あおい木

■あおい木きみの心に まだあおい木があるならそっと 呼びかけてよぼくたちがもう わすれたものを覚えているよ風のリュージュが 草の斜面を分けるみたいに はなれてもぼくたちはそう 同じ空をまわるだけさぼくたちの心に もし きみも出会ったらいつまでもよろしくとつたえて風をすい込んで ふくらんでゆくあのあおい木もしもきみにそよ風が あおい木とささやけばすぐにわかるねきみの心に まだあおい樹があるならそっと...

汐留トランスファー

■汐留トランスファー3年前の わかれをおもうあなたと私だけ のこされてまたしても こういう流れねみんなに気を使わせちゃったわね汐留エリア ここもひさしぶり私？ そうよ 見ての通りだわスコッチ なんて今は飲んでるし駄目な時は駄目に転ぶ そういうものよ汐留トランスファー グラスの底にあるかわいた笑いだけが汐留トランスファー 乗り換えを待つ間ないものばかりが あるある 同士ね 私たち昔は欲しいものだらけで...

Villa Fegotto

■Villa Fegottoサフラン色のゆうべに君はピアスおとす僕は僕でわけもなくおどけてみせている 鉛筆書きなら 人生は消しゴムを使って僕たちを 書き直せたのかな？Villa Fegotto 僕はそこらの男安いスーツ着る 吊るしの男Villa Fegotto 君に言われるまでもなく僕は失恋しかけているミュゲのトワレがゆれるよ君が振り向くたび神の庭で まぶしげに日ののこり数えている愛しあったあと べッドで液晶見る君は純粋だな だから残酷さ V...

トレーラー・ソング

■トレーラー・ソングがらんと風が吹き抜ける俺は行き先を聞いている積み荷おろしても 重い過去さDriving Midnightおまえがあの子を抱いて出てく姿が胸をよぎるDriving Midnight Yeh 風が走るでもどんなに走っても 走ってもおまえは俺を走り抜けてくれない トレーラー・ソングどこぞのSAには美人が多いらしいそんな話題で 今日をつないでるDriving Midnight人生の負債 払えやしない 所詮どこかの飼い犬さDriving Midnight Yeh...

恋文

■恋文ああ愛してます そう手紙をむすびさよならと書かぬ 最後のこれは恋文ですあなた待たせた月日(とき)わたしも長く待った ことわりではなかったそれはいとしさゆえの女ってわかりづらいの髪まで冷えても 指が 不自然に息づいてじきに逢魔が時思い当たるふしに ふたりはかがみ置くにじんだ雨の便せんこれは恋文です風はすがたかえて 添いつづけるけれど二度と来ぬ季節の声をたどりふたり泣くあなたおもうためだけに 借り...

ラスト・タンゴをわたしと

■ラスト・タンゴをわたしと見下ろす午後の死んだ町黒いドレスが翻るたびにのけぞるあなたの顔はLustyささやきかけるようにあなたは言う僕の死に場所はきみの胸じゃないいいのよ あなたは誰も愛せないだけそれでも思ってた きっとあなたを振り向かせると厚い香りに 眩暈（めまい）がするひび割れた太陽に気が遠くなるさよならさえ弔(とむら)うわだからあたらしいラスト・タンゴをわたしとわたしの何を見ているのあなたがいつだっ...

僕は笑い方をわすれてしまった

（和訳ではありません）■僕は笑い方をわすれてしまった 空に尾引いて消えるコントレイル生きてることは矛盾だらけ偽りのHappy dayz僕をかなしませるひとはいない 君以外に好きなひとをおもうとかなしくなる嫌いな人をおもうほうが幸せ恋はSmiley tochじゃない泣けるOld songいにしえびともSame songため息のコインを貯めて胸の貯金箱を割れば Boop笑い方をわすれてしまった嘆きは夢の財産だイニシエの僕は消えちまったよ臆して...

磧礫(せきれき）

■磧礫(せきれき）石ころひとつものこせぬ人生を 汝笑うな 石ころ積みつづけても石ころひとつものこせぬ人生よ誰もいつかは さざれに変わり果てなん老いさらばえた者たちよ 愛とは違いを すき間を その隔たりを慈しむ つかの間の弔い水の中のいくさは 流るる川音よ ああ聞こうとしなければ何も聞こえないまして心の声など 磧礫(せきれき)よ ただの石ころよあなたと川原で拾った 石のこころが今も わたしにはあたたかい赤子...

拍手を。芝居は終わりだ

■拍手を。芝居は終わりだ 町はひき潮 うだるほどからっぽな坂 降りてゆく肩を落とす男は 喝采浴びた野次は容赦ない それは俺だ勝者と敗者 敵か味方そんな世界はたいくつさ男はまっかに死んだのさむろん俺は闘牛士でもないぶっきらぼう せめてもの男のプライド女が聞けば笑うような俺は負けたよ 負けたそんな目で見るなよ恋心よ お前に 二度と恋するな愛することの 悩ましさそれだけならば 幸せなのに時に真実はうそをつ...

Jannah

■Jannah鎖骨のあたりなんだか 熱い風が吹いてくじんと耳が鳴るけれど 一線こえない 秘め事は完ぺきなことは まだ話さないAh 謎めかせながら夜を誘うのAh 女の庭で男は迷う それが恋よふたりはあわせ鏡よ 運命さえ信じてる想いは 遥かに 旅してゆくの純粋ねそれが至宝よかわすこの心をふたりのものにするの Jannahふたり花びらの底で 手をつなぎ見つめあえば祈りに浮かんでいくわ ほらあそこに 空中宮殿しろい羊と四人...

さびしいなんて言って誰が聞いてくれるだろう

■さびしいなんて言って誰が聞いてくれるだろうさびしいなんて言って誰が聞いてくれるだろうあのひとも聞いてくれなかった死にたいなんて言って誰がうなづいてくれるだろうあのひともうなづいてくれなかったそのあと決まって電話がある メールがくる あのひとから1時間経って気分はどうかと1時間経たずに迂闊(うかつ)なことは言ってはダメだと聞いてくれた 言ってくれたあのひとのありったけの愛の言葉会話途切れて あれから6年...

青い蝶とポルノと家畜の刻印 (Baby Don't Cry)

■青い蝶とポルノと家畜の刻印(Baby Don't Cry)こころなしか遅あしで歩いてるプードルがふたりみてる当事者だけがなぜだか知らないバラの影がむねにひろがってゆくよ間のびした悲しみには不似合いな午後はぬける青空さ神妙な顔してる？(笑)イガイガを投げ合った頃がなつかしい言いたいことが なんか言えないから恋だった そんな気さえしてるもうわかりすぎてる 聞きたいこと 聞かなくても さよならきみに言い訳しても足りない...

ドン・キホーテになってみないか

■ドン・キホーテになってみないか道化だと呼ばれていいむずかしい道えらんでも愚かと笑われていい何度でも挑んでいける平和は多くのしかばねのうえにあるこれまで泣いてきたなら 最後に笑えしがらみのなかで 予定調和のなかで 朽ちたルールのなかでひとはみな歳をとるドン・キホーテになってみないかドン・キホーテになってみないか4分の3妥協しても あとの1通せたら いいんじゃない？スーツ着たカウボーイたちよひとのいいとこ...

時として凛(りん)

■時として凛（りん）白かべの町ひそかに息づくこんなこころわかられたくないあなたには特に駅前ベーカリーの匂いが鼻をくすぐる鞄のストラップが朝の改札でキョトンとしてるあなたに会えない運命は運命じゃなかったの言えない 言えない 私 凛(りん)時として凛(りん)スカート丈は長めでこれも意思表示のうちわかられたくない あなたには特にだんだん意識してゆくだから知らん顔する出がけのテレビのうらない最近はまるでチェック...

御の字

■御の字ボトルを一本 キープして帰ってゆくよ それじゃあと常連客にはなりはしないましてかなしみの行きつけなど君のはなしには筋がない僕は理詰めで能がないシャレてる酒場はカッコ悪い安酒がうまい それがいいさこの世は そうさ 不条理なもの男も女もないんだよ今日が良ければ 御の字なのさ棒読み台詞 君しこたま笑う雨が降る日は雨だからしばらくぬれてあるきたい 深刻なんかはありはしない自分が深刻にしてるだけさこ...

夜をわたる響き

■夜をわたる響き作詞：Diane Warren作曲：Diane Warren日本語詞：夏井くわみなにもなかった振りしてせまい会社ですれ違えばあなたに会釈してふたりそっと離れて行くゆれるひざし あなたの背が過去をしまう夜をわたる響きをただふたりずっと聞いていた窓から見た 遠い桟橋(はし)が泣いてるように 風にきしんだ時を盗みあったふたり分かち合うものが かなしみしかなくてもいいのだけどこの想いは私だけのものゆずれないわ何を求...

愛ができる2つか3つのこと

■愛ができる2つか3つのこと作詞：Cynthia Erivo, Sean Douglas作曲：Cynthia Erivo, Sean Douglas歌：Cynthia Erivo日本語詞：夏井くわみお掛けなさい あなたは疲れてるのでしょうこの両手(て)を貸すわよ 私を椅子だとおもってあなたにやさしい言葉 私はかけないわあれこれしないわあなたの気持ちは正しい でもかなしむことは もうあきらめて見たら？So Don't Worry Baby Don't Worry Baby愛ができる2つか3つのこと 私にさせて ...

気化熱

■気化熱柑橘(オレンジ)の中に潜む舞いあがるトパアズ色そんなのがきみにあった排気ガスよりかは淡い色で僕らが話してるその間にひとりぼっちの傷あとがきみの手を求めてたのに不在通知にも 僕らはあふれててオサリバンのアローン・アゲインが胸に鳴っていた工事現場の赤色灯がさよならと点滅したきみは握った柑橘(オレンジ)たべることもなく空の向こう放り捨てた手にふれられるもの星と呼んで僕らはまやかしに生かされていた痩せ...

パープル・ロープ

■パープル・ロープ作詞：夏井くわみ作曲：Kyouhei Tutumi編曲：JACK DIAMOND目の前に 差し出した パープル・ロープ解釈はあなたの自由よ パープル・ロープそうね冒とくさえも美しさになるやわらかなヴェルヴェットのうででわたしを殺してよ誠実な男を 親切な男を 強い男を知的な男を みんなみんな脱ぎ捨てたあとどう組みしだくか パープル・ロープこんなふたり 誰も知らないパープル・ロープ汚らわしさもあまやかなパープル...

Today

■Today どんな場所にいても誰のもとにもくるUm Today 今日の光にUm Today 町はざわめく朝これが初めての日そして最後の日さUm Today 同じ日はない Um Today 二度とは来ない Todayあなたも手にしている Gift Box昨日より明日よりたしかに在るよ Today さがしている限り 求めている限り Um Today 知らないうちにUm Today 愛に抱かれて Todayかなしみのむこうへ今日ははじまってくUm Today ゆびに止まる日Um Taday 一度しか...

シルクジャスミンの部屋

■シルクジャスミンの部屋ひらくダイヤログ どうすればいいの巻き戻している さいごから逆にしごと片づけて そのつもりで来ただけど自分に 今云い含めるゆるしてねあなた 思い上がりだったひとりにしたのに 愛されてるとすてきな女(ひと)なのね ひとつ聞かせてね花嫁はこの地のひとなの？なぜに 照りつける街 しろい翳りをまとうスカートが青空(そら)へと泳ぐのよあなたは眉寄せて くちを閉ざしてた白いシャツがただ風に鳴...

いつかおなじ海へ

■いつかおなじ海へ問いかけても 答えのない人生はつづいてゆく旅ははるか 道はとおく いのちの限りに生きて無駄になる無駄 決してありはしないいつかは そう わかる日がくるひとはひとにかよって水かさ増して ひとはそそぐどんなながれも やがて おなじ海へ赤トンボが はね休める故郷（ふるさと）に帰るのは夢を届け 旅を終(しま)うその日が来たとき駄目になる駄目などないとあきらめても あきらめても知るよひとはひと...

テケテケ節

■テケテケ節テケテケ 人恋しさが灯りにみえたかテケテケ ひとまずどうぞお座りになって テケテケ あいにくお店 今夜でたたむけどテケテケ 最後の客があなたならとっておきを先がないって すてきよ先があるのは つらい悲しみつきぬなら なおさらどうですか 当店自慢の一杯そうよ冷たいのを 飲みほしてあなたの人生の悪酔いがはやく覚めるように お冷やでございます テケテケテケテケ つぶれかけてるあなたはシラフをテケテケ お...

裸電球

■裸電球ひとのこころ照らすのは豪華なシャンデリアじゃない天井から吊るされた裸電球のような ひかり 道化師と格闘家は相棒さかなしみとしあわせは親戚さ神もほとけもあるもんかご本尊は僕たち自身さ泣いたらいい 笑える日まで強情だね不細工だね頑固なところも似てるね男でも女でもない裸電球のような想い人道家と愛煙家は紙一重波乗りと世渡りも通じてる人生は捨てるとこないアンコウの 七つ道具だねおいでなすった きみを待っ...

朝までエツ子さん

■朝までエツ子さん酔いにまかせて ゆび相撲 僕が勝つまでというのがルールかなり必死で ゆび相撲なのについに連敗記録を更新したエツ子さんというのが本名かどうか聞くのも野暮だがゆび相撲の相手はしても恋仲ではない不思議な人弱いくせに 怪傑ゾロみたいな真似をしたがるからお酒飲まなきゃやってられないんでしょところころ笑う子供みたいに ゆび相撲なぜ人生勝たなきゃいけないの？とにらめっこして ゆび相撲のほほんと...

耿耿(こうこう）

■耿耿(こうこう）青空だから 白い雲が寄り添うのではなく白い雲のとなりにたまたま青空があったそのようにして 僕はきみと出会い話しはじめていた図書館にいる僕たちは卒業までの ほとんどをリモートで過した人生は良く生きれば 長く生きたことになると談話室で 話したのもつい最近アーク窓に切り抜かれたふたりは未来にも消極的だった恋愛についてもそうファスト・コーヒーのマズさがやみつきになるそれが若さだと笑う返却期間...

Particular Baby

■Particular Baby巧妙なインチキも嗅ぎ分けられるようになった僕の口のほうがウソをつくようになったからだ好かれようとして嫌悪されるひとに君にはなってほしくないんだよ ねぇカシコくうらぶれる系の,,,君もそうなの？（つまんなくね？）愛してるって言えるぐらいなら愛してるって程度の愛さぼくは愛してるって言えないよだって君は Particular Babyまともでいられない 恋すりゃなおさらだから僕ら詰んでます複雑怪奇なこの世...

サリーヤ

■サリーヤ愛されなさい 男のまえで すがお見せたらArabic Blueに 浮かぶよサテンピンクの月麗しを麗しを奏でましょうサリーヤ サリーヤ 男の指さきに委ねてサリーヤ サリーヤ麗しを麗しを奏でましょうその手になさい 男はやがておまえにおちる花びら身を投げる 回廊影がしなだれる麗しを麗しを奏でましょうサリーヤ サリーヤあすの朝 女よ サリーヤ サリーヤ 麗しを麗しを奏でましょう天に祈りが届くころ第一夫人へ ...

ワルツはもう誰とも踊らない

■ワルツはもう誰とも踊らないもう思い出はふりむかない抱きしめてもきみはいない口から星ばかりあふれる哀しかろうと嬉しかろうと痛みだけが生きてるということ愛したことさえ 百も嘘ふたりはアイロニーワルツはもう誰とも踊らない時は絹ずれの音 molto allargandoワルツはもう誰をも愛さない からっぽなサロンを 空しさが満たす死神はきっと生きている1ペソの価値すらない今さかさまな愛着が辿(たど)る時は目にしみる 金粉を...

YESing

■YESing倒れてこそ 起きあがれる涙のむこう YES YES YES YESingこの惑星(ほし)を きらめかせるのはそうさ僕らさ YES YES YES YESing転んでおぼえる 痛みからきっとはじめてわかることがあるんだかなしみってやつはツケモノ石さ 重さが 人生のうまみ 引き出す Go Go YES YES YESing一度肯定しよう 本音ををぶちまけて ヨワムシをやっつけよう誰かと手を取れば世界がダンスしはじめるよ YESing遅すぎる時はないよ いつ...

ホット・パラダイス

■ホット・パラダイス アクセルとブレーキ踏み間違えたと言う高齢者ドライバーにもし殺意があったらそんなふうに 交差点を信号無視した車が滑った 雨にぬれた喪服が ことさら重い悲しみが僕らを追い越してくアイツは僕らが何と言おうと死んだとおもう日曜日と愛と人間を嫌った みんな窓のそとの出来事 生きてる僕たちはとりあえず自分のことしか考えてないことがわかったここはホット・パラダイスアイツを偲ぶのならせめて笑って...

半魚人

■半魚人一緒にエレベーターに乗り込んだらみんなに一勢にジロジロと見られた他のひとたちからすれば僕たちはデリヘルと客そんなふうに見えただろう渋谷の夜空に うっすら貼りつく星座ひとりずつ降りてゆく 僕たちだけ残し君のヘア・カラーが抜けかけててさっきから口喧嘩ばかりしてて半魚人だと思う 僕たち 底の浅い バッグにぶら下かる キーホルダーみたいよく見りゃ 君 ビーズの瞳まさか泣いてたのさっきからケータイで ゲー...

ブルージン・ベイビー

■ブルージーン・ベイビーブルージーン ・ベイビーふたりはよくゲテモノといわれたドブネズミのように愛しヒキガエルのようにキスしたわざときたない言葉使ってそっ気ない風をしてぼくたちの敗北は愛しすぎたことだあの頃も今も世界はうつくしくない愛に許可がいるならルール違反しようきみとわらった話してたこともけんかしたこともわすれたよ 6年前からブルージーン ・ベイビーふたりはそう世界に毛嫌いされた酔ってるのか？と ...

思い出びいき

■思い出びいき作詞： Almond作曲： Almond歌：Marc Almond （Released Feb 1990） 青森発の 夜行フェリー着くころに欠航知った函館はみぞれ女は捨てる男は拾う公衆電話の最後のコインおちてふたりを隔て 海が泣いてたさよならきっとあれでよかったあの頃 携帯が あったらあなたときっと別れられなかった今も風のうねりに 引きもどされるあの日ぺットボトルのんで 俺はばかやろうさ 思い出びいきたれこめる冬にふと黙るのは...

雪はアスピリン錠よりも白いララバイ

■雪はアスピリン錠よりも白いララバイ眠らなくていい 誰もが眠れない Oh Oh Oh眠らなくていい あたらしい朝まで Oh Oh Oh目覚めていけばいいさ 胸の寝た子を起こせ Oh Oh 起きてゆけHush-a-Bye あなたの苦しみには 希望がある 何も見えぬほど Oh Oh Oh 絶望はいちばん強い光 生きなおせカンテラをかざせ 山はまだ一合目 Oh Oh Ohからっぽなしあわせに 眠りすぎていたね Oh Oh Oh No眠りおとこも眠りおんなも 何...

ジェーン、またお前か

■ジェーン、またお前かふんだくったんじゃない 相手があたしに振り込んだだけと言ったジェーンと名乗ったが この俺だけがその実名を なぜか知ってたきっと淋しい女だったんだね偲(しの)んで飲む奴は俺だけわたしの国では ひとりで生きてる女がほめられると うそぶいたお前が別れてきた過去がどうにもお前を許してくれないらしいゴロツキまでもが安堵の息をつく正統派の男たちは せいせいする死んでお前は名をあげる 今夜の...

砂の灰皿

■砂の灰皿あといくつ失意の1,2,3そっと息を止めて4,5,6僕たちは雨ざらしの信号話の振り出しにうんざりしてるなにかの間違いにしたくて順不同にこの世界はまた沈黙するうっぷん晴らしのキスを急かせる行き場のないこころふたりの共感は ちょっぴり別れに期待する乗り過ごした終電よりもこの泥試合のほうが余程戦争で二人は密かに成り行きを楽しみにする一周まわったら7,8,9ふたたび出会えるの10,11,12僕たち以外のものみなすべて本...

グッドナイト

■グッドナイトピアノ・マンにはいかなる事情もけして知られてはならないちゃんと心得ていて わかれる恋人を酔わせる曲を弾いて なみだを流させる夜が不意討ちをする冷たい水を泳ぐように きみと芝居をしてきたが氷のべッドじゃ眠れやしない拍手を。芝居は終わりだ愛におやすみを おやすみそしてたくさんキスを どうでもいいならグッドナイト どうにかなったよ グッドナイト フェイクファー巻きつけてグッドナイトグッドナイ...

すがしい庭

■すがしい庭それはゆれつづける バラのように咲いているそこにはいないひとたち 呼び交わしつづける昔からも 風はここに吹いてわたしが今こうしている 理由をおしえるようバラはバラのすがたではないしかしすがしい庭でわたしたちはバラになるだれもがこころに授けられた長い愛の手紙を読んでる途中すがしい庭 ここでまた会えたねあなたはいわばわたしの 生き証人季...

マイ・ディア

■マイ・ディア ねむる前 今日のできごと 少しだけ ふりかえってる ランプ・シェードのあかりに きみの電話をふととるよどれくらいわたしを好きか声にだして言ってというどうしてそんなこと聞くの? 受話器のため息行きかうマイ・ディア おだやかにまた今日が行くかなしみと喜びよ もうおやすみよグッドナイトマイ・ディア いくたびもまたくりかえしてきみの胸のどこかに ぼくがいればいい おはようとおやすみをただべッド...

ラブ・レター

■ラブ・レター遺影の女から ことづてよあなたを愛してる手紙の代どく マスター お願いなんとでも読める I Love Youそこのあたり あなただけは わかってほしいのこれまで愛した男たちいろいろいたけれど世話の焼けるあなたのことがいつもどこかひっかかっていたダメなとこが似ていたからさよならしたけどひとの胸にはいつもさみしがりやが住んでて愛さずにいられないだれかのことをすねてたあの頃がかわいいあだ名で呼びあっ...

RUBY

■RUBY気持ちなんてものはとうに持て余しててあとはどちからが口火をきるだけなのにワイパーの音がせわしなくひびく雨で前が見えない助手席のきみは横向くもうさようならしか言葉が残されてない鋭角的にひろがるふたり点滅して赤信号になるRUBY RUBY RUBY フロントグラスに大粒の雨つぶ 赤信号透かしまるで世界じゅうが RUBY RUBY RUBY叩きつけるEmergency宝石いろにしたたる おわりのRUBY聞かれたくないことは言う筈もない同じ...

Mr.ブルドッグ

■Mr.ブルドッグジョークまじりにアンカーに返す物腰はあくまで女性らしくでも一度スクープに喰いついたら離れない 彼女は らつ腕記者速報が滑りこんできても顔色ひとつ変えずに カメラに向かうのが僕の仕事今日もいいニュースがないねと言うのが僕の締め言葉で 有り難くないあだ名はブルドッグだ仕事にかこつけて 口説き 寝るようになった恋人とは呼べなかったがベッドで見せる素顔は むしろ爪の先までかわいい女そのものだ...

ペインティング・スー

■ペインティング・スー俺の全身の肌は墨をすいこみ呼吸する絵になった彼女に伝えた愛の言葉をTattooにして入れたスーはブロンド しかもとびきりの美人 でも愛嬌ひとつないスーは俺をなじることをやめなかった1から10まで悪態をついた俺を殴っては冷やかに見くだしたスーはことごとく俺を踏みにじった力尽きそうな獣は最後のちから振り絞って 骨がくだけるほど噛む墨を入れる場所がないほど 俺は愛をつたえた泣きながら 跪きな...

善人たちの食卓

■善人たちの食卓紛れ込むFrame-Up 液晶で見ているニュース・ショウヒールを脱いだ脱獄犯よりもしのびやかに国境には偵察機 国々の思惑が混ざり合っている恋人たちが抱き合う今夜も駆逐艦の黒い影が滑る横面はたく真実ってもんはよ目をうばうほどBitchだぜおまえにひとつ教えてやる男の料理で女も出来上がる密約や画策が 交錯する噴き上がる噴水は表と裏 世界は回るよ塩化ビニールみたいな喪失感うそで愛しあうより 憎しみ合う...

ステディ

■ステディイヤーカフ ツイードかれた口紅 ミントの雨あなたからの 着信暦ふえる 約束は気にしてたけど行かなかった それがさよなら 私はいつものようにアールグレイを飲んでる私の日々は 目には映らない美しい布を交換する日々のいとなみに 身を任せるの アールグレイをしずかに飲んでるベッドに 墜ちていたあなたの体毛を なぜだか持ち歩くよもやま話ももうつきたでしょ誰といても ふたりはふたりよ10年後に相語らい...

No Ends

■No Endsショー・ウィンドゥのディスプレイに見とれてたら 夕映え雲がすべった恋する手首 恋する瞳恋する脚 恋するハイヒール私にとっては 過去の傷を今は飾れることが ジュエリーAh あなたを思うとまだ胸がにじむさよならがさよならという意味じゃなかったらよかったのに元妻 元恋人 どう他人が呼ぼうと私はまんざらでもないわ ご自由に恋する涙 恋するlips恋するひざ 恋するドレス季節のいろどりをウィンドゥに投げ入...

バラの化石

■バラの化石かざられた ショウケース 夜のなか消えちまう お互いの うでのなか きれいなだけ 取り交わす 目配せも 明かりも 行き交う 人ごみも 恋して怪我をして 長引くのは男のほうだよ 女はあっさりと切り捨てて 怪我ごと 捨ててゆく 流れてゆく何番目かの夜の中ですれ違うなら すげなく 感情(きもち)もないふりでほほえみが こわれたら 告げようかささやかな 抵抗も 無防備で溺れるだけ あまりにも 愛しすぎ...

僕はサッカーを知らない

■僕はサッカーを知らないちょっとした人生の企(くわだ)てはすごく手が込んでるのパーティーバッグひとつで彼と消えた君の科白 ふと思い出す失恋は人生の料理に必要な塩だ きっと匙(さじ)加減 砂糖で味を整える 挫折のあとで僕はサッカーを知らない僕はフットボールも知らないルールも 強豪チームもスタープレイヤーも自分のエナジーの残量もただ僕は僕の手が出来ることを僕の足が出来ることを愛することに使っていきたいそのこ...

鴇(とき)TOKI

■鴇(とき)TOKI言ってしまおうか 言うのをよそうか今日こそあなたに ほんとのこころを想いつづけて ざっと 二年半今日を逃せばまた五年鴇（とき）がくる つばさひろげて鴇は鳴く こころまわるように女の胸に鴇がとまります言わせてください たったひとこと あなたああ さようなら ToToToKiTokiFly Away GoodByeToToToKiToki奪ってしまえたら 終われたものを肌のぬくみに またもほだされて行くも帰るも 茨のみちよ指のつ...

さよならはロマンス

■さよならはロマンス作詞：夏井くわみ作曲：Kyouhei Tutumi編曲：JACK DIAMONDさよならいわせて 何度もさよなら僕らはわかれるつもりでいたけど涙こぼれるのは熱い胸のしるしくちづけは愛をまだ求めているさよなら悲しみたちさよなら苦しみたちさよならはロマンスのかぎ 出会いなおそうさよならいわせて 何度もさよならかなしい決断の寸前だったよはじめてきみを見たよそして気づいたのさ傷つきすべてを失くさぬ方法をさよなら遠...

水を浴びるおんな

■水を浴びるおんな言うに言えないことばかり聞くに聞けないことばかり夜寒に灯りを消したまま女は何度も水を浴びます流すに流せぬことばかりかがみに映せぬことばかり自分のせいだと気づくころ うなじにさびしさまとわせる洗うたびに あらわれる あいつのすべてが私なのいつしか居着いた男の影にもたれるように我が身さえざえと 女はひとりで水を浴びつづけるのです忘れ忘れて かえれずにこんな女の 身代わりにほつれ毛ひとつ...

縁席(えんせき)

■縁席(えんせき)誰かの誘いに自動ロックがかかるターンして部屋でシャッセのポーズ一番最初と一番最後に 踊るバレエ グラスの氷が知らせる指ひとつ鳴らして出会ってゆくよ別れよりもつよく忘れるよりもはやく 覚えるあなたが私を思い出させる長く会いたかったですあなたのやわらかさにふれるために これまでひとりで泣いて来たのね 縁席(えんせき)傷つかぬために ずっとひとりでいたけどそれが傷つく 理由にもなるすれ違う...

たわけ。

■たわけ。 あたしが猫だとするでしょう 喉など鳴らさない 冷淡な目配りひとつ正体なんて明かさない箱座りしてあげる でも私猫じゃないアタマのヨワイふりしているわお尻のかるい真似してやるわたわけ。愛だけがまさかそこにあったやともしや咲いたものばかりが花だったとでも たわけ。たわけ。たわけ。生きるためでもしちゃいけないことがある たわけ。あんたを餌にしたあたしにたわけ。伝線したストッキングのかたちにすり...

愛することは不幸だ

■愛することは不幸だ一杯目は陽気になるが三杯で酔って 正体なくすほどほどなんてあるまい 恋すれば甘いか辛いか べつにそれが問題じゃないのさうまいかまずいか 見てくれより 心がきめてだね 思い出たちを そっとワインセラーで 今も僕は眠らせているよワインは飲まない きみと最後に飲んだから愛することはかくも不幸だ 1エイカーにも満たない土地を買ってワイナリーのオーナーになるささやかな夢きみと見ていたけど人...

Mon mec

■Mon mec色あせるほど印象は強まる爪にも表情があるのよ乾いた貝殻の中の嵐にふたりはとざされてゆく永遠なんて欲しくない会える10分があればいいの約束などさせないで 待ったりしたくないこの私だけの男(ひと)もっと近くに Mon mecたとえばひとの季節は心が決めてゆくものだと思うわたしの輪郭をあなたの指先でもっと描いてみせて淋しい気持ちにまでそっと名前をつけるようにいつの日かサヨナラさえもきっと 愛の言葉になるあ...

点かないライター

■点かないライター話しかけているよこの点かないライターきみが残したもの手にふれてみるんださよなら云うのに煙草のけむり何本けむりにしたオパールのまぼろしお願いだ 火よつかないでくれ苦しむだけの火よこの胸でもう二度とゆらめくな過去を灯すことないようにきみと別れてからこの点かないライター僕のわすれがたみ捨てられずにいるのさふいのやるせなさの手持ち無沙汰の場所にひとって孤島みたいだけど海の底でつながってる点...

聴かせてしまおう

■聴かせてしまおう模造ダイヤに朝日がのぼるおまえの指に 光がすべるきこえないわと笑う横顔カモメが海に墜ちるよに飛ぶ 古い時計の中におまえは住んでいる聴かせてしまおう もう聴かせてしまおう許してやれよ おまえ自身を 目の前に俺という男がここにいる 独りで生きててさびしさみせない今日も食堂ののれん出すおまえご飯の焚きかたを知るためには今日の米の研ぎ方知るべきねと昔の男おもって過去に戸を立てる聴かせてしま...

月山

■月山 月山は山にあらず 然しそこに燦然(さんぜん)と在る月山は山にあらず 山と抱けるそれは山と身に降るものよ今はまだ心を知らず じっと天(そら)を仰ぎ見ている人は人にあらずか おまえにいかに映るか 今宵の月山月山は山にあらず いにしえからすぐそばにある月山は山にあらず 月と言えば寂しさにも照らされるという山に消えたあの者たち 決して追いかけてはならないこんなにもわたしでそんなにもあなたでもおなじ月山山は...

熾火(おきび)

■燠火(おきび）かなしみはとても燃えやすいからわたしはそれを暖炉に投げ入れるはやく灰になることを願って思い出という薪(まき)をそっとくべるあなたはかねてからそう言っていた自分に言い含めるように言っていた くるしいひとほど燃える火は大きい燠火(おきび)は私を凍らせあなたの思い出をあたためるかなしみの手紙はとても長いわたしは読んでひとおもいに捨てるはずみで生まれ はずみで死んでく言葉の重さと命の軽さよあなた...

わるいほうのエンジェル

■わるいほうのエンジェル作詞 Milton Kellem作曲 Milton Kellem歌 Viola Wills日本語詞 夏井くわみ恋という 生理現象にはあなたも 逆らえないわ可愛げなくするわ いわくありげにね すれ違い素っ気なく わざと スルーするのよ不自然なほど みずみずしい微笑み女だけの特権よ このMagic本心は見せない わたしのくちびるで想像出来ることをしてみせてよ あなた白い清楚系でもわるいほうのエンジェルよ分泌されるなにかで...

野外フェス

■野外フェス先行予約はずれたのにフェス ちがう男とすべり込む夏の終わりの風が吹いて彼と破局したかもとうわさされたいどう見られようと 破れやぶれわたしもどうにでもなれなの無名バンドのギターにノッて ノッて ノッてる振りジャンジャン泣けてくる Ah 野外フェス親密そうに話すけれど男はただのダミー嫌になる人気バンドのお出ましに上がる 黄色い声うつになるハート フルボリュームにしてもわたしだけ場違い臭 イヤね恋...

じゅもん

■じゅもん エラソーな口のきき方もあたしといるときだけあなたのテキトーな態度もなんか、すごいムカつく他のひとと違う接し方うれしくもあるけれど気をゆるして油断しているあなたにもう呆れるこれっぽっちの幸せぐらいあたしにくれなさいあなたが言われて欲しい言葉 せがまれても お願いされても言わない 言わない もんねお断りよ それがあたしの 逆・じゅもん 最終選考で落ちるわ恋人リストから そうねあなたにも自覚...

Rainbow Like Yours

■Rainbow Like Yours発泡酒の缶 プルタブ引いたらふたり 何か 終わったあなたののどぼとけがなんかまぶしくてしみじみ自分にムカつくのこれからは あなたのためにしないことをかんがえるのねそれでもあなたが使った バスタオルがテーブルにきゅんと丸まってて 思わず抱きしめた雨が降ったあと虹も消えて胸に何かがのこる Rainbow Like Yours髪で顔おおう 涙隠すのが下手ねあたし何だかもう殺すってノロケてた日々も終わるときを...

Return To Love

■Return To Love最後列にいる者だけが全体を見渡せるのさ 負けを知り尽くしているのなら そうその手に勝利はすでにある Ah Yeah Ahもうまっさらではなくつぎはぎだらけの僕たちがここにいる間違いだらけでも昨日を書き換える修正液なんてないすべて捧げることでしかわからないことがあるすべて愛することでしかもう見えない世界があるかんじることさえ 忘れて生きたらながす涙に傷つくこともないこの世界の つめたさにふとめ...

愛すれどパリの灯は遠く

■愛すれどパリの灯は遠く女が次のバッグを買うときには次の恋人をそこに入れるため男に高価なバッグねだるときはその恋をじき処分する合図よ※もう会うのはやめにしましょうあなたにささやく バッグから秘密がこぼれる 綺麗なものほど壊れやすいの 遠くで眺めてただけなら傷つきもしなかったわゆれるゆれる 愛すれどパリの灯は遠く ※Tabbacoの煙のくさり巻きつけ帰る男が出来たようにあなたに振る舞う心許(こころもと)なく音...

パスワード

■パスワード作曲：Kyouhei Tutumiあの夜の 走りをわすれないベイエリア零時に メットをかえしたときにながれてく この髪にやさしくキスして ひき寄せた あなたのジャケットわたしたちが ただの他人にもどるあの日 特別じゃないことを特別にするのは わたしたちだと知った使ってるパスワードのなかであなたは今も生きつづけているの誕生日 あなたはあたらしいただの数字の 組み合わせなのに記憶に意味を持たせるのは ひ...

日本海は来なかった

■日本海は来なかった運転見合わせの表示がならぶここまで来て 足止めくらうなんてダイヤのみだれに 逸(はや)る気持ち あたりはしずむ つうじない電話にぎる雪にとざされ こおる急行は 氷河あなたは来ない わたしも来ないやくそくの場所に風がぬけてゆくああせめて行くのが無理なら ここに来てと願うけど どんなに呼べどやっぱりああふたりに 日本海は来なかったシャトルバスで 近くの宿に着いたけどベッドに投げた 携帯のサ...

僕たちは二度とこない雲

■僕たちは二度とこない雲わたしを振る度胸もないの？きみがそう言い放ったとき潮風が凪いでしんとするよこんな想いは一生ない兄貴に借りた伊太利車で黄色い声あげてたきみも季節は露出度おさえる分見せるとこ見せてると言った夏のサンダルの熱さ まだ胸にのこるけど Wow Wow降りてくる サンセットの緞帳（どんちょう）なぜだろう 気持ちだけが離れてくOh Daring 僕たちは二度とこない雲さよならの意味を知ってるの？きみは呆れ...

さよならだけが引きとめている

■さよならだけが引き止めている鏡よ 砕け散れ あなただけ映しあの女(ひと)でもなく 私でもなく結局今頃わかってしまったふたり恋してなどなかったんですだれが物わかりのいい男に聞きわけのいい女になどグラスは割れてくふたりの手のひらでぬるい血のように 溢(こぼ)れるワイン生半可なことで恋して来なかったからちゃんととどめを刺すものよさよならだけが引き止めているコンビニの照明(あかり)にあつまる粉雪人待ち顔をする ...

遊糸(あそぶいと)

■遊糸(あそぶいと)言葉尻ふと色をにじませて季節は急ぎ 手の届かぬそんな光の輪が光る陽ざしにそっと振り返るようにくるり風吹く向こうがわふわりふたりは泳ぐたびどなたさまですか どちらへ どちらへ気持ちはもう思い出の顔をする心やかれて届かぬ世界へただいつまでも見上げているよわたしには今もきれいな遊糸(あそぶいと)があなたにはただの蜘蛛の巣になった見えないからこそ想いはあったのよ優し過ぎたら 悲しいよ真っ直ぐ...

人類の死因

■人類の死因落ちくぼんだ目に日々は撒き散らされ 光は電車の窓のかたちにそしてはこばれるすれちがうためだけの日々きみも同じ世界を見てんのかなぁこころで眠る恐竜の牙が目を覚ますどんな窮地からも 策を見いだせる それが人間の機知であり 人間たる所以(ゆえん)だよってどこかで聞きかじった話はナシだ きみもどこか共感する気持ちあんの？幸せ過ぎたがゆえの出血死飽食ゆえの断末魔夢の残骸が教える 人類の死因を安全な場所...

まいど ホノルルさん

■まいど ホノルルさんカーナビでさえ 教えてはくれない西神崎に 海がある場所心にアロハ ちょいとハメをはずしてもう頑張らないよ 苦しむこと君に逢いたい いつか逢いたい想いは わき立つ雲の流れこころは海 こころは港 こころは船潮のにおいは思いがけない 軒さきにしがみつくもの晴れやかな悲しみに乾杯先がなくても今がある まいど まいど ホノルルさん定型文の 挨拶などしない社交辞令など くちにしないことば上手...

鈴を鳴らすおんな

■鈴を鳴らすおんなわけないわね 言葉にして 終われるならあなた 手放してるわ鈴を鳴らす くるぶしにこの髪にも 流れては すきとおる嘘つかぬ 恋なんてそのほうが嘘じゃない愛してるだけじゃ愛じゃない あなたに笑うのよ誰といても どこにいても生まれ変わっても私たち きっと鳴りやまないでしょう 小さな鈴よおとす涙 鈴ひとつあなたをまた今夜与えられる 罪にひろがる女のシルエット 奥の声が ねぇきこえるでし...

Jannah

■Jannah鎖骨のあたりなんだか 熱い風が抜けてくじんと耳が鳴るけれど 身を律するの 秘め事は完ぺきなことは まだ話さないAh 謎めかせながら夜を誘うのAh 女の庭で男は迷う それが恋よふたりはあわせ鏡よ 運命さえ信じてる想いは 遥かに 旅してゆくの二度と砂に戻らぬようにかわすこの心をふたりのものにするの Jannahふたり花びらの底で 手をつなぎ見つめあえば祈りに浮かんでいくわ ほらあそこに 空中宮殿しろい羊と...

一本の長い髪の毛

■一本の長い髪の毛ささやかな抵抗一本の長い髪の毛彼のベッドにおいて何食わぬ顔して一本の長い髪の毛なにかささやくでしょう来月彼女と暮らす部屋彼 否定しないのよ Love's Gone Bad これしきのことよこの一本の長い髪透明にまとわる一本の長い髪の毛私いい人ぶらない因果はめぐるのね私だって彼を奪った彼女はかわいいわねいつかシーツを換えるときに彼女に気づいて欲しいLove's Gone Bad いつか 誘ってねああ一本の長い髪ど...

パリに愛されていた

■パリに愛されていた ろくすっぽ女を知っちゃいない 横暴な口のききかたさえ むしろ嫌いになれない理由 ひとときも油断させない彼 そんな彼が嗜（たしな）みをおぼえ うでをあげて すっかり ただのいいおとこになりさがる いろんな想いが胸を過（よ）ぎり あらん限り浴びせ倒し 彼を責めて 泣いたわ Ah 何かが終わる わるで生意気で ものもしらない男 だから手を貸した あの頃ふたり パリに愛されていた たっぷ...

送春歌

■送春歌翠(みどり)したたる頃 僕らは春にいたオールを漕ぐたびに 水面が織り返す何も思わずただ こころをかさね合いひとつのうたを 歌うようなきらめき僕らは変わらない 他のひとたちからの みられ方が変わっただけのこと そう笑ったあいつがまたみんなを こうして呼び寄せた寄せ書きした色あせた色紙おとなになるな 男になれあいつの言葉に 今も惚れる 僕らの春届かぬから先にゆけるのだと 弓のように 張りつめて あい...

嘘泣きから本泣き

■嘘泣きから本泣き映画なんて誰も本当は観ていない座れる場所さえあればよかったレイトショー嘘泣きから本泣きコメディーの方がよほど泣ける嘘泣きから本泣きそうよいつものことよわたしは主婦のような名女優にはなれないましてや愛人なんて役不足よ嘘泣きから本泣きつらい今日を生きられたようにつられてついでにあしたも生きてゆけそう電話で済ませてしまったわかたちに何ものこらないようにした慣れてる筈のさよならが厚化粧に...

孔雀の時刻(とき)

■孔雀の時刻(とき)午後20時と午前7時の女の見分けがつくかしらあなたに深く微笑みかけるコンパクトごしの唇読んでよ違う男（ひと）を好きになった それだけのことあなたのためにきれいになるそれは別れを秘めてるからルージュ色のうらぎりおぼえてて女の甲斐性よ愛のために 自由にさせて後悔ならば 彼としたいわすべてを持つ あなたの手からどうぞ飛ばせて 孔雀の時刻(とき)よ相手が男なら殺してやる相手が女なら口説こう相変...

朝からムーン

■朝からムーン ルージュから 女は生まれるひかりを宿せば はためく海絶望する若さのかたちに あなたとのことが美しすぎるからThrough The Mirror Of Our Moon Shineガウンの袖 のぼる朝日が あなた手招く もっとお入りなさい この胸に Um Ha Um朝と夜が呼び交わす世界へThrough The Mirror Of Our Moon Shine 朝からムーン うまれる前出会っていたの憶えているでしょう 私の声男時間と女時間つかの間出会っても 忘却は...

夜の寝覚(よわのねざめ)

■夜の寝覚(よわのねざめ)Um...Hey Hey Hey笑える 肘掛け椅子で深夜にまんじりともしないのよ私あなたは寝息を立てていて細目に開けた冷蔵庫のあかり酔い覚ましにいいものを思いついたわそれはならべる掛詞あなたにすれば「私」と「彼女」は掛詞私にすれば「愛」と「哀」はそう哀しく 沸きあがってゆくおもいは実現されない方がいいあなたは体温を持ちながら日々私のなかで殺されてゆく愛しさ余りに憎くなるのをあなたは知らない ...

タキシード・レイディー

■タキシード・レイディー気障なポーズ 腰で決めては派手に笑う 板についてる男役 Ah無性に 誰か欲しくて仇(あだ)な言葉で手招いて だれかれかまわず 今夜の相手口説いてる※鏡を抱くように 愛し合いましょうその時々のショウ・タイムライトが廻るとあなたさえまるで表情もちがってるどこかでふたり会ったかしらようこそここで 極楽を見たら地獄もたのしいわごきげんよう遊びましょ 男と女 とっばらって タキシード・レイ...

スコアブック

■スコアブック古いBallPark 背番号たち黙々とウォームアップしてる故障リスト入りしてから長距離バスを乗り継いで来た 観客のいない スタンド紙切れのような夢が 吹いてる きみのメールへの返信遅れてごめんここまで追い込まれたらやるしかないなだけどCheer Up ゆびにパウダーグリップまぶしグラブに置いた球 Cheer Up 思い切り振りかぶる 何だかやれそうさせめぎあうような 一打一球プロは実積だけ求められる僕はここを落...

マーマレイド・リヴァー

■マーマレイド・リヴァー作詞 Tommy Shaw作曲 Tommy Shaw日本語詞 夏井くわみ歌：FIDDLER'S GREEN時越えてマーマレイド・リヴァー花も流れ人も流れてもかわらないマーマレイド・リヴァー悲しみを湛(たた)えてさそう日のマーマレイド・リヴァー漕ぎ手のないボートひとつ浮かんでるマーマレイド・リヴァー想いはただよう水面が話しかける古ぼけた未来をたどればすぐ近いそれはともだちだと鼻を鳴らそうガラス瓶の淡い雲が空に帰る...

鴇(とき）

■鴇(とき）言ってしまおうか 言うのをよそうか今日こそあなたに ほんとのこころを想いつづけて ざっと 二年半今日を逃せばまた五年鴇（とき）がくる つばさひろげて鴇は鳴く こころまわるように女の胸に鴇がとまります言わせてください たったひとこと あなたああ さようなら ToToToKiTokiFly Away GoodByeToToToKiToki奪ってしまえたら 終われたものを肌のぬくみに またもほだされて行くも帰るも 茨のみちよ指のつめた...

蜥蜴(とかげ)とグラジオラス

■蜥蜴(とかげ)とグラジオラスクチコミの悪いあいつが殊の外いい奴でショックルーペ顕微鏡で見ている何もないところにある気持ちってあるんよ1ミクロンにも満たないめんどうを家に持ち込んで気も休まらないのが楽しくてなんかヘンヘンなわたしすごくいいしたたるネオンテトラは水槽でしか生きられないわたしはこの部屋でしか呼吸できない空調がわたしの髪の毛ふいにまたゆらすようにショック捨てハンに捨てアドそういう痩せた世界...

恋には休みがない

■恋には休みがない似たりよったりのポッドキャスト転がして仕事もえらい忙しくて煮詰まってもいて 肉うどんの匂いが恋しくて雑踏のなかにふと思い出す田舎の景色海の近くに祠(ほこら)がある名所じゃないあの場所に君を連れていきたい僕の虚言癖は続く行き当たりばったり的な想い For You恋には休みがない 楽をしてサボるとろくなことない 恋は心のハードワークだでも君のことで忙しいのはいいことだろうチャンネル登録再生回数...

エンド・ゲーム

■エンド・ゲーム作曲：Vince Melamed作詞：Andrea Farber歌：Phoebe Snow日本語詞：夏井くわみ脱がされるための あなたのスーツ骨格のかたちに わたしは着くずれ 哀しいぐらい くちづけ浴びてあなたと行き着くエンド・ゲームブランデーにゆび浸してテーブルに書いたさよなら あなたマッチで火を点けて燃えて綺麗よ 肩と腰へと 置かれたその手彼女の許へと 吐息のジョーカー切り札は躱(かわ)される ためにあると知らずにあ...

僕は手当をするだろう

■僕は手当をするだろう僕は手当をするだろう きみの傷はふかく見えないがたださすってやるしかなくても僕はきみを手伝うだろう僕は手当をするだろう信じるものを 現実が砕いてもよわまるものほど強いまなざし 僕はきみを手伝うだろう世界はコード・ブルー だからそのなみだを 無力さを さけびを 全部僕にぶつけて欲しい 隠さずに喜んで僕は手当をするだろう 誰もが笑い見捨てたものを 僕はひとつずつ手当てするだろうき...

Virgin Man

■Virgin Man間違いさえ愛してるのよつかの間のぬくもりに倒れこみたい過ちから生まれてゆくひとときのたわむれに身を焦がしたい 似ているひとを知ってるわ似ている夜を知ってるわだけどあなたではないそれはあなたにならないあといくつ抱き合えばいい ただの娯楽のためにある夜に破滅的に むしろなりたいその場しのぎの嘘をつくのも平気よ傷あとに見せた 見え透くニセの包帯を巻きあうだけよ美しい死をいくつ数えるやさしさは厄...

角打ち

■角打ちさびしいなんて電話したらアホかと薄情に切られてしまう会いたいなんてメールしたら アホかと二つ返事で返される そのあと決まって電話があるメールがくる あのひとから 1時間経って気分はどうかと1時間経たずに迂闊なことは言ってはダメだとアホかアホかアホかあのひとのありったけの愛の言葉もう聞けない私 あのひとの口ぶりで言ってみる 私ほんまアホか飲みたい理由 ない時飲む一騎討ちみたいにテーブル挟む手酌...

神威岬

■神威岬咄嗟（とっさ）にわたし 胸にとびこみあなたを抱いた下は荒ぶる 潮のうねりここは絶壁肩がすさぶように 泣いていますあなたはただこうべ たれています死にたいくらいそう 本当は生きたいのでしょうそうでしょう ああ 神威岬一度や二度は 誰にでもある言わないだけよこの世で起きることは この世でカタがつくものよああこのストールで つつんだならあなたは声もなく 俯（うつむ）きます一人でいたくたって 誰かと...

木曽路恋情

■木曽路恋情 トンネル抜けて またトンネル闇から闇へとつづいてもただ逢いたさに耐えかねて車のライト消える隠れ宿あなたでなけりゃ恋などしない女がひとり 男がひとり肌につめまで 食い込むぐらいあなたとさかさまに交わす テ・キエロ鳥になる 花にもなれるいいえ貪り あうだけの そんなケモノですあなたの腕で 髪をみだし山の声を聞く ああ 木曽路恋情 男滝 女滝 地を這うよにそっとひらいてゆく躰(からだ)はこころ こころ...

Nile Bride

■Nile Brideこの髪に 胸に星を眠らせてあなたをまた呼びつづけてるBoy,It’s me バーガーインでお待ちかねなのジーンズでも わたし女王よあなたに会えないさびしさを愛して来たけどもうそろそろいいでしょわたしを解禁するわ Nile Bride Nile Bride Nile Brideおごってあげるわよ マスタードにチリソースの夜 あなたにはあいさつのキスを Um Fantastic night Moonless nightUm We will marry it’s Okay孤独よね 横たわってる...

レター・マン

■レター・マンこの街は戦場だ 平和という瓦礫にうもれている行く先々どこもかしこも悲惨に見えるのはそこしか見てないからだ戦場にも青空がある季節ごとに咲く花もゆれるうずもれそうな世界で見る夢はメッキでも ゴールドだ繁栄の中 置き去りにされたなきがら それはなんだろう死ぬ以上に生きることは口で言うほど美しくはないなんという節穴だ戦場でも子供たちは北風と遊んでいるこの街は戦場だ まごうことなく荒涼として し...

涙よ泣くな

■涙よ泣くな立てひざで煙草すうのさあんたといてもべッドでしかめっ面だよ除光液 目にしみただけさ肩ふるわすけどつっけんどんな星のめぐりべつに酔ってるわけじゃないのに いやね あたしときたらシャックリがとまらない しゃらくさいわ涙よ泣くな 涙よ泣くな涙よ泣くなつけぼくろ なぜか 目立つ夜けむるブルースさっきから自分が重い言わないわ 片言のように愛はすり抜けるそれが世の常ってものさ生きていることで悩むこ...

ビエンベニード デ ヌエボ

■ビエンベニード デ ヌエボ近づいてくる影だけでわかるやつがいつのさ忍びよる気配でそうさまさにそいつはお前だとにごり水に 孑孑(ぼうふら) がわくこの街はそっぽ向く産み月の女から漏れる蒼い月影ただようようビエンベニード デ ヌエボいいべべ着てるだけで あの頃のおまえと変わりゃしない月日が後ずさりするお前は上を見る 俺は下を見る時の断罪を受けろ ビエンベニード デ ヌエボお察しさ その魂胆は成り金の凱旋かふるび...

僕たちはまださよならを知らない

■僕たちはまださよならを知らない作詞 Diane Warren作曲 Diane Warren日本語詞 夏井くわみ唄：Didrik Solli-Tangen ぬけがらの シャツのよに 心はうなだれるたとえばもう終わる恋に ルビなんか振りはしないのに君とふたり涙の場所までこれまで抱いていたけれどほどけた手はそれぞれ違う夜明けにふれた気持ちとは べつに吹く日々は過ぎていく信じてる距離は そばにいるほど近くなかったあきらめてもう悲しみなど嘘をつけば本...

タメールのひつぎ

■タメールのひつぎもしも夜が明けなかったら恋はつづいていたのやっと朝が訪れたのに タメールは姿を消したひつぎには赤い薔薇の冠しかなかったという死んだとされているが タメール その後を誰も知らない朝告げ鳥が鳴いたばっかりにタメール タメール政(まつりごと)は男の世界か謀(はか)られしまったか亡き王のそのあとをなぜ愛人が継いでわるいのか何もかも渦巻いてるこの世は悪人ばかり男を凌(しの)ぐ晴れ姿よタメール 罪を着...