支柱を貸すからまだ伸びろ向日葵(ひまわり) み
『評価5』の宿なの通気口に黴(かび) み
冷酒(ひやざけ)は室温、冷酒(れいしゅ)は冷えてる み
サラダにレタスの外葉(そとば) 吾(あ)は青虫 み
母から宅配便来(く)る。夏蜜柑 み
滝の音(おと)とか 子らの声(こえ)とか 和(なご)む み
鰻の蒲焼のタレだけ当選 み
キーキーと網戸が開(あ)く隣戸の朝 み
鳥の世は雄のみ鮮やか瑠璃(るり)色 み
お見舞いに百合はダメよと念押され み
夏至の夜(よ)はル・マンのトレーラーの夢 み
挙手(きょしゅ)して静脈(じょうみゃく)が透く浴衣(ゆかた)の人 み
巨樹を背に梅雨(ばいう)の雫(しずく)が手にある み
田植は 力はいらないが 疲れる の
はじめて生き物を飼う金魚を飼う み
紫陽花(あじさい)の接写に秘術の霧吹き み
貧乏と知ってか黄金虫(こがねむし)来たる み
転がる空き缶 踏み止めた白靴 み
冷奴。直角、直角、直角 み
病室に窓の光は夕若葉 み
香水の瓶は鏡台(きょうだい)の女王(じょおう)よ み
時の記念日。「タキオン発見さる!」 み
さくらんぼ、メロンソーダに浮力得る み
赴任地へバス乗り継ぐ間の麦秋(ばくしゅう) か
皐月波(さつきなみ)、眼鏡(めがね)に汐(しお)の拭けもせず み
嚔(くしゃみ)してぎっくり腰で夏の雲 み
夜半(やはん)まで紅ガーベラの熱放射(ねつほうしゃ) み
焚き付けを扇(あお)げば魔人(まじん)出る団扇(うちわ) み
青岬(あおみさき)、水平線を弧に曲げる み
よっちゃんの従妹(いとこ)かもね、この蚕豆(そらまめ) み
籐椅子(とういす)の脚(あし)に嚼(か)ませし数ⅡB(すうにびい) み
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支柱を貸すからまだ伸びろ向日葵(ひまわり) み
スキューバダイビングでも役立つ手話 み
夕凪や前髪が長かったのね み
幸せの皺寄せが来る胡蝶蘭 み
避暑の地はバブル時代の別荘地 み
ビル群が川に飛び込む熱帯夜 み
吊り橋のワイヤーが刻む夕焼け み
街灯が点(つ)くをためらう夏夕べ み
夏富士に その軽装? そうなんです み
居酒屋でウミガメのタマゴを食べた み
「扉を閉めて」と鳴くのか冷蔵庫 み
夏布団を蹴り上げ、くるっと回す み
ただ、氷河時代の終わりが来ている み
グローブのクリームパンの雲の峰 み
船乗りの歌は夏風、重い明日 み
ハイビスカスの庭にジープを停める み
水牛の背が臭う、ブーゲンビリア み
夏の雨にテールランプの点描 み
ハンゲショウの花が「ここよ」と誘惑 み
解剖医もカーボーイも玉の汗 み
お昼は『簡単』に冷やし中華でも み
江戸風鈴 ペアグラス 木端微塵(こっぱみじん) み
野菜室に冷酒(れいしゅ)を2本 ガタガタ み
超写実主義に色鉛筆の裸婦 み
江ノ電にサーフボードが長すぎる み
「寝冷えした」と鼻声の電話が来る み
『ムラサキ』と呼ばないでね 『ラベンダー』よ み
三角のスイカにおまじないの塩 み
隣席の扇子、汗の臭いを撒く み
百日紅(さるすべり)は庭箒(にわぼうき)もピンク色 み
夏負けに鏡は「どちらさま?」と問う み
湯畑の煙が竦(すく)む炎天下 み
フェラーリもオーバーヒート気味に灼く み
野外授業に固執し熱中症 み
強引に雨の季節に七夕よ み
日本銀行券(にっぽんぎんこうけん)が欲しい小暑 み
電車待つ脹脛(ふくらはぎ)、蚊の刺され痕 み
鮎釣りの前泊の夜半(よわ)、雨催い み
雨傘よりも日傘が相合傘 み
「もう帰るわ」という目で団扇(うちわ)を置く み