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骨董商Kの放浪 https://kottousho.hatenablog.com/

大学卒業後1年もたたずに退社し、その後骨董商をめざす主人公Kが、美しくそして妖しげな骨董品をとおして、それに関わるさまざまな個性的な収集家、同業者などの人たちと織りなす創作小説。魅惑的な骨董品を巡る群像劇をお楽しみください。

立石コウキ
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2022/03/17

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  • 「骨董商Kの放浪」(二)

    犬山得二の部屋で見たローマンガラスの破片に魅入られた僕は、さっそく彼に教えられた骨董店に向かった。その店は、僕の住んでいるところから二駅隣りにあった。案外近くにあるんだなと、もちろん来たことはあるが、意外に知らないその街の界隈をぶらついた。駅前はこじんまりしているが、近くの商店街は充分に機能しており、洒落たブティックやスイーツ店のなかは人で賑わっていた。10分近く歩けば、裕福そうな住宅地が広がっている。その骨董店は、駅から2~3分の、目印となるコンビニを曲がった細い路地のすぐ右手にあった。 僕は生まれて初めて骨董屋というところに入った。5坪ほどの店内には飾り棚に小さな品物が並んでいて、奥は仕切…

  • 「骨董商Kの放浪」(一)

    僕が骨董商になったのは、今から17、8年前のことである。一年浪人して、さして有名でない私立大学の理工学部に入学し、ここで一年の留年を経て都合五年を過ごし、21世紀初頭の就職氷河期の真っ只中に、或るシステムエンジニアの優良企業に何とか就職したものの、自分はやはりアナログ人間であったことを悟り八カ月で退社、自問自答の生活に入ったのが約20年前のことである。その頃毎朝起きると、僕の頭のなかに「人間失格」という文字が周回していた。 取りあえず僕は家の近くのファミレスでバイトを始め、深夜遅くまで「シンク」と呼ばれるどでかい洗い場でひたすら格闘しながら、これからどうしようかと途方にくれていた。 そんな僕が…

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