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躁鬱の会社員です。お散歩と旅行と読書、思考の記録など。

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千野
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2022/01/28

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  • 喫茶店随想(3) みどり色したカーテンの幻

    昔は窓の内側に、ごくうすい緑のカーテンがかかっていたはずで、でも先日行ったら取り外されていたようだった。懐かしく思い出す。木漏れ日を思わせるとても綺麗な、透ける緑色のカーテンを。そう、私が小さい頃にどこかの霊園の隅で見つけた、小さな雨蛙にそっくりな色の……。最近、窓際に座っているとかなりの頻度で、彼方よりカエルの鳴き声が聞こえてくる。この喫茶店に私がいた時は周囲にいないようだったが、家に帰ってぼんやりしていると、忘れた頃に外から響くのだ。

  • H・C・アンデルセンとヘンリエッテ・ウルフの友情 - 燃え盛る炎にも、逆巻く海にも、隔てられない場所で

    アンデルセンはアメリカに行かなかった。1858年、ニューヨークへ渡るはずだった親友・ヘンリエッテの乗っていた蒸気船が大西洋で炎上し、乗客の大半が命を落としたことをきっかけに、恐怖をおぼえた彼はコツコツと練っていたアメリカ旅行の構想を全て反故にする。同年10月、アンデルセンは亡きヘンリエッテに追悼詩を捧げた。

  • かつて脳裏に描いた姿でなくても

    大人になった私は、幼少期の脳裏に描いていた「ふつう」の人生も、あるとき憧れていた神話や伝説の人物のような、理想の人生も送っていない。必要に応じて必要なことをし、取り組めるときに好きなことをしている。……そもそもこの世界では、大人、をどのように定義できるだろう。単純に社会的な意味、ある共同体が定める成人年齢を迎えているという意味であれば、私もそれに当てはまる。心情的にどれほど抵抗感を抱いていたとしても、社会の集団は自分を大人であるとみなし、そのように扱う。

  • 針のむしろ地蔵(誤)

    東京都は豊島区、巣鴨にある「とげぬき地蔵」。この名前をすっかり忘れてしまい、どうしてもどうしても思い出すことができなかったのだが、記憶の中の丘にはそれが「何か先端が鋭いもの、尖ったもの」に関係しているのだという確信だけが碑のようにそびえていた。おそらく、「とげぬき」の「とげ」から連想された要素だったのだろう、と思う。とげはちくちくするものだから。

  • 鮨喫茶すすす - 薔薇庭園を通って神奈川近代文学館、喫茶室まで|横浜市・中区山手町

    神奈川近代文学館の喫茶室として、2023年4月20日から新しいお店がオープンしたと聞いた。お知らせを読むと店名は「鮨喫茶すすす」というらしい。鮨(すし)喫茶……つまり、文学館内で「おすし」が食べられる、ということ……!? さっそくメニューの紙に視線を落とすと、まずは「文学作品から着想を得たお鮨」が2品、視界に入った。

  • 圧倒的な「『無意味』という虚無のベーグル」を調理する方法は? - 映画《エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス》他

    友達にすすめられて、ダニエル・クワンとダニエル・シャイナートが監督を務めた映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(Everything Everywhere All at Once)」を観てきた。略してエブエブと呼ばれている。同時に、その直前に手に取っていた本「ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話」の内容と映画には自分の中で重なる部分がいくらかあると思い、帰ってきてからあれこれ考えた。

  • 永世の繭の眠り・シルク博物館・純喫茶「田園」

    落ち着いたうす緑色のソファと、深緑色のテーブルが、店名の通り「田園」のある風景と共に桑の葉が茂る様子を思い起こさせた。蚕は桑を食む。七十二候のうち、夏の項目の中にも「蚕起食桑 (かいこおきてくわをはむ)」がある。5月の21日頃から数日間がそう言われるようになるので、時期はもう近い。目覚めたと思ったら、あっという間に永劫の眠りに落ちる、蚕の一生と私達の一生にはそこまで大きな差異があるだろうか。気が遠くなるほど長く紡がれてきた万象の歴史、すべてを俯瞰する観点からすれば、瞬く間に生まれては消えてしまうという点でどちらも変わらないものである。

  • 百合の花の香で思い出すこと / 夏目漱石「夢十夜」第一夜

    百合といって、根ではなく花の方から真っ先に連想させられるものといえば、私にとっては夏目漱石の小説《夢十夜》の第一夜に登場する一文かもしれない。作中の「自分」によって、「真白な百合」が「鼻の先で骨に徹(こた)えるほど匂った。」と述べられる部分。骨にこたえるほど……。

  • 紹介されました:東駒形の喫茶店「フローラ」さんを訪問した記事、店頭にて

    ゲームをプレイしてその聖地巡礼に赴き、舞台の墨田区で巡り合った喫茶店の建物と、そこに集う人も含めた場の雰囲気にすっかり惚れ込んでしまったので、ブログに記録をつけた。実際に伺ったお話の詳細を回想しながら、写真も添付して。そうしたら該当記事を検索から発見してもらえただけでなく、驚いたことに記事全体を印刷&ファイリングまでしていただけたようで、現在では店頭で読めるようになっている。

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