点* *アルコール使用の欠点* *アルコール不使用の利点* *アルコール不使用の欠点* *アルコール使用・不使用の利点欠点の比較…

  • アルコールの嘘?【リラプスプリベンション】依存症再発予防

    依存症再発(リラプス)を防ごうと開発されたリラプスプリベンションがありますが、今回はその1つの方法である薬物使用の神話・プラセボ効果の除去について例を出しながら解説していきます。 *薬物のプラセボ効果* *アルコールによる効果* *アルコールのプラセボ効果* *アルコール効果は期待・環境に依存?* *薬物のプラセボ効果* この世の中にたくさん薬・薬物がありますがそれらの効果単体だけでは、説明できないような効果が現れることが度々あります。 例えば、抗不安薬を摂取すると薬の効果が出るよりも早く症状の減少が発生したりアルコールのような薬物ではノンアルコールドリンクでもほろ酔いになる現象が観察されます…

  • アルコール依存症の回復とは?【依存症回復】本当に目指すべき回復のゴールと手段。

    過去の記事で何度か、依存症回復とはなにか?触れてきました。 今回は、少し歴史・現在の依存症回復の定義のトレンドをみながら依存症回復とはなにか?考えていきたいです。 *依存症回復の定義が必要か?* *診断基準からみるアルコール依存症回復* *アルコール依存の寛解の定義(DSM‐5)* *ICD-11のアルコール依存の寛解* *過去のアルコール依存回復の定義* *1700年代のアルコール依存回復* *1800-1900年の依存症回復* *1900年後半の依存症回復* *現在のアルコール依存症回復の定義* *依存症回復の定義が必要か?* 研究者からするとある一定の依存症回復の定義は重要です。 理由は…

  • 薬物を止められる人は、ストレスが少ない?【依存症とストレス】

    「ストレスが依存症の最大の敵」そんなことを何度か発信してきました。 実際に、人生のストレスの多さが断酒・断薬にどれ程関わってくるのか今回の記事では解説していきます。 過去のストレスの記事をまだ読んでいない人はぜひ、読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com *ストレスライフ* *断酒・断薬分類* *断酒・断薬グループはストレス少ない* *ストレスライフ* 今回紹介する論文(McCabe et al., 2018)では過去1年のストレスがあるイベントの数を数えてその後の断薬・断酒をできている人とできていない人にストレスの数に差があるか調べました。 ストレスのある…

  • アルコール依存症の5分類【依存症の複雑性】

    アルコール依存症は非常に複雑で、依存症は様々な人によっていろんな表現をされてきました。 実際に、研究・臨床現場でもアルコール依存症の人の不均一性がみられると言われています。 そして、家族歴・併存疾患・長期予後・遺伝・環境といった多様な依存症の生物・心理・社会的な要素を考慮しもう少し、アルコール依存症を細かくグループごとに分けた方が良いのではと言った流れができ、5つのアルコール依存症のタイプを作った人がいます。 と言うことで、そのアルコール依存症の5つのタイプを解説します。 *アルコール依存症の5つの分類* *若いアルコール依存症* *日常生活を送れるアルコール依存* *ネガティブな感情と家族*…

  • レジリエンス【依存症予防】依存症の最大の敵でストレスから乗り越える

    依存症の多くの研究は、依存症の発症リスクや危険因子についてメインになっています。 しかしながら、そのような依存症のリスクになる要素を持っていたり、ストレスのあるイベントを経験しても多くの人が、依存症を発症しません。 その理由の1つとして、注目されているものが「レジリエンス」という言葉です。 ある国で依存症を研究している人達と話した時は、この言葉がたくさん出てきました。 ということで、レジリエンスとはなにか。そして、レジリエンスを高めて依存症予防ができるのか?少し、見ていきましょう *レジリエンスとは?* *レジリエンスと依存症* *レジリエンスを高める* *レジリエンスを鍛える* *レジリエン…

  • 性格別・認知行動療法で、子供たちをアルコールから守る【依存症予防】アルコール依存症

    アルコール依存症が社会に経済的に負荷を与えている病気と言われ、依存症への有効的な治療が必要ですが、その一方で、依存症を予防する方が良いよねみたいな話もあります。 では、どのようにアルコール依存症を防げばいいのか。いろんな国で、いろんな取り組みがされていますね。 最近、私自身が興味をひかれた子供の性格を考慮した予防介入を紹介します。 *子供に向けた依存症予防* *依存症のリスクとなる性格を狙う* *依存症の4つのリスキーな性格* *4つの依存症のリスクとなる性格* *認知行動療法が依存症予防にも効く?* *記事関連おすすめの本* *子供に向けた依存症予防* だいたい、依存症予防のターゲットになる…

  • 生物ー心理ー社会モデル【依存症】依存症の複雑性

    依存症には、多くの理論が存在します。 その1つに、生物医学モデル(Biomedical model)があり依存症を遺伝的・生化学的な原因ともなった慢性的に再発する脳の病気としてみなしています。 ただ、社会的・心理的な側面が無視されており現在のデータでは、生物医学モデルは、支持されていなく、生物学的・心理的・社会的なすべての側面が均等に重要であると言うモデルが誕生しました。 それが、Biopsychosocial Model (BPSモデル)(Engel, 1977)という生物ー心理ー社会モデルが誕生しました。 ということで、BPSモデルを少し深堀していきます。 *生物ー心理ー社会モデル* *依…

  • アルコールアノニマス(AA)にエビデンスはあるの?【アルコール依存症治療】自助グループ【12ステップ】

    依存症治療として、薬物治療・心理療法・自助グループ等がありますが人によっては、好き嫌いが分かれそうなのが12ステップベースのアルコールアノニマス(AA)という自助グループがあります。 12ステップは、アルコールに対して自分は無力であると認め、他のパワーの源であるハイヤーパワーに身をゆだねてることが根本のアイディアになっており、依存症の回復はスピリチュアリティの目覚めによって達成されると言われています。(Kelly, 2017) もちろん、12ステップというだけあって他にも重要になる要素がありますが、上記のような感じが、宗教っぽいスピリチュアルな感じで批判されがちです。 そして、AAに本当に効果…

  • スリップは、意志の弱さではない。【リラプスプリベンション】依存症治療として、自己効力感を向上させよう。

    依存症治療の最終ゴールは、依存症の再発の予防です。 その方法として、リラプスプリベンションと言うものがあります。 リラプス(Relapse)は、英語で日本語では再発と言う意味合いとして使われ、プリベンション(Prevention)は、日本語で予防の意味合いで使われてます。 そして、この依存症再発防止策はいろんな手段があり、今回の記事では、その1つである自己効力感の向上について、解説していきます。 *困難は打破できる感覚が必要* *共に依存症に向き合う* *仲間をみて客観視する力を養う* *依存症脱却は、学習の過程* *タスクの細分化* *なんでも誉めてみよう* *まとめ* *記事関連おすすめの…

  • 薬物使用の法律・政策による依存症へのスティグマ

    スティグマは、個人レベルの話ではとどまらず社会構造の中にも依存症に対するスティグマが存在します。 依存症に対して、どんな構造的スティグマがあるのかこの記事で解説していきます。 *法律・政策にでる依存症へのスティグマ* *構造的スティグマによって治療が進まない* *依存症と精神疾患は別物?* *依存症治療は優先度が低い?* *法律・政策にでる依存症へのスティグマ* 個人レベルにとどまらない、依存症へのスティグマの例として構造的なスティグマがあります。 構造的スティグマは、法律・政策に反映されておりそれらの政策が依存症当事者の不利益な形として機能してます。そして、それらの政策・法律によってそれらの…

  • 依存症当事者のセルフスティグマ

    依存症に対するスティグマは、多様な被害をもたらすと考えられ市民からの依存症に対するスティグマによって回復の機会を奪う可能性があります。 そして、市民からの依存症に対するスティグマの結果依存症当事者は、他者からではなく自分自身に対するスティグマを持ち始めると考えられています。 ということで、自分自身のスティグマであるセルフスティグマについて、この記事では解説していきます。 *セルフスティグマ* *セルフスティグマによる害* *セルフスティグマで助けが遅れる* *セルフスティグマ* まずは、セルフスティグマとはなにか。 セルフスティグマは、社会のステレオタイプを内面化し自分の特徴だと認識した結果、…

  • 社会・市民からの依存症へのスティグマ・差別がつくる被害

    依存症は、最もスティグマ(烙印・汚名)の対象となる精神疾患と言われることもあり、それが、依存症の予防効果があると言う人もいるが実際には、スティグマはより多くの依存症関連の被害を作っているかもしれないと考えられています。 この記事では、スティグマの種類の1つである市民からのスティグマについて説明していきます。 *ラベル付けで始まるスティグマ* *市民からのスティグマ* *スティグマは精神・ウェルビーイングにも悪い* *依存症というラベルを避ける* *家族もスティグマの対象* *ラベル付けで始まるスティグマ* スティグマが、どのように始まるか。 それは、市民がある特定の人をラベル付けをしそのラベル…

  • 依存症へのスティグマ(烙印・汚名)は依存を防ぐのか?

    この世の中には、ある特定の行動や病気に対してスティグマが存在します。 依存症も例外ではなく、スティグマが存在しそのスティグマが依存症にどう影響するのかこの記事では触れていきます。 *スティグマとは?* *わざとスティグマを作った?* *スティグマは依存症を防げない?* *スティグマは治療の妨げ?* *スティグマとは?* 依存症を診断された人たちは、様々な依存行動によるネガティブな結果を経験しています。 例えば、薬物使用がコントロールできない社会活動が行えない、危険な薬物使用等でしょうか。 しかし、それらに加えて薬物乱用をした結果、待ち受けている結果の1つとして物質使用に対する社会的な結果である…

  • 依存症回復の5段階説?【マズローの欲求5段階説と依存症回復資本】

    依存症回復の鍵として「回復資本」というキーワードが最近頻繁に使われています。 回復資本は、どれほどの依存症回復に必要な材料の指標ですがこの回復資本は心理学の世界では有名な理論である「Maslow's hierarchy of needs (マズローの欲求5段階説)」を取り込んだものになっています。 ということで、マズローの自己実現理論と回復資本を照らし合わせながら依存症の回復とは?考え見ましょう。 まだ、回復資本がピンと来ていない人はぜひ、以下の記事を読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com *マズローの欲求5段階説* *欠乏欲求* *成長欲求* *生理的欲…

  • 断酒だけが依存症回復の道なのか?【依存症回復】ウェルビーイングと日常生活の機能

    アメリカでは、おおよそ1/3の人がアルコール使用障害の基準を満たしていると言われています。(Grant et al., 2015) 何を持って回復とするのか多くの定義があるが、ほとんどの人がそれらの問題を解決します。(Dawson et al., 2005; Tucker et al., 2009; Witkiewitz et al., 2019) ただ、多くの依存症回復としてソーバーであることが十分ではないがソーバーである必要性が求められています。 しかしながら、最近ではすべての人にとって断酒が本質的なものではないと言われています。 と言うこととで、少し依存症回復とは何か深堀してみましょう。…

  • スリップの危険信号を見逃すな。【リラプスプリベンション(再発予防)】スリップのハイリスクとコーピングスキル

    何度も言いますが、依存症再発予防が依存症治療の最終ゴールです。 その方法として、リラプスプリベンションがあり、リラプス(再発)にプロセスに合わせていくつかの方法があります。 今回は、その1つであるハイリスクな状況の特定とコーピングがあります。 この記事では、依存行動を再び行ってしまうハイリスクな状況の把握とその状況へのコーピングについて解説していきます。 *スリップの危険性を見極める* *自己効力感が大切?* *自己効力感を測ってみる* *まだ断酒・断煙・断薬してない?* *スリップへの対応策* *スリップの危険信号* *やる気とコーピングの技術* *実際に使える技術なのか* *まとめ* *記…

  • 本当に依存物質・行動をやめたいの?【依存症定義・理論】依存症=選択【熟考された結果の選択が依存症】

    依存症には、多くの理論が存在します。 その1つを紹介します。 アイディアは、「依存症=思慮深い選択」です。「依存症=選択」の立場を取ってますね。 端的に言うと、我々の選択は、論理的であろうと・バイアスがかかってあろうとしっかりとした明快な思考過程が関わってる。 と言うことで、1つの理論を基に少しずつ解説していきますね。 *情報に基づいた安定した論理的選択* *依存症=利害分析* *実際の依存症の視点* *RISCモデルによる依存症の人たち* *本当にやめたい?* *まとめ* *記事関連のおすすめ本* *情報に基づいた安定した論理的選択* 今回紹介する理論の名前は、「The Rational I…

  • 依存症再発の道までのを描く。【依存症治療】リラプスプリベンション【依存症再発予防】

    依存症治療の最終ゴールは、再発予防です。その方法として、リラプスプリベンション(再発予防)があり多様な要因が関わる再発に対して、多様な方法で再発予防が考えられています。 その依存症再発に方法の1つである認知行動分析の1種をこの記事で取り上げます。 過去の記事でも、いくつか取り上げたのでぜひ、読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com *依存症再発ロードマップ* *無関係な決断を特定* *まとめ* *記事関連のおすすめの本* *依存症再発ロードマップ* 今回紹介するのは、「リラプス(再発)ロードマップ」です。 これは、リラプスのハイリスクな状況の認知行動分析で、…

  • ギャンブル依存は3タイプに分かれる。【依存症理論】タイプ別に治療をする?

    今まで、いろんな依存症の理論を紹介してきました。 ただ、それらの理論が行動嗜癖(ギャンブル・ゲーム)にまで当てはまるのかと言うと、いくつかは当てはまりません。 ということで、この記事ではギャンブル依存症の有名のモデルの1つを紹介します。 行動嗜癖をカバーできる依存症モデルについての記事もあるのでぜひ読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com *3つのギャンブル依存への道* *ギャンブル依存への道の共通点* *3つの道の違い* *行動的に条件づけられた病的ギャンブラー* *感情的に脆弱な病的ギャンブラー* *反社会・衝動的病的ギャンブラー* *本当に3タイプのギ…

  • アルコールは体・脳で炎症を引き起こす。【ただ漏れの胃・腸】アルコール依存症

    アルコール使用障害は、アルコールを使用する個人に対して多様なメカニズムでダメージを与えています。 そして、近年注目されているのは神経生理・免疫の2つの視点でのアルコール使用障害です。 この2つの役割がアルコール使用障害の発症・進行に役割があると注目されています。 なぜ、上記の2つが重要なのか炎症というキーワードで解説していきます。 *精神疾患で異なる免疫反応* *アルコールと免疫* *アルコールの摂取期間で変わる?* *炎症が脳で起こる* *精神疾患で異なる免疫反応* 免疫は、体の機能を正常に保つための機能で病原菌等の異常を認識して排除する働きがあります。 その過程で、炎症反応がみられます。体…

  • すべての刺激を取り除いて再発予防【依存症治療】リラプスプリベンション

    リラプス(再発)を起こさないことが、依存症治療の最終地点になりそうですがそのための治療法として、リラプスプリペンションがあります。 リラプスへの過程は、様々です。その1つの要因として、依存行動・物質への渇望・衝動があります。 この2つに対処して、リラプスを起こさないようにする方法を1つ紹介します。 もう1つの対処法である、衝動マネージメントについての記事とリラプスプリベンションについての記事もぜひ、読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com curiousquest.hatenablog.com curiousquest.hatenablog.com *刺激コ…

  • インターネット依存に有効な治療法【依存症治療】

    今では、ほとんどの人がインターネットを使っています。 その中で、インターネットを使用しすぎコントロールができない状態になり依存症のような状態になる人がいます。 多くの依存症治療では、薬物・依存行動の中止が勧められていますが、インターネットを使用禁止は今後の未来の流れとしては大きなハンデになるので、他の治療法を探ってみました。 ちなみにこの記事は、読者様からの依頼内容です。 ぜひ、ブログ記事のリクエストを以下のフォームからしてみてください。 forms.gle *インターネット依存* *インターネット依存の症状* *インターネット依存の治療* *心理学的治療* *薬物療法* *運動療法* *まと…

  • 多くの資本を持つことが、依存症の回復?【依存症回復の定義】

    依存症の回復・リカバリーは、あまり専門的ではないが、一般的には、禁欲(禁酒・禁煙・禁薬・禁ギャンブル等)によって健康・日常生活の向上といったように表現されることが多いです。 ただ、このような依存症回復の言葉に問題があると指摘があります。 そして、現在ではより明確・測定可能な依存症回復の概念が求められています。 ということで、この記事では、割とシンプルな2つの軸を使った依存症回復の公式・定義を紹介しますので、ぜひ、依存症回復に活かしてください。 依存症回復とは、何かについての記事が他にもあるのでぜひ、読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com curiousqu…

  • アルコール・うつ病・自殺の関係【禁酒だけで自殺は減るのか?】

    アルコール使用障害は、頻繁に不安障害・気分障害といった精神疾患を併発します。 そして、鬱も同様ですね。 また、アルコール使用障害(Alcohol Use Disorder ; AUD)と自殺の間にも関連があります。 ということで、アルコール・鬱・自殺の関係を見ていきましょう。 この記事は、読者さんからのリクエストに応じた記事です。ぜひ、書いてほしい記事があればブログの記事内容のリクエストフォームから連絡ください。 forms.gle *アルコール・うつ・自殺* *うつ病* *大うつ病* *持続性抑うつ障害* *薬物誘引型うつ障害* *AUDとうつ病のメカニズム* *自殺* *アルコールが自殺を…

  • リラプス(依存症再発)を予防のマインドフルネス(瞑想)【依存症治療】

    依存症治療で有力候補は、認知行動療法ですが、これは、第2世代と呼ばれており 現在は、第3世代の認知療法がありそれが「マインドフルネス」です。 前の記事で、マインドフルネスの依存症への効果は強固なエビデンスが積み重なっていると説明しました。 まだ、読んでいない人はぜひ読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com やはり、効果があるものはぜひ紹介したい。 とういうことで、紹介するマインドフルネスは、「Mindfulness-Based Relapse Prevention (MBRP)」です。 *MBRP* *MBRPのゴール* *MBRPの概要(時間と回数)* *…

  • 依存症とセロトニン。抗うつ薬は依存症に有効なのか。【依存症治療】

    依存症と言えば、ドーパミンですよね。 そして、そのドーパミンの代わりにセロトニンを出そうみたいな話がありますが実際どうなのか抗うつ薬の視点で少しこの話に切り込んでみようと思います。 ドーパミンと依存症についての記事があるのでまだ読んでいない人は、ぜひどうぞ。 curiousquest.hatenablog.com curiousquest.hatenablog.com curiousquest.hatenablog.com *抗うつ薬* *セロトニン* *アルコール* *コカイン* *ニコチン* *うつはセロトニン不足ではない* *SSRIと他の治療を組み合わせる* *まとめ* *記事関連のお…

  • 子供を依存症から守る。【依存症予防】

    依存症の研究が進み、割と依存症の病理学や疫学の理解が進みました。 それらによって、有効な予防・治療法の発展に貢献しました。 もちろん、個人の差はあれど依存症の疫学のパターンは一貫していて予想が可能なものになりつつあります。 とういことで、どのような要因が依存症の発症を促進するのか解説していきます。 特に、青年・若年層といった依存症のターゲットになりやすく予防の需要が高いグループに焦点を当てます。 なぜなら、依存物質使用の年齢が早いほど大人になった後の依存症の重症度が高いからですね。 依存症になりやすい人の特徴についてのイラストを使った記事もあるのでぜひ、読んでみてください。 curiousqu…

  • エビデンスあり⁉ マインドフルネス(瞑想)は、依存症に有効⁉【依存症治療】

    依存症の有効な治療法を探そうと多くの研究者が頑張っています。 その中で、ここ数年で人気を集めているのがマインドフルネス(瞑想)です。 多くの精神疾患で有効性が示され、依存症に対してもマインドフルネスを利用した治療法への期待があります。 ということで、マインドフルネスとはなにか、実際に有効なのか解説していきます。 *マインドフルネス* *依存症のためのマインドフルネス* *マインドフルネスは有効なのか* *まとめ* *記事関連のおすすめの本* *マインドフルネス* マインドフルネスは、簡単に説明すると良い悪い等の判断をせずに意図的に今という状況に注意を払うことです。(4) その結果、過去の経験に…

  • 依存行動の衝動・渇望の波に乗る。【リラプスプリベンション】依存症再発予防

    依存症治療の最終ゴールは、再発を防ぐことです。 そのための方法に「リラプスプリベンション」があります。 リラプス(再発)を防ぐためには、それぞれの特定の状況で特定の方法があります。 今回の記事では、依存行動の衝動・渇望に対応するための「衝動マネジメント」について話していきます。 リラプスプリベンションの記事が他にもあるので、ぜひ、読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com curiousquest.hatenablog.com *衝動と渇望* *衝動マネジメント* *衝動サーフィン* *まとめ* *記事関連のおすすめの本* *衝動と渇望* 即時に幸福感を得るた…

  • 依存症は家族の病気。【依存症定義・理論】

    依存症は、当事者のみに影響を与える病気ではなく、家族にも影響を与える病気だと度々言われます。 事実、依存症当事者以外の他人への被害も多く、特にアルコールによる他害が多いと言われています。 そんな中、家族も含めた依存症モデルが存在します。 簡単に言うと「依存症は、家族の病気」です。 と言うことで、上記のモデルについてこの記事では解説していきます。 ちなみに、まだ薬物の当事者・当事者以外への被害のグラフを見たことない人は、以下の記事で確認してみてください。 curiousquest.hatenablog.com *依存症=家族の病気* *不健全なコーピング形成* *共依存の家族* *家族へのスティ…

  • スマートに依存症から回復しよう。依存症自助グループ【SMART Recovery】依存症治療

    依存症治療として、自助グループの12ステップが特に有名ですが上手く12ステップと自分の体験が関連付けられたり、解釈ができない人がいます。 しかし、12ステップと比較して割と最近の自助グループの依存症治療の選択肢があります。 日本語で調べると出てきませんが、「SMART Recovery」と言います。 もし、日本語で知っている人がいたら名前教えてください。 ということで、解説していきます。 12ステップについて、まだ読んでいない人は、ぜひ読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com *SMART Recovery* *ミーティング* *4つのプログラム* *ABC…

  • 自助グループは依存症治療として有効なのか(12ステップ)? (AA・NA・GA・Al-Anon・Gam-Anon・Nar-Anon)

    依存症治療には、いろんなものがありますがおそらく一番有名なのが、「12ステップ」ですかね。 Twitterアカウントを覗いてみると割と賛否がありそうですが実際、どうなのか解説していきます。 *アルコールアノニマス(AA)* *人生をより良く生きる* *12ステップ* *12ステップは宗教っぽい?* *12ステップに求められるもの* *12ステップは有効なのか?* *なぜ、12ステップは効くのか?* *まとめ* *記事関連のおすすめの本* *アルコールアノニマス(AA)* 12ステップは、AAによって作られ、全世界に広がり、公的に認知されていき、今では、アルコールのAAのみにとどまらず、多様なア…

  • ギャンブルの広告とギャンブル依存症は関連する。【依存症への政策ー国ができること】

    最近、ギャンブル依存症関連のTwitterアカウントにフォローされることが増えたので、ギャンブル依存症の記事を少し増やしますね。 診断基準とスクリーニングテストについては以前の記事で取り扱ったので、今回の記事では、有病率と社会人口統計的な変数を紹介します。 診断・スクリーニングテストについての記事との話を少しした記事があるので、気になる人は、読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com curiousquest.hatenablog.com *ギャンブル依存症の有病率* *ギャンブルのタイプ* *インターネットギャンブル* *政策とギャンブル* *まとめ* *記…

  • 不安定なモチベーション【依存症治療の目指す場所】

    依存症に包括的に捉える必要性がありますが、その1つとして、「PRIME Theory」がありますね。 まだ、読んでいない人は読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com すでに、上記の記事を読んでいる人は分かると思いますが、PRIME Theoryには、5つのテーマがあります。 その1つである「不安定なマインド」について今回の記事で説明します。 残り4つのテーマについて気になる人はリンク張っておくので読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com curiousquest.hatenablog.com curiousquest.ha…

  • ポジティブな依存(依存の代替?)で、ライフスタイルを変える ー 依存症再発防止【リラプスプリベンション】

    依存行動の再発防止が依存症治療の最終的なゴールとしてされることが多いです。 その依存行動の再発(リラプス)をどのように予防するのか。 そのヒントをくれるのが「リラプスプリペンション」です。 以前の記事で、どのような状況でリラプスが引き起こされるのか解説しましたので、ぜひ、読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com リラプスが発生する状況が分かったらどのような方法で予防するのか見えてきますよね。 ってことで、いくつかリラプスを予防する方法があるので紹介していきます。 *リラプスの過程と予防図* *リラプス予防戦略* *バランスのとれたライフスタイル* *過去に楽…

  • 元依存症なのか?依存症なのか? アイデンティティーと依存症のモチベーションシステム

    依存症には、多様な理論が存在しそれらを包括的に捉えたモデルが存在します。 その1つに「PRIME Theory」が存在します。これは、統合的にモチベーションを捉えており、モチベーションシステムには5つのテーマがあると提言しています。 その1つに、「アイデンティティの重要性」があります。 ということで、今回の記事では、上記の内容について話していきます。 まだ、PRIME Theoryについて読んでいない人はぜひ、遊びに行ってみてください。 curiousquest.hatenablog.com *自分とアイデンティティー* *セルフコントロール* *自分の価値* *自分のラベル付け* *アイデン…

  • 依存症の再発因子と再発予防【リラプスプリベンション】依存症治療

    依存症治療において、特に重要で、幅広く使用されているアプローチがあります。 その名も「Relapse Prevention(RP)」「リラプスプリペンション(日本語)」 聞いたことがある人も多いと思います。 RPを直訳すると再発予防です。 そのため、すべての依存症治療における最終的なゴールとなっています。 ということで、RPを解説していきます。 リラプス(再発)についての記事もあるので、ぜひ、読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com *リラプスプリベンション(RP)* *リラプス(再発)* *即時決定因* *ハイリスクな状況* *コーピングスキル* *結果の…

  • 過去の経験が、依存症行動の動機を形成する【学習・習慣・認知機能】

    依存症を包括的に捉えた理論があり、1つに「PRIME Theory」があります。 まだ、記事を読んでいない人は読んでみてください。 読んでからの方が、理解がはかどると思います。 curiousquest.hatenablog.com そして、この理論には5つのモチベーションのテーマがあります。 その1つの「神経可塑性」について話していきます。 *神経可塑性* *慣れと感作* *麻痺と増加* *逆転* *適応と退屈* *バランスと強化* *バランス* *向上心* *陳述記憶* *関連学習* *習慣* *まとめ* *記事関連のおすすめの本* *神経可塑性* 簡単に言うと、過去の経験によって神経回路…

  • スリップで止まる人・リラプスする人【依存症】

    スリップの原因は自分ではない? 少しの依存行動でやめるこは、なかなか大変で、さらに、やめることを継続することはもっと大変です。 そして、依存行動をしないと決断してから再び、依存行動をしてしまうことが度々あると思います。 その中で、一度失敗しても再び、依存行動をやめようとすぐに、望むべき線路に戻れる人と戻れずに、元のレベルの依存行動に至ってしまう人たちがいます。 ちょっとした依存行動で終わり、すぐに依存行動を再び抑制できる人と抑制できずに、元の依存行動に戻ってしまう人にどのような違いがあるのか1つの視点を紹介します。 Miller (2013)さんのPrinciple of Addictionを…

  • 依存症治療の最前線を走る認知行動療法

    *認知の歪みと問題行動を変える* 依存症を不適合な学習とすると行動療法が治療として候補になります。 他の治療法の中には、この行動療法と精神機能を統合した治療法が存在します。 詳しい人は、見当がついているかと思いますが「認知行動療法(Cognitive Behaviuor Therapy (CBT)」ですね。 非常に知名度が高い治療法ですので、私より先に詳しく説明している人がいると思うので、CBTの詳しい話は、飛ばしていきます。 また、行動療法についての記事もあるのでまだ読んでいない人はどうぞ。 curiousquest.hatenablog.com curiousquest.hatenablo…

  • 依存症の衝動・抑制の戦い【依存症定義・理論】

    *その瞬間の力が行動を決める* 依存症を理解するためには、包括的に依存症を捉えた理論が必要です。 その1つに「PRIME Theory」があります。「依存症=モチベーション」の立場を取っています。 モチベーションシステムの構造についての記事をまだ読んでいない人は、読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com PRIME Theory には、モチベーションを語るための5つのテーマがあり、その1つの「その瞬間における焦点」を解説していきます。 上記の記事で、少し触れてしまいましたがこの記事でもう少し、深く掘っていきます。 *その場の力が行動を決める* *衝動・抑制力…

  • 【依存症治療】依存物質・行動の引き金を無視できるように、注意バイアスをトレーニング。【行動療法】

    *注意バイアスを元に戻す* 行動療法が、依存症の不適合な学習を治すために試みられます。 その1つとして、 「認知バイアス補正?(Cognitive Bias Modification;CBM)」 があります。 ということで、この記事ではCBMについて解説していきます。 これは、「依存症=認知バイアス」に関連しそうですね。記事張っておきますね。 curiousquest.hatenablog.com *注意バイアスがターゲット* *CBMは臨床で使われていない* *CBMの可能性* *まとめ* *記事関連のおすすめの本* *注意バイアスがターゲット* 注意バイアスは、依存症で鍵になる要素です。 …

  • 依存症のモチベーションシステム【依存症定義・理論】

    *その瞬間において最も望まれる行動が依存行動* 依存症には、本当にたくさんの理論があります。 依存症=病気 依存症=選択 依存症=認知バイアス ただ、どれも依存症の1側面のみしか考慮されていません。 多様な依存症の理論を包括的に捉えた理論がやはり欲しいですよね。 例としては、 依存症=過剰な欲求 依存症=パワーレスネス まだ、読んでいない人はこの上記の理論の記事があるので読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com curiousquest.hatenablog.com そして、今回の記事ではもう1つ有名な依存症の包括的理論を紹介します。 キーワードは、「依存症…

  • エビデンスあり!ご褒美・報酬を与えて依存症を治す。【依存症治療】

    *依存薬物をやめたら、ご褒美をあげよう* 依存症の不適合な学習を治すために行動療法が行われることがあります。 その1つの「随伴性マネージメント(Contingency Management;CM)」を紹介します。 この治療法は、「依存症の戦うパワー」を育てるために有効な治療法であるとOrfordさんの依存症理論で取り扱われています。 まだ、Orfordさんの2つ目の依存症理論「依存症=パワーレスネス」の記事を読んでいない人は読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com *学習理論が基本* 学習理論で、有名なものは古典的条件付けとオペラント条件付けですね。 古典的…

  • 依存症ビジネスが依存症に立ち向かうパワーを当事者と支援者から奪う【依存症定義・理論】

    *依存症と戦う力が無い* 依存症の理論がたくさんある中で、依存症の多様な側面を包括的に捉えた理論があります。 例えば、「依存症=過剰な欲求」ですね。 まだ、読んでない人はぜひ読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com この上記の理論を作ったOrfordさんは、さらに、この理論の拡大をしていきもう1つの依存症の理論を作り上げました。 ということで、Orfordさんの2つ目の依存症の理論を説明していきます。 キーワードは、「パワー」です。 *パワーとパワーレスネス* まず、理論の名前からです。 「Power, Powerlessness, and Addictio…

  • 嫌悪療法【依存症治療】嫌がることをして、依存症を治す。

    罰と依存行動・物質を結び付ける 「依存症=不適合な学習」として場合、その学習を変えれば、いいわけですよね。 その手段として、行動療法があります。 その1つの「嫌悪療法」を紹介します。 英語だと「Aversive Therapy」ですね。 まだ、依存症の学習理論を読んでいない人は、ぜひチェックしてみてださい。 curiousquest.hatenablog.com *嫌悪療法* *嫌な事をして、行動を変える* *アルコールにおける険悪療法* *ジスルフィラムの効果* *ニコチン依存での険悪療法* *急速喫煙法* *急速たばこふかし法?* *たばこ保持法?* *ひそかな感覚?/象徴嫌悪?* *喫煙…

  • 依存症の過剰な欲求は病的ではない【依存症の定義と理論】

    *依存症の全容は、過剰な欲求* 過去の記事で、いろんな依存症の理論を説明してきました。 例えば、 依存症=病気 依存症=認知機能障害 依存症=選択 ただ、どれも依存症の1側面しか捉えていません。 その場合、依存症の多様な側面を包括的に捉えた依存症の理論がないのかと言ったら、あります! その1つを紹介していきます。 この理論は、物質使用障害のみではなく行動嗜癖の理論の骨組みにもなっています。 行動嗜癖の例としては、食習慣・性行為・運動・ギャンブルです。 *過剰な欲求モデル* *社会のプレッシャーが抑止力* *第1の依存プロセス* *第2の依存プロセス* *主張論争の結果* *過剰な欲求は病的では…

  • 【依存行動・物質の引き金に慣れる?】依存症治療ー行動療法

    *依存行動の引き金に身を曝す* 「依存症=不適合な学習」として場合、その学習を変えれば、依存的行動が治りそうですよね。 その手段として、行動療法があります。 その1つの「キュー暴露療法」を紹介します。 英語だと「Cue Exposure therapy」ですね。 日本語で調べてもいい感じの出ないのでCETで統一しますね。 まだ、依存症の学習理論を読んでいない人は、ぜひチェックしてみてださい。 curiousquest.hatenablog.com *キュー(Cue)反応性* *薬物関連刺激への反応を消す* *CETは、効果あるの?* *ギャンブル依存症とCET* *アルコール依存とCET* *…

  • 注意バイアスが依存症の原因?【認知機能と依存症】

    *薬物のことで頭でいっぱい* 依存症の理解において認知機能が大切です。 その1つに注意バイアスがあります。 その認知機能と多様な依存症の側面(脳科学・心理学・薬理学)を統合した依存症の理論があります。 簡単に言うと、「認知機能が薬物関連刺激と反応を仲立ちする」 実際にどのような理論か解説していきます。また、この理論から見える依存症の治療の可能性も少し触れます。 *注意バイアス仮説* *渇望は感情* *感情への注意* *依存症における注意バイアス* *薬物信号の強化* *薬物関連の認知の強化* *他の信号に対するリソース不足* *薬物関連刺激は、ドーパミンを上昇させる* *統合モデル* *まとめ…

  • 学習理論からみえる依存症治療【行動療法】

    *依存症行動を不適応から適応へ* 依存症は、学習理論によって説明されることがあります。 それらを利用した行動療法が依存症の行動を変化させる治療として使用されることがあります。 ということで、まずは、行動療法と学習理論を説明していきます。 学習理論の内容の記事もいくつかあるので、チェックしてみてください。 curiousquest.hatenablog.com curiousquest.hatenablog.com *学習の条件付け理論* *古典的条件付け* *オペラント条件付け* *依存症は、不適合な学習* *依存症の古典的条件付け* *依存症のオペラント条件付け* *薬物関連の刺激の理解* …

  • ネガティブな感情が依存症思考を引き起こす【依存症定義】

    *離脱症状とストレスが認知を歪ませる* 認知の歪みは、依存症を説明するための1つの要素になっています。 その認知を仕組みを考慮した依存症の理論がいくつかあります。 この記事では、その一つを説明していきます。 キーワードは、「ネガティブな感情」です。 他にも、依存症の理論があるのでぜひ、読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com *負の強化* *感情処理と負の強化* *ネガティブな感情が認知の歪みを生む* *理論の応用* *まとめ* *記事関連のおすすめ本* *負の強化* 学習には、正の強化と負の強化があります。 正の強化は、行動の結果何かポジティブなものが手に…

  • 依存をやめるモチベーションを引き出すコミュニケーション【心理学的治療】

    *依存症に欠陥はない。やる気を引き出すだけ* 依存症の治療法は、いろんな方法が試されています。 例えば、多理論統合モデルですね。まだ、読んでない人は読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com そして、今回はこの多理論統合モデルにマッチする治療法「動機付け面接法」を紹介します。英語だと「Motivational Intervewing (MI)」です。 この介入方法は特に、依存物質・行動をやめるか迷っている人やめると決意したが、まだ行動に移せていない人にとっては有益な情報になると思います。 また、依存症の家族を抱えている人依存症の人を支援している人にとっても役立…

  • 自動化された依存行動と対抗する薬物の渇望

    *自動化された依存症* 過去の記事で、認知機能が依存症の要素として重要な一部である話しました。 まだ、読んでない人はぜひ、読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com そして、その認知的要素を考慮した依存症の理論も存在します。 割と、「依存症=習慣」と似ていますが主張としては、「依存症=自動化された行動構造」です。 詳しく見ていきましょう。 依存症と習慣についての記事もあるので気になる人は、読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com *薬物摂取と薬物衝動の依存症認知モデル* *薬物衝動* *自動化・非自動化の過程* *自動化の過…

  • お酒・たばこ・ギャンブル・薬物をやめるには、やめる理由がたくさん必要。【依存症治療】多理論統合モデル

    *依存行動・物質をやめる決断に 影響を与える2つの要素* 何度も言いますが、「行動の変化」が依存症治療の基本です。 そして、多理論統合モデル(TTM)が依存症回復のステージを6つ示してくれています。 その6つのステージにおいて、重要な視点が1つあります。 それが、「意思決定のバランス」です。 これを理解すると、より依存症回復のステージの理解が深まります。 まだ、TTMについての記事を読んでない人は、確認してみてください。 curiousquest.hatenablog.com curiousquest.hatenablog.com curiousquest.hatenablog.com *意思…

  • 依存症治療【心理学的治療】すでに、行動を変えた人におすすめの治療法

    *健康的な行動の再学習と維持に役立つ働きかけ* 「行動の変化」が依存症治療の基本です。 その治療法の1つに多理論統合モデル(TTM)があります。 TTMのステージについてとステージの前半における有効な介入方法についての記事は、すでにあるので、ぜひ読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com curiousquest.hatenablog.com ということで、今回の記事は依存症回復ステージの中盤から終盤までにおける有効な働きかけについてお話します。 *行動型の働きかけ* *行動型の働きかけの例* *1.反射条件付け* *反射条件付けの定義* *反射条件付けの方法…

  • 依存症治療【心理学的治療】初めにする依存行動を変えるための治療法

    *依存症関連の自分自身と外部への再認識が鍵* 「行動の変化」が依存症治療の基本です。 その治療法の1つに多理論統合モデル(TTM)があります。 まだ、読んでない人は以下の記事を確認してみてください。 curiousquest.hatenablog.com TTMは、依存症回復のステージを依存物質・行動の再開を含めたモデルになっておりスリップ・リラップスが回復の過程の一部として捉えているので、割と前向きな理論でいいなと思ってます。 そして、今回の記事ではそれぞれの依存症回復のステージを進み続けるために必要な依存症回復の「変化の過程」について話していきます。 つまり、回復ステージを移動するために必…

  • 依存症治療【心理学的治療】行動変容・多理論統合モデルを利用した依存症の治し方(変化のステージ)

    行動の変化が依存症治療の基本 依存症の回復にいろんな治療があります。 しかし、どの治療法や理論をとっても依存症の回復の根本は「行動変化」です。 ということで、今回の記事では、行動変容の理論を1つを紹介します。 行動の変化と言えば、悪い習慣を断ち切ることですよね。ということで、まだ以下の記事を読んでいない人はぜひ、読んでみてください curiousquest.hatenablog.com *多理論統合モデル(TTM)* *行動変容の6つのステージ* *第1ステージ=無関心期* *無関心期の特徴* *無関心期の例* *無関心期の期間* *無関心期から関心期へ必要なこと* *第2ステージ=関心期* …

  • 依存症における脳の原因部位【依存症=病気】

    依存症の病的部位はどこ? 依存症といえば、薬物・行動の報酬的要素(ドーパミン)が議論の的になることが多いです。 しかし、最近ではもう少し高次な脳機能(認知・感情の障害)が依存症の開始・悪化・維持のサイクルに影響を与えていると考えられています。 それらを考慮した依存症の理論を1つこの記事では紹介します。 実際に、依存症の何が問題で病気と呼ばれているのか説明します。 *抑制障害と顕著性の帰属* *依存症における6つの障害* *報酬ネットワーク* *習慣ネットワーク* *顕著性ネットワーク* *実行機能ネットワーク* *自発的ネットワーク* *記憶ネットワーク* *依存症の病的部位を狙う* *まとめ…

  • ビタミン不足の依存症 栄養失調の原因は薬物?【栄養と依存症】

    *薬物によって吸収を阻害される栄養素* 薬物依存は、単なる依存症だけではなく多様な合併症を併発します。 例えば 栄養失調 代謝障害(Nabipour et al., 2014) 体組成の変化(Tang et al., 2010) メンタルヘルスの問題(Tolliver & Anton, 2015) そして、これらに関連する要因の1つとして「栄養」があります。 しかし、栄養に焦点を当てた治療・バランスの取れた食事が依存症回復を手助けするエビデンスがあるにも関わらず(Biery et al., 1991; Grant et al., 2004)栄養の重要性に焦点があてられることが少ないです。 とい…

  • 共依存の脳科学【依存症と人間関係】

    *脳機能の変化が共依存の原因?* 基本的に依存症の研究は、薬物使用をしている当事者に焦点が当てられています。 そして、依存症の家族を持つ人たちへの影響への研究はそこまで焦点が当てられていません。 ただ、慢性疾患においては慢性疾患を持つ当事者に関わる全ての人に長期にわたるネガティブな影響があると言われており、 これらの影響は、多様な場面(あいまいな心の境界線・役割・ルール)で見られそれらが、不健全な家族関係の維持をしている可能性があります。 そんな、関係性を説明する1つのコンセプトが「共依存」です。 そして、その共依存になっている家族の人たちにどのような影響があるのかまた、共依存の脳科学的実験が…

  • 依存症は選択【依存症の定義】

    *依存症の原因は、単なる選択の問題* 依存症について、調べると大抵は「依存症=病気」という話だらけですね。 私自身もそのような記事を書きました。ぜひ、チェックしてみてください。 curiousquest.hatenablog.com curiousquest.hatenablog.com たた、この視点について批判もいくつかあります。 その1つを紹介します。 主張としては、「依存症は普通の選択過程における障害」(Heyman, 2013) どんな意味なのでしょうか。解説していきます。 *依存症は病気ではなく、病気様なもの* *選択の法則* *Hyperbolic discounting(双極割…

  • 依存症・オンライン自助グループの可能性

    *Twitter断酒部・Twitter断ギャンブル部への期待* 近年、テクノロジーの発展とともに多様な方法で依存症治療の介入が試みられています。 その1つの可能性としてデジタルを使用した依存症回復に期待が持たれています。 おそらく、コロナをきっかけによりデジタルで行う依存症治療・依存症回復支援の需要が高まったと思われます。 実際に、デジタルを使いどんな方法・効果が期待されているのでしょうか。 もし、効果があればTwitter断酒部・断ギャンブル部さんの今後が楽しみでワクワクしてきます。 まあ、勝手に期待して申し訳ないのですが。 研究するために、データを取りたいなと勝手に妄想してます。 *依存症…

  • EQ・心の知能指数と依存症

    *感情の認識・コントロールの難しさ* ひと昔前に、EQ (Emotinal Quotient)という言葉が流行りました。 日本語だと、心の知能指数って感じでしょうか。 EQは、身体的・精神的健康と関連があると多くの研究で検証されてきました。 しかし、EQと依存症に関係はあるのでしょうか。 *EQ (Emotional Quotient)* *EQの4つの能力* *高EQの関連* *依存症と感情* *依存症と精神疾患の合併* *依存症と頻繁に併発する精神疾患の例* *依存症とEQ* *アルコール依存とEQ* *たばことEQ* *薬物使用とEQ* *行動嗜癖とEQ* *まとめ* *記事関連のおすす…

  • 3つのよいこと【ポジティブ心理学と依存症】

    *依存症回復におけるポジティブ心理学の可能性* 依存症の回復において、大きな転換が心理学の業界ともに起こりました。 それが、ポジティブ心理学 です。 この記事では、ポジティブ心理学とはなにか。 そして、ポジティブ心理学を利用した依存症回復について解説していきます。 *ポジティブ心理学* *ポジティブ心理学の介入* *ポジティブ心理学例* *ポジティブ心理学の介入目的* *ポジティブ心理学の介入の利点* *依存症におけるポジティブ心理学の介入法* *Three Good Things in Life* *私のThree Good Things* *Best Future Self* *私のBes…

  • 悪い習慣を断ち切る【依存症は習慣】

    *習慣を壊す=依存症脱却* 物質使用障害・依存症の特徴として、毎日のように同じ薬物・行動をとります。 このような依存行動は、習慣という理論で説明がつく。 そんな依存症の理論が存在します。 「依存症=習慣」なのか少し見ていきましょう。 *依存症における習慣の重要性* *行動の習慣形成・維持が依存症の肝* *依存症診断と習慣の関連* *依存症は、コントロールできない習慣* *依存症は、習慣の形成から習慣の維持* *行動計画の実行ステージ* *薬物使用への期待感* *習慣を壊す=依存症の治療* *まとめ* *記事関連のおすすめの本* *習慣* 我々の世界は、習慣で散りばめられてます。 もし仮に、習慣…

  • 依存症自助グループでのコミュニケーション方法

    *サンドイッチが学習を促進させる* 依存症の回復は、時々「人生生きなおし」と言われたりします。 要は、依存してきた物質・行動なしにどうやって生きるのか「再学習」する旅路である。 回復に必要な要素がいくつかありますが、この記事では学習に関連した、「フィードバック」についてお話します。 何かを学習するときには、フィードバックがあると良さそうですよね。 自分の知り合い・依存症回復のコミュニティーで励ましあったり、指摘したり、フィードバックを与えたりそのような場面が想定できますが、どのようなフィードバックを与えるといいのか解説していきます。 依存症回復についての記事もあるのでぜひ、読んでみてください。…

  • 孤独感を感じる【依存症と人間関係】

    *共に戦う依存症* 孤立は、変更関連において世界的に問題になってます。 イギリスでは、孤独大臣が政府の役職としてあります。日本でも、高齢者の孤独死が問題になっていますね。 孤独と依存症には、どのような関係があるのでしょうか。 社会的・環境的要因の大切さについての記事がほかにもあるので読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com curiousquest.hatenablog.com *孤立と健康* *孤立から予測される健康問題の例*(一般集団) *孤立の定義* *孤立を感じる割合が多いグループ* *依存症とスティグマ(汚名烙印)* *依存症回復と孤立* *孤独感…

  • 【睡眠障害と依存症】依存症における睡眠の重要性

    *お互いに影響しあう睡眠と依存症* 依存症では、頻繁に睡眠障害が報告されています。 薬物乱用によって、眠れないこともあるだろうし眠れないがゆえに、薬物乱用も考えられます。 睡眠と依存症にどんな関係があるのか解説していきます。 睡眠の影響は、ストレスと食物依存症の記事でも触れました。気になる人は、読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com *カフェインと睡眠障害* *コカインと睡眠の役割* *概日リズムと依存症* *アルコールと睡眠* *アルコールの睡眠への影響* *睡眠のアルコール摂取への影響* *まとめ* *記事関連のおすすめの本* *カフェインと睡眠障害*…

  • 【依存症になりやすい性格】依存症と性格

    *依存症と性格の関係* 依存症には、いろんなリスクファクターが存在します。 その中の1つに心理学的な要素があり、性格が含まれます。 実際に、どのような性格が依存症と関連しているのかこの記事でお話していきます。 依存症のなりやすい人の特徴についての記事があるのでぜひ、読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com *性格(ビッグファイブ)* 性格のお話は、古代ギリシャのヒポクラテスさんから始まっています。 その後、フロイドやパプロフと言ったよく聞く名前の有名人たちもこの分野に絡んできました。 という感じで、長い議論が続いていましたが1980年頃に、大きな変化が起きま…

  • 【依存症は脳の認知機能が原因⁉】

    *依存症の脳は頭が良すぎる* 「依存症=病気」という視点は、度々議論されます。 ただ、この視点では説明しきれないこともたくさんあります。 事実、信頼できる特定の生理学的マーカーは未だ見つかっていません。また、ほとんどの実験が動物を使っているため、人類に応用するときには、注意が必要です。 また、「依存症=病気」に影響を与える要素として認知機能があります。認知プロセスによって、「依存症=病気」の視点に様々の影響を与えます。 この記事では、実際にどのように依存症において認知機能が関わるのか説明していきます。 「依存症=病気」についての記事があるので興味のある人はぜひ、読んでみてください。 curio…

  • い - CuriousHunter 依存リハ

  • 【運動・筋トレ依存症】依存症に発展しやすい運動

    *運動依存症にないやすい運動の種類* 近年、何に対しても依存症化させる傾向が多い印象があります。 その1つの例として運動が挙げられます。 今回の記事は、運動依存症の有無・依存性が高そうな運動についての記事です。 運動のような、行動に対する依存(行動嗜癖)についての記事があるのでまだ、読んでない人はぜひ読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com *運動依存症* *運動依存症の有無* *EAI スクリーニングテスト* *EAIの質問票 (勝手に翻訳)* *運動依存のリスクが高い運動の種類* *EAIのスクリーニングテストの結果* *まとめ* *記事関連のおすすめの…

  • 依存症のストレス・ドーパミンバランス【アロスタシス】

    人間の優れた能力が仇になる ストレスが依存症の発症・維持・再発に影響を与える可能性が動物を使った実験で示唆されています。これらを理由に、ストレスが様々な依存症の理論の発展に役立っています。 この記事では、その中の理論の一つを取り上げます。 まだ、ストレスと依存症についての記事を読んでいない方はぜひ、読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com *ストレスを考慮した依存症* *ストレスに対する適応と報酬系* *アロステイシス* *ホメオスタシスとアロステイシス* *依存症の経過(Koob理論)* *薬物摂取とドーパミンシステムの適応* *薬物摂取の報酬と離脱症状(…

  • 【インターネット依存の原因は親⁉】子育てと依存症

    *SNS依存と子育ての関係* 科学の進歩で、いろんな便利なものが世にあふれています。 そして、SNSは今やほとんどの人が利用しているサービスで過剰なSNS使用によりSNS依存になる人が報告されてきました。 この記事では、子育てとSNS依存について話します。 ただ、この記事ではスマートフォンを持たせる持たせない等の子育ての話ではなく、親と子供の関係性から、依存症を見ていきます。 今回のおすすめの本は、やっと翻訳されて日本で、販売されたようです。 The Power of Showing Up: How Parental Presence Shapes Who Our Kids Become an…

  • 依存症の原因はドーパミン

    *依存症の共通分母はドーパミン* おそらく、この記事にたどり着く人はすでにいろんな情報を得ていると思いますが、何か新しい情報があったら、嬉しいです。特に、この記事関連のおすすめの本はここ最近で一番のおすすめの本です。 The Molecule of More: How a Single Chemical in Your Brain Drives Love, Sex, and Creativity--and Will Determine the Fate of the Human Race (English Edition) 作者:Lieberman, Daniel Z.,Long, Micha…

  • 【イラストでわかる】依存症になりやすい人の特徴

    スイスチーズで依存症を理解する 依存症になりやすい人の特徴は挙げようと思うと正直、きりがなさそうです。 いろんな依存症が存在し、それぞれの依存症でリスクは異なります。 ただ、依存症のリスクを抱えている人でも依存症にならない人がいますよね。 どんなに、薬物をつかっても平気な人がいたり健康だと思っていた人が、急に依存症になったり この記事では、そのような疑問に答えるためにスイスチーズを使います。 また、いつも通り記事の最後に記事関連のおすすめの本があるのでぜひ、購入し読んでみてください。 スイスチーズで依存症を理解する *エメンタールチーズ* *チーズの穴=リスク* *生理学的チーズ* *心理学的…

  • ギャンブル依存症の原因

    「勝敗の不確かさ」がギャンブルの肝 基本的に依存症は、薬物の長期使用により脳回路に変化が起き、いろんな症状がでる「依存症=病気」として認識されています(Volkow et al., 2016)。 これは、薬を摂取することによる生理学的な変化ですよね。 ただ、行動嗜癖(行動に対する依存:ギャンブルやゲーム)は、薬のような毒性のある物質がないので、薬のような生理学的な反応が脳をハイジャックされているわけではありません。 ギャンブル依存症においては、心理学的な要素が、我々の脳に影響を与えてきます。 よってこの記事では、どのようにしてギャンブルが薬物のような毒性のある物質なしで心理学的な要素を操り、我…

  • 依存症とWell-being

    Well-beingが高いだけで得をする? 前の記事で、生活の質(QOL)やWHOの提言しているWell-being(健康・幸福)が依存症の回復の必要な一部という話をしました。 気になる人は、前の記事を読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com 今回は、ウェルビーイング(Well-being)について少し話します。 ウェルビーイング(幸福・健康度)が高いだけで、認知・行動レベルでの変化がおきることをお話していきます。 今後、依存症回復を目指す人で禁酒・禁煙・禁ギャンブルだけでなく、生活の質や幸福度も高めて回復を目指したい人が増えたらうれしいです。 この記事では…

  • ほとんどのダイエット法は間違っている

    酸化ストレスが肥満と食物依存症の鍵 肥満に対して、いろんな試みが行われてます。 カロリー計算 低炭水化物 高・低脂肪ダイエット ベジタリアン ビーガン 植物ベースダイエット 動物ベースダイエット これらのダイエット法が、基本的には間違っていると提言した論文を紹介します。(Tobore, 2020) おそらく、多くの人がリバウンドを経験していると思います。 ダイエットをしたい人肥満と食物依存症を通して、依存症のさらなる理解を深められる記事になってます。 酸化ストレスが肥満と食物依存症の鍵 ~酸化ストレス~ ~酸化ストレスが依存症と肥満の原因~ ~酸化ストレスの関係~ ~酸化ストレスの悪影響~ ~…

  • 依存症の回復とは?

    依存症回復は単なる禁〇〇ではない? 依存症になったときに、どのタイミングを回復とみなすのか難しいですよね。 禁酒を数年続けたら、アルコール依存症から回復したとみなされるのでしょうか。 それとも、薬物使用を自分の意思でコントロールできるようになったら回復なのでしょうか。 私の知り合いの研究者は、こんなことも言います。「依存症に回復はない(recovered)。回復中である (recovering)。」治った(過去)とは言えず、常に治っている(進行中)途中だと主張していました。 なかなか難しい問題です。そんな内容を少しずつ、紐解いていきます。 ~依存症回復の定義~ ~Sobriety(ソーバー)~…

  • 依存症回復に必要なもの

    資本と依存症回復 ときより、依存症は「意思の弱さ」が問題だと言う人がいますね。さらに、やめると決意して病院に行かずにやめた人で「意思の弱い私が依存症を克服したからあなたもできる」という言葉も聞きますね。 どうなんでしょうかね。 その人たちは、たまたまラッキーだったかもしれないよねって話をします。 ※個人の努力や意思の強さも尊重しています 治療なしで回復する人 なぜ、治療せずに回復できたのか 回復資本 資本力に悪影響を与えるもの まとめ 記事関連おすすめの本 治療なしで回復する人 実際、どのくらいの人が治療を受けずに治るのか。 アメリカの研究で(Lopez-Quintero et al., 20…

  • ストレスは依存症の最大の敵(再発)

    *スリップ と依存症の関係* ストレスと依存症の最終章ですね。序章; ストレスとは?1章; ストレスと依存症発症2章; ストレスと依存症維持期3章; ストレスと依存症再発 おそらく、読者様のなかでも禁〇〇期と再発のループの経験があると思います。 *依存症の変動* *機械ストレスと再発の関係* *ストレス反応と依存症の再発* *心理学的ストレスと再発* *まとめ* *記事関連のおすすめの本* *依存症の変動* 本題に入る前に依存症の流れをおさらいして、今、我々がどこにいるかはっきりさせますね。 Stewart, 2000 を基に作成 青色;薬物を使用し始めた時期使用とともにより薬物を欲するように…

  • ストレスは最大の敵(依存症維持期)

    *ストレスが依存症のすべて(依存症維持期)* ストレスが依存症に密接に関係しています。 この記事では、依存症を3つに時期に分けたうちの1つの維持期におけるストレスの影響についてです。 まだ、他のストレスに関する記事を読んでない方はぜひ、以下の記事も読んでみてください。 curiousquest.hatenablog.com curiousquest.hatenablog.com *抗ストレス剤と依存症の維持* *ストレスホルモンの抑制と依存症の維持* *まとめ* *記事関連のおすすめの本* *抗ストレス剤と依存症の維持* ストレスがどのように依存症を維持するのか理解を深めるための実験がたくさん…

  • ストレスは依存症の最大の敵(発症期)

    *ストレスが依存症のすべて(依存症発症の時期)* ちょっと言い過ぎかもしれませんが、この記事を読み終わった後には、それなりに納得していただけると思います。 この記事では、ストレスが与える薬物摂取のそれぞれの段階に対する影響を説明します。大きく3つに分けて 依存症発症 維持期 再発 特に、今回の記事では薬物使用の初期=依存症の発症とストレスについてです。 *ストレスが依存症のすべて(依存症発症の時期)* *ストレスと薬物摂取初期の関係* *ストレス刺激と薬物使用初期* *ストレスホルモンと薬物使用初期* *ストレスホルモン抑制と薬物使用初期* *まとめ* *記事関連のおすすめの本* ストレスにつ…

  • ストレスってなんですか?

    *ストレスの要素* 依存症とストレスは非常に密接な関係があります。ストレスは依存症の最大の敵なので。 その記事を書く前に、ストレスについての記事を書きますね。 読む前ににほんブログ村のランキングに協力お願いします。みなさんのおかげで、順調に順位を上げられています! ↓ クリックお願いします。 にほんブログ村 *ストレスの社会への影響* *ストレスとは* *ストレスの大きさの測り方* *まとめ* *記事関連のおすすめの本* *ストレスの社会への影響* 世の中は、ストレスを引き起こすものであふれていますよね。 そして、ストレスの心理的・身体的ダメージは非常に大きいです。 アメリカでは、ストレスを感…

  • 自己効力感を高める方法

    自己効力感の重要性と高め方 最近、twitterで割と自己肯定感という単語をよく見るので、それに関連するものを調べてみました。 自己〇〇系の単語はたくさんありますが、依存症において大切なのでは?と言われている自己効力感についてこの記事では取り上げます。 読む前に、ぜひにほんブログ村のランキングに協力お願いします!クリックされると自己効力感が上がります! にほんブログ村 *依存症と自己効力感* *自己効力感を高める方法* *まとめ* *記事関連のおすすめの本* *自己効力感と自己肯定感の違い* 私がまず、疑問に思ったことはみなさんが、自己肯定感とはなにを示しているのかわからなかったので、先に、定…

  • 依存症は、自分の感覚を勘違いする?

    *依存症は、自分の感覚に自信があるが不正確* これは、私の研究テーマですね。何かというとInteroceptionと呼ばれるもので、日本語だとおそらく内受容感覚と呼ばれるものについて説明します。 *Interoceptionとはなにか* *Interoceptionと精神疾患* *Interoceptionと依存症* *依存症では、正確にInteroceptionを理解できない* *まとめ* **にほんブログ村* *記事関連のおすすめの本* *Interoceptionとはなにか* 内受容感覚と言われるぐらいなので、体の内側の感覚のことです。 外側と言えば、皮膚に物が触れたりすると触れたかわか…

  • 大雑把にギャンブル依存症とはなに?

    ギャンブル依存の基本情報 2018年でカジノ法案(IR整備法)が成立して、2022年中にIR開業の候補となる場所が正式発表しますね。 カジノに関連してくる病気は、ギャンブル依存症ですね。大雑把に説明していきます。 *ギャンブル依存症の分類* *診断基準* *DSM-5 診断基準* *スクリーニング検査* *まとめ* *記事関連のおすすめの本* *SOGSの結果の解釈の仕方* *ギャンブル依存症の分類* ギャンブルは、基本的には何か価値のあるものを得るためにリスクを冒す行動。 なので、勝てるか負けるか不確かなものにリスクを許容してその活動をしていると。 もともと、ギャンブル依存症はDSM第4版と…

  • 依存症は遺伝する?

    *遺伝と依存症* がんは遺伝するとよく聞きますよね。依存症は、どうなのでしょうか。遺伝子の細かい話はかなり複雑なのでできるだけ飛ばします。 *遺伝とは* *遺伝研究と依存症の問題点* *遺伝率はどのくらい?* *環境の影響* *まとめ* *記事関連のおすすめの本* *遺伝とは* 子孫を作るとき、子供は両親から半分ずつ情報を受け取っています。 もし、親のを遺伝情報の特徴が、子供に渡り同じような特徴を引き起こすときこれを遺伝したっていいますね。 義務教育でメンデルの法則を習ったと思うのですが、イメージとしてはあんな感じです。 *遺伝研究と依存症の問題点* 遺伝研究している人は、おそらく大抵の人が言…

  • 子育ての仕方は依存症に影響される?

    *依存症による子育ての仕方の違い* *子育ての仕方の違い(依存症持ちの母親 VS 非依存症持ちの母親)* *子育ての仕方は薬物によって変わる* *依存症持ちの父親の子育ての仕方* *精神疾患と依存症の合併でなければ大丈夫?* *記事関連おすすめの本* *子育ての仕方の違い(依存症持ちの母親 VS 非依存症持ちの母親)* 依存症は、使用者だけでなく他の人にも被害を与えることがあります。特に、親の依存症の子供への被害の考慮は今後の新たな精神疾患の患者さんの数に影響を与えるので、重要な理解になると思います。 どんな被害があるかは、特にアルコールについては前の記事を見てみてください。また、お子様を持っ…

  • 禁〇〇って発想はもう古い?

    *薬物をやめないで依存症を治療する* *禁〇〇続けてください* *治療を受けている人は多くない* *禁〇〇の治療がニーズとあっていない* *依存症に対するハームリダクション* *禁〇〇続けてください* 今回の記事の注意点は、現在スタンダードの薬物やめる治療法が悪いって意味ではありません。 おそらく、読者様や他のサイトですでにいろんな禁〇〇の方法がいろいろあげられてると思うので、私は新しいその関係の論文出たら記事書きますね。 この記事の目的は、新たな可能性の話です。 *治療を受けている人は多くない* 依存症は正しい治療がなければ、完治が難しそうな印象ですよね。 ただ、アメリアでは11.8%しか依…

  • 脳に電極を埋め込んで依存症を治療?

    *閉じ込め症候群の治療に電極を埋め込む* *電極を埋める治療法* *依存症にも電極埋め込む?* *今日のおすすめの本* *閉じ込め症候群の治療に電極を埋め込む* 最近、Locked-in syndrome(閉じ込め症候群)を研究している人の話を聞きました。 この疾患は、俗に言う植物状態ですね。まあ、私としてはなんか倫理的に動物を植物と呼ぶのはどうかなという気はしますが。体は動かせないけど、意識がはっきりしている状態です。この人たちは、しゃべることができず基本的には、文字盤を使って目の動きを使ってどの言葉を選んだか伝えてコミュニケーションをとります。 文字盤 ただ、やっぱり喋ってコミュニケーショ…

  • アルコールは性機能を低下させる?

    No.17 アルコールと性生活の関係 昔にシェイクスピアさんがこんなこと言ったらしいです。ー アルコールは性欲を向上させるけど性活動のパフォーマンスを下げる どういったことなのか、なんとなく察していることかもしれませんが説明します。 女医が教える 本当に気持ちのいいセックス 作者:宋 美玄 ブックマン社 Amazon *アルコールの急性的な効果(男性)* まず、性欲が上がるのか?少量のアルコール摂取は性欲を高めます。 ただ、男性は生殖器の充血は若干の増加もしくは減少。(Briddell &Wilson, 1976;Malatesta et al., 1982) しかし、多量のアルコールは著しい…

  • 薬物以外の中毒ってなに?

    No.16 薬物中毒と薬物以外の中毒の共通点の相違点 薬物依存は、いろんな例がありますよね。お酒、たばこ、ヘロイン、覚せい剤等。 薬物以外の依存は、ギャンブルですね。最近では、WHOがゲーム障害を病気として認めましたね(ICD-11; WHO, 2019)。 アメリカのAmerican Psychiatric Association(APA)もDSM-5でもっと研究するべき分野だと言ってますね(APA, 2013)。 そもそも、これらの共通点なんですか。また、違いはあるのかさっくり説明します。 スマホ脳(新潮新書) 作者:アンデシュ・ハンセン 新潮社 Amazon 共通点はー 若者の高い割合の…

  • 薬物を使い続けると好きじゃなくなる?

    No. 15 薬物は好きじゃなくなる。 依存症には、いろんな理論があると前の記事で説明しました。 curiousquest.hatenablog.com そして、今回の記事では依存症を病気として考える理論で神経生理学的な部分が基盤になっている理論をざっくり説明します。 理論の名前は、「The incentive sensitisation theory of addiction (Robinson &Berridge, 1993)」 まあ、報酬感作理論みたいな感じですか?わかりにくいですね。 ざっくりいうと、報酬がもらえるからその行動をしますよって感じでしょうか。例えば、お仕事を始めたばかりは…

  • 親の薬物使用は子供の成長を妨げる?

    薬物使用と子供へのリスク *アルコールの他害* *薬物依存持ちの親が子供に与える影響* *アルコール依存症持ちの親の子供への影響* *アルコール依存の親を持つ子供の適合障害について* *アルコール依存の親を持つ子供の認知機能と学業* *今日のおすすめの本*「Helping children suceed」Paul Toughさん *アルコールの他害* 10番目の記事で, Nutt さんの危険薬物ランキングでアルコールが自害と被害ともにトップクラスの被害を引き起こしていることが、示唆されていました。 curiousquest.hatenablog.com そした、この研究をより詳しく見てみると …

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