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  • 博士の就活について①:就活体験まとめ

    私は2024年5月現在博士後期課程3年として北大に在籍しており、24卒として就職活動を行った。その結果、東証プライム上場企業の大手メーカーから内定をいただくことができた。私が就活経験を通して学んだことをこのサイトに残していくので、これから就職活動を行う博士課程の方の参考になれば幸いだ。今回は私自身が行った就職活動内容について簡単にまとめる。 私の属性について 学歴:北大博士後期課程修了予定(学部・修士ともに北大卒) 専門分野:光化学・ナノ材料・物理化学 業績:DC2採用、筆頭論文1報(化学系のトップジャーナル)、共著1報、受賞数3、プレスリリース1 留学経験:無し 国際学会発表:多数 TOEI…

  • 研究しない大学院生は悪か?

    ツイッターなどのSNSを見ていると研究熱心な大学院生が、同じ研究室の全然研究をしない学生を批判したり、見下すような投稿が散見される。同じ研究熱心な大学院生として、大学院に進学したくせに研究しない学生に対してイライラする気持ちも理解できるが、彼らに怒りをぶつけるのはお門違いではないだろうか。 そもそも、なぜ彼らは研究が好きでもないのに大学院に進学しているのか? それは就活において企業が学生の研究能力を軽視していながら修士卒を求めているからであり、かつ大学側が研究が好きではない学生を大量に入学させているからではないのか? つまり、研究者であるならば、研究しない学生個人を感情的に批判するのではなく、…

  • はじめての研究:先行研究の勉強の仕方

    今回は新しい分野の研究を始める際の先行研究(論文)の調べ方、勉強の仕方について紹介する。 はじめに、論文には主に以下の種類が存在する。 ①原著論文(Article, Full Paper) ②レター(Letter, Communication) ③会議録(proceedings) ④学位論文(thesis) ⑤総説(Review) 色々種類があって混乱すると思うが、まずは④の学位論文(博士)を読みましょう。博士課程の学位論文は一般公開されていて、ネットで無料で読める。特に日本人が書いた博論は日本語で書いてあることが多く、分野の基礎的な部分や背景ががわかりやすく書いてあるため、英語の論文で勉強す…

  • データはあるけど論文が出せない

    現在3つほど研究テーマを走らせており、そのうちの1つは論文1っ本分の実験結果が集まった。しかし、論文が書けない。理由は論文のストーリーがうまく書けないというのと、よりハイインパクトなジャーナルに出すためにはさらなる実験結果が必要という2点である。現在さらなる実験結果を得ようと実験を繰り返しているのだが、なかなかうまくいかない。今のままのデータで論文を出すのが無難ではあるが、個人的にはハイインパクトなジャーナルに出したいという気持ちも捨てきれない。ということで自分で期限を設定してそれまでに実験結果が得られなければ、このままで論文を投稿することにした。 しかしいままでは、データはあるけど論文が出せ…

  • 北大博士課程の授業料がタダになる(なった)件について

    北大が博士課程の進学率を向上させるため、博士課程の授業料を無料にする改革を推進している。 www.nikkei.com 実は既にアンビシャスフェローシップ採用者は今年度から授業料が全額免除になっている。(DXフェローシップおよび学振採択者は免除の対象外。)加えて過去記事でも書いたが、フェローシップ採択者はJASSO奨学金との併用ができ、半額以上の返還免除になると学振よりもアンビシャスフェローシップのほうが高待遇になるため、ますます学振の優先度が低下している。 ただアンビシャスフェローシップ採択者は毎年必ず学振に申請する義務があり、学振に採用された場合アンビシャスフェローシップを辞退しなければな…

  • 研究がうまくいかなくなったときの対応策

    今回は私が研究で詰まったときに行っている対応策について紹介する。 1.先行研究を勉強し直す。 研究テーマについての理解度が低いと当然研究はうまくいかない。また、ある程度先行研究について勉強していても、時間をおいて同じ論文を読み返すと以前勉強したときには意識に止めていなかったポイントが自分の研究テーマにおいて重要な知識に変貌することがある。 先行研究は何度も読み直しましょう。 2.実験データを分析し直す。 実験結果の分析が甘いと考察も甘くなる。考察を深めるためには実験結果とにらめっこする時間が必要。 3.実験手法、実験装置の原理を勉強する。 実験手法、実験装置の原理の理解を深めれば、手法の誤りに…

  • はじめての研究:卒業研究の進め方②

    前回に引き続き、卒業研究の進め方を紹介する。 ysksoftame.hatenablog.com step5. 指導教員とのディスカッションをもとに研究計画を立てる。 step6. 実験を行う前に、先行研究・研究目標をもとに実験条件の精査を行う。 この段階が実は非常に重要。実験条件に問題があると実験結果の考察がやりにくくなったり、最悪の場合、実験をすべてやり直すハメになる。指導教員、先輩学生とよく相談すること。 step7. 研究計画通りに実験を行い、実験結果を指導教員に報告しフィードバックをもらう。 実験結果を見せる前に、自分なりの考察をしておく必要がある。 step8. フィードバックをも…

  • はじめての研究:卒業研究の進め方①

    研究室に配属されたばかりで卒業研究を何から始めればいいかわからない研究初心者向けの記事。なお本記事は研究テーマを指導教員から与えられていることを前提にしている。 step1.先行研究・分野の勉強をする。 まず、指導教員や先輩方に読むべき論文(はじめは1~3本くらい)を教えてもらい、その論文の本文を読む(DeepL等翻訳サイトを使用しても良い)。意味のわからない英単語をググる。一通り読んだら理解できなかった箇所について先輩・教員に質問する。その際におすすめの教科書を教えてもらい、勉強する。 step2.実験方法・装置の使い方を先輩方に教えてもらう。 教えてもらう際は詳細なメモを必ず取り、わからな…

  • 需要よりも好奇心を優先しよう

    就職先を選択する上で、よく言われるのが「需要」と「自分の好奇心・やりたいこと」の両方を満たせる領域の職種を選べというもの。しかし、誰もがその両方の条件を満たす仕事につけるとは限らない。そんなときはどちらを優先すればよいのだろう。この問いに対して、私は「需要よりも自分の好奇心を優先させたほうがよい」と答える。なぜなら、需要が多いということは、それだけ大勢の人がその仕事に携わっている、あるいは携わりたいと考えているということであり、自分がその仕事をしなくても他の人が代わりにやってくれる可能性が高い。一方で、需要の少ない仕事は自分がやらなければ誰もやってくれない可能性が高い。それならば、自分以外にい…

  • おすすめの関連論文検索サイト:Reserch rabbit

    今回は関連論文検索サイト「ResearchRabbit」について紹介する。 www.researchrabbit.ai Reserch rabbitで何ができるかというと、ある論文のタイトルをサイトの検索エンジンに入力すると、その論文に関連した論文を下図のように可視化してくれる。 執筆している論文の参考文献を探すときや、新しい分野を勉強するときなどに使うと便利なツールである。 さらに、Reserch rabbitは検索した論文を保存しておくことができ、登録した論文に関連した内容の論文が発表されたときなどに、自動でお知らせしてくれる機能も付いている。 詳しい使い方などは下記の動画を参照のこと。 …

  • 研究がうまく行かないパターン① ゼミで言われたことだけを実験する

    研究のプロである指導教員の言うことだけをやっていれば研究はうまくいくように思われるが、実際はそうはいかない。まず前提として、指導教員は多数の学生および研究テーマを抱えているため、すべての研究テーマの進行について熟考する時間を持っていない。そのためゼミなどで研究報告をした際に指導教員から与えられるアドバイスはその場での思いつきがほとんどであり、吟味された情報ではない。つまり、指導教員も的はずれなアイデアを言う事があるのだ。当然、指示通りの実験をしてもいい結果は得られない。 研究を成功させるには、指導教員から与えられた方針が本当に妥当かどうか学生自身が吟味し、情報の取捨選択をする必要がある。そのた…

  • 博士課程において学振はベストな収入源ではないという話

    博士課程の収入源について考える。 まず、博士課程の収入源は主に以下の6つに分かれる。 1,学振:月収20万 2,文科省フェローシップ:月収15~15万 3,JSTフェローシップ:月収15~15万 4,JASSO奨学金(貸与型):月収12万 5,民間奨学金:財団による 6,リサーチアシスタント 単純に月収だけで比較すると学振の20万が最高額であり、学振と2,3のフェローシップ制度が併給不可であることを踏まえると、学振とフェローシップ両方に内定した場合、学振を選択するのがベストであるように思える。しかし、必ずしもそうとは言えない。なぜなら、JASSO奨学金は学振とは併給できないが、2,3のフェロー…

  • ブラック研究室を見分けるチェックリスト

    ブラック研究室にありがちな特徴をリストにしてまとめてみたので研究室選びの参考にしてほしい。ただし、以下の特徴に当てはまる研究室が必ずしもブラックだとは限らないので、収集した情報を自身で総合的に判断しブラックかどうかの見極めを行うこと。 1.研究室のホームページがない。 2.教授がここ数年論文を出していない。(リサーチマップで検索) 3.教授が科研費を獲得できていない。あるいは少額の科研費(基盤Cなど)しか獲得できていない。(「教授の名前 科研」で検索。) 4.学生の数が少ない。研究室に所属している学生が失踪、不登校になっている。 5.オーバードクター(D4~D6)の学生がいる。 6.Natur…

  • 修士課程を修了できるか怪しかった先輩のその後

    ysksoftame.hatenablog.com 以前の投稿で、修士課程の修了が怪しかった先輩の話をしたが、結果からいうと先輩は無事修了した。ただ正直言って、先輩の修論のレベルはかなり低かった。先輩が行った実験はすべて失敗していたといってもいいだろう。修論発表スライドも文字や図が見づらくレイアウトもなってないため、助教がスライド資料を作成していた。修論発表はお通夜のような雰囲気だった。質疑応答も殆ど答えられていなかった。助教曰く発表後の合否の審査では先輩を落とす方向に話が進んでいたらしいのだが、うちの教授の嘆願によりお情けで合格にしてもらえたらしい。おまけに新型コロナウイルスの流行のおかげで…

  • 奨学金返還免除内定制度

    先日事務から奨学金返還免除内定制度の案内があった。 なんでも修士課程のときの業績をもとに選定を受け、見事推薦枠を勝ち取れば博士課程で借りているJASSO奨学金の返還免除の内定が得られるらしい。 私が所属している大学院での推薦枠は一人らしいので厳しい戦いにはなると思うがとりあえず申請はしておこうと思う。 奨学金返還免除内定制度の詳しい制度内容については下記参照 返還免除内定制度 JASSO

  • 奨学金返還免除

    日本学生支援機構奨学金には成績次第で返還が免除されるという制度があり、修士課程の約3割、博士課程の場合は約4割が返還免除に採用されている。学業成績次第により全額返還免除と半額免除に分けられ、私の場合は半額免除が適用され、修士課程の二年間借りていた奨学金211万の半額、約105万円を返還する必要がなくなった。 奨学金返還免除に採用される基準は概ね以下の通りである。 ①GPA ②原著論文数 ③学会発表回数 ④特許数 ⑤受賞数 ⑥TA・RA業務数 なお、②の原著論文は雑誌の格は評価されない。共著者でも構わない。③の学会発表は国内よりも国際学会のほうが評価される。 詳しい評価基準は下記参照。 特に優れ…

  • 他人ではなく自分の行動を変えるほうが合理的という話

    我々が抱えている問題のほとんどは他者が存在することにより発生している。しかし、自由意志を持った他人の行動を変えさせるのは困難であり、彼らを自分の思い通りにしようとすると、さらなるメンタルの悪化を引き起こしかねない。ゆえに他者を変える努力に注力するのではなく、自分の行動を変える努力をしたほうが問題解決の方法として有効である。 具体的には、 ・研究室がうるさいなら作業場所を変える。 ・実験装置の予約がいっぱいなら休日に実験する。(その代わり平日のどこかに休みを設ける) ・共用の溶液、実験器具等を使用するのを辞め、自分専用のものを用意する。 など。 問題の解決そのものよりも自分と他者の損得の感情を優…

  • 3回北大・日立協働教育研究支援プログラム公募開始

    第3回北大・日立協働教育研究支援プログラムの公募が開示された。 公募期間 2021年11月5日(金)~2021年11月26日(金) 応募要件 (1)修士課程1年(M1)。(2)対象分野 ①「農業・食料」(土壌改良,ゲノム編集作物,農業・食料 など) ②「環境・宇宙」(衛星,気象,気候変動 など) 4.支援内容 標準修業年限の3年間(博士課程在学期間中)以下のとおり支援を行う。 (1)奨学金 月20万円を毎年4月(上半期分)と10月(下半期分)の2回に分けて支給。 詳細はこちら www.hokudai.ac.jp

  • iPadによる論文の管理

    先日アンビシャスフェローシップの研究費でiPad Air、ApplePencilを購入した。 早速、アイデアメモ、論文の管理、研究日誌として活用している。 論文のPDFデータはグーグルドライブに保存してあり、それをGoodNotesというアプリから読み出すことで、論文に直接書き込みができるため管理が大変快適になった。また、iPad1つで大量の論文を持ち運べるようになり、実験のちょっとした合間に読めるようになったことで研究効率が大きく向上した。アイデアメモ、研究日誌もGoodNotes1つで行えている。 課題はiPadで読み書きした論文をPCと紐づけるのがあまりうまくいっていない点。今後はもう少…

  • 【悲報】北大のオープンファシリティサーバー、逝く

    今日の午前中から北大のオープンファシリティのサーバー障害が起こっている。 オープンファシリティとは大学構成員なら登録すればだれでも使える共同利用設備のことである。そのサーバーに障害が起こり、ウェブサイトに入れなくなってしまった。ウェブサイトに入れなくなるとどうなるかというと、共同利用設備の予約ができないということであり、共同利用設備が利用することができなくなるということである。オープンファシリティは北大の理系のほとんどの研究室が利用しているだろうから、その研究の多くがストップすることを考えると、被害は甚大である。私も例にもれず、オープンファシリティが使用できなくなったことで研究の進捗に支障をき…

  • 教授、ゼミ中に怒りの発露【ブラック研究室】

    以下の話はフィクションです。 私が所属する研究室では週に一度研究の進捗報告をするゼミがある。 現在は新型コロナの流行によりオンライン会議システムを使用してゼミを行っていた。 教授は研究が進んでいる学生や、学部生などの研究経験が浅い人間には優しい態度でせっするが、それ以外の人間つまり研究が進んでいない大学院生にはあからさまに厳しい態度になるのである。そして今回は特にひどかった。 事のあらましは以下のとおりである。 博士課程の留学生の発表が終わり(これも教授の詰るような態度がひどかった。留学生の自業自得の面もあるが)、博士の日本人の学生がパワポ資料を用いて研究の進捗の発表を始めた。スライドの3枚目…

  • 論文検索サイト

    最近は論文を検索するのにGoogle scholarとWeb of scienceを使用している。 Google scholarはキーワード検索で引用数の多い論文が優先して検索結果に表示されるため、主に自分があまり知らない領域の論文のレビューや主要論文を検索するときに使用している。Google scholarにはアラート機能というものがあり自分が登録したキーワードを含む論文が出版されるとメールが送られてくるようになっているのだがこちらは雑誌のランクにかかわらず送られてくるため精度が悪いのでおすすめしない。一方で、論文の著者をアラートに登録しておくと、その著者が論文を出版したときにメールが送られ…

  • テンプレートを作ろう

    デスクワークの処理速度を向上させるためにはどうしたらよいのだろうかと最近特に考えている。 その一つはテンプレートを作ることだと思う。メール、学会の予稿、ゼミの進捗方向用のスライド資料、実験結果の解析用のグラフソフトなど、初めに1つ作成しておけば、機会のたびにそのテンプレートに従ってデータをはめ込むだけなので、作業速度が格段に向上する。 テンプレートのほかには、お金はかかる方法ではあるがCPU性能の高いPCやデュアルディスプレイの使用、iPadを用いた論文管理、研究ノートとして活用などを実践している。私は自分の研究費でそれらを用意したが、自前の研究費を持っていない人は指導教員に研究室の研究費で買…

  • 誰かがやってくれるだろの精神

    共同試薬の合成や購入を誰かがやってくれると思い、残りが少なくなっても放置する。この行為を私は「誰かがやってくれるだろの精神」と呼んでいる。 私はこの行為を目撃するたびイライラしてしまう。 今日も実験室の蛍光灯が切れているにもかからわず誰も交換しようとしない。仕方がないので私が交換した。 この研究室では誰かがやってくれるだろの精神が蔓延しているので、今日のようなことがしょっちゅうである。 私ばかりがみんなのしりぬぐいをするのがいい加減我慢ならないので、試薬・器具などは研究室共用のものではなく、極力自分専用のものを用意し使うことにした。 ここ最近は、ストレスをいかに軽減するかについて考えている。精…

  • 夜中に実験するのは愚策

    急に研究に対するモチベーションが高まり、昨日僕は夜遅くにひとり実験していた。 その日の実験は実験装置にサンプルをセットし、細かな条件を設定すればあとは装置が自動的に処理をしてくれるのを待つというものだった。 僕はいつも通りサンプルをセット、条件設定し装置のスタートボタンを押した。あとは装置の処理が終わるの待つだけなので、居室に戻った。 約2時間後、装置の稼働が終わる時間になり、サンプルを取りに実験装置を見に行った。 装置から取り出したサンプルを見たとき、僕は驚いた。いつも作製しているサンプルと明らかに色が違うのだ。動揺した僕は実験装置の設定条件を見直した。その結果いつもなら50℃に設定していた…

  • 北大の特任教授がノーベル化学賞を受賞した件について

    その日私はノーベル化学賞の発表を北大北キャンパスのラウンジで一人聞いていた。 受賞したのはドイツとアメリカの研究者二人。どちらも私が知らない名前だった。 (日本人は受賞なしか。) 僕はノーベル化学賞受賞者を聞いた後僕は急速に興味を失った。だが数秒後、研究棟内で歓声が轟いた。 日本人が受賞したわけでもないのにどうして盛り上がっているんだろう? 不思議に思ったが、僕はパソコンに向かい実験データの処理作業に戻った。 帰宅後なんとなくツイッターを巡回していると、驚くべき事実が出回っていた。 ノーベル化学賞のドイツ人受賞者のベンジャミン・リスト氏が北大の特任教授だったというのだ。 僕はすぐにベンジャミン…

  • 大学では教えてくれない民間奨学金の探し方【企業・民間奨学金制度一覧】

    前回は民間奨学金の抑えておくべきポイントについてまとめた。 ysksoftame.hatenablog.com 今回の記事では、個人申請による民間奨学金の探し方および大学側が教えてくれない奨学金の一覧を紹介する。 探し方① 就活サイトLabbaseの奨学金検索機能を利用 scholarship.labbase.jp 理系大学生・院生向けの就活サイトLabbaseでは民間奨学金の検索が行える。 専門分野、給付型・貸与型、申請期間等の条件検索が行えるのでかなり使い勝手が良い。ただ、Labbaseに載っていない奨学金の募集も存在し、そのような隠れた奨学金こそ応募者が少ないため、採用されやすいといえる…

  • 民間奨学金はタダで買える宝くじである

    本記事では民間奨学金についての有益情報をまとめている。 基本的なポイント・注意点 ・民間奨学金は給付型奨学金と貸与型奨学金の2種類存在する。 ・奨学金の申請時期は機関により異なる。一般的なのは新年度開始前後の3~4月。 ・奨学金の申請は個人申請と大学申請の2種類存在する。大学申請は大学を通さないと申請できない。 なお、大学申請による奨学金の情報については大学側が申請時期・方法含めてい公開している。参考として北海道大学の令和2年度における民間奨学金一覧が載っているページのリンクを下記に載せておく。 令和2年度 民間奨学団体・地方自治体奨学金 採用者数一覧 https://www.hokudai.…

  • 北海道大学のアンビシャスフェローシップについて

    今年の4月に北大のアンビシャス博士人材フェローシップに採択されたので、その概要とメリット・デメリットについてまとめてみる。大学によってフェローシップの詳細が異なる場合があるので注意されたし。 概要 ・月額15万(年額180万)の生活支援費および年間36万円分の研究費が支給される。 ・生活支援費は雑所得として扱われる。つまり課税される。 ・採択者はRAとして雇用される。 ・研究費は在籍している部局、もしくは指導教員の獲得している研究費(科研費など)から36万円分支払われる。 フェローシップ制度のメリットとデメリットを以下に記す。 メリット ・日本学生支援機構奨学金との併給が可能。(学振だと不可)…

  • 論文がアクセプトされた件

    今月、僕が筆頭著者の論文が某国際雑誌でpublishされた。 修士1年の時から書き始めていたのだが論文を書いている間にいつの間にか、修士を修了し、博士課程1年の秋になっていた。なぜこんなに時間がかかったのか原因を考えてみると、主に3つ浮かんだ。1つは実験結果についての説得力のある説明が浮かばなかったこと。2つ目は指導教員の考えが頻繁に変わり、論文のストーリーがころころ変わったこと。3つ目はこれが僕にとって初めての論文であり、論文の書き方が分かっていなかったことである。 その対策を考えてみる。1番目は僕の知識不足が原因なので、教科書、論文を読む。2番目は指導教員に大きな責任があるが、僕自身が指導…

  • 論文

    シコシコと論文を執筆中なのだが、ただただしんどい。 先行研究よりポジティブな結果が出たからと言ってすぐに論文が書けるかといえばそうではなく、実験結果の裏付けや論理的に矛盾のないようにメカニズムを説明できなければ論文を投稿しても受理されない。特に研究成果に新規性があるほど結果の正当性を証明するのが困難になる。僕が投稿しようとしている研究成果もそういうたぐいであり何より初めて論文を書くので、まあしんどい。さっさと論文を書き終えて早く別のテーマの実験がやりたい。

  • 研究はただの自己満足なのか?

    「研究は自己満足だから」 研究室の同期の言葉である。 彼女は勉強は得意だが研究するのは苦手という典型みたいな人であり、僕みたいな研究大好き人間とは真逆の価値観を持っている。修士課程に入ってそうそう研究が嫌になり、コアタイムの時間しか研究室におらず、いたとしても大半の時間をyoutyubeに費やしている。 果たして研究は自己満足でしかないのだろうか。確かに世の中にはそういう社会の役立たないオナニーのような研究をしている人間がいることは事実だし、研究活動に自己満足という側面があることも同意する。でも僕たちが所属している研究室で行っている研究には何億という税金が投入されていて、なぜそんなに税金が投入…

  • 工学部ヒラノ教授

    タイトルはうちの大学の教授のことではない。 新潮文庫で出版されている今野浩のエッセイである。 工学部ヒラノ教授(新潮文庫) 作者:今野 浩 発売日: 2015/06/26 メディア: Kindle版 著者の今野氏は東工大の名誉教授であり工学部の実録秘話が本作では描かれている。 まず印象に残ったことはとにかく著者のセンスが古く、オヤジギャグがサムイ。高齢者のことを「シーラカンス」をもじってビーラカンス、エーラカンスとなんの前置きもなく表現が出てきたときは何を言ってるのか理解するのにしばらく時間がかかった。科研費の申請を通りやすくするコツも字が上手い人に書かせるといいなど、時代を感じる話が多々存在…

  • 日立製作所が北大の博士課程学生を支援するらしい

    日立と北大が、博士課程学生に対する研究支援「北大・日立協働教育研究支援プログラム」を開始することに合意 https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2020/02/0204a.html 北大の博士課程学生に朗報が飛び込んできた。 なんでも記事によると北大の博士課程に在学する最大9人の学生を対象に、2020年度から3年間で一人当たり年間520万円が支給される。このうち、日立からは400万円の研究費と学生の生活費を、北大からは120万円の研究費を支給するらしい。しかしまだ応募規定や次年度以降博士課程に進学する学生も支援対象に含まれるのかなど詳しいことがわから…

  • 理系大学生が研究室配属で後悔しないために見るページ【後編】

    前編の記事はこちら ysksoftame.hatenablog.com では前回に引き続き、研究室の選び方を紹介しようと思う。 研究室を選ぶ際の基準および知るべき情報を希望する進路ごとに以下に示す。 1.学部卒で就職する場合 この場合は対して研究をしなくても卒業させてくれる研究室を選ぶと良い。またコアタイムなどの拘束が無ければ更に良い。研究内容に興味があるからといって、間違っても研究をバリバリ行っている研究室は選ばないこと。最悪卒業させてくれない場合がある。 研究室訪問をして上記の内容を聞くと良いとよいだろう。 2.修士卒で研究職以外に就職する場合 このパターンは、興味のある研究がしたいが博士…

  • 理系大学生が研究室配属で後悔しないために見るページ【前編】

    研究室配属の時期になったがどこの研究室に入ればいいのかわからないという学生は多い。かくいう私もその内の一人だった。結局最後まで明確な理由がないままに配属を決めてしまったが、結果的に私は配属された現在の研究室に満足している。だが一方で、同期の中には希望通りに配属が決まった人でも鬱気味になり研究室に来なくなってしまうものもいた。 配属されて2年たった今振り返ると研究室ごとのカラーが分かるようになり、どのような基準で研究室を選べばよいかもわかるようになった。 そこでここでは研究室選びに後悔しないために気をつけるべきポイントや、研究室を選ぶ際の基準などを教えたいと思うので参考程度に読んでいただきたい。…

  • 論文投稿

    雑誌に投稿するための論文の作成、学振の申請および学会参加の準備ととんでもなく忙しい日々を送っている。今までは北海道の冬が嫌で嫌で仕方なかったのだが、それが気にならないほどの多忙ぶりである。特に頭を悩ませているのが論文の投稿で私が主著として初めて出版される(はずの)論文であり、早く投稿したいという気持ちが強いのだが、論文作成の勝手がわからず右往左往している。執筆の方も大変なのだが、実験の方も残りの作業がうまく行かず苦戦中。 いやしかし論文たった1本を投稿することがこんなにも過酷な作業だとは知らなかった。 論文を量産している先生方の偉大さを現在進行系で再認識しており、私も将来的にはかくありたいと思…

  • 緯度の高い地域に住む人間はそれだけで損をしているという話

    雪舞う朝の通学途中、私は大学のバス停で構内を循環するバスを待っていた。バスが来るまで5分ほどある。スマホを取り出しバッテリーを見ると7%と表示されていた。これくらいなら5分くらいもつだろうと思いSNSのアプリをタッチした瞬間、スマホがシャットダウンを始め、電源が切れてしまったのだ。おそらく気温のせいだろう。スマホにはリチウムイオンバッテリーが搭載されており、電力が消費されるにつれて電圧が下がり、電圧が一定値以下になるとシャットダウンされるようになっている。また、周囲の温度が低いほど電圧が下がることがわかっている。つまり、氷点下の気温の中で私がスマホを使用した結果、シャットダウンが起こるほどにバ…

  • 研究をやらない人間ほど就活で成功しやすいという現実

    当たり前だが、研究熱心な院生に比べ、研究をしない院生は就職活動に時間を当てることができるので、面接やESなどの対策を練る事ができる。またインターンにも行きやすく、早期で内々定を得られる。対照的に研究熱心な院生は研究職志望であれば研究しない組より有利であるが、それ以外の技術職志望となれば不利となってしまう。 ここで一つの矛盾が生じる。企業側は大学院生を専門的な知識と技能を持っているという点をもって採用したいはずなのに(そうでなければ学部生を取れば良い)、そうした能力を持つ院生よりも就活のテクニックはあるが専門的な能力を持たない院生のほうを多く採用してしまっているのである。真面目に研究している院生…

  • 研究室の修士2年(M2)の先輩が修了できないかもしれない件について

    私が所属する大学院の修論提出締め切りが残り2週間を切った。なのにM2のS先輩はまだ修論が10ページほどしかかけていないし、それどころか実験結果もまともに出ていないし、修了要件である学会発表もまだできていないという三重苦状態である。修論はうちの面倒見の良い助教の先生がなんとかしてくれるにしても、ポジティブな実験結果が出ないと3月の学会に出ることができないらしく、S先輩はいま死にものぐるいで実験を行っている。ただ、私の目から見てももう間に合わないんじゃないかと思う。実験は数をこなせばこなすほど効率は良くなっていくものだ。しかしS先輩は今までほとんど実験を行ってこなかったので当然効率が悪い。さらにS…

  • 大学院は教育機関ではなく研究機関だという話

    私は今年の四月から大学院の修士課程に進学する。研究室は学部のときと同じなので周りのメンバーが変わることもない。そのメンバーの中で来年卒業できるか怪しいM2の先輩がいる。その人は研究が好きでもなく、興味があるわけでもないのに周りが進学するから、就職が良くなるからという漠然とした理由で修士課程に進学したらしい。そしてその選択は間違いだった。今では研究室に来るのが苦痛だとも言っていた。私は以上のような先輩の愚痴を聞いていて、人生の岐路の選択を周りに流されるままに決定した浅薄さに呆れつつも、先輩のような状況が起こってしまったことの原因は先輩個人のみにあるのではなく、今の日本社会の就職事情と、大学生の大…

  • 一億総箱男社会

    皆さんは「箱男」という小説をご存知だろうか。体の上半身を包めるほどのダンボール箱を頭からかぶり、のぞき穴から外の世界を見ながら都市をさまよう男の顛末を描いた安部公房の長編小説である。 箱男になるということ、それは外の世界からの隔絶を意味する。箱の中にいれば外にいる他者には自分の姿を知られることがない。そのような安全な状況にいながら、自分だけはのぞき穴から外の世界、無防備な他者の姿を一方的に見ることができる。この箱男の持つ甘美な優位性に小説の主人公<ぼく>は翻弄されてゆく。 「箱男」が発表されたのは1973年であるが、箱男が象徴している問題は現代人にも適用される。むしろ問題はさらに深刻化している…

  • このブログについて

    このブログはとある大学の理系学部に所属している筆者が研究生活や日常生活で感じたことを書いていくブログです。 生意気なことや無知未熟なことを書くことがあるかと思いますが、そのときはご指摘、ご教授いただけると幸いです。

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箱学生さん
ブログタイトル
北大理系大学院生の研究生活とライフハック
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