スキューバダイビングでも役立つ手話 み
鬼洗いに列車は黙して止まる み
小晦日(こつごもり)、タクシー拾い「この住所」 み
チューニングずれたギターで年忘れ み
狸よ、見つめるだけじゃ伝わらない み
マッチを擦れ、鰭酒(ひれざけ)の蓋を取るぞ み
OBの自慢話に凍(こお)る箸 が
プジョーに乗ってサンタが帰ってきた み
ボーナスは有馬記念にオールイン み
住職かジングルベルのハミングは み
机下(きか)に紹介状を差出す冬至(とうじ) み
爪半分が紫色の冬日(ふゆび) み
焼き芋の皮にスポーツ紙の転写 み
開かずの蔵を開ける。湿気寒(しけさむ)の風 み
痛風(つうふう)に、塩雲丹(しおうに)、海鼠腸(このわた)、唐墨(からすみ) み
宿坊で私にとっての初雪 み
畳を替えれば縁(へり)に二度躓(つまづ)く み
レントゲン写真の如く冬木(ふゆき)折れ み
駅舎出てゴチャゴチャ消えて冬の空 み
手袋と手袋の握手。冬山 み
ティンパニー、練習室にひとり。冴(さ)ゆ み
平穏の日々を乱すな冬薔薇(ふゆそうび) み
戸を開け放て。隙間風(すきまかぜ)はなくなる み
首都高下りる。ビル街へ冬日没(ふゆひい)る み
タオルを畳む。冬陽(ふゆひ)の香(か)を折り込む み
マップではこのあたり。北山時雨(きたやましぐれ) み
買った葱(ねぎ)を持ったまま妻を見舞う み
12月、星を継ぐものに幸あれ み
コートを着たまま入(はい)るのが礼儀だ み
そうやないんや生きていけ枯れ葎(むぐら) み
スタジアム出てすぐに鍋焼きうどん み
もう師走。『スピード感』の『感』はダメ み
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スキューバダイビングでも役立つ手話 み
夕凪や前髪が長かったのね み
幸せの皺寄せが来る胡蝶蘭 み
避暑の地はバブル時代の別荘地 み
ビル群が川に飛び込む熱帯夜 み
吊り橋のワイヤーが刻む夕焼け み
街灯が点(つ)くをためらう夏夕べ み
夏富士に その軽装? そうなんです み
居酒屋でウミガメのタマゴを食べた み
「扉を閉めて」と鳴くのか冷蔵庫 み
夏布団を蹴り上げ、くるっと回す み
ただ、氷河時代の終わりが来ている み
グローブのクリームパンの雲の峰 み
船乗りの歌は夏風、重い明日 み
ハイビスカスの庭にジープを停める み
水牛の背が臭う、ブーゲンビリア み
夏の雨にテールランプの点描 み
ハンゲショウの花が「ここよ」と誘惑 み
解剖医もカーボーイも玉の汗 み
蝸牛(かたつむり)は平和になっては困る み
野菜室に冷酒(れいしゅ)を2本 ガタガタ み
超写実主義に色鉛筆の裸婦 み
江ノ電にサーフボードが長すぎる み
「寝冷えした」と鼻声の電話が来る み
『ムラサキ』と呼ばないでね 『ラベンダー』よ み
三角のスイカにおまじないの塩 み
隣席の扇子、汗の臭いを撒く み
百日紅(さるすべり)は庭箒(にわぼうき)もピンク色 み
夏負けに鏡は「どちらさま?」と問う み
湯畑の煙が竦(すく)む炎天下 み
フェラーリもオーバーヒート気味に灼く み
野外授業に固執し熱中症 み
強引に雨の季節に七夕よ み
日本銀行券(にっぽんぎんこうけん)が欲しい小暑 み
電車待つ脹脛(ふくらはぎ)、蚊の刺され痕 み
鮎釣りの前泊の夜半(よわ)、雨催い み
雨傘よりも日傘が相合傘 み
「もう帰るわ」という目で団扇(うちわ)を置く み
黒百合よ市民らとリスクを語れ み
毒々しき色の蛙もケロケロ み