善意を向けられるたびに不安になる、受け取れない。その背景には子ども時代の心理が4つの層で積み重なっている。支援の現場で知っておきたい心理の構造を、具体的な場面で解説する。
歪めて生きるしかなかった──虐待家庭で育つ子どもに起きる「現実の書き換え」
虐待を受けながらも「親は優しい」と信じ続けた子どもたち。その現実の書き換えは弱さではなく、生き延びるための唯一の適応だった。その仕組みと、大人になっても続く影響を解説します。
死にたいではなく、消えたい。— 虐待のなかで育った人の希死念慮
「死にたい」と「消えたい」は、似て非なる感覚である。虐待のなかで育った人が抱える「消えたい」の正体は、「自分」が最初から作られなかったことにある。複雑性PTSDと刷り込まれた信念、過覚醒・侵入・狭窄という3つのサバイバルモードまで——長く言葉にできなかった感覚に、ここで輪郭をつけていく。
なぜ彼女は風俗に取り込まれたのか──被虐待体験と性的搾取の連鎖
風俗で働く女性は、なぜ「自分の意志で選んだ」と語りながら、その答えを自分でも掴みきれずにいるのか。3人のサバイバーの体験を辿りながら、幼少期の被害が身体に刻む感覚と自衛回路の弱化、家庭から押し出される経路と外から引き寄せられる経路、店の内側で並行して起きる薬物・暴力の実態、そして抜け出せない仕組みまでを丁寧に紐解く。
親族からの性的虐待を受けた子どもは、なぜ大人になっても誰にも言えないのか。なぜ加害者ではなく自分を責めてしまうのか。「あの夜」型と「日常侵食」型、5人のサバイバーの体験、そして解離・告白後の二次傷つき・「声を上げる」多様な形から、沈黙と自責の構造を解きほぐす。
直接手を下すだけが加害ではない~助けてくれない母・かばってくれない母~
「お母さんもDV被害者だったから、守れなかったのは仕方ない」――そう言われ、違和感を飲み込んできた当事者へ。父からの暴力を止めない、第三者の加害を黙認する、子を置いて家を出る――7類型を整理し、母自身の供述から自己保身の動機が浮かぶ。司法はそれを加害として処罰してきたが、社会の同情論はその事実を覆い隠してきた。
兄弟差別の構造:親が子に割り振る役 ー愛玩子・搾取子・無関心子ー
兄弟仲の悪さは、家族の偶然の不和ではない。親が子それぞれに役を割り振り、その役を生きさせる。可愛がられる愛玩子も、はけ口にされる搾取子も、関心を向けられない無関心子も、その盤面の上にいた。役の構造をどう読み解くか、現場で繰り返し聞かれる問いに沿って整理する。
「自分は長女だから厳しく育てられた」と片づけてきた人が、ふと自分の家庭が兄弟差別だったと気づくとき、その経験には何が起きていたのか。当事者の声をたどって、家庭内で見えにくいまま残ってきた9つの典型像、家庭の外まで影響が及ぶケース、そして大人になってから家族との距離をどう取るかを整理する。
親に一度も謝られたことがない人がいる。叩いた後にも怒鳴った後にも、「ごめんね」は来なかった。一方、ふつうの親は子を傷つけたあと自分も傷つく。なぜ、ある親は謝れて、ある親は謝れないのか——両者を分ける構造を、4つの場面で読み解く。
「親子なら分かり合える。」― 虐待サバイバーには通じない、その前提
「親子なら分かり合える」という社会の前提は、なぜ虐待サバイバーには通じないのか。聞き手の中で悪気なく作動する二つのフィルター、被虐者側で自動化される過小評価、それでも稀に訪れる「実物大の恐怖を受け取られた日」までを描く ― 壁の両側で起きていることの構造。
虐待のニュースに触れるたび思う。失われるのは子どもひとりだけではなく、社会に元気と発明をもたらしてくれたかもしれないダイヤモンドの原石そのものだ。応急措置の繰り返しではなく、すべての子どもに愛と知恵を投資する社会こそが、貧困・虐待連鎖・自殺を減らす本当の近道だと、こころノート運営者が語る。
健全な育ちに必要なギフト③「境界線」を獲得する|「嫌だ」と思っても断れない人へ
「頼まれると断れない」「人との距離感がわからない」——それは気が弱いのではありません。子ども時代に「境界線」というギフトをもらえなかっただけ。思春期に親から受け取るはずだった「あなたはあなた、私は私」という感覚と、大人になってからの育て直しについて解説します。
健全な育ちに必要なギフト②「自我」を獲得する|「自分が何をしたいのかわからない」の正体
「自分が何をしたいのかわからない」「反抗期がなかった」——それは意志が弱いのではありません。子ども時代に「いや」と言えなかっただけ。「自我」の獲得とは何か、失った場合どうなるかを解説します。
なぜ人を信じられないのか|健全な育ちに必要なギフト①「安心」
「どうして自分だけ、人を信じることができないのだろう」 「誰かと一緒にいても、なぜかいつも安心できない」 そん
心の発達「5つのステージ」——安心獲得期・自我獲得期・ルール習得期・境界獲得期・精神的自律期
心の発達を5段階で整理。安定期とハードル期が交互に訪れるリズムを通じて、年齢では説明できない心の成熟の違いを読み解きます。
「虐待を受けた人は、自分も我が子を虐待する」——この言説は、世間に根強くある。 虐待に縁のなかった人にとっては
感情の抑圧には「深さ」がある──4つのゾーンで育った人たちの違い
誰もが、いつからか、感情を抑圧しながら生きています。しかし、「どんな感情を」「どのくらいの深さまで抑圧するのか
毒親の連鎖を止める|なぜ繰り返してしまうのか、その構造と出口
「絶対にあんな親にはならない」と誓っていても、繰り返してしまうことがある。それは意志の弱さではなく構造の問題。二種類の「繰り返し」を区別しながら、連鎖の仕組みと出口を解説します。
虐待はなぜ「繰り返す」のか|世代をまたぐ四つのパターンと、その違い
「虐待の連鎖」と一言で言っても、その構造は一つではない。知的障害の遺伝・被虐待体験の影響・隔世遺伝・複合──世代をまたぐ四つのパターンを区別して解説します。
被虐ママとは何か──虐待を受けて育った母親が子育てで抱える葛藤と、支援者の見極め方
虐待を受けて育った母親「被虐ママ」が子育てで感じる葛藤と行動の傾向を解説。支援者が傾聴の場面でどう見立てるかも含め、支援に役立つ視点をまとめた記事です。
For You, Who Have Spent Your Life Pretending to Be “Normal” — The Hidden Struggle of Abuse Survivors
Why can't you feel "normal"? Not because something is wrong with you — but because that feeling was never there to begin with.
For You, Who Have Spent Your Life Pretending to Be “Normal” — The Hidden Struggle of Abuse Survivors
Why can't you feel "normal"? Not because something is wrong with you — but because that feeling was never there to begin with.
About one in six people has mild intellectual disability (IQ 50–70) or borderline intelligence (IQ 70–85). They look entirely typical. That invisibility is precisely what makes their situation — and their children's situation — so dangerous.
Lower IQ affects more than academics—it shapes perspective-taking, emotional regulation, and social judgment in ways often invisible to others.
身体的虐待・ネグレクト・心理的虐待・性的虐待の4分類には含まれない「心理的ネグレクト」。暴力も暴言もなくても成立するこの虐待が、なぜ最も見えにくく、最も根深い傷を残すのかを解説する。
身体的虐待・ネグレクト・心理的虐待・性的虐待の4分類には含まれない「心理的ネグレクト」。暴力も暴言もなくても成立するこの虐待が、なぜ最も見えにくく、最も根深い傷を残すのかを解説する。
Mild ID and borderline IQ are overrepresented in child abuse cases. Learn why cognitive limitations can make parenting feel overwhelming and lead to harm.
Not “I Want to Die” — “I Want to Disappear”: What Abuse Survivors’ Suicidal Ideation Really Means
Abuse survivors rarely say they want to die—they say they want to disappear. Learn what passive suicidal ideation really means and how to respond.
Why Abuse Survivors Feel Nothing — “Emotional Numbness” Was a Survival Strategy
Abuse survivors often feel emotionally numb—not weak, just surviving. Learn why trauma disconnects us from our feelings and what that means for healing.
虐待親に謝罪や変化を期待し続けることが回復を妨げる理由を解説。軽度知的障害・境界知能の親が謝れない心理的メカニズムと、待つことをやめた先の回復への道を伝えます。
境界知能(IQ70〜84)と軽度知的障害(IQ50〜69)の特徴を解説。「普通に見えるのに日常が困難」な状態が支援の谷間に置かれやすい理由と、親や支援者が知っておくべき実態をまとめる。
見立てを誤ると、子どもが追い詰められる──虐待親への「正しい対応」が逆効果になるとき
虐待親への対応で「正しいこと」を伝えたのに、事態が悪化した──それは親の知能の見立てを誤ったからかもしれません。支援の現場で繰り返される深刻な問題と、子どもを守るために本当に必要な対応を解説します。
見立てを誤ると、子どもが追い詰められる──虐待親への「正しい対応」が逆効果になるとき
虐待親への対応で「正しいこと」を伝えたのに、事態が悪化した──それは親の知能の見立てを誤ったからかもしれません。支援の現場で繰り返される深刻な問題と、子どもを守るために本当に必要な対応を解説します。
虐待親の知能レベルを傾聴で見極める具体的な手順と判定ステップ。境界知能・軽度知的障害の特性チェックリストと、支援者が陥りやすい誤判定を防ぐ方法。
虐待対応で最初に問うべきは「親の知能レベル」。正常知能・境界知能・軽度知的障害で対応は根本から変わります。口を挟まない傾聴で見極める具体的なチェックポイントを、支援者向けに解説。
親のIQレベルによって虐待パターンは驚くほど明確に分かれます。IQ80・70・60・50──各水準で異なる虐待の特徴、子どもへの影響、支援者が知っておくべきポイントを10刻みで整理しました。
親のIQレベルによって虐待パターンは驚くほど明確に分かれます。IQ80・70・60・50──各水準で異なる虐待の特徴、子どもへの影響、支援者が知っておくべきポイントを10刻みで整理しました。
「ケーキの切れない非行少年たち」の著者・宮口幸治氏の視点を「母親」に応用。認知機能に課題を抱える親が子育てに行き詰まり、虐待に至るメカニズムを考察する。
【必読】このサイトを読む前に知ってほしいこと|こころノートの目的と注意事項
こころノートは虐待サバイバーのためのサイトです。軽度知的障がい・境界知能に触れる記事の読み方と、当サイトの目的をお伝えします。安心して読み進めるためにご覧ください。
なぜ「普通の親」は虐待しないのか?|虐待する親との決定的な違い
普通の親が虐待という一線を越えないのは、道徳心が高いからではありません。脳に備わった「痛みの同期」という原始的な仕組みが、虐待を実行不可能にしているからです。
「生き延びた幼少期」浩一さんの場合|身体的虐待を受けた男性の体験談
幼少期に身体的虐待を受けながらも生き延びた浩一さんの物語。家庭内で何が起きていたのか、そしてどのように生き延びたのかを語ります。
裕子さんの記憶の中にある母親は、常に舞台の中央でスポットライトを浴び、涙を流す「悲劇のヒロイン」だった。 毎晩開催される「不幸自慢リサイタル」裕子さんの実家の食卓は、食事の場ではなく、母親のワンマンショーだった。 「ご近所の奥さんは、週に5
都内在住の裕子さん(仮名・38歳)は現在、一人で暮らしている。8年前に離婚した元夫との生活は、端から見れば「幸せな結婚」そのものだったはずだ。優良企業に勤める穏やかな夫、安定した生活。しかし、その箱庭のような生活は、ある一つの「欠落」によっ
「普通」になりたい。 けれど「普通」が何かよく分からない。 ただ、確かなことは、自分は「普通」ではないということ。 私は多分、みんなと同じ感情を持てていない。 自分だけ、みんなと違う人間。 同じ空間にいても、私は透明な壁に隔てられている。
本ブログに足を止めてくださり、有難うございます。この記事では、「軽度知的障がい」や「境界知能(ボーダー)」等への言及があります。こちらの記事をご覧いただくにあたっては事前に下記の記事をご覧いただくようお願い申し上げます。「知的障害(知的能力障害)」というと、皆さんはどんな方のことを思い浮かべますか?・知能に遅れがあり、自立した生活が難しい・社会的に弱い立場の人たち、守られるべき人たち一般的には例えばそのようなことが連想されるのではないでしょうか。福祉等に従事していなければ普段はあまり見かけないけれど、たまに街中や駅などで出会うこともありますね。困っているようであればサポートを名乗り出たり、見守
ブログをご覧いただきありがとうございます。この7月より、風の木クリニックで高橋和巳医師のカウンセリング予約受付が再開されました。高橋和巳医師のカウンセリングには、老若男女問わず多くの人が全国から訪れています。そして多くのカウンセラーが指導を求めに足を運びます。現在約5か月待ちらしいですが、数年前であれば2年待ちくらい当たり前だった気がしますし、コロナ以降は新規受付を停止されてしまっていたので今回の待ち時間はまだ短い方だと思います。再開のチャンスを待っていた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。 自由診療だと料金:15000円/50分 ということで、かなりいいお値段であることは間違いありませ
ブログをご覧いただきありがとうございます。危惧の思いから連日、安部元首相の銃撃事件が報道されていますね。山上容疑者。そして安倍元首相。正直に申しあげて、私は2人とも憎めません。だから、よりにもよって安部さんが狙われてしまったことが本当に残念でなりませんが宗教団体の問題が再び、こんなにも大きく世間からも政治からも注目されることになった訳でここで宗教団体に蔓延る悪を取り締まらなければ、いつ取り締まるのか。逃したら、これ以上の好機はなかなか現れることはないように思います。ただ、テレビを見ていて、危惧していることがあります。国葬に反対だとか、そういう話に野党や世論が向かってしまうことを今は本当に危惧し
ブログをご覧いただきありがとうございます。「軽度」知的能力障害と境界知能について学べるセミナーが年に一度開催されています。今年のセミナー募集が始まりましたので、共有です。こちらのセミナーで年間を通して取り上げられる様々なトピックスの中でも、「軽度」知的能力障害の回は、最も人気な回の一つだと思います。https://hcm-seminar.net/少し前からオンライン参加も可能になったので、東京会場に直接来られない方も大丈夫です。オンライン参加5,000円、会場参加は+5,000円、テキスト代は3,000円程度です。本セミナーはメンバー登録することで参加できるようになります。メンバー登録する際に
ブログをご覧いただきありがとうございます。今日はとあるタイプの2人組について書こうと思います。二人組世の中にはさまざまな2人組がいます。面白くてボケとツッコミが絶妙な2人。ピッチャーとキャッチャーで信頼し合う2人。上記はコンビの相方といった感じでしょうか。共通点が多くて意気投合した2人。美男美女なカップル。彼らは似た者同士の2人組ですね。せっかちな彼とのんびりな彼女のカップル。ノッポとチビな凸凹コンビ。大人しくて優しい兄と喧嘩っ早い妹。こちらは正反対な2人組です。正反対の2人組なのに、とても仲が良い様子を見ると微笑ましくなるものです。二人組というのは波長が合うと、とても居心地がよく、2人の間の
ブログをご覧いただきありがとうございます。みなさんは、統合失調症という病気を聞いたことはありますか。代表的な症状として、幻覚・妄想・異常行動などが有名なこの精神疾患ですが、児童虐待と深い関りがある病気になります。統合失調症の親による児童虐待は1割未満と言われており、7~8割を占めると言われる軽度知的障がい・境界知能と比べると割合としては少ないようにも見えますが、現実的には決して無視できない程の数の被害があります。今回は統合失調症の基本的な知識から、虐待との関連について書いていきます。統合失調症とは統合失調症は、脳の様々な働きが低下することで、幻覚や妄想などの症状が起こる精神疾患です。発症率統合
ブログをご覧いただきありがとうございます。不適切な養育環境で育った人が、ストレスから/親からの強要で/親から何も教えてもらえずに/生き延びるために、といったやむを得ない理由から生活リズムが崩れてしまっていることは珍しくありません。一つずつ、無理のないペースで、無理のない範囲で、改善していければ嬉しいです。生活リズムとは最初に生活リズムとは何かについて書いておきます。生活リズムとは、「日の出とともに目覚め、日中は活動し、日が沈めば休む。」といったように自然界の昼夜の入れ替わりに従い、睡眠と活動のリズムを繰り返して、毎日の生活を送るようにできています。生活リズムの裏には、生体リズム(ホルモンの分泌
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。このブログを読んでくださっている皆さん、睡眠は取れていますか。よく、眠れていますか。つまり、深夜に近付けば自然と眠気が来て、布団に入り電気を消せば、30分くらいの内に入眠できていますか。途中、何度も起きてしまうことはありませんか。朝、目覚めた時、身体や心の疲れは軽くなっていますか。日中、活動に支障が出るくらいの疲れや眠気が襲ってきたりはしませんか。小さい頃から虐待を受けて育った人などで、不眠や慢性的な疲れに苦しむ人は決して少なくありません。布団に入って、目を閉じてはいるものの、その緊張感から完全に意識が途切れることなく、半覚醒状態で「眠っている」
ブログをご覧いただきありがとうございます。今日はカウンセラー向けの記事になります。カウンセラーにとっての患者さんやクライアントは、通常「悩みを解決したくてカウンセリングに訪れる」ことが一般的です。そしてカウンセラーは「悩みを解決するためのアドバイスを行うこと」もよく知られていることかと思います。カウンセラーは、悩めるクライアントさんに対して自らの知見や経験に基づき「あなたが悩んでいる原因は○○だから、解決には××が必要です。」「〇〇と考えるんじゃなくて、△△と考えましょう。」などとアドバイスを行い、クライアントさんは「なるほど。うまくできるか分からないけど、やってみます!」と答える。もちろん一
前回の続編となる内容です。前回記事はこちらからどうぞ。前回は、虐待をした人が「悩んでいた」のか「不適応を起こしていた」のかという視点が大切であることを書きました。その際に、支援者に注意していただきたいことを今回書こうと思います。それは言葉尻に惑わされないという事です。ケースワーク 子育てに行き詰まるAさんとBさん前回のAさんとBさんの例で、2人とも「仕事で悩んでいる」と言葉尻では同じことを言っています。相談を受けた支援者は「悩んでいる」という言葉だけに惑わされてはいけません。言葉の表面を捉えるのではなく、相談者が訴えたい真の内容や、その裏にある感情を聴かなければ、「悩んでいるのか」「不適応なの
児童虐待を自ら「相談機関に相談できる人」・「できない人」はなぜ分かれるのか?
本ブログに足を止めてくださり、有難うございます。この記事では、「軽度知的障がい」や「境界知能(ボーダー)」等への言及があります。こちらの記事をご覧いただくにあたっては事前に下記の記事をご覧いただくようお願い申し上げます。「虐待してしまうかも」とSOSを出す母親と出さない母親児童虐待事件には、「子供が保護される前に、母親が役所に子育ての悩みを相談していた(のに家庭訪問に行かずに虐待を防止できなかった)。」といったフレーズをニュースで聞くこともあると思います。児童虐待には「子供に虐待してしまいそうだ。(or虐待をしてしまっている)」と自ら相談機関にSOSを出していた母親と、出していなかった母親の2
ACに関する一連の記事は一旦今回でおしまいです。前回記事はこちら。これまで、ACになる原因は「思春期を乗り越えられなかったこと」だと書いてきました。となると、AC脱却のためには、本人が再び思春期を呼び起こし、乗り越えることが必要になります。言葉で書くのは容易いですが、実際はそうもいきません。まずAC脱却には、AC自身の年齢がなるべく若い方が、うまくいきやすいです。ACとしての生き方が長期間固定されていないからです。そして、完全に自力で乗り越えるのは困難なので、カウンセリングの補助が必要になります。しかも親子両方カウンセリングが必要です。筆者の師事する高橋医師によれば、(生き方が親から自立してい
前回の続編です。虐待を受けて育った人(被虐待者)とACがどう異なるのか?ACも被虐者も両者共に生きづらさを抱えており、その要因は育った環境にあることは共通です。但し彼らは心理発達の進度が異なります。ACは、(乳児期⇨イヤイヤ期を乗り越えて)学童期までは発達しています。親との基本的な信頼関係は築けており、自己愛も他者愛も育っています。喜怒哀楽を表現でき、自己主張もできます。ACは少なくとも2歳頃までは信頼できる保護者が側にいたはずです。彼らが生き辛さを感じるのは思春期になる年齢以降がメインです。一方、(0歳の頃から虐待されている)被虐者の心は乳児期で止まっています。親との基本的な信頼関係が築けて
前回記事で、アダルトチルドレン(AC)とは思春期を乗り越えられずに学童期に留まっている人のことだと書きました。そしてそれは、生きていく上で守るべき指針(価値観)を自分の中に作ることができずに親の価値観に従う生き方を継続している人だ、とも書きました。そうなると、どんな弊害が起きやすいのでしょうか?具体的に見ていきましょう。ACが抱えやすい弊害①人生の決定権を親が持ったまま親の価値観を乗り越えられず、自分自身の価値観を形成できないと、成人した後の自分の人生を主体的に決めるのは自分ではなく、親のままになります。つまり、・(半強制的にor疑問を抱かずに)何でもかんでも親に決められてしまう・(自ら)親に
アダルトチルドレン(AC)という言葉は、精神医学や心理学の界隈で一時ブームとなった言葉であり、今も様々な人に対して様々な使われ方がされています。今回はこのブログでも、ACについて取りあげてみようと思います。*******************************************WikipediaではACについてこのように書かれていました。一部、抜粋します。「AC」は元々アメリカで生まれた言葉で「親がアルコール依存症の家庭で育って成人した人」という意味。ただし日本においては「親や社会による虐待や家族の不仲、感情抑圧などの見られる機能不全家族で育ち、生きづらさを抱えた人」を指すことが
詩織さん(30歳)は、都内で介護士として働いていたが、現在は休職中。2度目の鬱と診断され、紹介されたクリニックのカウンセリングに半年前から通っている。今日は6回目のカウンセリングだ。以下、詩織さんが語っていく。「前回、先生に、私の母親は軽度の知的障がいがあると教えてもらいました。私、『そうなんですか』と言ったと思うのですが…本当は鈍器で頭を殴られたような衝撃でした。全く考えてもみないことでした。カウンセリングが終わって、気づくと辺りは真っ暗で、駅員さんに声を掛けられました。半日近くベンチに座ってたみたいです。どうにか帰宅して、それから数日間ずっと寝込んでいました。その間どうやって生きていたのか
この記事では「死」や「自殺」について取り扱う内容になります。予めご了承ください。児童虐待の結末は、ある意味で二つあります。殺されてしまうか、生き延びてしまうか、です。「生き延びてしまう」という書き方に違和感を持つ方は当然いらっしゃるでしょう。両者のどちらが良いか?と問われれば、普通に育った人たちからすれば、火を見るよりも明らかです。「親に殺される苦しみより酷いものなんてない。生きてさえいれば、どうにかなる。」一般的に言えば紛れもなくその通りです。虐待死事件を聞くたびに、どれだけ痛かったか、怖かったか、助けてほしかったか、と私たち大人の無力さを痛感します。親に殺されてしまう子どもなんて、一人いて
このブログを読むより、この本を読むのがベスト。全ての被虐者の方へ。
ブログを運営している者がこう言うのも何ですが、私のブログを読むよりも、この本を読む方が圧倒的に分かりやすく、時間を割く価値がある思う本をご紹介します。なぜなら、このブログはこれから紹介する本の筆者高橋和巳医師から学んだことを基本として書いているからです。児童虐待や家族問題の臨床経験が大変豊富で、カウンセラーのスーパーバイザーとしても多く活躍されています。彼の教えを中心としつつも、私のブログですので、他の経験で得たことや私の解釈が大いに入ってしまっています。ブログを書く目的の一つは、被虐者の方や児童虐待の支援者に、この本の存在を知ってもらうことだといっても過言ではありません。きっとご自身に何が起
被虐者は、「何も感じないように」生きていることが多いです。喜怒哀楽の表現が著しく乏しかったり、見かけはそれが表現されていても実際はそのように振舞っているだけで、本心は何も感じていないといったことが、虐待を受けて育った人によく見られる特徴です。喜怒哀楽を出さず、不平不満も言わない彼らは、普通の人から見てどこか淡くニュートラルでロボットのような存在にも見えます。今日は彼らが感情を抑圧して生きなければいけなかったいくつかの理由について書いていこうと思います。理由①「感情や感覚を育ててもらえなかったから」人間の赤ちゃんは、親に「感情・感覚にはそれぞれ名前があること」を教えてもらいます。身体が冷えている
虐待を受けて育った子供や、虐待サバイバーの大人たちが、いわゆる「発達障害」と誤診されることがあります。虐待を受けて育つと、先天的な脳の障害を持っていなくても、ほぼ避けられない確率で発達障害に似た症状が現れる場合があります。今日は、被虐者のどのような特徴が発達障害と誤診されやすいのか、について書いていきます。さっそく例を挙げていきます。・言葉の発達が遅い⇒通常母親が赤ちゃんに掛けるであろう声掛けがほとんどない場合、言語の発達が刺激されず、言葉の発達が遅くなることがあります。ただし、被虐者の言葉の発達の遅れは、適切な養育を受けることで急速に遅れを取り戻します。・言葉を理解していない(ように見える)
本ブログに足を止めてくださり、有難うございます。この記事では、「軽度知的障がい」や「境界知能(ボーダー)」等への言及があります。こちらの記事をご覧いただくにあたっては事前に下記の記事をご覧いただくようお願い申し上げます。さて、下記の記事で「とある事情から、人が虫の痛みに共感できないのと同じように、我が子の痛みに共感できない親がいます。」と書きました。この「とある事情」が、実は「知能の問題」を意図していました。「児童虐待問題」が「軽度知的障がい」と「境界知能」と深く結びつくのは、まさに(子育てにおける)共感能力=我が子の状況、表情、気持ちを読み取り、自分に置き換えて考える力=我が子の痛みや苦しみ
本ブログに足を止めてくださり、有難うございます。この記事では、「軽度知的障がい」や「境界知能(ボーダー)」等への言及があります。こちらの記事をご覧いただくにあたっては事前に下記の記事をご覧いただくようお願い申し上げます。児童虐待は、「親が暴力的な性格だった」とか「親自身も生き辛さを感じていた」など、親の性格や親自身の育った環境、あるいは「孤独な子育て」などが原因として指摘されることが多いです。それらが的外れという訳ではないのですが、「親自身の知能の問題」という視点が欠如していることに注意が必要です。「親である以上、知能が正常」だと錯覚されているか、「知能に問題はあっても、母性には影響しない。母
知的障がいの「軽度」と「境界知能」とは?|見えにくい知能の特性を解説
軽度知的障がいと境界知能(IQ70〜85)の違いとは?一見普通に見えるのに生活に困難を抱える人たちの特性を分かりやすく解説します。