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  • 小野友五郎⑤「いつの間にか航海術の第一人者になってました」

    引き続き、わたくし名無しの通詞が語らせて頂きます。小野友五郎先生が、スワルト航海術書を翻訳した『渡海新編』とはいかなるものだったのでしょう?原本は残されていませんが、内容を推定すると以下の通りです。第一巻 航海の大意、経緯度の解説、羅針儀と航程儀の使用法第二巻 加減・乗除・平面三角法第三巻 トラバース表と東西表の構成、中分緯度航法第四巻 漸長緯度表の構成、漸長緯度航法 *1おそらく翻訳をした友五郎先...

  • 木村喜毅⑩「長崎海軍伝習所の温厚な二代目総督」

    木村には、学問の同門に岩瀬忠震がいた。岩瀬忠震とは、「幕末の三傑」と評される幕府きっての頭脳を持つ外国奉行(外交官僚)だ。木村は彼と極めて近しい間柄で、親しげな書状が何通も残っている。のちに岩瀬は不遇のまま死を遂げるが、最後まで見舞い、その名誉回復に尽力したのも木村だった。彼の薫陶と後押しによって、木村は異例の出世を果たす。安政2(1855)年。26歳で講武所出役を命じられ、西の丸目付に抜擢された...

  • 木村喜毅⑨「勝麟太郎との因縁のはじまり」

    この咸臨丸渡航を機に、福沢諭吉は木村喜毅を終生にわたり慕い続けることになる。心より木村の人間性に好意を抱いた諭吉は、以後の渡航中も実にかいがいしく働いた。それを物語る木村の談話がある。要約すると「他の従者は皆ヘトヘトで役に立たぬ中、福沢先生だけは独り平然と船にも酔わずにいた。私の介抱をして飲食衣服の世話をし、実に熱心に働いてくれたのには感心した。アメリカへ着いた後も、始終こまめに働いて、私が風邪を...

  • 小野友五郎④「スワルト航海術が解けるんですか?!」

    はじめまして。わたしは幕府天文方に勤める通詞(通訳官)です。名前は…まだありません。なにせこれを書いている人が、友五郎先生の業績を語りたいがために、勝手に作り出した架空の人物ですから。せめて名無しの通詞とでも名乗っておきましょうか。さて、私どもは今、大量の書物を前に一心不乱に翻訳作業にとりかかってます。もう何か月もろくに寝ておりません。皆は青白い顔をして、目の下には隈を作り、ぶつぶつと呪文のように...

  • 小野友五郎③「江戸時代の武士は九九も知らないって?!」

    わしは笠間藩の小野友五郎の上役じゃ!名前は…まだない。なにせこれを書いてる輩が、友五郎の業績を語りたいがために、勝手に作り出した架空の人物だからのう。せめて名無しの家老とでも名乗っておくか。さて、友五郎の立身出世の道筋を語るとしよう。あれは友五郎36歳の頃…わしは友五郎にこう申しつけたのじゃ。名無しの家老「小野友五郎、おぬしには幕府天文方への出役を命じる」小野友五郎「は?幕府の機関へなど恐れ多いこと...

  • 木村喜毅⑧「福沢諭吉が心を開いた瞬間」

    (やはり木村さまは大した人物だ。そういえば…)と、諭吉は昨日の騒ぎを思い出した。いつも通り、木村の介抱をしにくると、部屋一面にドル(メキシコ銀貨)が散乱している。「これはどうしたことだ?!」狼狽する諭吉だが、おそらく昨夜の大嵐で袋に入れてあったドルが投げ出されたのだろう。諭吉は急ぎそのドルを拾い集めて、元に戻すという一幕があった。このドルの正体は、木村の私費だ。驚くべきことに、木村はこの航海にあた...

  • 木村喜毅⑦「咸臨丸の救世主たち」

    かねてより木村は、太平洋横断を大いに危ぶんでいた。「日本人だけで真冬の大洋に乗り出すのは無謀すぎる。成功させるには、経験豊富な熟練したアメリカ人船員の助けが絶対に必要だ!」そこで木村は密かに、アメリカ公使ハリスに助言を求めた。すると…「おお、それならうってつけの人物がいますよ!アメリカ海軍のブルック大尉です。日本近海で台風に遭遇して船が大破し、乗組員11名とともに、やむなく横浜に上陸逗留しているの...

  • 04/22のツイートまとめ

    Hg9Dy5EZmFr9OB4 読書メモ【川崎尚之助と八重】大河ドラマ「八重の桜」で、長谷川博己さんが演じた八重の最初の夫・川崎尚之助の生涯。昔のドラマでは八重を置いて逃げた男として描かれたけど、実は一途な男だったことが判明!誤解が解けてあの世の尚之助さんもほっとしてるかな。良かった良かった^^#歴史 #読書 https://t.co/GFJv4O2ez9 04-22 16:42 読書メモ【へその曲げ方】幕末の会津藩家老・西郷頼母が主人公。偏屈な嫌わ...

  • 04/22のツイートまとめ

    Hg9Dy5EZmFr9OB4 読書メモ【川崎尚之助と八重】大河ドラマ「八重の桜」で、長谷川博己さんが演じた八重の最初の夫・川崎尚之助の生涯。昔のドラマでは八重を置いて逃げた男として描かれたけど、実は一途な男だったことが判明!誤解が解けてあの世の尚之助さんもほっとしてるかな。良かった良かった^^#歴史 #読書 https://t.co/GFJv4O2ez9 04-22 16:42 読書メモ【へその曲げ方】幕末の会津藩家老・西郷頼母が主人公。偏屈な嫌わ...

  • 小野友五郎②「笠間藩の天才数学者」

    拙者の名は、小守七郎兵衛と申す。小野友五郎の実兄だ。このたび、わが弟は『将軍謁見』の栄誉を賜った。どうだ、凄いだろう?将軍様に御目見できるのは、幕臣といえども、旗本以上の限られた存在。それがまさか、陪臣(※家臣の家臣。幕府に仕える直参ではなく諸藩の藩士)である友五郎が、単独で将軍様に拝謁できるとは!小野家…いや。笠間藩のお殿様にいたるまで、名誉なことだと狂喜乱舞しておる。ん?そもそも「小野友五郎なん...

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