<恐れることはない。私は、あなたの父ヨナタンのために、あなたに恵みを施したい。(Ⅱサム9:7)>イスラエル全土をおおよそ制圧したダビデは(Ⅱサム8:15)、気持ちに余裕ができたからか、ヨナタンとの契約(Ⅰサム20:15)を思い起こし、サウルの家の者を祝福したいと考えた。<恵みを施したい>と、この章で実に三度も繰り返して言う(1、3、7節)。サウル家は、ダビデを散々苦しめたのにも関わらずである。すると、サウル家唯一の生き残りではないが、サウルの子、ヨナタンの子、メフィボシェテが見つかった。サウル王の孫でありながら、今では、ロ・デバル(牧場がない、の意)の地にひっそりと住んでいて、しかも足なえであ…