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躁鬱の会社員です。お散歩と旅行と読書、思考の記録など。

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千野
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2022/01/28

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  • 【宿泊記録】はやし別館 - 滲み出る古さ・渋さ・緩さの中に「地味な良さ」を感じる老舗旅館|四国・徳島県ひとり旅(3)

    とても……良い。照明器具も、ソファの色も布地も。客室に関してはいずれも普通の和室で、ひとり部屋でも8畳程度の面積があって広そう。もとより扉にきちんと鍵がかかりさえすれば(かなり重要、私はどうしても施錠可能な場所以外では眠れない)多少のことは気にならない性質なので、詳細を再確認し、予約をしてみたのだった。メインの客層はビジネス、観光、お遍路などであるらしい。レビューを見ると何組か家族連れもいる。JR徳島駅から、徒歩約6分の距離。散歩しているとあっという間。

  • 山裾に広がる街で喫茶店を巡ってみる - JR徳島駅から半径1km圏内|四国・徳島県ひとり旅(2)

    最近、自分だけでも喫茶店の空間や、そこで過ごす時間を楽しめるようになってきた。とても良いことである。誰のことも気にしない気儘な喫茶店巡りは本当に楽しい。特に長く続いている、それなりに古いお店は。まず場所というものがあって、周辺に人間がいて、それぞれの辿ってきた歴史が背景に流れている。実際に行ってみて、他に気を取られずじっくり味わってみないと、触れられないものが確かに存在している……。今回の徳島駅近くで巡った5つの喫茶店も、いずれも素敵なところだった。

  • ギャラリー喫茶「グレイス」の出来たてで美味しいピザトースト|徳島県・徳島市

    JR徳島駅から徒歩約12分。駅出口から南に進んで新町川を越えた先、「銀座商店街」周辺にあるギャラリーの、2階部分に趣ある喫茶店が存在しているのだった。ちなみに前回紹介した「喫茶びざん」からも近い距離にあり、いずれも両国橋を渡ってすぐの場所。このあたりは居酒屋、寿司屋、ラーメン屋と、夕方以降に賑わいそうな多種多様な飲食店がひしめいている。商店街のアーケードから逸れて少し歩くと、お目当ての建物があった。正面右側に細い階段が伸びていて、そこを上がると喫茶店の入り口。足を掛ける前に庇の上を仰ぐと大きなガラス張りの窓が見える。

  • 創業昭和63年、JR徳島駅前の森珈琲店 - 2段のクリームソーダとモーニングセット|徳島県・徳島市

    駅前に、朝の比較的早い時間(8時台)から営業している喫茶店があるか、ないか。この意外と重要な問いに「ある」と返してくれる徳島駅はとても良いところだ。ただし、今回足を運んだ「森珈琲店」は2023年時点で水曜が定休日となっていたので、もしも街頭の曜日に当たってしまった場合は他を探すか、チェーン店のお世話になろう。バスロータリーの西側。JR徳島駅前ターミナルビルの1階。少し奥まった位置にある入口の扉を開けて入店すると、細長い店内が視界に飛び込んでくる。机が並び、座席が一直線になっていて、椅子の反対側は隙間なく横並びになったソファなのが面白く興味を惹かれた。まるで、路面電車の座席みたいだ。このままどこへ運ばれていくのか。

  • 喫茶 びざん - 前身は昭和2年創業の西洋料理店、同12年に改称して受け継がれてきた老舗|徳島県・徳島市

    両国橋……と聞いて何を脳裏に浮かべるかは、その人が日本のどの地域に住んでいるかによってかなり異なるのではないだろうか? 有名なのは東京都・墨田区で隅田川にかかる、袂の不思議な球体飾りが特徴的な両国橋だが、ここ徳島市にも同じ名前の橋がある。欄干に立っているのは女性と男性の銅像、いずれも阿波踊りの衣装に身を包んでいるものだった。無論、そのポーズも阿波踊り。周辺は祭の時期に非常に賑わうのだという。喫茶店「びざん」は橋の南に伸びる通り、歩道に屋根がある商店街の一角で営業していた。

  • 創業昭和30年、いかりや珈琲店 - 山盛りアイスクリームのコーヒーゼリー|徳島県・徳島市

    落ち着いたテールベルトのタイルが敷かれた床。席の片側、ガラス張りになっている壁の向こうには、謎の中庭みたいな空間がある。平日の午後は空いていた。少し前にお昼を食べたので、うーんどうしよう……と迷い、ホットコーヒー(ブレンド)とコーヒーゼリーを注文してみることに。温かいものと冷たいもの、特に後者は看板に書かれていた名物らしいので、かなり楽しみにしながら。机を挟んで見える赤い革張りの椅子に視線を向けたり、本を読んだりしながら待っていると、来た。

  • 伝説の純喫茶ブラジリアへ|徳島県・徳島市

    入口の前に差し掛かると、出されていた看板の上にある、黄色いランプが点灯していた。導きのようにくるくる回る光……ドアの前で耳を澄ますと音楽か人の話し声か、何らかの音が聞こえてくる。これはもしかしたら営業しているかもしれないと一気に期待が湧き上がってくる。果たして、ドアは施錠されてはいなかった。チリンチリン、と大きな風鈴の音が響く。店内は心地よい程度の薄暗さで、外の明るさから目が慣れるまでに数秒の時間を要した。手前のテーブルに碁盤を挟んだ2人客。カウンターで(おそらくは)店主ママさんと話している人が1人。後者はやがて支払いを済ませて、もうひとつのドアから退店した。店主さんに会釈して、空いているところに着席。

  • 暮れの春にはオーシャン東九フェリーに乗って - 真夜中の海の虚を果敢に揺蕩う船|四国・徳島県ひとり旅(1)

    オーシャン東九フェリーのうち一隻「しまんと」を利用した感想を綴る。こうしている今も凪いだ海原の上で穏やかに揺られる感覚が残っていて、夜、布団に入ってからそれを思い浮かべると、陸地でもよく眠れた。波の音はもう遠いけれど、瞼を閉じれば耳朶の奥に蘇ってくる。低く。夜は空よりも暗く黒い、あの太平洋のうねりと一緒に。

  • エッセイ集「一杯のおいしい紅茶」は当時のイギリス情勢が生々しく伝わる灰色の味 - ジョージ・オーウェルの本

    ふと思ったのが、これと同著者の小説「1984年」を並べてみた時にどちらが好みだと思うかは、読者によって真っ二つに割れるだろうということだった。もしも選ぶとしたら私は随筆が断然好きで。彼が自分の実体験をもとに撚り合わせた糸で紡いだ『お話』より、新聞や雑誌の仕事で書いていた『思想』そのものの方が、ずっと高濃度で興味深いと感じさせられた。でも……。

  • 60年以上続く「純喫茶 若松」- 家紋風の装飾があやしく光るレトロ喫茶店|千葉県・松戸市

    本当にここに喫茶店があるのだろうか?というのが第一の印象で、地図が示す建物の前へと足を運ぶと、真っ先に目に入る言葉は「不動産」とか「豚串」なのだった。しかし落ち着いてビル全体を視界に収めると、確かに右のところから細く階段が伸びているし、ぼやけてはいても「純喫茶 若松」と書いてある。2階の壁には舵輪を思わせる何かと、くすんだ赤色のオーニング。確かに若松は存在していた。階段の上の照明も灯されていて、どうやら普通に営業しているようだった。ならば行くしかない……入店。そのためにわざわざ松戸まで来たのだから。1961年か1962年、そのあたりの頃に創業した老舗だと聞いている。

  • 旧秋田銀行本店本館(赤れんが郷土館)を見学 - 塔の天辺のベレー帽|秋田県・秋田市の近代建築

    明治45(1912)年に竣工した近代建築。クリームチーズやスポンジで構成された断面を連想させる、層の重なり。灰色の部分を縞模様に露出して、それ以外の部分に白い磁器タイルを張って覆った、1階の外壁。なめらかなババロア。対比となる鮮やかな2階部分は化粧赤煉瓦によるもので、こんがりと焼いたビスケットのようだった。正面玄関のある側から見ると綺麗な四角に収まっている印象を受けるが、角度を変えて眺めてみると、また異なる表情を見せてくれる。あの塔。横に立つと建物の両端に2本(写真だともう1本は隠れている)、上へ突き出た塔があると分かる。

  • それなりに可哀想なヒンドリーと「もういないはずの者」の名を持つ魔物 - エミリー・ブロンテ《嵐が丘》Ⅱ|19世紀イギリスの文学

    ヒンドリー・アーンショウ。キャサリンの兄であり、フランセスと結婚してヘアトンの父となった人物……。妻が亡くなってから、すっかり飲んだくれになってしまった暴力男。実のところ、ヒンドリーに対する自分の感覚にはずっと疑問を抱いていた。普段なら多分、私は「嵐が丘」という作品に描かれた彼の姿を、「かなり同情されるべき存在」として捉えていたと思う。不運で不遇な者、かつ悲劇に巻き込まれた側であると認識して。

  • 旧本所の喫茶店にて|ほぼ500文字の回想

    東京、墨田の旧本所で「豆板」というお菓子を作っている会社の、周囲から会長と呼ばれていたおじいさんと話した。初めて訪れた喫茶店の常連さんだった。会長……とは何をする役職なのだろう、私はよく知らない。その人のお父様が昭和2(1927)年に創業した製菓会社だと仰っていたので、もしかしたら2代目社長で、今は席を後継の3代目に譲って会長を務めているのかもしれない。

  • 【墨田区】ゲーム「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」ロケ地の散策メモ

    今年の4月は、昭和後期×オカルトブーム要素が取り入れられたゲーム「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」のおかげで趣味の散歩がさらに楽しくなった。ありがたい。東京都墨田区内でゆかりの地をぶらぶら巡り、記録しました。公式からロケ地として公表されている場所もあればそうでない場所(作中の背景グラフィックから個人的に予想・特定した)もあり、後者の場合は実際の施設名や場所名を伏せ、詳細が分からないよう番地部分などをモザイク処理した写真を掲載します。

  • 喫茶店 フローラ - 豊穣の女神のサロンに並ぶしましまの椅子|東京都・墨田区

    フローラ(Flora)。聞くと、梶井基次郎の小説「城のある町にて」の一節が頭に浮かぶ言葉。これは春の季節と豊穣を司る女神の名前で、さらに、墨田区東駒形に存在している小さな喫茶店の店名でもあるのだった。開業する時お店の繁栄を願いつつ、占いの結果をもとにして選ばれたという「フローラ」のカタカナ4文字は、女神の纏う衣がなびくような曲線を描いて外の看板に刻まれている。

  • 無題

    // 風に散らされた花びらの滞空時間は意外と長い。 無為に眺めていると、いつまでも地面につかずに漂っている。ひとつに視線を注ぐのに飽きる暇もなく、今度は別の一枚が、また斜め上から降ってきて………そんな風に延々と絶えることがなかった。 遊歩道と言ってよいのか分からないが、近隣の住宅地の裏にある、舗装された一角に沿って桜の樹が植えられている。 歩行するための狭い道なので、敷物を広げられるような面積はなく、ゆえに昼間は花見目的の人間が集まらない区画。そこを誰もが通り過ぎていく。わずかに湾曲して屋根のようになった枝の、花を溢れるほどに抱えた腕の下を。 周辺の様相が変化し始めるのは、陽が落ちてしばらくし…

  • 洋燈の花、旧津島家新座敷「太宰治疎開の家」- 不可視の渡り廊下を歩いて|青森県・五所川原市の近代遺産

    // 家へ帰って兄に、金木の景色もなかなかいい、思いをあらたにしました、と言ったら、兄は、としをとると自分の生れて育った土地の景色が、京都よりも奈良よりも、佳くはないか、と思われて来るものです、と答えた。 (新潮文庫「津軽」(2022) 太宰治 p.158) この照明器具は後から見学展示室の方に取り付けられたものであって、別に昔からあるものではないのだけれど、佇まいが好きだった。 燭台を象った光源部分をガラスの板が囲み、何かの儀式みたいな様相を見せている。全部で12枚、焚き火の周りに人が集っているような。そうして下からよく観察してみると、ひとつひとつの板の真ん中には星の意匠が施されていた。 植…

  • 宇田和子「ブロンテ姉妹の食生活:生涯、作品、社会をもとに」プディング、は料理かデザートか?|ほぼ500文字の感想

    イギリス文学に頻繁に登場するプディング(pudding)とは一体何なのか。物語の舞台や年代によって、それは肉料理であったり、デザートであったりする。基本的に「蒸した料理の総称」であるプディングはどちらの姿でもあり得る。私が現地で食べたヨークシャー・プディングはローストビーフの付け合わせで、まるで、ふわふわしたパンのようだった様子を思い出せる。

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