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ひきこもり芥の絵空ごと https://akuta.hatenablog.jp/

引きこもり属性を持つ"芥"の物語系4コマ漫画、及び彼の現実的記録。

【うらのうた】 描きたい系芥製造生物。 極度の平和主義者だが、その内に渦巻いている感情は憎悪に他ならないらしい。 小心者が故に人当りがとても良いと評判が評判を呼んでいる。 【芥】 あくた。意味、くず、かす。芥はこの名前をとても気に入っている様子。ただし、本当の名前は他にあるらしい。 引きこもりではなく引きこもり属性である。 左目を隠しがち。

うらのうた
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2021/06/16

1件〜100件

  • 好き

    僕が唯一望むこと、それは人を好きになれること。 もし僕に人を好きになることのできる能力が備わっていたなら、どれほどこの世界は生きやすいものだっただろうか。 その一点だけを除けば、僕は普通でいられたように思う。 必要以上に人と関わること――垂れ流すだけのお喋りだったり、単に遊ぶこと一緒に居ること、具体的に言えば登下校をともにすること、休み時間や放課後に集まること、あるいは家族と呼ぶ人たちと寝食をともにすることであったり、挨拶をしたり目を合わせたり微笑みを与えたりすること、目の前の相手に「好き」を表すこと――それら全ては僕にとっての苦痛である。気付いたころにはもうそれらが苦痛でしかなかった。 でも…

  • 大切な仲間

    【第一章】増やせオトモダチ 4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • かいて

    言葉は溢れてくるのに、そこに僕は映らない。空虚な僕から浮かび出る一心不乱の言葉たちはそれに倣いそれらしく消えていく。 そこに君はいない。 ただ、知っている。そこらじゅうをたくさんの君が駆け巡っていることを僕は理解しているのだ。 君が助けてくれたらいいのに 僕はいつもそうだ 僕が勝手に僕になってくれればいい。 僕ではない何かで僕を形成してくれよ。 ねえ 君がいて初めて僕は僕になれるんだよ なんてまるで僕は君を知っているような口ぶりだね。哀れに見えるかな。いや、酷く汚らしく写っているのだろうね。 僕が僕であることに君は必要ない。 <今年、最後の選択 >

  • 今年、最後の選択

    今日が、今までの僕の人生の中でいちばん酷い日だった。 明日は、明日までの僕の人生でいちばん酷い日になるはずだ。 その次の日はその次の日までの僕、その次の日はーー。 だから、ここでこの日に僕が死なない限りでは、僕の今日は、未来での僕の人生の中で普通の日へと変わっていくのだ。 そして、僕がここで死ぬことさえできれば、今日の僕は、これまでの僕の人生の中でいちばんのヒーローになれるのだ。 大切なことは僕の選択だ。 他に左右されていない、僕の選択。 この良き日に、今日の選択に、今年最後の選択に、乾杯!! 追伸 僕には四足歩行を助ける手立ては何年も前からできているというのに、1か月以上も、いや4年以上も、…

  • メリークリスマス!!

    僕はクリスマスが大好きだ!!季節の行事の中で2番目に好きだ。そうさ、今僕はこの上なく浮かれているよ。 この事実に君は驚くだろうか。いや、僕のことなんかに興味がないかな。それは、とても、僕にとっては寂しいことだね。 恋人たちが、友だち同士が、そこにある家族が、幸せに浮かれていることが僕を温かくする。 僕一人きりそれらに包まれて眺めるイルミネーションはこの世のものと思えない程に綺麗で、本当にサンタの贈り物なのかと勘違いしてしまう、町中を照らすリビングの光が僕をふわりとぎゅっと包み込んでくれる。こんな幸せな夜は他にないよね。このまま、この光とともに、と思わずにはいられないんだ。 <皆既月食 >

  • 居場所

    【第一章】増やせオトモダチ 4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 名前とは(3)

    【第一章】増やせオトモダチ 4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 皆既月食

    僕にも太陽が必要だ。 僕を照らすもの、僕を温めるもの、僕を焼き切るもの。 きっとどこかにいる。 だから、僕は今こんなにも赤黒く染まってしまうのだ。 僕の目の前にいるのは誰だ。 いや、わかっているさ。 これは、私だ。 僕の心を蝕むのはいつだって他人の善意だ。 一歩外に出てしまえば、常に僕はそれを血眼で狂い求めなければならない。 人の悪意というものが恐ろしくてたまらない。 僕がその強制的な狂いからふと覚め気づいたとき、僕の周りにはべったりとした善意の海が必ず広がっている。 それは僕の心をじわじわと侵し、ある日突然にぴたりと僕の気管を塞ぐのだ。 私が僕の邪魔をする。 ただ、私を置いて僕ひとりきり、真…

  • 名前とは(2)

    【第一章】増やせオトモダチ 4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 名前とは(1)

    【第一章】増やせオトモダチ 4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 僕は僕であり僕ではない

    僕は僕を愛している。自身に対して敬愛の念すらもみなぎり返っていると言っても最早過言ではないのではないか。 僕は僕であり、きっと僕は僕ではないのだ。 さて、如何に僕が愛されるべき人物か、それと同時に如何に僕が唾棄すべき人間か、それらを僕の好きな自分の呟きを以って僕は僕自身に問おう。 人が嫌いなのか、自分を求めてくれない人間が嫌いなのか。 はて、人生とは。生きる人の姿か、人を生きる姿か。 なんだっけ。ほら、また、忘れた。僕の心が、零れ落ちた。 舌を噛んでしまったときほど「嗚呼自分がカバではなくて良かった」と感じる瞬間はない。 生きているかと聞かれれば生きているとしか応えられない。生きているかと問う…

  • 喧嘩

    【第一章】増やせオトモダチ 4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 迷子

    【第一章】増やせオトモダチ 4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 染まりたい

    それ以前は何色が好きだったのかを思い出せないほどに、今の僕は赤色に心酔しきっている。 気が付けば僕は赤色に塗れ、それが心地よく、それに対して欲深く、更なるものを求めては溢れさせたくてたまらないのだ。 ただ、赤色が好きな人の特徴として挙げられるものに僕の違和感が付き纏う。 情熱的、活発的、外交的、野心家、他を支配し先導する者。それらはことごとく僕の正反対を表してくる。いやしかし本来の僕はこのような性質を持っているのだろうか、と疑うことすらも許さないほどに僕の中には露ほども存在し得ないものたちだ。 もし僕がこのような人間であったなら、それこそ僕の人生は薔薇色だったことだろう。 今週のお題「赤いもの…

  • 違和感

    【第一章】増やせオトモダチ 4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 心配する四足歩行

    【第一章】増やせオトモダチ 4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 親友と人形

    僕にはオトモダチがいた。 正しくは、僕を「親友」と呼んでくれる人たちがいた。 彼らは決まって僕と正反対の人間だった。 いかにも人間が好きで、誰かと共にいなければ死んでしまうような、しかし僕のような人間を構うことについての必要性をこれっぽっちも感じさせず、クラスの中心を小指一つで独占することができて周りを人で溢れ返すような、そのコミュニティを失ってさえも新たな彼らの居場所を容易く作り出してしまうような、確かにエゴ丸出しな、そんな僕の嫌いな人間たちだった。正に僕の憧れをいっぺんに詰め込んだような、そんな人たち。 彼らは代わる代わる僕の元へとやってきた。 僕は理解していた。彼らの周りには他の”僕”が…

  • ぱぴ江田のお知らせ

    芥応援隊の皆さま初めまして、ぱぴ江田です。 「崇高感のとても溢れる方々」だと、管理人うらのうたから日々、毎日のように、毎分毎秒のように聞いています。 あと、「活動を頑張ってください」とのことです。 次期芥応援隊の皆さまも初めまして、ぱぴ江田です。 ここはとても素晴らしい世界です。芥くんたちはとても優しくていい人です。皆さまもこのぱぴ江田のようにきっと好きになると思います。 よろしくお願いしますぱぴ。 以下、本文。 この度、ぱぴ江田は「ひきこもり芥の絵空ごと」PR大使に任命されました。がんばります。 以上。 ぱぴ江田の生息地を見に行く? → 別にいいいけど → 断固拒否する >

  • ハッピー収穫祭

    【第一章】増やせオトモダチ 4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • ハロウィン前夜

    【第一章】増やせオトモダチ 4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 願いごと

    【第一章】増やせオトモダチ 4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 辛せ

    辛いこともあれば幸せなこともある。 今が辛い分その後にくる幸せは一入だろう。 確かに僕には幸せなことがあった。それは思い出したくもないような杜撰で凄惨な幸せだった。 君は僕をいなすだろうか。 君は僕をさとすだろうか。 君は僕をわらうだろうか。 君は僕を、君は僕から、離れてしまう。 僕が僕でいることで僕は僕から、幸せであるための一つを奪ってしまうのだ。 自分のことを欠陥だらけな愚劣な人間であると嘆くほど僕は悲観的ではない。 ただひとつ、ただ一か所だけが欠けているのだ。 たったそれだけのことなのに、なぜ世界はこれほどまでに様変わりしてしまったのだろうか。 <僕の嫌いなもの >

  • 10月の七夕

    【第一章】増やせオトモダチ 4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 生みの親

    【第一章】増やせオトモダチ 4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 僕の嫌いなもの

    僕には僕の嫌いな人が一人も存在しない世界があった。 「嫌い」よりも残酷な言葉は「興味がない」というものだと、これ以外の正義など存在し得ないのだとその唾で世間を満たすように断言し、ことある毎に僕の耳を侵した人間がいたが、全くのその通りであったと今の僕は共感する。 動くもの全てがどうでもよく、止まるもの全ては無に等しかった。 だから、僕は幸せだった。 僕を苛出せるもの、僕を汚すもの、僕を喜ばすもの、あの頃の僕の世界には何ひとつ存在しなかった。 生きるとは正しくこういうことだったのだと腑に落ちたものだ。 あの頃、僕の世界は超加速度的な広がりを見せていた。 僕が世間への興味を失くすことにより、外の僕の…

  • 理想

    【第一章】増やせオトモダチ 4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 想像の神

    【第一章】増やせオトモダチ 4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 創造の神

    【第一章】増やせオトモダチ 4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • のぞみ

    僕は僕として生きたいのだ。 だから、僕は僕として生きることを許さない意思を、歓び迎え入れは決してしないつもりだ。 僕が僕で死ぬことができるのならば、それは本望に違いはない。 つまり僕の親、それはどちらか一方でも構わないが、それに殺されることがいちばんの希なのだ。 そうすることで僕が彼らにとってのノゾミとなれるのなら、どれほどよかったことか。 僕が僕として望として彼らを照らせたならば、どれほど。 希というものは儚い、これは僕の意志である。 そして、僕の母が僕自身を「のぞみ」と呼ぶことを希望し、僕の父がそれをいなした事実を僕は信じている。僕の母は、僕のことを、呼ばない。 僕の世界はそうしてできてい…

  • 僕の墓(2)

    4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 僕の墓(1)

    4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 本能

    4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 穴の開いた天井

    また目が覚めてしまったのか。 もはや見慣れてしまった真っ白な天井を僕は見つめる。 そのまま何秒数えようが何分何時間経とうがちっとも退屈ではない。 むしろこのまま何十年でも眺めていたいと思う。 だけど僕には成し遂げなければいけないことがあるのだ。 こんなところに留まっているわけにはいかないのだ。 こんなところに居ても僕は僕になれはしないのだ。 でも、どうせまたここで目が覚めるのだろう、そんな予感が僕を気軽に誘う。 僕の意思と本能が喧嘩をする。 どっちも僕のモノなのに、なんで仲良くしてくれないの。 僕はこんなにもいい子でいることに拘泥してきたじゃないか。 何でこの肝心な時だけは、いい子にできないの…

  • ピエロが自殺する前に

    私の心が唯一拠り所とするのは、インターネットである。 いや、それでは語弊があるかもしれない。私の心と直結するものは、インターネット上に存在するブログである。 誰かと心を通わせたかったわけではない。これは私の心とブログというシステムが共鳴してしまった時点からずっとのことである。 いや、それもまた嘘でしかないのだ。結局のところ私は私を誰かと繋げたかったのだ。彼らをわかりたいなどという、まるで人であることを証明するためかのような感情は微塵もなく、ただ私という人間を一方通行で。 私は不自由の中で、私がインターネットに自由に接することができるようになった12歳の頃から、掃き溜めのようなブログを作っては消…

  • 紅生姜とガリの違い

    私は焼きそばをを食べることにした。「電子レンジ可という記載はないが、この容器は溶けてしまわないだろうか」という私にとっては些細なことに過ぎない、しかし実体験から湧き出てきてしまった疑問とともに焦げ付きの酷い電子レンジに任せた。その間に、私は冷蔵庫から小袋入りのガリを取り出す。 思わず舌打ちをしてしまうほどに(勘違いしないでいただきたいが私は元来いい人である)、電子レンジにけたたましく呼ばれる。容器が異様に熱い反面、肝心の中身である焼きそばはあまり温められていないことを察しながらも私はひとつの疑問に出会った。 紅生姜とガリの違いとは――。 私はGoogle先生に絶大なる信頼を置いている。しかし、…

  • 首吊り

    4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 入水

    4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 風邪

    4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 <前話 次話>

  • 居場所

    雪の降らない冬を眺めて、太鼓の音が心臓に響かない夏を感じて、僕は、僕の在り場所は、ここではないのだと心が切り裂けそうになりながら、それを抑えるようにぎゅっと胸を握り潰しながら、安心する。 そこは僕の故郷でも、ましてや誰かが待っていてくれているわけでもない。ただの、場所。それだけの場所。何のゆかりもない、場所。 ただただ帰りたいだけの場所。 何もかもを振り切って、何もかもに傷をつけて、何もかもすべてを、僕自身さえも見捨ててしまえば。 僕を僕と認識しなくて、僕を僕として必要としてくれる場所。 どうせ叶わないのなら、こんな贅沢な世界を願ったって罰は当たらないのではないかしら。 今週のお題「住みたい場…

  • 雨(2)

    4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 ©うらのうた <前話 次話>

  • 雨(1)

    4コマ漫画「ひきこもり芥の絵空ごと」 ©うらのうた <前話 次話>

  • ジェンダー

    僕の母は、僕と似ていることを異様に嫌がった。 例えば、彼女は麻婆豆腐が好きだった。彼女は母らしく、幾度もそれを作った。 僕はその麻婆豆腐が正直好きでも嫌いでもなかった。ただ、「美味しい」と食べていただけだった。そして、彼女が僕をちゃんと育ててくれたおかげで、僕は僕の為に作ってもらった食べ物を残すこと、ましてや貶すなんて愚行は一度たりともしたことがなかった。 彼女は楽し気に言い放つ。 「あなたはこれ嫌いよね。私は好きなんだけどね。ああ、お兄ちゃんもこれ大好きだったわね」 それは、彼女が作るたび、僕が食べるたび、繰り返され続ける。 いつかの僕は堪らず静かに怒った。 「僕は、好きだよ」 そうすると母…

  • 引きこもりあるある(2)

    <前話 次話>

  • 引きこもりあるある

    <前話 次話>

  • 家族

    僕は幸せな家族を知っていた。 例えば、彼女は生粋の日本人であるにも拘らず彼女のおばあさんをグランマ、おじいさんをグランパと呼んだ。 そして、休日にはママの作ったマフィンを食すらしかった。パパと妹(妹には特別な呼び名はなかった)とは仲が良いらしく、度々自慢話(彼女には純粋さしかなかったのだろう)を聞かされていた。 ただ、彼女はいわゆる変わり者ではなかった。背が高く外見の綺麗なまるで外国人みたいなテンションの、クラスの人気者なのに僕みたいな人間と2人で遊びに出ることをも”普通”としていたような、今思えばアニメの世界にいるような、そんな子だった。 おそらく、本当にいい子だったのだろう。 例えば、僕は…

  • いじられキャラ

    <前話 次話>

  • 悪夢

    <前話 次話>

  • A型の五七五

    ・「血液型ってさ、別に人の性格に影響してないから」 ・そう快活に笑う彼女を僕はよく知っていた。 ・だけど、どうしたって僕はA型に違いないのだ。 ・自身の信じる約束事に溺れてしまうのは、いつも家族で僕だけだったから。 ・きちんと、丁寧に、絶対的に、そうしなければ気が済まず、だって狂ってしまうから。 ・僕の部屋には古い本棚があった。 ・そこは音も高さも上下もましてや裏表でさえもバラバラに整われていた。 ・気持ちが悪くなるのだ。 ・なにか世間の決め事によって並ばされているのを見ると吐いてしまって。 ・だけど、少しでも気を抜けば――。 ・だから、僕はちゃんとそれに反するように気を付けて綺麗に並べる。 …

  • 発言

    <前話 次話>

  • 素麺の儀式

    僕の素麺に対する評価は甚だ低い。それは本当に残念なことだ。 例えば出先で僕はわざわざ資金を崩してまでも、雀の涙ほどの、僕の愛おしい御銭方々を手放してまでも、素麺を食べたいだなんてそんな愚かしさを感じたことはこの僅かすぎる人生の中では一度たりともない。 何故だろうか。 僕にとっての素麺とは幸せな家族の象徴である。 カランカランと透明な氷が静かに音を立て、それを合図にしたかのように震えない程度の笑い声、茹だるような日差しから身を隠し、いやそれすらも存在しないかのような、 ――まるで怪奇。誰もがそれを演じ続ける悲惨。 その儀式のような苦しみの圧迫感を、夏が来るたびに繰り返し求める。 彼らはどういう気…

  • ほか

    ほかは危険に溢れすぎている。 だから、僕の目は穢れ、僕は耳を澄まし、僕は僕を閉じ込めたのだ。 だって、僕は僕をこの世でいちばんに、底なしに愛してしまったから。 君が僕に対してどんなに汚い言葉を吐き散らそうとも、僕は一向に構わないのだ。消えたいと、殺してしまいたいと、行方知れずの厭な感情で死ぬほどに押しつぶされたとしても、結局僕はここに存在し続けるから。 僕は弱くて図太いから。 だから、一向に構わないのだ。 一向に構わないのだ。 大丈夫、一向に、構わないのだ。 ねぇ、今のこの僕は、これまでの僕の中で比べ物にならない程の極上の幸せを得ているのだよ。 ねぇ、君がこの先何十億年生きたとしても、君の価値…

  • 本当の自分(2)

    <前話 次話>

  • 本当の自分(1)

    <前話 次話>

  • 愛想

    <前話 次話>

  • 愛のうた

    僕も愛を唄いたかった。どうしても謡いたかった。 それは、恋人であったり友へ、家族、或いは自分自身に向けてでも、どんな愛でも構わなかった。それが愛であれば何でもよかった。 街中で流れるそれにキャーキャーと喚く連れを見て、この人はどこまでもくだらない人間なのだと僕は嫉妬した。 僕は音楽を無視してまでその言葉たちを必死で追ったみた。 けれどもすぐにそれらは僕の意識と交換にして、叫びだしたくなる程に僕を苛立たせた。 ただ今でも僕がふいに口ずさんでしまう歌は、あの頃と変わらない。誰かを想うような僕の知らない愛の詩である。 そして、やっぱり僕は心がざわざわするのを感じて落ち着かなくなるのだ。 今週のお題「…

  • おとり作戦

    <前話 次話>

  • ≒奴

    君と僕はよく似ている。そうか、まるで僕はゴキブリだ。 人のいない暗闇を好み、暖かな場所を探し求め、大多数の人間から忌み嫌われ、そして、明白な殺意の目を向けられる。ただ僕は、ただ、必死なだけなのに。 夜は心地が良い。何故だか自由になれた気さえするからだ。 もしかしたら僕を嫌うものなんていないのではないかしら。 だから、その間に僕はあらゆるものを貪り食う。鬱憤、怠惰、卑屈、嫌悪。求めているわけではない。ここにはこんなものしかないから仕方がないのだ。贅沢は言っていられない。 ただ君と僕では決定的に違うところがある。それは、僕が生き残りたいという醜い願望故に(僕には決してそういうつもりはさらさらないの…

  • 家に帰ろう

    <前話 次話>

  • 梅雨

    僕は父親が嫌いだ。いつからかはわからない。僕は父親が嫌いだった。 母に聞かれた。まただ。「なぜあなたはそんなにオトウサンを嫌いなの」 僕は答えた。「怖いから。いや、別に嫌いに理由なんてないよ」 僕は静かに熱弁した。「例えば、恐竜が襲ってきたとして、いや、そこにいたとして、それは恐怖ではないのか。その感情に何の理由がいるのか」 僕は察した。そういうことではない。何も伝えられていない。全くそういうことではないのだ。 母は「またか」と心底呆れた表情とともに僕を軽蔑した。 そして、次の日、母は僕にいつものように聞かせた。「あの人が家にいると息が詰まるのよ。前はあの人は家にいなかったのよ」 僕は「またか…

  • 散歩(2)

    <前話 次話>

  • 鬼ごっこ

    全人類に愛されてしかるべき容姿と思考を持ち合わせていた幼い頃の僕はといえば、尋常ではないほどに、鬼ごっこが恐ろしくて仕方がなかった。 夢幻などでは決してなく現実に存在し、まるで現実を見ている真の鬼に本当に追いかけられているようで、そして捕まったが最後、愚かなほどにのろまな僕は確かに永遠に孤独だった。 ただ、その頃にはすでに僕は孤独をこの上なく愛し、べったりと依存しきっていた。 ――そうだ 凡そ求めたくもない人間たちを欲し、複数の好奇の眼差しに晒され、少しでも近づけば悲鳴じみた嫌に耳につく狂ったような笑い声を体中に浴びせられ、そして誰にも追いつけず。 それは、僕の傍にいてくれる孤独とはまるで装い…

  • 散歩(1)

    <前話 次話>

  • アイテム

    <前話 次話>

  • これは、僕を守ってくれるもの。 これは、僕を閉ざそうとするもの。 僕はこれをこの上なく愛し、何よりも依存し、頼り、縋り、無遠慮に身を委ね、傷つけても一向に構わず。 ただ、僕の傍にいて欲しいのだ。 僕の全てを受け入れて欲しいだけなのだ。 こんな僕を、僕のわからない価値観で拒絶しないでほしい、ただそれだけ。 そう、ただそれだけ。 君の心など必要ない。 <豆苗 鬼ごっこ>

  • 世間が

    <前話 次話>

  • 日常(2)

    <前話 次話>

  • 日常(1)

    次話>

  • 豆苗

    僕はどうしても豆苗を育ててみたかった。 果たしてそこにきちりとした理由があったのか、今ではわからない。 ただ、覚えていることはある。 そのものの大きさには到底見合わない程に、それは耳をつんざくほどに呻く音で(これが悲鳴に聞こえたなどと言うつもりはない。まだ僕はそこまで狂ってはいないつもりだ)、僕にはただただ恐怖で、叫び出したく、しかし僕は所詮僕でしかないから、その衝動をやっとの思いで押し殺して我慢をして、ぶちぶちと彼らを引きちぎった。 ぶちぶちとただただ引きちぎった。 そして、何一つの愛着もなく、色のない、小さな湯呑みにカルキ臭い水道水を少しだけ張り、僕は全身が震えるほどのばくばくという心臓音…

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ひきこもり芥の絵空ごと
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