児童文学大好き。 願わくば、煩わしいことすべて放り投げ、 児童文学に浸っていたい人の読書日記です。
モンゴメリ、バーネット、オルコット、アリソン・アトリー、 アレックス・シアラー、ジョージ・マクドナルド、ダール、 高楼方子、梨木香歩、松谷みよ子、佐藤 さとる、香月日輪 、etc. 読みたい本が山盛りで無職になっても時間が足りない。 HSPでぼっちで本の世界に逃げるのが得意なおばさんの読書日記です。 もちろん、児童文学以外も読みます。
1件〜100件
窓ぎわのトットちゃん 新組版 (講談社文庫) 作者:黒柳徹子 講談社 Amazon この本をはじめて読んだのは 小学校5年生の時。 この頃の私にとって黒柳徹子は、 “TVに出てるちょっと変わったおばさん” という認識だったから このおばさんのこどもの頃の話は 面白そうだと思ってこの本を買った。 小学校を退学になったトットちゃん。 トイレの汲み取りの穴に飛び込んだトットちゃん。 どのエピソードも面白くて、 いわさきちひろの絵も可愛くて すぐにこの本が大好きになった。 トットちゃんが通うトモエ学園にも憧れた。 教室は電車で、席が決まってなくて 自分の好きな学科を優先して学ぶ。 お昼は、講堂に集まっ…
くまのパディントン (世界傑作童話シリーズ) 作者:マイケル・ボンド 株式会社 福音館書店 Amazon Yahooニュースで イギリスのエリザベス女王と お茶をするパディントンの映像を見た。 エリザベス女王の在位70年を祝う 祝賀コンサートの冒頭で流れた映像らしい。 バッキンガム宮殿で女王とお茶するクマ。 なんてイギリスらしいんだろう。 と微笑ましく思ったが 一目でそのクマがパディントンだと 日本人の私でもわかるくらい有名だけど どんなお話だっけ? 映画は見た。 子供向けだろうと侮っていたら 面白くて、1、2共にお気に入りの映画になった。 原作は、読んだことがないから 早速買って読んだ。 暗…
だれも知らない小さな国―コロボックル物語 1 (講談社青い鳥文庫 18-1) 作者:佐藤 さとる 講談社 Amazon 小人の物語の定番、セオリーと言えば 小人の敵と味方の攻防を描いた物語だろう。 小人の味方となるのは、たいてい子供で 敵は大人、小人で金儲けしようとする人や 小人の世界を壊そうとする人。 この物語もそんなセオリーどおりと言える。 子供のころに出会ったコロボックルの存在を信じて 大人になったせいたかさんが コロボックルを守ろうとする物語。 だけどそれは物語の外枠にすぎない。 この物語が教えてくれるのは 自分の心の中にある世界、 誰にも邪魔されない 自分だけの世界を持っていることが…
生きるのが面倒くさい人 回避性パーソナリティ障害 (朝日新書) 作者:岡田 尊司 朝日新聞出版 Amazon <回避性パーソナリティ障害> ー自分に自信が無くて人から批判されたり 恥をかくのが怖くて社会や人を避けてしまう。 愛されたいが冷たい仕打ちが怖くて相手に近寄れないー 人と会うのが面倒くさい。 喋るのが面倒くさい。 考えるのが面倒くさい。 生きるって超絶面倒くさい。 人と親密な関係になれない。 他人の批判や拒否に敏感。 いつも皆に嫌われてると思う私。 自己肯定感自体がない私。 そんな私は愛着スタイル回避型だから =回避性パーソナリティ障害だろうと 思っていたが両者は、別物だった。 両方が…
ミシェルのゆううつな一日 作者:マルティナ・ヴィルトナー 岩波書店 Amazon ミシェルは、14才の女の子。 背が低くて、自分の名前が嫌い。 ママとパパは別居中で 学校でリディアにいじめられている。 なんかうまくいかなくて、 やることなすことすべて失敗の日。 負のループにハマってしまった日。 朝、寝坊した。 先生の足を踏んでしまった。 フランス語の授業でミス。 ママのお金でジャグリングボールを買った。 リディアのリュックを盗んで逃走。 他人の車を開けて中を物色。 財布からメモを盗んで逃走。 靴の代金を支払わずに逃走。 つかなくてもいい嘘をついた。 失敗が失敗を呼んで、失敗に焦って逃げる。 次…
ジオジオのかんむり 作者:岸田 衿子 株式会社 福音館書店 Amazon ジオジオは、王様のライオン。 誰もが恐れる強い王様。 ピカピカ光る冠を見ただけで皆、隠れてしまう。 強者の孤独。 強者の王様も年をとる。 老いを感じた時、さらなる孤独が襲ってくる。 私は強者ではないから、 強者、上に立つ者の孤独はわからないが 容易に想像することは出来る。 反対に弱者は、どうだろう。 弱者は、数が多くていつも群れてるから孤独じゃない? そんなことはない。 弱者だって孤独だ。 上司からのパワハラで病んで無職になった私は、 上司が強者ってことだから弱者だ。 人と関わるのが怖いから 社会復帰もままならない。 未…
いたずらおばあさん 作者:高楼 方子 フレーベル館 Amazon 夢見る少女の会とは、 「いつまでも少女の心のままだから 少女達の気持ちがよくわかる」と 認知機能がバグっている、 どこでもけたたましく喋り倒す、 迷惑千万なBBAの集まりの会のこと。 1枚着ると1才若くなる服。 見た目だけ若くなって中身はそのまま。 私なら何枚着るだろう。 デブとか一重とか 可愛くてチヤホヤされる子と されない子がいて 私はされない方だと自覚する前がいい。 無邪気にその日その瞬間を生きていた 子ども時代がいい。 でも意識が今のままなら デブも一重も自覚するか。 デブで一重でも シミもシワも白髪もゴルゴもないから …
オリーブの海 作者:ケヴィン ヘンクス 白水社 Amazon 事故で死んだ同級生の日記の1ページが届く。 ほとんど口をきいたこともないオリーブの日記に マーサと友達になりたいと書いてある。 日記を読んだ日からそれが頭から離れなくなる。 誰にもそのことを話せない。 話せないくらい重くのしかかるオリーブの死。 この人ならと打ち明けたら、 盛大に裏切られて傷ついて 頭の中がぐちゃぐちゃになる。 12才。 子ども時代が終わりを告げ、思春期が始まる。 大人になる準備に入った体と心は、 いろんなことに敏感になる。 12歳の少女にいきなり突きつけられる「死」。 否が応でもそれに支配される。 12才。 小学生…
ホビットの冒険 (全1冊) (岩波少年文庫) 作者:J.R.R.トールキン 岩波書店 Amazon 家に突然、知らない人がワラワラ14人も 押しかけきて勝手にごはんを食べて 宴会を始めたらどうする。 怒る、そして警察に通報する。 そのうえ、祖国を取り戻す旅に同行してほしいと言われたら? 断るに決まってる、怪しさ100%だ。 バギンズもそう思ったのに何故か一緒に旅に出る。 この強引さがファンタジーだ。 ファンタジーはあんまり好きじゃない。 世界観がゆるいと なんでもありの無法地帯になるから。 制限のない世界の住人や出来事は どこか空々しくて安っぽく感じる。 だからホビットにも興味がなかったのだが…
超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか 作者:リチャード ワイズマン 文藝春秋 Amazon 幽霊を信じるかと聞かれれば、 信じているわけではないが全否定もしないと答える。 子どもの頃は信じきっていた。 何かを視たわけじゃないが否定する理由もなかった。 お岩さん、口裂け女、こっくりさん、天井下り、トイレの花子さん・・ どれもこれも心から怖かった。 大人になってそれらは一種のエンターテイメントになり 真実ではなくなったが 頭から否定するのは人間の傲慢だと思っている。 私は視えない、何も感じない。 だけど勘が働くことがたま~にある。 ある場所で、なんかココ嫌だな~と思うこともある。 誰でもそれく…
アッホ夫婦 (ロアルド・ダールコレクション 9) 作者:ロアルド ダール 評論社 Amazon アッホ夫婦 The Twits タイトルがアレだし、ダールなので 他の人があまり書かないようなことを 書いてるんだろうなとは想像した。 が、不潔な夫婦の吐き気がするほどの不潔っぷりに気持ち悪くなり、 不潔夫婦の騙し合いと不愉快ないたずらを ずっと読まされるのはかなわないと本を閉じそうになった。 想像してたより胸糞悪い。 しかし、それはダールの狙いのようでもある。 人間は、性悪で意地悪になると外見がこんなにも 醜くなると言っている。 美醜とは容姿の造形をさすのではなく、 心根の美しさ醜さのこと。 性悪…
春のウサギ 作者:ケヴィン・ヘンクス 小学館 Amazon 春のウサギ SWEEPING UP THE HEART ケヴィン・ヘンクス かわいそうな私。 2才の時、お母さんがガンで死んだ。 だからお母さんのことは覚えていない。 いつも憂鬱なお父さん。 オブライエンさんがよく言う。 「かわいそうなアミーリア」 両親が “夫婦の絆をたしかめあうプログラム” に参加するために ルイーズのところに預けられたケイシー。 二人とも喧嘩に忙しくて息子のことを忘れてる。 よりによって多感な思春期に 親の離婚、再婚問題が浮上するのは何故だろう。 親に逆らっても結局、親の都合に振り回されるこども。 傷ついてそれで…
モヤる言葉、ヤバイ人~自尊心を削る人から心を守る「言葉の護身術」 作者:アルテイシア 大和書房 Amazon 日本に住む女性で 一度もハラスメントを受けたことがない人がいるだろうか。 セクハラ・パワハラ・モラハラ・マタハラ・・・・ 「いい奥さんになれるよ」 「あなたはみたいに私は強くない」 「悪気はないんだから許してあげたら?」 「最近の若い奴は、根性がない」 「冗談なのに、何まじになってんの?」 私が無職なのは、会社でのパワハラが原因だ。 パワハラによるメンタル崩壊→休職→退職→無職・通院中。 人事部に相談したが何も変わらなかった。 パワハラ加害者、すなわち 社内でパワーの大きい人、権力を握…
マチルダは小さな大天才 (ロアルド・ダールコレクション 16) 作者:ロアルド ダール 評論社 Amazon 小さな女の子にしかすぎないマチルダが ひどいことをする自分勝手で理不尽な大人に、 きっちり仕返しをするのが清々しく爽快な物語。 金とTVに生きる世俗的で下品なワームウッド夫妻。 我が子に何の興味も持たない最悪な親。 そんな親元に生まれた天才マチルダ。 親のせい、育った環境のせいにして哀れんでひねくれるのは簡単だが マチルダは、生まれた環境を悲観して投げやりになったりせず その頭の良さで打破していく。 バカな親とは早々に見切りをつけ、自分に見合う環境を手に入れる。 血縁だからとしがみつか…
サリーおばさんとの一週間 作者:ポリー ホーヴァス 偕成社 Amazon サリーおばさんとの一週間 ポリー・ホヴァース THE TROLLS Polly Horvath 急病になったベビーシッターの代わりに メリッサ、アマンダ、フランクの家にやってきたサリーおばさん。 サリーおばさんの語る、面白くて不思議な話に魅了される子どもたち。 でもパパは、姉のサリーに来てほしくなかったみたい。 インゲン、否、ゼンマイの話をするサリーおばさん。 インゲンを指ではさんで回転させ、はしから食べる。 インゲンを口のはしから突き出した牙みたいにして食べる。 子どもたちが嫌いなインゲンを食べながら語られるのは、 ゼ…
小さい魔女 (新しい世界の童話シリーズ) 作者:オトフリート・プロイスラー 学研プラス Amazon 魔女のイメージ。 黒マント、三角帽子、おばあちゃん。 ほうきに乗って空を飛ぶ。 大釜で何かをぐつぐつ煮る。 黒猫、カラス、杖、呪文、魔法。 魔法が使えるようになりたいと何度願ったことか。 苦しみを与えたい人間が少なからず2人、3人、あー5人はいる。 殺しはしない、楽に死なせてたまるか。 死なない程度の苦しみを 生きるのを止めたくなる苦しみを100年くらい味あわせてやる。 “小さい魔女”は、たった127才の気のいいおばあちゃん。 おしゃべりなカラスと森奥深く小さな家で暮らしてる。 1日6時間の魔…
「バカ」の研究 作者:セルジュ・シコッティ,イヴ゠アレクサンドル・タルマン,ブリジット・アクセルラッド,アーロン・ジェームズ,エヴァ・ドロツダ゠サンコウスカ,ダニエル・カーネマン,ニコラ・ゴーヴリ,パトリック・モロー,アントニオ・ダマシオ,ジャン・コトロー,ライアン・ホリデイ,フランソワ・ジョスト,ハワード・ガードナー,セバスチャン・ディエゲス,クローディ・ベール,ダン・アリエリー,ジャン゠フランソワ・ドルティエ,ローラン・ベーグ,アリソン・ゴプニック,デルフィーヌ・ウディエット,ジャン゠クロード・カリエール,ステイシー・キャラハン,トビ・ナタン 亜紀書房 Amazon バカの研究 ジャン=フ…
動物農場 (角川文庫) 作者:ジョージ・オーウェル,高畠 文夫 KADOKAWA Amazon 動物農場 ジョージ・オーウェル 前知識がなくタイトルから牧歌的な物語だと思っていた。 例えば、ケネス・グレーアムの“たのしい川べ”のような。 違った、全然違う、違いすぎる。 他のジョージ・オーウェル作品を読んでいれば想像ついたかもしれない。 人間と戦い、革命を起こし自由を手に入れた動物たち。 低俗な人間とは違う。 動物主義、七戒、不動の法律、崇高な理念。 「四本脚は良い、二本脚は悪い」 過酷な労働とひもじい生活は終わり、 働かずに安楽に暮らせる自由な生活を手に入れた。 スノーボールとナポレオンは革命…
リンゴの丘のベッツィー (望林堂完訳文庫) 作者:ドロシー・キャンフィールド・フィッシャー 望林堂 Amazon リンゴの丘のベッツィー ドロシー・キャンフィールド・フィッシャー 私好みなタイトルと表紙絵。 りんごが大好きな私は、“りんご”に引っかかる傾向がある。 原題は「Understood Betsy」 直訳するなら「理解されたベッツイー」か? 可愛くないね。 孤児のベッツィーが引きとられた先で 周りの大人に影響され影響し、成長する物語。 古典少女文学の定番。 古典少女文学に親しんでる人はデジャブ感満載だ。 孤児の少女の物語と言えば 赤毛のアンが有名。 他にもエミリー、メアリー、セーラ、ポ…
フランダースの犬 (岩波少年文庫) 作者:ウィーダ 岩波書店 Amazon この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫) 作者:西原 理恵子 KADOKAWA Amazon フランダースの犬を久しぶりに読んで号泣した。 何度読んでも号泣だ。 今回読む前に西原理恵子の「この世でいちばん大事なカネの話」を読んでいた。 だから貧乏と無知について深く考えてしまった。 ネロの祖父、ジェハン・ダースは極度に貧乏だ。 食べ物が十分にあったことは一度もない。 何も食べない日もある。 そんな家にネロは引きとられた。 80才過ぎた老人とこどもの超絶貧乏暮らし。 自力で抜け出す方法があるだろうか。 現在、日本で…
新訳 ドリトル先生アフリカへ行く (角川文庫) 作者:ヒュー・ロフティング KADOKAWA Amazon ドリトル先生 アフリカへ行く ヒュー・ロスティング 動物と会話できる医者ジョン・ドリトルと動物の冒険物語。 いわゆるGift的能力で動物と会話ができる人、 ある日突然、動物の言ってることがわかるようになった人が ドリトル先生だと思っていた。 映画はそうなっていたような。 (エディ・マーフィ主演のとロバート・ダウニーJr主演の) 違った。 ドリトルは勉強して会話できるようになった。 鳥語、犬語、猿語、etc. すごい。 動物の種類の数だけ言語がある。 ひょっとしたら人間以外の動物間共通言語…
変身 (角川文庫) 作者:フランツ・カフカ KADOKAWA Amazon 変身 フランツ・カフカ ある朝、目覚めると虫になっていた男。 グレゴールは、 虫になったことより仕事に遅刻したことにパニックを起こす。 我が身より仕事。 なんとか汽車に乗らなければ。 店の支配人を説得し、 故意にさぼってたわけじゃないと理解してもらわなければ。 自分が養っている両親と妹。 店に借金がある。 自分が働かなくては、たちまち家族が路頭に迷う。 記憶と感情はそのままで虫になったグレゴール。 ちゃんと話してるつもりでも 大きな虫が音を出してるだけにすぎない。 なぜ、虫になったのか。 人間に戻れるのか。 嘆き、怯え…
月あかりの中庭 (講談社文庫) 作者:立原えりか 講談社 Amazon 月あかりの中庭 立原えりか 1987年 12篇の短編からなる童話集。 日常の不思議な話というより、ファンタジー&メルヘン色が強い。 <新しい誕生日> この寓話に出会えただけで満足。 他はいらないかも。 もうすぐ60才の独身のはるな。 「楽しいこと何一つなくて年をとってしまった。 なんでそうなったかわからない。」 ああ、その通り。 なんでそうなったかわからない。 気づけば独身、いつも一人。 明確に意図的にそう生きている人もいるだろうが 大半は、気づくとそうなっていた。 これがホントのところだと思う。 少なくとも私はそう、気付…
ハリー・ポッターと賢者の石 J.K.ローリング 1999年 児童文学の大大大ヒット作。 映画化される前から話題になってた。 どこの本屋でも山積みで 分厚い本にも関わらず売れていた。 ひねくれてる私は、当然のようにスルー。 流行りものは興味がわかず、 まれに手にしても好みじゃないことが多いからだ。 どんなきかっけで読んだのか覚えていないが 読んだ時の衝撃は、忘れない。 頭をガーン!とやられた感じ。 これだこれだ、私が好きなのはこれだ。 こんなに好きな世界を忘れていたなんて。 魔法使い、マント、小鬼、空飛ぶほうき、百味ビーンズ、トロール・・ 目が覚めたような、 凝り固まっていた殻が割れて外へ飛び出…
クリスマス・キャロル チャールズ・ディケンズ 1843年 言うまでもなく、クリスマスの大定番。 クリスマス・キャロルは知らなくても 守銭奴で情け知らずの老人が3人の精霊と出会って善人になるストーリーは 聞いたことがあると思う。 スクルージの描写が容赦ない。 並外れた守銭奴、因業じじい、牡蠣のように人付き合いが悪い。 (牡蠣のようにとは?) 彼が通るとその低い体温で辺りを冷やす。 しかし、よくよく見れば 確かに親切ではないが、悪人でもない。 犯罪も侵さない。社会人としての義務は果たしている。 ただ、それ以上のことはしない。 強欲だが、私利私欲に走らず、贅沢もしない。 真面目に商売をして儲ける。 …
カーリー 黄金の尖塔の国とあひると少女 高殿円 2012年 第二次世界大戦前 イギリス統治下のインド 思春期の少女たち 女子校の寮生活 少女文学好きがこの設定に惹かれないわけがない。 まるでバーネットのようじゃないか。 本屋で見た時、買おうかと思ったが、 全然知らない著者で、 本カバーがアニメっぽいのが引っかかって購入しなかった。 先月、Kindleのセールで¥96になっていたのでポチった。 ¥96ならハズレ本でもいいやって思える価格だし。 結論、ハズレ。 3巻続いてる人気シリーズで、夢中になる人がいるのも理解できるが 私には合わなかった。 設定が超好みだっただけに残念だが、予想通りだったかも…
そこなし森の話 佐藤さとる 1976年 佐藤さとると言えば、コロボックル。 コロボックルと言えば、佐藤さとる(私的に!) その!佐藤さとるの短編集。 大人の今、振り返るとあれは何だったんだろうと不思議に思うことがある。 日常に不思議が散らばっていた子供時代。 子供は、不思議を不思議と思わないから 大人の方が不思議に会う回数は多いかもしれない。 大人は、出会った不思議を解明しようとする。 誰かのいたずら、うっかり、記憶違い、偶然の産物・・・ 謎解きできないともやもやする。 そんなおかしなことあるわけないと不思議を一生懸命、否定しようとする。 科学は万能ではないし、 人間が解明できないことは5万と…
孤独こそ最高の老後 松原惇子 著者は、ひとり女性の老後を応援するNPO法人SSS(スリーエス)の活動をしている。 日頃から孤独な老人を見ている。 本人もシングルの70代、前期高齢者(執筆時)。 読んでいた時は気づかなかったが私の両親と同世代と知って驚く。 軽快でちょいちょい笑わせてくれる文章と 彼女のライフスタイルが50代前半と思わせる。 両親とは随分違う。 これもひとり者とツガイの違いだろうか。 頼る人がいないってことが頭や体、果ては細胞までも強く、若くさせるのだろうか。 老人の孤独という軽くはないテーマを扱ってるが、全然重くない。 SSSという団体を通じて知るエピソードは、 ビックリでぞっ…
青い城 ルーシー・モード・モンゴメリ 1926年 The Blue Castle Lucy Maud Montgomery モンゴメリと言えば、「赤毛のアン」が有名すぎるくらい有名。 私も幼稚園児の頃、赤毛のアンでモンゴメリを知った。 赤毛のアンは、私的に好き嫌いのレベルを超えた別次元の本。 私という人間の中で重要人物の“アンと言う名の赤毛の少女”。 安易に語れない。 なので、モンゴメリ作品の中で好きな本を挙げるとしたらこれだ。 まだ自分に夢と希望を持っていた10代の終わり頃に初めて読んだ。 未来はバラ色だと思っていたはずなのに、 何故かオールドミスのヴァランシーに共感した。 無意識に知ってい…
ピノッキオの冒険 カルロ・コッローディ 1883年 嘘をつくと鼻が伸びる、木で造られたあやつり人形の男の子。 なんやかんや冒険をして最後は、願いかなって人間になる。 原作を読んで自分の記憶がどっぷりDisney的ピノキオ物語だと驚いた。 Disneyのアニメは、見ていないにも関わらず ピノキオと聞いて頭に浮かぶのはDisneyのピノキオなのだ。 恐るべしDisneyMagic! ジェッペット、善良で短気。 とんでもなく貧乏で、幸せで温和な老人というイメージと程遠い。 ピノッキオ、わがままで怠け者で誘惑に弱い、悪ガキ。 生みの父を蹴り飛ばし、家を飛び出して、追いかけてきた父は牢屋にぶち込まれる。…
かるいお姫さま ジョージ・マクドナルド THE LIGHT PRINCESS George MacDonald 物語は、誰もが耳にしたことがある昔話や童話に似てる。 お姫さま誕生の洗礼式に呼ばれなかった魔女がお姫さまに呪いをかける。 すべての重さを奪う呪い。 心もかるく 体もかるく 重さはみんな飛んでいけ。 よく考えたなこんな呪い。 かけられた本人より、周りが苦しみ、嘆き、悲しむ呪い。 飛ばされしまうほど軽いのは困るが、 もっと体が軽くなりますようにと日々願い、 何も考えない頭と心をうらやましいと思う私。 軽いから風で飛ばされてしまう。 お姫さまが身につけた物も重さがなくなる。 うっかり飛んで…
金の鍵 THE GOLDEN KEY ジョージ・マクドナルド George MacDonald 虹のたもとで金の鍵を見つけた男の子モシー。 母親を亡くし、父親と召使いに放置された女の子タングル。 二人が一緒に鍵穴を見つける旅に出る物語。 タングルが妖精の悪戯から逃げて迷い込んだのは 妖精の国のおばあさまの家。 不思議なおばあさまの導きで旅に出る二人。 目的は、金の鍵の鍵穴を探すこと。 箱の鍵なのか、家の鍵なのか誰も知らない。 いつの間にか、はぐれてしまう二人。 一人になっても旅を続ける。 海の老人、大地の老人、火の老人に導かれ再会する二人。 何度読んでも疑問がいっぱいな物語。 文字を追ってるう…
去年の今頃だったか、 本屋の児童書コーナーを物色してた時、出会った。 この2冊を見つけた時の喜びをどう表現したらいいだろう。 嬉しすぎて思わず「いやん♪」て、言いそうになった。 マクドナルドとセンダック、翻訳は、脇明子。 これを最強タッグと言わずして何と言う。 そして、安心、信頼の岩波書店。 買わない理由がない。 本の装丁が、残念ながら誰の仕事かわからないが、素晴らしい。 表紙の色は、淡く落ち着いた黄色と緑。 そこにセンダックの繊細な線画。 表紙をとってみれば、紺地に金色で描かれた絵。 ウィリアム・モリスのいちご泥棒を思い出した。 美しい。 どこかカフェでも入ってすぐに読みたいと逸る気持ち。 …
森おばけ (福音館創作童話シリーズ) 作者:中川 李枝子 株式会社 福音館書店 Amazon 小学校の図書室で借りていた。 転校前だから小学生の低学年。 何度も借りていた。何度も借りるくらい好きだった。 大人になってこの本のことは、うっすらしか覚えてなくて、 タイトルも内容もおぼろげ。 “ゆらりさん”とかいう名前のおばけが森に住んでいて。 本の表紙は、水色っぽくて・・。 物語より、何度も何度も読んだことを強く覚えていた。 ある時、本屋の児童文学コーナーを眺めていて見つけた。 見てすぐわかった。 「そうだ、森おばけってタイトルだった!」 手に取ってパラパラと拾い読み。 森に住んでるから森おばけ。…
ため息の行方 (りぼんマスコットコミックスDIGITAL) 作者:陸奥A子 集英社 Amazon 乙女チック。 陸奥A子の作品を乙女チックと言わずして何という。 とくに、80年代の作品は、乙女チックと可愛い(KAWAIIではない)が盛り盛り。 夢中だった高校生の私は、この中に住みたいと願った。 栄光高校に通う。 休みの日は、にんじんデパートで買い物。 まきこ堂のオルゴールと、手作り雑貨を部屋に飾る。 寒い冬は半纏を着て、馬男(子犬)と散歩に行く。 ギンガムチェックの制服で制服デート。 眼鏡かけた学者や研究者っぽい彼氏。 クラスメイトの伝言、公衆電話、駅で待ち合わせ。 奇をてらった話や描写はない…
少女ポリアンナ 作者:エレノア ポーター 偕成社 Amazon 少女ポリアンナ ポリアンナの青春 エレノア・ポーター 著 この本は出版された1913年、 アメリカで100万部売れた大ベストセラー。 苦しい環境にいても嬉しいことを見出す。 悲しみより嬉しさを追求する。 ポリアンナの生き方に共感、影響された人は多かったようだ。 孤児になった11才のポリアンナが 独身のポリー叔母さんに引き取られるところから物語が始まる。 ポリアンナは超ポジティブ、楽天的。 どんなにつらい事にも嬉しいことを見出すゲーム、 嬉しい探しゲームが好き。 人形が欲しかったのに、慈善箱に入っていたのは松葉杖。 でも松葉杖を使わ…
魔女のパン (オー・ヘンリーショートストーリーセレクション 3) 作者:オー ヘンリー 理論社 Amazon 小さなパン屋を営む40歳で独身のミス・マーサ・ミーチャム。 貯金は2000ドルある。 マーサは、いつも売れ残りの値引きしたパンを買っていく客を ちょっとした事から貧乏画家と思い込む。 服はヨレヨレだがとても礼儀正しい。ドイツなまりの中年男。 マーサは、自分の豊かな食事を見て思う。 貧乏画家の彼は、すきま風の吹き込む屋根裏部屋で 売れ残りの固いパンを食べている。 日に日にやせ細っていく。 私の美味しい食事を一緒にすることができたらいいのに。 才能ある天才の貧乏画家が 2000ドルの貯金と…
(愛蔵版)魔法があるなら 作者:アレックス・シアラー PHP研究所 Amazon 邦題が気に入らない。 “魔法”に惹かれてファンタジーを期待した人は、は?てなる。 確かに小見出しに“魔法があるなら”とあるけど・・。 この本が出た頃、 世界中で「ハリー・ポッター」が大ブームになっていた。 その大ヒットにあやかりたかったのか 当時、“魔法”と名の付く本が増えてた記憶がある。 本文に出てくる、 「世界でいちばんすてきなデパート」が良いんじゃないかな。 「世界でいちばんすてきな いちばんワクワクするデパート」 どんなところだろう。 伊勢丹とか三越みたい? イギリスが舞台だからやっぱりハロッズデパートみ…
ブルーベリー・ソースの季節 (ハリネズミの本箱) 作者:ポリー・ホーヴァート 早川書房 Amazon シングルマザーのヘンリエッタと娘のラチェット。 ヘンリエッタは、娘を愛しているようには見えない。 ブランドやセレブが大好きなペラペラな港区女子みたいな女。 ひきかえ娘のラチェットは、そんなものに興味のないおとなしい子。 ラチェット13歳の夏、 遠縁の遠縁の親戚の91歳の双子、ティリーとペンペンの家、 グレン・ローザ壮に預けられる。 夏中、ヘンリエッタがラチェットから解放されるために。 ティリーとペンペン。 91歳という高齢で、無免許運転、猟銃をぶっ放し、一日中酒を飲む。 電話は着信のみ、発信で…
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