支柱を貸すからまだ伸びろ向日葵(ひまわり) み
『ゲジゲジ』と名付けられては遣る瀬無し み
赤とんぼ♪のイントネーションを自慢 み
薄霧(うすぎり)に影が横切る『黄』点滅 み
夏と秋、行合(ゆきあ)う空にジェット雲 み
文机(ふみづくえ)の上に乱雑な残暑 み
鉄の身体(からだ)を望み 螺子(ねじ)になる虫 み
本名は『桔梗(ききょう)』というの美青年 み
蟇(ひきがえる)、なぜか全員こっち向く み
入力予測に君の名が出る処暑(しょしょ) み
織女(しょくじょ)にブラックホールの誤解説 み
柚子の皮、削(そ)いで捻(ひね)ってマティーニへ み
枝豆は湯を沸(わか)しといてから穫(と)る の
火串(ほぐし)に射た小鹿の親…そこに居る み
夕凪(ゆうなぎ)に胸の騒ぎがひとつづつ み
炎(も)える鉄路、潮風、浜木綿の花 み
鬼灯(ほうずき)の実をプチュと赤き唇(くちびる) み
墓参り、バス待つうちに過雨(かう)乾く み
音もなく狂う台風、二重窓 み
帰省の目的は エアコンの掃除 み
浜に光る煙は花火大会 み
「コレガ盆だんすデスカ?」 ちょちょんがちょん み
婆さんの髪掻き乱し初嵐 み
八月や歴史は韻を踏むのかと み
液状化の地に 蝉時雨(せみしぐれ)が戻る み <東日本大震災から12年年目の夏です>
車高短(しゃこたん)のシルビアが晩夏を走る み
鈴鹿8耐おわり、東名阪 み
機影を見送るデッキに秋を待つ み
新橋の赤ら顔らの夏の果 か
墓標を読め みな若者 向日葵(ひまわり)よ み
熱帯夜、ランナーひとり靄(もや)の中 み
雷雨去る。タンクトップの肩光る み
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支柱を貸すからまだ伸びろ向日葵(ひまわり) み
スキューバダイビングでも役立つ手話 み
夕凪や前髪が長かったのね み
幸せの皺寄せが来る胡蝶蘭 み
避暑の地はバブル時代の別荘地 み
ビル群が川に飛び込む熱帯夜 み
吊り橋のワイヤーが刻む夕焼け み
街灯が点(つ)くをためらう夏夕べ み
夏富士に その軽装? そうなんです み
居酒屋でウミガメのタマゴを食べた み
「扉を閉めて」と鳴くのか冷蔵庫 み
夏布団を蹴り上げ、くるっと回す み
ただ、氷河時代の終わりが来ている み
グローブのクリームパンの雲の峰 み
船乗りの歌は夏風、重い明日 み
ハイビスカスの庭にジープを停める み
水牛の背が臭う、ブーゲンビリア み
夏の雨にテールランプの点描 み
ハンゲショウの花が「ここよ」と誘惑 み
解剖医もカーボーイも玉の汗 み
お昼は『簡単』に冷やし中華でも み
江戸風鈴 ペアグラス 木端微塵(こっぱみじん) み
野菜室に冷酒(れいしゅ)を2本 ガタガタ み
超写実主義に色鉛筆の裸婦 み
江ノ電にサーフボードが長すぎる み
「寝冷えした」と鼻声の電話が来る み
『ムラサキ』と呼ばないでね 『ラベンダー』よ み
三角のスイカにおまじないの塩 み
隣席の扇子、汗の臭いを撒く み
百日紅(さるすべり)は庭箒(にわぼうき)もピンク色 み
夏負けに鏡は「どちらさま?」と問う み
湯畑の煙が竦(すく)む炎天下 み
フェラーリもオーバーヒート気味に灼く み
野外授業に固執し熱中症 み
強引に雨の季節に七夕よ み
日本銀行券(にっぽんぎんこうけん)が欲しい小暑 み
電車待つ脹脛(ふくらはぎ)、蚊の刺され痕 み
鮎釣りの前泊の夜半(よわ)、雨催い み
雨傘よりも日傘が相合傘 み
「もう帰るわ」という目で団扇(うちわ)を置く み