無視された「総力戦研究所」の研究成果、そして開戦
昭和16年(1941)8月27日、首相官邸大広間で、総力戦研究所研究生で組織された模擬内閣(窪田角一内閣)が研究成果発表のため、第三次近衛内閣と対峙したのである. 午前9時に始まった〈窪田内閣〉の〈閣議報告〉は、午後6時まで長時間に及んだという。 結論は、緒戦の勝利は見込まれるが、戦争は長期戦になって、物量劣勢の日本に勝機はない。日本は敗れるというものであった。日米開戦は回避を提言されたのである 登場陸相は終始メモを取る手を休めなかったという。ここで、開戦までのトピックをさらってみる。 ・昭和16年(1941)7月28日、日本軍南部仏印進駐 ・8月1日、米、発動機燃料、航空機用潤滑油の対日禁輸…
2022/05/27 13:02