兄二人が難しい話をしている間、居間に残されたセシルもまた難しい顔をしていた。 「はぁ……」ため息がこぼれたのは何度目か。 あの日、リックと慌ただしく列車に乗ってフェルリッジに舞い戻ってから、数日の間は気にしていなかったけど、もう一週間だ。いくらなんでも手紙のひとつも寄越さないなんてひどすぎる。今日の午後に出掛けたついでに郵便局で確認してみたけど、僕宛の手紙が届いている様子もどこかにまぎれている様子もなかった。 まさか、僕が送った手紙が届いていないなんてことないよね? いや、きっと届いている。届かないはずなんてないから。返事をしない理由は、たいした内容ではないと判断したからか、彼は僕と会えないことなど気にしていないからか、いったいどちらだろうか。 「そりゃあ僕もさ、会えない原因を作ってるわけだけど……」でもそれは、家族の一大事なら当然のことで、彼がクリスマス休暇..