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医者任せにしない!うつ病を克服した私の治療体験記 https://www.mental5.com/

うつ病は「見えない病気」だからこその治療と理解の難しさがあります。うつ病を克服した私の経験をもとにサイトを立ち上げましたので少しでも多くの方に読んで頂けたら幸いです。

himemayu
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2021/06/27

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  • 自分さえ我慢すれば・・・

    自分が揉め事の中にいる時、「自分さえ我慢すれば…」と思うことはありませんか。 もうこれ以上問題を大きくしたくないし、今まで解決を試みたけれど何の進展も無かった場合、そんな想いはより大きくなるように思います。 でも、本当に「自分だけが我慢すれば全て円満に治まる」のでしょうか? ・あなただけが、心の中に言いたいことをしまうのです。・あなただけが、周囲の顔色をうかがって神経を使うのです。・あなただけが、疲弊するのです。 あなたが何も言わずに全てを受け入れていれば、確かに周囲の人にとっては「全て良し」かも知れません。 その反面、おそらくあなたの心の中には、言い表しようのない『何か黒いモノ』が、どんどん…

  • 「ネット友人」という心のオアシス

    現代社会を見ていると、これだけインターネットが普及しながら、ネット上で人と繋がることをあまり良しとしていません。 ネットを介した人間関係から犯罪に発展するケースばかりが取り上げられているからでしょう。 さて、あなたがうつ病に関する情報を集めようとする時、何を使って調べていますか? 主にインターネットではないでしょうか? うつ病者と言えど、多少体が動くようになればパソコンくらいは触れます。しかし人とはできるだけ会いたくない、話したくない。 ではどこに情報源を求めるか。 書籍かインターネットしかありませんね。 ある程度、うつ病に関する情報を手にすると、今度はブログやサイトの管理人に対する関心も芽生…

  • 「できること」探し

    うつ病になると、とにかく自分の「できないこと」ばかりに目が行きやすくなりませんか? 以前はできていたことができない。以前のように頭が働かない。以前のように活動できない。 できない、できない、できない・・・。 ずっとこの思考が続くのだとすれば、うつ病者が常に落ち込みの渦の中にいるのも納得ですよね。 症状が重い時はそれでも仕方ありません。これがうつ病という病気の症状なのですから。 ちょっと視点を変えてみたいのが、少し症状が軽くなってきた頃。家の中であれば動けるようになってきたり、パソコン操作くらいならできるようになったり、何もできず伏せっていた頃から多少なりとも回復してきた頃です。 この時にぜひや…

  • 今、休養が必要だったからこそ、その病気と出会ったのだと

    一旦うつ病になると、数日から数週間では完治することはありません。 よっぽど軽症の場合は割と早いうちに治ると聞いていますが、一般的に言って、うつ病の原因は根深いところにあるのが通常なので、ちょっと薬を飲んで休んだから治る、というような簡単なものではありません。 そうすると、どうしても3ヶ月~数ヶ月、あるいは一年二年という歳月をかけて治療していくことになるわけです。この間、仕事を辞めて休養し、治療に専念することになった人も決して少なくありません。 休養期間が長期化するにつれ、うつ病患者の心は一抹の不安を感じていきます。 こんなに無職の期間が続いて大丈夫なのだろうか?ちゃんと社会復帰できるのだろうか…

  • 「決断はするな」でも「決断しなければならない」こともある

    インターネットのうつ病サイトや、うつ病に関する書籍などを見ていると、「うつ病の人は、重要な決断をすることは避けましょう。」という文章を非常によく目にします。 実は、個人的には、この考え方は「?」と思うのです。 うつ病の原因が会社にあった場合、それでも退職の判断は避けなければいけないのでしょうか?うつ病のために休職する=退職することに繋がっている会社の方が多いのではないでしょうか?うつ病が夫婦問題に起因する場合、それでも別居や離婚は避けなければいけないのでしょうか? 原因となる事柄や環境からできるだけ離れるのが、うつ病治療の一つのポイントであるはずです。ならば、退職や離婚といった決断も、時には必…

  • 「できない自分」を認めることと「できた自分」を褒めること

    うつ病になると、思考力や行動力が、本当に低下します。 「やらなきゃ」ということは十分に理解していても、実際の行動に結びついていきません。これが更にうつ病の人を苦しめます。 「やらなきゃいけないのに、できない」ということが多くなると、自分をどんどん責めて追い詰めるようになります。仕事に関わることなどでは、同僚や取引先に迷惑をかけますから、自責の念は更に強くのしかかるばかりです。 抑うつ症状に拍車をかける、いわゆる「スパイラル」の発端ですね。 一方で、ささやかなことでも「できた」ということも存在するのではないでしょうか? 今日は朝気持ち良く起きることができた。昨夜は眠ることができた。少しだが仕事を…

  • 自分自身で病気と薬を知ること

    このサイトには、うつ病に関する様々な情報が網羅されていますが、そんな中でも私が訴えたいのは「自分自身で病気と薬のことを知る」ということです。 医者にかかるのに、いちいち自分の病気を調べることは、通常は少ないのではないかと思います。専門家である医者に任せれば、効く薬を処方してもらえるからそれで良いと、そんなふうに自然と感じてしまっているのかも知れません。 通常はそれでもまあ良いのですが、うつ病の場合はそうはいかないと思っています。 うつ病の場合、思考力と行動力が著しく低下し、自分一人で抱え込むため協力者に乏しくなります。従って、どうすれば自分の病気を改善できるか、などということを積極的に考えるこ…

  • 突然のパニック症状に負けないセルフ対策法

    うつ病の人はパニック障害も併発しやすいとも言われています。 なぜ併発するのか、なぜうつ病とパニック障害という組み合わせなのか、その詳しい原因については明らかになっていない様子ですが、実際に両方の症状を持っている人は決して少なくない印象があります。 そこで今回は、うつ病者が併発しているケースの多い「パニック障害」について、それは一体どんな症状を起こすものかを整理し、セルフ対策について考えてみたいと思います。 以前にも「突然顔を出すパニック症状への対処」というテーマで記事を書きましたが、あの記事から時間を経て、私自身がさらにパニック発作を数回経験した今、大切なことを改めて整理しておきます。 まずパ…

  • 突然顔を出すパニック症状への対処

    うつとパニック障害はよく併発すると言われていますが、実は、うつがある程度寛解してからも突然パニック症状が起こることがあります 一度パニック障害を経験すると、体がその仕組みを記憶してしまうのか、強いストレスがかかった時に症状が顔を出すことがあります。 うつが寛解してきて、かなり普通の生活を送れるようになってからでも、生きている以上は様々なストレスに晒されていると言えます。 例えば私は、うつ治療を数年続けてきて今では寛解生活を送っていると言えますが、良くないことが立て続けに起こった時、人からきつい言葉を何度もかけられた時などは、自分に大きく重たいストレスがかかるのを感じます。 そういう時によく起こ…

  • 自分の症状に合わせた「落ち込み解消法」

    製薬会社やうつ経験者などによる「落ち込み解消法」として、これらのことがよく挙げられています。 ・無理をしない・心配しすぎない・ゆっくり入浴する・好きなものを食べる・おしゃれをする いずれも、うつ病者が度を超えて頑張ったり自省しすぎることでもあり、うまくバランスをとって自分自身に余裕を持たせた方が良い、という点ではとても納得がいくものです。 ただしうつ症状には段階がありますので、自分の状態をよく知った上で「今の自分にはどういった落ち込み解消法が適切か」を判断して下さい。 例えば、うつ前段階では、まだ頑張れている・コントロールが何とか利いている状態であることから、「無理をしない」「心配し過ぎない」…

  • ハーブの癒し

    人間の心身に作用すると言われるハーブ。 入浴剤、ハーブティー、アロマエッセンスなど、今や私達の生活に万遍なく溶け込んでいるアイテムです。 疲れを癒すラベンダー、元気が出るローズマリー、深い眠りに誘うゼラニウム、頭をスッキリさせたい時のミントなど、ハーブにはそれぞれ「得意なシーン」があり、上手に使い分けることで私達の心身をより快適な状態に持っていくことができます。 私が個人的に好むのは、ラベンダー、ローズマリー、ゼラニウム、カモミールあたりで、疲れた時にはラベンダーのオイルでマッサージをしたり、穏やかな気持ちになりたい時はカモミールティーで心から温まったりしています。 時々、深く独特の香りがある…

  • カウンセラーの選び方

    うつ病だけでなく、様々な場面で力強い存在となってくれるのが「カウンセラー」ですね。 私自身、何件かのカウンセリングルームに問い合わせたり実際に出向いたりした結果、とても素晴らしいカウンセラーさんと出会うことができました。 さて、それではどういう条件が整っていれば「素晴らしいカウンセラー」となり得るのでしょうか? ・認定カウンセラーであること?・臨床心理士であること?・立派なカウンセリングルームを持っていること? 私の考えでは、素晴らしいカウンセラーかどうかは少なくとも「資格」には左右されません。 何故ならば、人の心を受け止める職業だからこそ、資格という表面的な要素だけでその力を測れるものではな…

  • 睡眠薬と副作用の理解を深める

    うつ病になると、どうしても「不眠」という症状と付き合うことになります。不眠のタイプは人それぞれなのですが、大きく分けると 〔寝付けない〕〔夜中に目が覚めて、それ以降眠れない〕〔早朝に目が覚めて、それ以降眠れない〕 …の三つに分類されると言われています。 必ずしも、この三つのどれかに当てはまる、というわけではなく、「寝付けなくて、やっと眠れたと思ったら早朝に目が覚めてしまってもう眠れない」というように、症状が混ざることも多々あります。 私の場合を例にとっても、ある時期はとにかく寝付けなくて非常に苦労しましたし、またある時期はどうしても早朝に目が覚めてしまって辛かったこともあります。 そういうわけ…

  • 治療に役立つ書籍を読む

    うつ病に関する書籍はたくさん出ていますが、中でも実際に私や私の家族が参考書として読んでいたものを、ご紹介しましょう。 精神科セカンドオピニオン 2という本ですが、これは、四国のある精神科医師と患者家族が協力して作り上げた、他に例を見ない優れた書籍です。 何より、患者が自らの誤診と誤処方からくる苦しみをいかにして乗り越えてきたか、その実録が記されているので、同じ精神疾患を患う者として、非常に共感して読むことができます。 どのような症状に対し、医師がどんな診断と処方を行ったか。その結果、患者にはどのような症状が見られたのか。 そのような、いわゆる学術書の類ではわからないことが盛り込まれています。 …

  • うつ病患者の掲示板

    人に会いたくない、話したくないというのが抑うつ症状の特徴的なところで、人との関わりをできるだけ排除しようとしてしまいます。 結果として、他人とは最小限の交わりしか持たず、家に閉じこもることが多くなるため、とても孤独になりやすいのです。 本人にとってそれが気楽なのであれば、それはそれで良いのですが、「うつ病患者同士のネットワーク」を覗いてみるのも、良いのではないかと思います。 家に閉じこもりがちになるのは、どのうつ病患者も同じことで、おのずとパソコン画面に向かう時間も多くなってきます。 そんなうつ病患者同士が、インターネット上で交流しているのを知っていますか? WEB検索で「うつ病 掲示板」と打…

  • 自分なりのリラックス法を持とう

    抑うつ症状がひどい時には、自分からリラックスしようなどという気分には、とてもなれないものです。ですが、心と身体をリラックスさせることは、本当はうつ病にはとても大切で回復にも効果的なものなんです。 あなたが一番リラックスできることは何ですか? その人によってリラックス方法は様々でしょう。音楽を聞くこと、温泉にゆっくり浸かること、美味しい物を食べること、マッサージに行くこと、ベッドの中でのんびりすること・・・ 何でも良いのです。あなたが一番良い気持ちになれることが大切です。もし、そう感じられるものがあるなら、機会を作って是非行って下さい。 どうしようか迷って決められないかも知れませんが、やればきっ…

  • 依存症を知る

    うつ病患者に依存症を持つ人が多いのは、知っていますか? 一番関連性があると言われているのが、アルコール依存症です。これには、うつ病からくる不安感やイライラなどを解消するためにお酒を飲む場合と、アルコール依存症によって不安感や不眠などの症状を訴える場合があります。 もともとアルコール依存症の人は、精神的に負荷に弱いという傾向があるそうで、弱さから逃げるためにアルコールが手放せなくなり、どんどん深みにはまっていく、というような図式になるということです。 アルコール依存症の約6割がうつ病を併発していると言いますから、驚きです。 なお、アルコール依存症については、アルコールが薬の血中濃度を高めてしまい…

  • 薬剤治療とカウンセリングと休養の三要素

    うつ病の治療に欠かせない三要素があります。 それは、薬剤治療・カウンセリング・休養です。 薬剤治療に関しては、他のページで十分解説したつもりですが、現在の精神医療では「副作用度外視の多剤処方」が当たり前になっているため、ただ漫然と処方された薬を受け取っているだけでは意味がありません。 自分に必要な薬は一体何なのか、抗精神病薬の薬害が現れていないか、多剤処方ではないかなど、患者として「知ろう」という意識はきちんと持っておくべきです。 カウンセリングについてですが、大きな都市だと、有名なカウンセリングルームから怪しいところまで、実に多くのカウンセラーが存在しています。 そこから自分のための一軒を選…

  • 「うつ病が怠け者にしか見えない」という意見

    うつ病に対する周囲の意見として、このようなものがあります。 『うつ病の人が身近にいたとして、その人は終日家に引きこもり、仕事もせず、ネットや漫画ばかりに没頭している一方で、本人は気力がないと言うが、全く元気な人にしか見えない。』 あくまでも、周囲の方の意見の一つではありますが、こういった見方は決して少なくないのではないでしょうか。 上記のような、うつ病に決して肯定的ではない人の意見を見ると、うつ病経験のある本人としては少なからずへこんで自己嫌悪したり、周囲は事実をわかっていないだけだと抵抗したくもなります。 ところが、彼らの言うことをよく読み解いてみると、私たちも真摯に受け止めるべき「現実」の…

  • うつ病になったら何もしちゃいけないの?

    うつ病になり、治療に専念するために会社を辞めた人が、しばらくしてからリハビリのために簡単な作業等を初めて社会復帰を目指すことがあります。 自治体や民間団体が運営するリワークプログラムなどに所属し、そこで少しずつ人との関わりや体を動かすことに慣れていくのです。 さてリハビリ段階に達したうつ病者の場合、少なくとも最悪の状態ではないことから、本人自身が「早く社会復帰したい」「自分だけ社会生活から取り残されているようで不安」という焦りを抱いてしまいがちです。 ところが実際に作業を開始してみると、できると思ったことがうまくできなかったり、作業所での人間関係にひどくストレスを感じるなど、なかなかスムースな…

  • うつ病と発達障害って関連性があるの?

    「発達障害」とは、病気ではなく、気質や状態そのものを指す言葉です。 これまで発達障害と言えば、先天的な発達の遅れを意味し、例えば自閉症がその代表例であると考えられてきました。 しかし昨今では、発達障害の定義がより広くなってきており、子供だけではなく大人にも発達障害があることがわかってきています。 そのパターンには例えば、 ○IQの高い人:類まれな優秀さ○行動できないケース:自閉症など○行動過多のケース:ADHDなど こういったものがあり、どんな人もいずれかの分類には属しているとも考えられるのです。 ただし、気質の敏感さについては人それぞれであるため、「症状」として表に表れるかどうかは、個人差が…

  • 難治性うつ病って?

    うつ病では薬物治療が主になってきますが、ある程度の期間治療を試みてもなかなか効果がみられないような場合、「難治性うつ病」と診断されることがあります。 もう少しくだいて言いますね。 初めてうつ病と診断されると、医師の判断によって抗うつ薬や気分安定薬などが処方されます。これをある程度の期間服薬していきます。一般的には、3~6ヶ月間ほどでしょうか。それでも症状に改善が見られない場合、医師は別の処方の仕方を模索します。それでも更に効果が見られない、つまり「長期間に渡ってうつ症状が続く」ものが、「難治性うつ病」として考えられるわけです。 難治性であるかどうかは、実際にうつ症状が長期化しないと判断できませ…

  • 非定形うつ病って?

    うつ病と言われるものの中で、その4割を占めると言われているのが、この「非定形うつ病」なんです。 ちょっとしたことでガクン!と落ち込む一方、飲み会や趣味など好きなことには気持ちもラクになって、楽しく過ごせたりします。この極端な感情の起伏が、「非定形うつ病」の特徴です。 落ち込みのきっかけは対人関係にあることが多く、誰かから注意を受けたり批判されたりすると「拒絶されている」と捉えてしまい、過剰な反応を示してしまいます。過剰反応のあまり、リストカットに至ったり激しい孤独感や不安感が生じたりという〝抑うつ発作〟が起きたりもします。過眠(眠り過ぎ)や過食があるのも特徴的です。 うつ病を特徴別に分けるとす…

  • 抑うつ神経症はうつ病と違うの?

    「抑うつ神経症」は、医学上「うつ病」とは区別されています。 基本的には、憂うつ、無関心、無気力、悲観などうつ病と同様の「抑うつ症状」が見られ、うつ病との明確な境界線は非常にわかりにくい、というのが実情なんです。 強いストレスから脳内物質セロトニンの機能低下が起こり、それが原因となって発病するうつ病との違いがあるとすれば、抑うつ神経症では、抑うつ症状を引き起こした「理由となる明確な出来事や環境」がある、ということです。 愛する人の死や、離婚・別居、仕事上の大きな失敗など、うつ病の危険因子とやや重なる部分もあるのですが、何か特定の〝出来事や環境〟が抑うつ症状の引き金になっていることが非常に多いので…

  • うつ病ってどんな病気?

    うつ病は、長期間に渡って憂うつ感や無気力の状態に陥り、それが日常生活・社会生活を送る上で支障をきたすようになる心の病気です。 ちょっと難しく言えば、意欲や元気を伝達する脳内物質〔セロトニン〕が減少し、正常に機能しなくなることで、憂うつや無気力といったうつ症状を引き起こしてしまうのです。 うつ病は、珍しい病気ではありません。一生のうちにうつ病になる人は15人中1人という統計があり、これを見るだけでも、うつ病が決して特異なものではなく、誰にでも起きうる病気なのだということがわかりますね。 特にうつ病になりやすいのが、真面目な人。真面目な人ほど、職場では強い責任感を発揮し、家庭ではこまめに役割を果た…

  • 「医師とともに着実な職場復帰を」

    過日、興味深い新聞記事を見つけました。 『うつ病は治療と同時にリハビリが必要』だというものです。 うつ病は正しい治療を続けていくと徐々に快方に向かっていきますので、療養中から経済的・社会的状況に焦りを感じている患者としては、早く職場復帰したいと考えるようになります。 実はそこに落とし穴が隠れているんですね。 それは〔復職後の再休職の割合が非常に高い〕ということです。新聞記事の一部を引用してみましょう。 「内科や外科の病気と同様、うつ病も職場復帰前に一定のリハビリが必要である。」「うつ病などの気分障害は職場に原因があることが多い。」「病気の回復レベルと会社が求める仕事レベルにギャップが生じること…

  • カウンセリングをもっと身近に

    自分自身の経験から、うつ病の治療方法は〔投薬とカウンセリング〕の二本立てが望ましいと考えています。 薬でうつ病の諸症状を抑えるのが「薬物療法」ですが、過度のストレスに耐えかねた心身を整え直すには、薬による対症療法だけでは不十分のように感じるからです。現在のところはうつ病の特効薬もなく、そもそもうつ病のメカニズムが完全解明されてるわけでもありません。 ですから治療としては、薬で不快な症状を抑えながら、いかにして辛さに満ちた心を解きほぐすか、ということが大切になってくるのではないかと、自分自身の経験が思い返されます。 だからこそ、薬物療法とカウンセリングが並行して行われることが望ましいと、私はお伝…

  • こころの問題?脳の問題?

    今回は、個人的な見解も含みながらお話させて頂きます。 過日、NHKでうつ病の最先端治療に関する番組を放映していました。 アメリカのとあるうつ病患者さんを追うドキュメント形式で、従来の薬物療法とは全く異なる治療法を行うことによって劇的に回復していった、というものです。 番組内では、アメリカにおけるうつ病治療の最先端として、以下の特徴と方法を挙げていました。 うつ病は心の病気ではなく脳の病気である 不安感や悲しみなどの感情を司る「脳の扁桃体」が暴走している状態である 脳の前頭葉にあるDLPFC(背外側前頭前野)を刺激することで、扁桃体の暴走を抑えることができる 番組で紹介されていたのは「経頭蓋磁気…

  • セカンドオピニオンのススメ

    「セカンドオピニオン」って、聞いたことありますか?「病気の症状や現在の治療法について、主治医以外の医師の意見を聞く」ということです。 現在の治療法に疑問を持っている時や、他に良い治療法がないかを知りたい時などに、他の医師の意見も聞いたうえで、自分自身の納得のいく治療法を選択するのが、医療におけるセカンドオピニオンの意味合いです。 うつ病の治療が非常に長期化しやすいことを考えると、その途中でしばしば、このままの治療法で本当に回復していくんだろうか? 薬の量や種類は増える一方なのに、回復の傾向がないのは何故? などと不安に思うことも少なくないと思います。「難治性」などと言われたことがあれば、一度は…

  • インターネット掲示板における情報交換

    うつ病になると、どうしてもエネルギーが枯渇するので、何事にもやる気が起きなくなります。朝目が覚めて着替えるのさえ、大きなエネルギーが必要なくらいです。 だから、自分でうつ病について調べていくなんてことは、非常に力を消耗する行為だということはわかっています。しかし、自分からうつ病や薬の作用に関する情報を取りこんで行かなければ、うつ病を乗り越えていくことはやはり難しいのです。 だからこそ、理解者や協力者が側にいて、常にフォローしてくれる環境を作っておくことが一番望ましいのですが・・・ 自分自身でネットを見れるようならそれが一番ですし、協力者が代わりに行ってくれるならそれも良いでしょう。是非一度やっ…

  • 新聞における特集記事

    新聞でも、うつ病は度々取りあげられています。 職場での過労うつ病を取りあげた記事だとか、認知療法を取りあげた記事だとか、断片的かつ断続的ではありますが、新聞紙面上にも出てきています。 でも、前のページで触れたような、横行する誤診やめちゃくちゃな処方など、肝心なところの報道はどうもぼけているように思います。 そんな中、私の地域の地元紙で、今年の6月にSSRIに関する話題が取り上げられていました。ちょうど、厚生労働省から、抗うつ薬(SSRIの分類に入るもの)の副作用について、薬の添付文書に注意書きを盛り込むこと、と指示を出した時期になります。 この記事内では、「躁鬱病やアルコール依存症、統合失調症…

  • NHKの特集番組

    うつ病が、昨今テレビでも取りあげられてきていますね。NHKの特集番組のテーマになることが多いようですが、その内容について大まかに見ていきましょう。 今年の2月には、NHKで「うつ病治療 常識が変わる」という番組が放送されました。番組内では、うつ病とはどういうものなのか、最近のうつ病治療法、精神科の医師の誤診問題など、広く取り上げられていました。 特に注目したいのは、医師の誤診問題です。患者の訴える症状からのみ病名を判断するしかないのが精神科の医師ですが、その医師の技量には大きな差があり誤診が横行しているという事実、多剤投薬が公然と行われているという事実など、患者にとっては初めて実態を知ってビッ…

  • 漢方薬「ツムラ83番」

    うつ病では、慢性的な疲労感に悩まされることが多々あります。 こういった疲労感というものは、西洋薬では対応しきれないことが多いように思います。 何故なら、西洋薬は基本的に、特定の症状に対して効き目を持つものであり、長期的に体質を改善していく東洋薬とはまた異なる特徴を持っているからです。 さて、私もこの「慢性的な疲労感」には随分悩まされてきました。 多少動けるようになってきても、どうしても疲労感だけは取れず、あまりに症状がひどいので病院で検査を受けたほどです。 検査では特に異常も見当たらず、結果として漢方薬でじっくりと体調を整えていってみることになりました。 そこで最初に処方されたのが、〔ツムラ5…

  • 漢方薬

    うつ病の治療に、漢方薬を使用することもあるのは、知っていますか? 漢方薬は中医学で用いられる薬で、生薬の力を借りて、人間の身体が本来持っている自然治癒力を高めることが目的となっています。西洋医学のように、薬そのものが病気の原因に働きかけるということはありません。 それでもうつ病に漢方が効くのは、身体的な症状を緩和することで、自ずと身体の自然治癒力も高まるようになり、身体の回復に合わせるようにして精神面でのハンディも克服していけるようになる、という仕組みがあるためです。 うつ病では、精神的な症状に加え、身体的な症状も現れます。不眠やめまい、慢性疲労感、肩こり、胃腸不快感など、いろいろな症状に悩ま…

  • 睡眠薬

    睡眠薬は、効果の持続時間によって分類することができます。 即効性があり持続時間も短い「超短時間型」は、寝入ることが難しい(入眠障害)場合にとても効果があります。ハルシオンやアモバン、マイスリーがこれにあたります。 その次が「短時間型」で、これも効き目は比較的短いです。次の日に薬が残りにくいに出、良いかもしれません。レンドルミンやリスミ―という薬があります。 寝ても必ず夜中に目覚めてしまう、あるいはどうしても早朝に目が覚めてしまう、といった場合に処方されるのが「中間型」です。ロヒプノールなどがあります。 睡眠薬は、依存性が起こりやすく、また薬に慣れてしまう傾向があります。ですが、そんな中でもアモ…

  • 気になる症状は積極的に伝えよう

    うつ病の治療中には、いろいろな症状を経験することがあります。ストレスによる症状や薬による症状など、よく見られるものを以下に挙げてみましょう。 ソワソワする 身も心もとにかく落ち着かず、常に焦っているような感じ→ ストレス過多になっていて「寝ても覚めても問題に追われている」ような抑うつ状態の可能性 じっと座っていられないソワソワ感 → 抗精神病薬の副作用による「アカシジア」という症状の可能性 過眠 日中の眠気が生活に支障をきたすほどひどい→ ナルコプレシ―や睡眠時無呼吸症候群の可能性 夜間に睡眠薬を飲んでいる → 睡眠薬の効き目が残り過ぎている可能性 記憶障害 前夜の行動・夜中に目を覚ました時の…

  • のれんに腕押し

    医師によっては、まるで手応えのない、頼りない問診を行う場合があります。 定期的な問診で「どうですか?」と聞いてくるものの、こちらが昨今困っている症状を伝えても、ありきたりな回答を返すばかり、というケースです。 「どうしても夜中に起きてしまうんです」という悩みに対し、「寝る前にコーヒーなどの刺激物は摂取しないようにして下さい」という医師の言葉は、すでに自分自身にとってはわかりきったことなのです。 「イライラが治まりません」という悩みに対し、「少しリラックスできる環境を持ちましょう」と言われても、リラックスの方法がわからないから「うつ病」なんですよね。 どうも、ピンと来る回答を返せる医師は、非常に…

  • 医師が上で患者が下

    全ての医者がそうだとは、もちろん言いません。 しかし実際問題として、「偉そうに振舞う医師」が多いとは思いませんか? 医師本人にそのつもりがなくても、患者がそう感じるのだとすれば、やはりその医師は「偉そうにしている」と患者の目に映っているということです。 別項でも述べていますが、医師と患者との間には、どうしても見えない上下関係のような雰囲気が存在してしまいます。 患者は苦しい症状に困り果てている人、医師はそれを治す術を知っている人。 当然ながら患者は、医師が頼りであり、そっぽを向かれては困るのであり、それだけに医師にはできるだけ低姿勢で接する傾向があります。 必然的に、医師が上で患者が下、という…

  • 効いたと実感する薬

    とあるうつ病サイトを見ていたら、うつ病者にアンケートをとった結果が載せられていました。 そこではいろいろな質問内容があったのですが、「やっぱりなぁ」と私が思ったのが、薬に関するものでした。 「効いた精神安定剤は何ですか?」という質問に対して、回答数が多かった薬として以下のものが挙げられていました。 1位 デパス 20% (抗不安薬)2位 ソラナックス 11% (抗不安薬)3位 レキソタン 11% (抗不安薬)4位 ワイパックス 約7% (抗不安薬)5位 パキシル 約7%弱 (抗うつ薬 SSRI) 上位5つがこのような結果となっていました。上位10個でもほとんど同じような傾向です。 私が別項で述…

  • 対話のない診察

    私は現在の病院に落ち着くまで、何件もの精神科を渡ってきました。どの病院の先生ともしっくりこなかったからなのですが、そこにはある一つの共通点があるのです。 初めに訪れた医院は、外観からして柔らかい雰囲気でしたので、精神科としては落ち着けるような気がして行ってみたわけですが、そこでの診察は実に中身のないものでした。 名前を呼ばれて診察室に入ったはいいけれど、医師から何を話しかけられるでもなかったので、私の方から、困惑しながら自分の状態をポツポツと話していったのです。 途中、医師からごく簡単な質問、非常に短い質問を受けた後、最後に「うつ病だね」で終わり。 私の背景事情を聞きこんでくれることもなし、相…

  • 治療の長期化

    医師の処方に従ってこれまで散々薬も飲んできたにも関わらず、良くなるどころかかえって慢性化するケースは非常によくあることです。 薬じゃもうどうしようもなくなって、挙句の果てには「難治性うつ病のようだから、電気ショック療法をしたらどうでしょう」と提案してくる始末。 電気ショック療法って、死亡事例や脳障害事例まで出てる療法ですよ!?元々はそこまでひどい抑うつ症状じゃなかったはずなのに・・・! 私も電気ショックを勧められた1人でしたから、腑に落ちない感覚は非常に良くわかります。私はそのリスクを知っていましたから、もちろん電気ショック療法は怖くて拒否しました。 そもそも何故治療が長期化するか、なんです。…

  • 多剤処方

    「多剤処方」その名の通り、沢山の薬が処方されることです。 精神科では、通院が長期化するほどに多剤処方になる傾向が目立ちます。本当に必要で薬が増えるならわかりますが、大抵は、症状が回復しないからこの薬も飲みましょう、こっちの薬も試してみましょう、という具合に増えていきます。 その結果、抑うつ症状が慢性化するケースが後を絶ちません。 参考までに、私が一番薬を飲んでいた時の処方をご覧ください。 【朝】ユーパン0.5mg1錠(抗不安薬)アモキサン25mg1錠(抗うつ薬)ペリアクチン4mg1錠(アレルギー性疾患の治療薬 )デプロメール50mg1錠(抗うつ薬 SSRI)アナフラニール25mg1錠(抗うつ薬…

  • 2年前の日記と今の私

    今から2年前、私は日記をつけていました。 2年前と言うと、最も抑うつ症状がひどかった時期です。その頃の日記を読み返してみると、いかに悪化を辿っているかが手に取るようにわかります。 過度に自分を責めさいなみ、自分は罰せられなければいけない存在だと思い込んでいました。 うつ病の原因となった事柄に対し、自分の力ではそれを翻すことができないという、自分の無力さに絶望していました。 散々苦労してきたこれまでの歩みが、全て無駄だったように思えて、とても空しく思えました。 そして、多くの人を巻き込んできたのに、何も成果を得ることができなかったと、申し訳ありませんでしたと、償おうとしていました。 結果として、…

  • 心理カウンセラーとの出会い

    私自身、病院に通って医師と話して薬を飲んでいるだけでは、どうにも解消されないモヤモヤが常に心の中にあることを感じていました。 それも当然です。うつ病は決して薬のみによって回復するのではなく、むしろうつ病を引き起こした原因となる背景事情が解決されない限り、回復は難しいか、あるいは再発の可能性も持っているからです。 だから私はいつも、自分の心の中に鬱々と積もり積もっている「何か」を、誰かに話して少しでも軽くなれたら、と思っていました。 でもその相手は、医師ではなく、心理カウンセラーを想定していました。心理カウンセリングそのものは医療ではありませんが、心の病気を解決に導くためには、欠かせない専門分野…

  • セカンドオピニオンがもたらす気付き

    セカンドオピニオンは、日本ではまだまだ浸透しきっていないように思います。医師によっては、自分が診断したにも関わらず、患者が別の医師にセカンドを求めに行くことを、快く思わない人もいます。 ですが、セカンドオピニオンは、患者が自分自身の病気の状態を客観的に捉え、いろいろな治療の選択肢について知り、病気回復のための最適な方向を定めていくには、非常に重要なものなのです。 医師のご機嫌をそこねるのが怖くてセカンドを受けないのだとすれば、それは患者にとって全く本末転倒なものです。 セカンドオピニオンを受けると、いろいろなことに気付くことができます。 自分の病名、処方の内容、医師との相性、得られる情報の質な…

  • うつなのに笑顔を作る自分は病気じゃない?

    うつ病と言えば、不眠・著しい集中力の欠如が見られたり、ひどくふさぎこんで表情がすっかり乏しくなる、という状態が知られています。 しかし、中には「うつなのに笑顔を作る自分」に違和感を覚える人もいます。 うつ病の人は、病気と診断され治療を受けているくらいですから、そもそも人と接すること自体が苦痛になりやすく、まして「感情を表情に出す」など大変なストレスになり得る状態であると言えます。 にも関わらず、例えば私のように、「うつなのに気付くと笑顔を作っている違和感」を経験したことがある人も少なくないのではないでしょうか。 かつて私は、ちょっとした買い物のためにスーパーやコンビニに寄った時に、心の中では店…

  • 障害年金と医師の協力

    精神科系の病気であっても障害年金を申請し受け取ることができる、ということは、昨今ではとても広く周知されてきました。 もちろん「うつ病」も対象疾病の一つであり、年金を申請することができ、申請が認められれば年金をもらうことができます。 とは言っても、「自分はうつだから何もせずに年金をもらえる」というわけではありません。 病気である「本人」と、それを証明する「医師」とがペアになり協力し合って初めて、申請に至ることが可能となるのです。 うつ病者は定期的に通院して医師に症状を訴え、医師は患者の様子を観察し記録します。 こうやって時間をかけた先に、患者と医師の信頼関係が築かれ、障害年金の申請に必要な情報も…

  • 目がまぶしい・・・自律神経のメッセージ

    精神状態の安定、体温の安定、免疫や体温の安定など、人間が生きるための機能を司っているのが「自律神経」です。 活動する時に働くのが交感神経で、リラックスする時に働くのが副交感神経だということは、周知の事実ですね。 自律神経が正しく働いていると、私たちは気持ち良く毎日を過ごせるのですが、バランスが狂うと調子が悪いと感じます。 この状態を、自律神経失調症と呼ぶことがあります。 うつ病も、落ち込み・不眠・食欲不振などが見られるということは、やはり自律神経の働きと強く結びついているであろうことがわかります。 さて、気分や睡眠、食欲などの変化は自分でも比較的わかりやすく、今は調子が悪いのだなと認識すること…

  • 頭が真っ白・・・うつのパニック状態

    パニックと聞いて思い出すのは、動悸や激しい恐怖感に見舞われるパニック障害という病気です。 パニック障害はストレスが原因で起こる症状ですが、実はうつにも、パニック障害とは異なる形で「パニック」と呼べる状態が起こることがあります。 例えば次のようなシチュエーションで、うつ病者に頭と心の混乱が起こるのです。 1.徹底的に苦手な人と話すだけで感情をコントロールできなくなる 2.重い腰をあげて外出しようとしたら、家族が車を使っていたというだけで、非常に不快な気持ちになり行動の意欲を失う 3.今日やることをメモに書いてこなそうとした矢先、突発的な用件が入って自分のメモが役に立たなくなった時に虚無感が生まれ…

  • うつ病の性衝動

    当サイトを含めて、あまり取り上げられることのない「うつ病者の性衝動」。 でも実は、うつ病者にとっては結構深刻な問題なんです。 いろいろなうつ病サイトでも紹介されている通り、またご自身で経験されている通り、うつ病になると極端に性欲が鈍化します。 ほとんど無くなると言っていいと思います。 性欲が無くなるくらい、大した問題ではない、と考える人もいるかも知れませんが、場合によっては一大事ですよ。 例えば次のようなことが考えられます。 ●性生活がギクシャクする ― 夫婦間の関係が疎遠になる可能性●自慰行為が無くなる ― 男・女としての自信喪失の可能性●男性・女性としての魅力の減退 ― 外見も心もが著しく…

  • 睡眠障害と食欲障害

    うつ病の症状は、〔精神的症状〕と〔身体的症状〕に分けることができます。そのうち〔身体的症状〕として、睡眠障害と食欲障害が身体の状態を大きく左右することになります。 〔睡眠障害〕 寝付けない、眠りが浅くてすぐ目覚める、朝早く目覚めてその後眠れないなど、十分な睡眠時間を確保できないケースが、うつ病ではよく見られます。いつも通りの時間に布団に入るのに、寝付くことができるのは午前3時頃、でも6時になると目が覚めてしまうので正味3時間しか眠れていない、というような例はいくらでもあります。 十分な睡眠がとれていないと、だるくて日中の行動にも影響がでますから、必要に応じて適量の睡眠薬を処方してもらう必要があ…

  • 怠け者のようで辛い

    うつ病の症状で特徴的なもののひとつに、〝自責の念〟があります。行動力も思考力も弱り思うように動くことのできない自分を責める、ということです。 うつ病は〝目に見える病気〟ではないため、周囲の理解を得にくいことがあります。うつ病という病気だから動きたくても動けないのに、それを理解してもらえないどころか「頑張ればできる」とか「ちょっとダラけてるんじゃないか」などと言われることもあり、ひどく落ち込んだりもします。 周囲から言われるまでもなく、うつ病患者は十分苦しんでいます。着替えも面倒、風呂も面倒、新聞やニュースにも無関心、ヤル気がでない、でもそんなんじゃいけない。そんなことは自分自身が一番良くわかっ…

  • イライラする

    うつ病になると、どうしてもイライラすることが多くなります。そのイライラは、自分に向けてのものだったり、周囲に対するものだったり、様々です。そしてそのイライラが更なるストレスを呼び、悪循環を作ってしまいがちです。 抑うつ症状は、その人の行動力や思考力をひどく抑制します。動こうとする気力もなくなりますし、思考もストップしてしまいます。それなのに日常生活では、普段と変わらないものを求められるのですから、それは大変な心の負担になります。 家庭では親として夫として妻としての役割が期待され、会社では立場的な責任や結果を求められる。そういった周囲の期待に対し、無理やり応えようとする自分。頑張なければという焦…

  • うつ病の初期症状

    最近、心と身体の疲れを感じることは多くありませんか?現代人はストレスにさらされていると言われますが、そのストレスが高じて、異変が起きることがあります。その異変が、もしかするとうつ病の初期症状なのかも知れません。 うつ病の初期症状では、次のような傾向が見られます: 〔朝〕○朝早く目が覚めて、その後眠れない○朝目覚めても、着替えるのも面倒、テレビも新聞も興味が湧かない 〔日中〕○集中できない○やる気がどうしても出ない○すぐ疲れる○午後からは比較的調子が上がってくる○できれば人と関わりたくない 〔夜〕○晩ご飯を食べる気にもならない○シャワーも面倒○寝付けない○寝ても必ず夜中に目が覚める こんな症状が…

  • 「休養したくない、働かなければいけない、でも動けない」

    「うつ病がきっかけで職場を辞めざるを得なくなったんです」 そんな声がよく聞こえてきます。 最初のうちは我慢して勤めていたものの、徐々に辛くなって辞めてしまう、あるいは症状が悪化して会社に行けなくなってしまう、そういった傾向が高いようです。 私の場合はその両方で、我慢して通勤していたものが、だんだん家から出ることすらできないようになっていきました。 職場に理解ある上司がいる場合などは、一見良いように見えるのですが、うつ病者本人は理解ある周囲に応えたいと思ってしまうため、逆に無理をしてでも出勤しようとしてしまいがちです。 この辺のバランスというのは、本当に微妙で繊細だと、いつも私は感じています。 …

  • 寝る前の刺激物

    寝る前には、コーヒーやタバコなどの刺激物の摂取は控えた方が、比較的良い睡眠をとれるとされています。 コーヒーや緑茶に含まれるカフェインには覚醒作用があり、摂取してから数時間は持続しますので、寝つきが悪くなったり睡眠が浅くなったりします。 タバコに含まれるニコチンには興奮作用があるので、寝る前の喫煙もあまりお勧めできません。 睡眠薬を飲んでいるのになかなか寝付けなかったり、夜中に何度も起きてしまう場合、薬の種類を疑うだけでなく、カフェインやニコチンの影響についても振り返っておく必要があります。 私自身も睡眠薬を服用していますが、やはり夜中に何度も起きてしまうことに悩み、医師に相談したところ、タバ…

  • うつ病者と家族のミスコミュニケーション…お問い合わせの傾向

    お陰様で、当サイトのコンテンツが充実するにつれて、 訪問者様からのお問い合わせを度々頂くほど、 サイトそのものが成長してきています。 たびたび頂くお問い合わせにおいて、 特定の医師や病院に関するアドバイスについては 行っていないのですが、私自身、数々のお問い合わせに対応していく中で 一つの「気付き」を得るようになりました。 それは、「うつ病患者とその家族」との間で うまく意志疎通が図れていないケースが とても多い、ということです。 ○うつ病患者が家族の中で孤立してしまうケース○本人よりも家族の者の方が慌ててしまうケース○何とか良い方法をと思うあまりに、 本人の意志を素通りしてしまうケース こう…

  • 「治ってきたかも?」― ちょっと待って!早合点のリスク

    うつ病の治療を続けているうちに、ふと「最近調子が戻ってきたかな」と感じる時が出てきます。 なんとなく、今までできなかったことも以前のようにできるのではないか、そう感じるのです。 「そうか、治ってきたんだな。良かった!」 いや、ちょっと待って下さい。それは早合点ではありませんか? 調子が良くなってきた気がする一方で、例えば以下のようなことはありませんか? ○時々胸が苦しくなったり、意味不明の体調不良が起こる○体が相変わらず辛い○何かの拍子に気持ちが一気に落ち込む○休日は動きたくない○ため息が多すぎる 実は、これは私の例でもあります。 私はすでに数年の治療を受けており、かなり病状も寛快してきたと言…

  • 精神科の薬は市販されているのか?

    うつ病の疑いがあれば、まず精神科に行くのが通常なのですが、どうにか精神科にいかず薬だけ手に入らないかと考える方もいるようです。 精神科系に効く市販薬がないかどうか、ネットのQ&Aサイトでもそんな質問を見かけたことがあります。 うつ病は、ストレスによって脳内物質セロトニンが減少し、機能低下を起こしたため発症するものと考えられています。 ですから、うつ病に対して処方される薬も、セロトニンの量を増やして機能低下を防ぐ働きをするものが主体になります。 こういった薬を市販で流通させることは、芳しくないと思われますし、実際にこれまでのところ精神科系の薬は市販されていません。 まずうつ病かどうか、うつ病の程…

  • うつ病は遺伝するのか

    自分のうつ病が子供にもうつりはしないか、血縁にうつ病の人がいるが自分も発症するのではないか、そんな心配事も出てくると思います。 特に子供を持つ親は、とても心配なことでしょう。最近は子供にもうつ病が見られるようですし、親としては「自分のせいでうつ病が遺伝したらどうしよう」などと不安に思うケースも少なくないのでは、と思います。 さて、血縁にうつ病の人がいる場合、同じ血縁内の誰かがうつ病を発症する可能性は高いと言われています。 親子または兄弟姉妹など直系の血縁者がうつ病だと、家族内での発症率は通常の2~3倍にもなるそうです。これが一卵性双生児だと、片方がうつ病になった場合、もう片方が発症する確率は3…

  • 放っておけば自然治癒するのか

    うつ病は、その程度が軽い場合は、特に薬を飲まなくても自然治癒することは可能です。これはうつ病に限らず、パニック障害でも強迫性障害でも同じことで、薬物治療を受けずにそのまま回復する人も結構多いものです。 ですが、自分の抑うつ症状が果たして自然治癒できるほど軽いのかどうか、これを自己判断できる人はいないでしょう。 何より、うつ病はもともと、人間関係や仕事などが絡んだ大きなストレスに起因することが非常に多いので、うつ病の危険因子が隠れているような環境に身を置き続ける限りは、うつ病が自然治癒することは難しいということを認識しておくべきです。 ストレス源となる環境にいれば、自然治癒するものも叶わなくなり…

  • 再発率が高いと言われる理由

    うつ病は、実は再発率が高いと言われており、その割合は60~70%にも至るそうです。確率はなり高いですね。 何が原因で再発するのか、なのですが、次のような理由が考えられます: 【1】勝手に薬を止めた(断薬)【2】医師の処方通りに薬を飲まなかった【3】もう大丈夫だと思っていたら、あるきっかけで再発した 【1】と【2】については、似たようなものなのですが、自己判断で薬の服用量に大きく変化が出たということになります。それまで薬をちゃんと飲んでいて、一定量の血中濃度が保たれていたのに、それが急に変化すると症状がぶりかえしてしまいます。 せっかく風邪を治した人が、無理をしてまた風邪をぶりかえしたようなもの…

  • 薬ダイエットのタイミングとやり方

    うつ長く治療を続けていくと、ほぼ必ずと言っていいほど起こるのが『多剤処方化』です。 これは医師の良し悪しに関わらず、治療の長期化によってどうしても起こってしまうことだと言えます。 気分の落ち込みに関する薬が処方される例を挙げてみましょう。 気分が激しく上下したり落ち込みがひどいような場合、生活に支障が出ることを避けるために、まず気分を安定させる薬が処方されたとします。 しかし、その薬があまり効かないとなると、別の薬に替えて効果を試すことになります。 同じように、この症状にはあの薬、効かなかったら別の薬、効果をより実感するために服用数を増やしたり・・・ そうして、望むと望まざるとに関わらず、一日…

  • 「夜中に食べる」~睡眠薬の副作用

    健康的に眠れない状態にある者にとっては、睡眠薬はとても大きな助けになります。 しかし睡眠薬には時々、ある副作用が見られることがあります。 それは「夜食い」。 夜に睡眠薬を飲んだ後、寝ようと布団に入ったはいいけれど、その後もうろうとした意識の中で布団を抜け出し「食べる」のです。 その時に空腹かどうかはあまり関係なく、ただ何かを満たそうとして食べる、と言っても良いかも知れません。 これには2つのケースがあり、 ケース1:睡眠薬を飲んだ後に「夜食い」していることを自分でも認識している ケース2:睡眠薬を飲んだ後、無意識に夜食いするため記憶がない 医師は、改善のアプローチが見えやすいからか、認識して食…

  • 自分は一体どんな薬を飲んでいる?

    例えば医師が「では寝つきをよくするお薬を出しておきます」と言った時、「先生、それは何というお薬ですか?」としっかり確認する患者は、昔に比べればずいぶん増えたことでしょう。 薬は完全に人工物であって、しかも人体に何らかの影響を与える前提があるものですから、その正体を知らないまま口にすることは本来とても怖いことだ、という意識は必要だと私は考えています。 薬を処方してくれるのは医師という専門家ですから、当然、患者の症状に対して良く作用する薬を選び、患者は医師への信頼のもとに、処方された薬を素直に服用します。 さて、「医師への信頼のもとに」と書きましたが、同時にとても大事なのは、自分がどんな薬剤を口に…

  • むくみ、頭痛、肥満は薬のせい?

    薬との相性は人それぞれですが、喜ばしくない副作用の可能性に気付いたら、すぐ医師に報告する必要があります。 これは私の例であり、全ての人に当てはまるわけではありませんが、以前、睡眠薬としての効果を期待して「カルバマゼピン」というてんかん薬を服用したことがあります。 ところがカルバマゼピンを服用すると、むくみがとても気になるようになったのです。 少しでも疲れが出ると、足首や手がパンパンにむくみ、違和感を常に感じました。 ただし睡眠薬としての効果はまずまずで、夜間に何度も目覚めてしまう私には大変助かったお薬でした。 むくみについては医師に報告しましたが、様子を見ながら服薬を続けた経験があります。 な…

  • 味覚障害を感じたらすぐ受診

    抗うつ薬、抗精神病薬、睡眠薬に漢方薬・・・ いろいろな薬が処方される可能性のあるうつ病ですが、他者に効いた薬が必ずしも自分に同様の効果をもたらすわけではありません。 薬には「作用」と「副作用」の二面性があり、薬と自分の相性が合わなければ副作用の方が大きく顔を表すこともあるのです。 私の実例を参考までに申し上げましょう。 抗うつ薬の一つに「アンデプレ」というものがあります。 不安や焦燥感を鎮める働きがあるのと同時に、睡眠剤としても使われている薬です。 さて私は、少し前に、やや気分が激しく上下しコントロールが難しくなったことがありました。 その旨を医師に伝えると、過去の薬歴を確認しながら「これは睡…

  • 漢方薬-「自分に合った量」

    漢方を専門としていない病院で漢方薬を希望すると、ツムラやクラシエなど薬品メーカーの薬包が処方されます。 例えば私に処方されている漢方薬は、某社の〔抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)〕というものです。 このお薬は、イライラなどの気分不安定や不眠などに効果があるということですから、しっかりと服用していれば徐々に効果を感じることができるでしょう。 基本的にこの処方に対する不満はないのですが、当初、一つだけ感じていたことがありました。 それは、処方されたお薬が、果たして私に合った服用量なのかどうかという点です。 本来、漢方を扱う専門店などでは、その人の体格や体力、個々人の体質等に応じて薬の…

  • 薬を指示通り飲む?飲まない?

    薬は、医師が専門的な根拠をもって処方しています。 あなたの話と様子を伺った上で、どの薬が良いか選択していきます。 薬には一日に飲んでよい限度量があったり、飲み合わせの良し悪しもありますので、医師が指示した通りの量をきちんと服用する必要があります。 そうして初めて、期待される効果が表れるのです。 ところが指示通りに薬を飲まないケースも恐らく多々あることでしょう。 医師から「夜寝る前に2錠飲んでください。」と指示されても、飲み忘れなどにより1錠しか飲まない、といったような事例です。 実は私自身がこの例に当てはまる服薬をしていました。 とある抗うつ剤を夜寝る前に2錠飲むように指示されていたのですが、…

  • 不快な症状-我慢か処方変更か?

    うつ病の症状は時間と共に変化していきますから、その時々に合わせて適切な処方が必要になることがあります。 定期的に診察を受けて医師に状態を伝えることは、医師にとってもあなたの現状を把握する大切な情報収集の機会にもなっているのです。 さて、変化した症状に合わせて薬を変えると、副作用の方が強く出ることがあります。 薬には「作用」と「副作用」の両面がありますから、人によって、あるいは体調によってどちらの作用が強く働くかは変わる可能性があるのです。 私自身、ある薬を処方された時にひどく喉が渇き、常に水を飲んでいないといけない状態になったことがありました。 「喉が渇く」と言うより「口が渇く」と言った方が適…

  • 抗精神病薬

    抗精神病薬は「メジャートランキライザー」と呼ばれています。 昔からある薬は定型薬というグループに入り、これらは含まれる成分によってさらに三種類に分かれています。レボトミン、セレネース、ドグマチールなどがそうです。 一方、新薬に当たるものを非定形薬と言います。これには、リスパダール、ルーラン、ジプレキサなどが含まれます。 さらに、第三世代抗精神病薬というのが出てきて、ドーパミンの状態を安定化させる作用があるという、エビリファイという薬もよく使われるようになりました。 これらの抗精神病薬は、基本的に、統合失調症などの精神疾患の治療に使われるものです。精神科では、うつ病に対しても抗精神病薬を処方する…

  • 抗不安薬

    抗不安薬には、デパス、ワイパックス(ユーパン)、メイラックスやソラナックスなどがあります。効果の持続性や即効性、効き方の強さなどはそれぞれ異なりますが、あまり体内に蓄積しづらいもののようです。 効果の持続性から、ショートタイプ・ミドルタイプ・ロングタイプに分けることができ、特にショートタイプのものは、不安時の頓服にもよく用いられます。ワイパックス(ユーパン)やソラナックスは、よく頓服でも処方される薬です。 抗不安薬の場合、筋肉を弛緩させてリラックスさせる作用があるのですが、この作用が強いと、眠気やふらつきも強くなる傾向があります。ですから、作用の強い抗不安薬を長期的に抗不安薬を飲んでいたりする…

  • 抗うつ薬

    抗うつ薬は、「第一世代」だとか「第三世代」などというグループに分かれており、その分類は合計7種類にもなります。さらに「三環系」や「四環系」などに細分類されます。 第一世代の抗うつ薬でよく知られているものは、トフラニールやアナフラニールなど。第二世代の抗うつ薬では、テトラミド、アモキサン、デジレルなど。第三世代の抗うつ薬は、SSRIやSNRIのように、セロトニンやノルアドレナリンに働きかけるのが特徴です。ルボックス(デプロメール)、パキシル、トレドミンなどです。 特にSSRIは、抗うつ薬としては、現在最も効果のある薬剤だとされています。 さて、これらの薬剤では、副作用や抑うつ症状の改善の様子など…

  • うつ病に処方される薬と所見

    うつ病には、基本的に抗うつ薬が処方されます。さらにこれを補強する意味で、抗精神病薬や抗不安薬もよく使われます。 抗うつ薬は、第一世代とか第二世代などというグループに入る、いわゆる旧薬に加え、昨今では第三世代というグループのSSRIが基本処方になっています。 SSRIに関しては、メディアの報道により、衝動性や攻撃性が出るなどの強い副作用ばかりが世間に広がってしまいましたが、医師の判断と処方が的確であれば、あまり問題のない効果的な薬だと言うことを、お伝えしておきたいと思います。 抗不安薬では、私を劇的に回復させたデパケンRは、一度試してみて欲しい薬剤です。もちろん医師と相談の上での服薬になりますが…

  • 症状の伝え方

    病気は、主治医に症状をどこまできちんと伝えられるかで、薬の処方などの治療方針が変わってきます。 医師が自分の症状をどこまで理解してくれているかによって、傷病手当金や障害年金申請における医師記入書類の内容も、変わってくる可能性がありますね。 どんな病気でも言えることですが、うつ病に関しては特に「患者がいかに自分の症状を正しく医師に伝えられるか」が、とても大切になってきます。 何故なら、うつ病は患者による症状の自己申告があって初めて、その程度がわかるからです。実際には症状が重く患者本人は辛いのに、医師にそれが伝わらなければ、適切な処方の妨げになります。 また、症状が医師に伝わらなければ、医師も患者…

  • 『先生、お世話になります』-全てを委ねていませんか?

    医師と患者の間には、意識せずとも自然に上下関係が生まれています。 自分はそうではない!と断言できる人が、一体どれくらいいるでしょうか? 医師の中には「医学という専門知識を使って病気を治療している」うえに、「先生」と呼ばれるわけですから、いつの間にか「治してあげている」 という感覚を持つ人も決して少なくありません。 患者は、医学というものに対して基本的に素人であり、医師はその道のプロであるわけですから、自ずと精神的な上下関係が出来上がってきます。 「先生」と名前の付く職業が、相手に対して圧倒的優位に立っている場合が多いのも、そのせいでしょうね。 このことに気付かず「先生」として上からものを見る医…

  • 不安材料を解決する術はあるか?

    うつ病は、脳内物質セロトニンが減少し機能低下することで起こると言われています。このセロトニンは、意欲や元気を伝達する物質なのですが、では何故セロトニンが減少してしまうのでしょうか。 その原因が、過度のストレスだとされています。 ストレスのもとになるものはいろいろで、人間関係や仕事、子育て、引越しやお産などに起因するケースが目立ちます。 さて一旦うつ病を発症すると、投薬治療を柱にして回復を目指すわけですが、本当にうつ病を完治させるには、根本的な原因が解決されなければいけません。それが、先ほど述べたような「ストレスの原因になるもの」となるわけです。 あなたの場合のストレス因は、何にあったでしょうか…

  • 協力者や理解者は近くにいるか?

    うつ病は、自分と医師の関係だけでは、治すことは難しいのではないかと思います。というのも、多くの場合、うつ病の背景には患者が抱える複雑な人間関係があったり、仕事の重責があったりと、医師とは別のところで起きている個人的な問題が発端となっている場合がほとんどだからです。 産後うつ病や冬季うつ病などの特定のケースでも同じことが言えます。産後は心も身体もエネルギーを使い果たすほどに大変なものですし、冬季うつ病にしても冬季間は本人にとっては耐え難い苦しみの生活を送ることになるからです。 そこで欠かせないのが、身近な協力者や理解者の存在です。もうこの存在なくして回復はあり得ない、と言ってしまっても良いと私は…

  • 「うつ病」の正体を知ること

    うつ病に限らず、どんな病気でも同じことが言えますが、今抱えている病気を克服して社会復帰を目指したいのであれば、まずはご自身でその病気の正体をよく知っておくことです。 患者というのはどうしても、病気については専門科である医師に全て委ねれば良いと考えてしまいがちです。私自身だってやはり同じでした。しかし、自分の心や身体の異変を、いくら専門科だからと言って他人に全て委ねてしまって良いものかと、私は今では違う考えを持っています。 例えばうつ病の場合、大まかなことはネットで調べればいくらでも情報を得られるので、ある程度の知識をつけることは可能かと思われます。「うつ病は心の風邪」「ストレスが原因」「脳内物…

  • 「お医者様」が処方する薬を飲んでいれば間違いない?

    あなたがうつ病と診断されて以来、自分に処方された薬の薬効を調べてみたことはありますか?実は、私たちの抱える抑うつ症状は、医師の処方した薬の服用から慢性化している可能性があるのです。 精神科では、抑うつ症状に対して、抗うつ薬だけではなく抗不安薬・抗精神病薬・抗パーキンソン薬というものが使われることがあります。初期の段階でいきなり抗精神病薬や抗パーキンソン薬が使われることはあまりないようですが、抑うつ症状が進行するにつれ、それを改善するためにという名目で、これらの薬が処方されたりします。 基本的には、そういう処方をするのが精神科における「常識」なのですが、実はこの「常識」が、私たちの抑うつ症状の改…

  • カウンセリングは「患者の話を聞く」だけ?

    私がかつて通っていた病院で、医師に「カウンセリングを受けたい」と言ったことがありました。投薬治療だけでは何ともし難い〝こころ〟の部分を、少しでもほぐしてラクになりたかったからです。ところが医師は「うーん…こうやって話しているのも〝カウンセリング〟なんですがね。」と言いました。どうやら、お互いの描くカウンセリング像は異なっていたようです。 この医師が「こうやって話しているのもカウンセリングだ」と言ったのには意味があります。私がいろいろと情報を調べてみて知りましたが、医師は「患者の話を聞くのがカウンセリング」と習うようです。恐らく、医師として適切な治療法を見つけ出すために患者の様子を聞く、これをカ…

  • 「見えない病気」を診断する難しさ

    前ページでも触れましたが、うつ病は他の内科系・外科系などの病気と違って、他人にはその症状がなかなか伝わりにくいという特徴があります。これは精神科の病気一般において言えることです。 つまり、医師にとっても、患者の病気を診断する材料は患者からの「自己申告」と診断時の本人の様子のみであるため、客観的な判断材料に欠けているとも言えます。 もちろん、精神科学会の基準や学者の理論などによって、一応の目安は立てられていますが、基本的にうつ病という病気の原因や発生のメカニズムなどは、厳密にわかっているわけではないので、確実に近い診断というのは難しいのが現状なのかも知れません。 これを逆手に取って、障害年金や傷…

  • 医師が精神医療を熟知していない

    このページのタイトルを「医師が精神医療を熟知していない」としたのは、医師が「精神医療」という学問をよく学んでいない、という意味では決してありません。 むしろ、彼らが学んだ精神医療や薬剤の特性と、患者の病態との間に大きなズレが存在している、ということからこんなタイトルをつけました。 医師は、学生時代からちゃんと医療を学び、臨床経験を積んで、今現在現場の医師として活躍しているのですが、問題なのは精神科系という〝見えない病気〟を的確に把握し診断できるかどうかの能力なんです。 そして、把握した病気に対して有効な処方が、果たしてできているのか、ということも問題です。 例えば、次のようなことです。うつ病だ…

  • うつとネットにおける中傷

    自分がうつ病であると知られることに抵抗を感じる人はまだ多く、声をあげて気軽に悩みを相談できる環境は残念ながらまだまだ整っていないと言えます。 カウンセリングという手段もあるのですが、お金がかかる話ですからハードルも高くなりますね。 ではどこで自分の想いや悩みを吐露するかと言うと、その行先はインターネットであることが非常に多いです。 いわゆる「質問サイト」において、自分の抱えている想いをそっと打ち明けている人が多く見られます。 それに対する回答数も多く、活発なトピックの一つだと言って良いでしょう。 特に目立つ質問傾向は、ざっくりまとめると以下のように整理できそうです。 ・障害年金など公的支援に関…

  • うつ病さんの「ライフヒストリー」

    実はカウンセラー資格を保有する前から、いろいろな方々のお話を聞いたり、経験を積んでカウンセリングを行ってきた私。 ここに非常に面白いテーマがあります。 「ライフヒストリー」とか「ライフライン」と呼ばれるものですが、要するに本人の人生を振り返りながらそれを波線グラフのように表して客観視するのです。 こちらは私自身のライフヒストリーですが、グラフが落ちている時と上がっている時には何かしら共通点があることが見えてきます。 例えば私の場合、グラフが落ちている時は「非常に嫌な物事を必死に堪えている時」であるようです。 一方グラフが上がっている時は「熱中・集中できることが見つかった時」であるようです。 別…

  • 「私を病人にするな!」うつ病を受け入れたくない人達

    うつ病の超初期段階では、急激な落ち込みや食欲の変化、また不眠などいろいろな症状が目立つようになります。 ところが、周囲でそれを見ている者にとっては明らかな異変であるにも関わらず、当の本人がそれを「異常」と受け入れられないケースがあります。 周囲の者がいくら「今までのあなたの様子と明らかに違うから病院へ行った方がよい」と言っても、本人が聞く耳を持たないのです。 本人にしてみれば、たまたま悪いことや大きな壁が重なって現れたために、自分はいつも以上に少々頑張っているにすぎません。 いつもよりパワーのいる「壁」だから、いつもと違う自分になるのも仕方ないのです。 ですから、まさか自分の様子が病的などとは…

  • うつ病者の経済的苦悩

    経済的なことで悩んでいるうつ病者って、 結構多いんです。 うつ病になると、 ・ 気力が極端に衰えて、・ 集中力が極端に落ちて、・ 関心が持てなくなって、 ・・・といった状態に陥るため、 うつ病になって以降、仕事を止めざるを得なくなったり、 転職を繰り返すハメになるケースが非常に多いです。そうすると、収入も当然ガクンと下がりますよね。 この点に悩んでいる人は、 決してあなただけではありません。 「仕事が思うようにできない」↓「収入がひどく不安定になる」↓「それがさらに心を不安定にする」↓「とにかく収入を得なければと焦る」↓「でもうまく仕事ができない」↓・・・・・・ この無限サイクルにはまってしま…

  • 完全復帰を焦るほど遠のく回復

    うつ病を患うと、とにかく意欲がなくなり、ヤル気が出ず、集中力も極度に低下します。しかし内科的にはどこにも異常はありませんから、周囲は「もっと気合い入れて頑張れ」と期待し、本人もその期待に応えようと無理をします。 この「無理」が、うつ病悪化の大きな原因のひとつであると言えます。 無理をしても頑張ろうとする、というのはうつ病患者の特徴のようなものですが、その〝頑張り〟の裏には、「自分はこんなんじゃなかったはずだ」「もっとできるはずだ」という思いがあり、更に「早く元通りにならなきゃ」という強い焦りが存在します。 この「焦り」は、実は回復をさまたげるもう一つの悪因でもあるのです。 それまで社会的、家庭…

  • 自傷行為と自殺行為

    うつ病によく関連付けられているのが、自傷行為と自殺行為です。 うつ病患者の自殺は毎年3万件を超えると言われており、これは日本における自殺件数の約半分を占めているそうです。 同じく自傷行為もよく見られ、特に若い女性を中心にリストカットをする傾向が非常に高いのです。 どちらの行為も、もともと真面目で頑張り屋であったうつ病患者が、病気によって今までのように作業をこなせなくなったことを憂いて、必要以上に自責の念に駆られ、そのうち自分の存在価値までをも否定し始め、最後には「いっそ自分など消えて無くなればいい」という考えに至ることで起こります。 自分の人生には果たして意味があったのか、というような無力感や…

  • うつ病患者は自分を追い詰める

    メランコリー型と呼ばれる一般的なうつ病では、患者は強い自責の念を持つことが非常に多いです。何事も、「自分がこうしていれば…」「自分が悪いんだ」と必要以上に自分を責める傾向が強く、最終的にはリストカットや薬の過剰服薬(OD)、最悪だと自殺というケースにも発展することがあります。 うつ病自体が、真面目な性格の人に発症しやすい病気なのですが、真面目だからこそ自責の念にかられることも多く、その役割意識から無理をして頑張ろうとしますが、それが叶わず挫折するのです。 こういった仕組みは一般の人には理解されにくいため、周囲からはもっと頑張るように言われたり、注意を受けたりすることもあります。厄介なのは、言っ…

  • 自分に合う医師・合わない医師

    医者と患者の関係は、どうしても「上下関係」のようになってしまいますよね。 診察時に、医者は専門知識と経験から診断を下し治療方針を決めますが、素人である患者にとってはそれに意見する術もなく、ただ医者の判断に沿うしかない、というのが通常であろうと思います。 私も、うつ病を疑って最初の病院へ行った時は、全くそんな状態でした。 診察室で、まともにこちらを見ることもなく、私の話に相槌を打つでもなく、時折り無愛想に質問を投げかけてくる。それは話を聞くという態度ではなく、あくまでも診断に必要な事項のみを聞ければ良い、といった感じでした。 私はどうも、こういう態度の医者というのは許せないタチなので、別の総合病…

  • うつ病と燃え尽き症候群は同じもの?

    「うつ病と燃え尽き症候群は同じもの?」 ・大きな目標を成し得た後のスポーツ選手・長年に渡る勤務を終えた後の定年退職者 こういう人達にたまに襲いかかるのが、「燃え尽き症候群」と呼ばれる状態です。 ある一つの目標や使命感に向けて長期間に渡って全力を注いできた人達は、ゴールに到達することでそれまでのたぎるような想いがフッと抜け出てしまうことがあります。 今までの活力に溢れた表情からは生気が消え、心のエネルギーは枯渇し、いわゆる虚脱感に襲われてしまうんですね。 うつ病という病気も、人によってはこの燃え尽き症候群と深く関わりがある、とも言われています。全く同じものとは言い切れないが、全く無関係であるとも…

  • うつ病と強迫性障害の関わり

    強迫性障害は、「強迫観念」「強迫行為」と呼ばれる特徴を持った病気です。 「強迫観念」とは、ささいな事が異常に気になったり、~しなければならないという気持ちにいつも駆られていたり、バカバカしいとわかっているのにどうしてもある考えが振り払えない、といったような状態のことです。 例えば、 ○ちょっと汚れただけでも異常に気になる○他人が不潔に感じて仕方がない○カギをかけたか何度確かめても不安だ○自分は良い人間でなくてはならない …という考えが止まらない、というような状態です。 「強迫行為」とは、「強迫観念」から起こる行為のことで、 ○何度も手や衣類を洗い続ける○人の触ったものに触れない○カギをちゃんと…

  • 躁鬱病とうつ病の違いは?

    躁鬱病とうつ病は、全く違う病気です。 どちらも「気分障害」というカテゴリに入るのですが、〔うつ病→単極性障害〕〔躁鬱病→双極性障害〕として分類されます。どちらも似たようなものだ、なんて言う医師が未だにいることにはちょっとビックリですが、症状も処方も異なる病気だということを知っておきましょう。 躁鬱病で見られる症状には、次のようなものがあります: ○異常に気分が盛り上がる○よくしゃべり、よく動く○判断力が欠如する○多少寝なくても疲れない○衝動買いやギャンブルへの熱中などが起きる○注意散漫○怒りっぽくなる○上記の症状に加え、抑うつ症状が見られる 躁鬱病では、うつ病と同じく抑うつ症状が見られますが、…

  • 統合失調症はうつ病と関係があるの?

    統合失調症がもともと精神分裂病と呼ばれていたことは、良く知られています。ですが、2002年に、「精神分裂病という名前では、精神的に全てが壊れているような響きがあり、差別や人格否定に当たる恐れがある」ということで、統合失調症という名前になったんです。 その原因は脳内神経物質のバランスにあると言われていますが、実はまだ明らかになっておらず、仮説の段階なんです。ですから、対症療法的なところがあるのも事実なんですよね。 さて統合失調症になると、次のような症状が出てきます: ○感情に乏しい○幻聴(悪口や脅し、誰かからの命令が聞こえるなど)○妄想的(ひどく被害者思考になったり、あり得ないことを信じたりしま…

  • パニック障害はうつ病と関連があるって本当?

    最近、芸能人でも「自分はパニック障害だった」と告白される方がいらっしゃいますよね。芸能人が告白するケースが増えたことで、社会的な認知度も高まってきたパニック障害ですが、何が原因でどんな症状が起こるのか、そしてうつ病との関連性はあるのか、について説明します。 【症状】 「ある日突然、特別な理由もないのに急に胸がドキドキと苦しくなり、冷や汗が出て、呼吸が困難になる。」いきなりこんな症状が出ることがあります。発作は急でかなり激しいため、あまりの苦しさに「このまま死ぬのではないか」という恐怖にかられたり、救急車で病院に行くこともあります。発作は、起こってから10分以内にピークに達してからおさまりますが…

  • うつ病の原因

    うつ病は、よく「心のカゼ」と言われていますが、日常生活に支障をきたすほど病的に憂うつや無気力が見られるので、実際はそう簡単な話ではありません。 でも多くの人は、うつ病特有の症状を、ただの落ち込みだとか気の持ちようだと考えるため、ついつい無理をして頑張りすぎてしまい、結局症状を悪化させてしまったりするんです。 熱が出るとか、咳が出るとか、わかりやすい症状があるわけではないので、このあたりは本当にうつ病の難しいところなんです。 覚えておきたいことは、うつ病とは、決して怠け心や心の弱さの延長にあるのではなく、何らかの原因から大きなストレスを受け続け、それによって脳内物質の働きが悪くなってしまうという…

  • 心とからだの関係

    心と身体の状態は、密接に関わっています。 心が元気な時は、エネルギーに満ちて、身体の状態もとても良いですよね。逆に心が弱っている時は、疲れやすくなったり食欲不振になったり、身体症状として現れることが多くなります。 うつ病の場合、病気自体は目に見えにくいものの、それに伴う身体症状には特徴があって、これを知っておくだけでも自分のうつ状態を見逃さずに済みます。 例えば… 食欲低下 不眠 肩こり 慢性疲労感 早朝に目が覚める(覚醒) こういった症状が目立ちます。 一方、身体が弱っている時は、それが心の状態に大きく影響することもあります。 例えば… 脳疾患 糖尿病 高血圧 ぜんそく など こういった基礎…

  • うつ病診断の基準

    うつ病は、憂うつが日常生活にまで支障を及ぼす状態になったものですが、病気としてのうつ病なのか、単なる一時的な落ち込みなのかは、周囲はもちろん本人でさえ気付きにくいものです。 通常は、医者からいろいろと問診されることで、うつ状態の尺度を測のですが、この問診には実は決まった質問項目があるのです。 この質問項目を知っておけば、自分の抱えるいろいろな症状が病的なものかどうかが、ある程度掴めてきます。 医者が使っている診断基準は、WHOの国際疾病分類である「ICD-10」や、アメリカ精神医学会の「DSM-IV」が主になっています。 以下は「DSM-IV」による診断基準の一部です。 次のうち5項目またはそ…

  • うつ病セルフチェック

    「どうも最近、気持ちが晴れず調子がおかしい気がする…?」 もし、〝うつ〟症状を疑うような徴候があったら、セルフチェックを行ってみると良いかも知れません。 とても良く知られたセルフチェック法に〔ベックうつ病質問表(BDIテスト)〕というものがあります。これは、認知療法理論を世界で初めて展開した、ペンシルバニア大学精神科医のDr.アーロン・ベックが考案したものです。その日の気分を問う21の質問に答え、採点を行い、その採点結果で抑うつ度を測る、というものになります。ベックの質問表に答えていくことで、自分の状態を客観的に捉えることができますので、自分自身の「うつ度」を把握する目安になります。 では、実…

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医者任せにしない!うつ病を克服した私の治療体験記
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