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令和の書評プラスα https://book-alpha.net/

少し硬めの「面白い本」ばかり選んだ、独自の切り口による書評プラスαのサイトです。本の内容紹介よりも、自分の意見や感想が中心。なるべく普通の書評にはないことを書こうと思っています。辛口や諧謔、たまに脱線あり。

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2021/06/08

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  • 忠臣蔵は忠義の物語にあらず『忠臣藏とは何か』

    忠臣蔵というものが分からなかった。端的に、たかだか主人の名誉くらいの話で生命を投げ出すなどというのは気が知れないということだ。史実としてのそれ(赤穂事件)や成立期の芝居としてのそ...

  • 名探偵は要らなかった?『パノラマ島奇談』

    本作『パノラマ島綺譚』は、江戸川乱歩としては長目の中編、奇想天外のある方法で無人島に自身の芸術の粋を集めた「パノラマ島」を築いた狂気を描いたものだ。ミステリーとしてはその「方法」...

  • 人間の物語か荒野の物語か『荒野の呼び声』

    本作、ジャック・ロンドンの『荒野の呼び声』は、何度か映画化されているし、確かアニメにもなっていたはずである。それなりに有名であることは知っていたし、原作があることも知っていた。た...

  • 『政治学入門』という名の現代の『君主論』

    本書『政治学入門』は、わずか100頁ほどの小著であるが中身は濃い。「政治学」とあるが政治そのものについての本であり、「入門」とあるが教科書的な入門書ではなく著者の信念がこもってい...

  • モノの消滅、人の消滅『密やかな結晶』

    本作『密やかな結晶』は、当代一流のストーリー・テラーである作者の比較的初期の作品である。少し前にブッカー国際賞の候補になったのは、作者の作品としては珍しく社会目線が強い作品である...

  • モノの消滅、人の消滅『密やかな結晶』

    本作『密やかな結晶』は、当代一流のストーリー・テラーである作者の比較的初期の作品である。少し前にブッカー国際賞の候補になったのは、作者の作品としては珍しく社会目線が強い作品である...

  • ビッグ・データは信用できない?『ダークデータ』

    統計処理や計量経済学のようなデータ分析を扱った本は数多あるが、ありそうでなかったのが本書『ダークデータ』のような、処理や分析の対象となるデータそのものを扱った本だ。ダークデータと...

  • 動物の性と人間の性『失われた名前』

    本書『失われた名前』は、幼くして南米コロンビアのジャングルに置き去りにされ、「サルとともに生きた」女性の自伝である。「サルとともに生きた」とは副題の言葉であるが、実際、半ばサルの...

  • 「本の都」と浮世の間『シルヴェストル・ボナールの罪』

    本作『シルヴェストル・ボナールの罪』は、作者アナトール・フランスの出世作ということである。主人公のボナール先生は中世修道院の歴史を研究する老学士院会員、そして本に囲まれ古書の目録...

  • 本当に自由な生き方とは『村に火をつけ、白痴になれ』

    本書『村に火をつけ、白痴になれ』は、無政府主義研究者である著者による伊藤野枝の(きわめて軽い文体による)評伝である。野枝については大杉と共に『科学の不思議』で触れたことがあるが、...

  • 犯罪心理と裁き手の心『殺された天一坊』

    本作『殺された天一坊』は、探偵小説の古い小品。作者の浜尾四郎は検事から弁護士に転じた身で、かつては犯罪心理を研究していたという。現在でも専門家がその筋の作品を書くということはある...

  • スポーツと社会の裏表『スポーツルールの社会学』

    本書『スポーツルールの社会学』は題名どおり、スポーツの歴史や社会との関わりを主にルールの側面から俯瞰した小著である。近年のスポーツの変質を嘆くあまり、妙なところに力こぶが入ってい...

  • 日本的精神が生む受動的全体主義の悲劇『特攻』

    本書『特攻』は題名の通りあの特攻、すなわち死を前提に敵艦に突っ込んだ「特別攻撃隊」について書かれたものだ。特攻に関する文献は本書でもいろいろ引かれているように多数ある。その中で、...

  • 「クオリティ」の哲学『禅とオートバイ修理技術』

    奇書好きの管理人にとって外せないのが、本書『禅とオートバイ修理技術』だ。題名からして奇異であるが、何やら哲学やテクノロジー論と関係したものらしい。そもそも管理人が本書の存在を知っ...

  • 地球温暖化でイーハトーヴを救え!『グスコーブドリの伝記』

    本作『グスコーブドリの伝記』は、宮沢賢治の童話。内容をつづめれば、主人公のブドリが、貧しい少年時代からの苦学の末、クーボー大博士に見込まれて火山局の技師となり、ついには科学技術の...

  • 地球温暖化でイーハトーヴを救え!『グスコーブドリの伝記』

    本作『グスコーブドリの伝記』は、宮沢賢治の童話。内容をつづめれば、主人公のブドリが、貧しい少年時代からの苦学の末、クーボー大博士に見込まれて火山局の技師となり、ついには科学技術の...

  • 隠れた哲学パラメータをえぐり出す『100の思考実験』

    本格的な哲学や倫理学は取っつきにくい。一般向けの本を書いてもあまり売れないだろう。そもそも書くのが厄介だ。しかし、思考実験を持ってくると、話は変わってくる。本書『100の思考実験...

  • 小津映画ばりの超絶モノクローム小説『桑の実』

    管理人はそれほど起伏のない小説も好んで読むのだが、本作『桑の実』には驚かされた。本当に何も起こらない。起こらないどころか、何か起こりそうなところをあえて抑え込んでしまうような徹底...

  • 全体主義から共産主義を経て権威主義へ『隷従への道』

    本書『隷従への道』は、著者ハイエクの主著の一つ。自由主義や民主主義が全体主義へと「隷従」していきかねない思想と社会の動きに警鐘を鳴らしたものだ。本書の出版は1944年、第二次世界...

  • 昔の教科書から様変わりした時間と空間の最先端『宇宙を織りなすもの』

    本書『宇宙を織りなすもの』は生粋の科学本、宇宙を構成する時間と空間の正体に迫った本だ。著者のブライアント・グリーンは、欧米に良くいる一流の学者でありながら筆が立つというタイプで、...

  • 性善説と性悪説と捏造研究の歴史『Humankind 希望の歴史』

    性善説か性悪説か、本書『Humankind 希望の歴史』の主張は単純にそれだけの話ではない。しかし、旧約聖書以来の西洋思想に染みついた性悪説とそれがもたらす(自己成就予言的な、あ...

  • 遠い昔の遠くない記憶『青べか物語』

    本書『青べか物語』は、作者が1年半ほど住んでいた浦粕での人や事件を題材にした小説である。その1年半とは1928年頃のこと、浦粕とは現在の浦安である。実は管理人も30年以上も前に浦...

  • 読書と騒音④ 生涯読書時間が最も長い喫茶店

    読書と騒音の4回目。自宅が意外に読書に向かないかも知れないということで、外に出てみる。その初回は喫茶店、ファミレスなども同じカテゴリに入れてよいだろう。実際のところ、メモをとった...

  • 未完にもほどがある未完の大作『神州纐纈城』

    本作『神州纐纈城』は、未完ながら作者である国枝史郎の代表作。人の血を絞って染めた纐纈布をめぐって話が進むので、ジャンルとしては怪奇モノというようなことになるのだろうが、それに納ま...

  • 未完にもほどがある未完の大作『神州纐纈城』

    本作『神州纐纈城』は、未完ながら作者である国枝史郎の代表作。人の血を絞って染めた纐纈布をめぐって話が進むので、ジャンルとしては怪奇モノというようなことになるのだろうが、それに納ま...

  • 権利と価値との衝突『「レンブラント」でダーツ遊びとは』

    本書『「レンブラント」でダーツ遊びとは』は、文化的遺産について、権利と価値あるいは価値と価値が衝突する場合、これをいかに調整するかという課題に取り組んだものである。ショッキングな...

  • 権利と価値との衝突『「レンブラント」でダーツ遊びとは』

    本書『「レンブラント」でダーツ遊びとは』は、文化的遺産について、権利と価値あるいは価値と価値が衝突する場合、これをいかに調整するかという課題に取り組んだものである。ショッキングな...

  • 昭和の日本式エネルギー『ルワンダ中央銀行総裁日記』

    本書『ルワンダ中央銀行総裁日記』は、正にタイトルどおりの本。話が開発途上国の経済立て直しというものだから、浮かれた話は一切出てこないのだが、冷静に考えてみるとやっていること自体は...

  • 人情モノであって任侠モノでない『花と龍』

    そういう映画があることは知っていたが、原作が小説であることは知らなかった本書『花と龍』。読んだのもたまたま暇だったからであり、それほど期待はしていなかった。しかし、読んでみて驚い...

  • 実は最高聖人を生み出す人間機械論『人間とは何か』

    人間、どう変わるか分からない。本作『人間とは何か』の作者マーク・トウェインは、明るさに満ちたアメリカ文学の最高峰『ハックルベリィ・フィンの冒険』の作者でもあるのだが、晩年は本作の...

  • 実は最高聖人を生み出す人間機械論『人間とは何か』

    人間、どう変わるか分からない。本作『人間とは何か』の作者マーク・トウェインは、明るさに満ちたアメリカ文学の最高峰『ハックルベリィ・フィンの冒険』の作者でもあるのだが、晩年は本作の...

  • https://book-alpha.net/on-truth/

    以前に「真実へのアンチ・テーゼ『嘘の効用』」で真実の価値に疑問を呈したことがあるが、これに回答してくれそうな本が、本書『真実について』である。著者は道徳哲学の重鎮であるフランクフ...

  • 壮大な人の/組織の判断誤り『NOISE』

    本ブログで最初にレビューした『ファスト&スロー』で有名な行動経済学者ダニエル・カーネマンらの新著。人の判断のばらつき、すなわち『ノイズ』に特化した大冊である。判断誤りのうち、正し...

  • 哀しく美しい母子の物語、ではなかった『母子像』

    著者である久生十蘭の作品を読んだのは、本書『母子像』が初めてである。「小説の魔術師」などと呼ばれていて興味があったので、まず手始めにということで、手軽に読める短編、それも世界短篇...

  • 異常と正常、狂気と天才『妻を帽子とまちがえた男』

    本書『妻を帽子とまちがえた男』は、脳神経科医である著者の初期のノンフィクション作品である。表題のとおり、たいへん奇妙な症状を持った患者がたくさん登場するのだが、単なる医学的な報告...

  • 言語に操られる言語使い『思考と行動における言語』

    本書『思考と行動における言語』は、日系アメリカ人の著者による一般意味論の古典的名著。言語本ではあるが、言語をいかにうまく操るかではなく、いかに言語に操られないようにするか、という...

  • ベストセラー学者本を先取りした鴎外の哲学小説『かのように』

    本作『かのように』は、妙な題名であるが、まさに題名どおりの問題をテーマにした「哲学小説」ともいうべき森鴎外の作品である。筋そのものは、洋行後に歴史家になろうとしている主人公が、学...

  • 無意識の高等思考とは何か『数学における発明の心理』

    本書『数学における発明の心理』は、読んで字のごとくの心理を扱うものではなく、高度の数学的課題がまるで考えていない時に解けた、あるいは夢の中で解けた、というような一見すると常識に反...

  • 無で始まり無で終わる栄枯盛衰の物語『百年の孤独』

    本書『百年の孤独』は、南米コロンビアのノーベル文学賞受賞作家ガルシア・マルケスの代表作。本作が受賞の決定打になったことは疑いないが、いかにも特異な作品である。受賞理由は「現実的な...

  • 苦悩する孔子とその弟子たち『論語物語』

    本書『論語物語』は、『次郎物語』で有名な著者の下村湖人が、『論語』の主な教えを同じ登場人物で物語風に再構成して見せたもの。『論語』の精神が分かりやすく示されていて、オリジナルの『...

  • 読書と騒音③ 読書を妨げる意外な敵

    自宅にいる場合の読書の大敵は電車と飛行機の騒音で、これを第1回と第2回で扱った。しかし、これらの騒音は音量としては大きいが、気を散らせるという意味ではもっと問題になる騒音もある。...

  • 不老不死の世界は幸福か『LIFE SPAN』

    古今東西、不老不死が熱望されてきたことは、老化と死が避けられないものだという認識の裏返しである。怪しげな薬やまじないの類はそれこそ山ほどあったが、不老不死どころか、何の効果もない...

  • チャンクと時計職人だけでも読む価値がある『システムの科学』

    本書『システムの科学』は、コンピュータ科学、意思決定・問題解決の専門家で、ノーベル経済学賞も受賞した著者が、「これまでの得られた研究成果をふんだんに盛り込み、永年にわたって構想し...

  • 文章作法の必読書『論文の書き方』

    手持ちの岩波新書は古いものが多いが、300冊くらいあるだろうか。今でこそ普通の新書という感じの岩波新書も、昔は少々格が高かったと思う。実際、古典的な価値を認められて岩波文庫に格上...

  • アメリカだけでも資本主義だけでもない『ショック・ドクトリン』

    本書の題名は『ショック・ドクトリン』。最初に読んだ時は聞き慣れなかったが、本書の影響なのかどうか、その後マスコミなどでも聞かれるようになった。この「ショック・ドクトリン」とは惨事...

  • 凡俗と稀代の音楽家をめぐる言葉の洪水『ジャン・クリストフ』

    本作『ジャン・クリストフ』は、ノーベル文学賞も受賞したロマン・ローランの代表作。主人公のクリストフは、べートーヴェンがモデルになっているらしい。作者には、『ベートーヴェンの生涯』...

  • 翻訳語は日本語になったか『翻訳語成立事情』

    三百年の鎖国が解かれた時、日本は世界つまり西欧に大きく遅れをとっていた。遅れを取り戻すに当たって、なりふり構わず西欧の事物を吸収しようとした。そのこと自体は、ずっと中国の影響下に...

  • 嵐の中を放浪するのは天才か落伍者か『放浪記』

    本作『放浪記』は、冒頭にある「私は宿命的に放浪者である」の言葉が印象的な林芙美子の代表作。出版社の説明によれば、「貧困にあえぎながらも、向上心を失わず強く生きる一人の女性」の自伝...

  • 保守主義とは「アンチ主義」であった『保守主義とは何か』

    保守主義というのは、何となく理解できるようでいて、実は捉えどころがない。伝統ガチガチの保守派も、反動的な右派も、新自由主義も、一緒くたに保守の範疇で語られることがあるが、共通項が...

  • 極限状況での絶望と希望『白の闇』

    冒頭、ある男の目が見えなくなったというところから、会話の引用符もなしに延々と続く本作『白の闇』の物語は、捉えどころがない。社会に生きる人々が次々に、やがては一人を除いて全員が失明...

  • いまだ解読されない奇書の横綱『ヴォイニッチ写本の謎』

    奇書や珍本の類ということで言えば、この本を外してはいけないだろう。「この本」とは、本書で扱われている「ヴォイニッチ写本」のことである。「写本」は、書かれた内容はおろか、時代も、目...

  • 社会モデルを考える土台をつくる『社会科学のためのモデル入門』

    本書『社会科学のためのモデル入門』はその昔、「モデル」という点に着目して買ったのだったが、内容的には学部レベルの経済学の入門書というところ。それほど難しくない話をページを割いてと...

  • 認知のアーティファクトの未来予測『人を賢くする道具』

    未来予測というものは、大抵は外れる。それも、何か別の対象を予測していたのかというくらいに外れる。しかし、それは未来は想像もつかないくらいに開けていることを示していると考えれば、ま...

  • 読書と騒音② 羽田新ルートの飛行機騒音

    読書のためには、それなりの環境を整えることが必要だ、ということで始めた「読書と騒音」シリーズの第2回。今回は、前回の電車騒音からアップグレードして飛行機騒音である。電車騒音が最大...

  • 政治家に問う自覚と責任『職業としての政治』

    少し以前、人気ジャーナリストであるI氏が与党の二世議員であるK氏に「マックス・ウェーバーの『職業としての政治』についてどう思うか」という質問をしていた。自分はしっかり予習しておい...

  • 超俗人の俗世界での闘い『ピープス氏の秘められた日記』

    このブログには本のジャンルに対応したタグが15個あるが、本書『ピープス氏の秘められた日記』にどれを付けたらよいのか悩ましい。とりあえず、当時の歴史が分かるから「歴史」と付けてみた...

  • 獰猛な自然の闇、人間性の闇『闇の奥』

    本書『闇の奥』は、ポーランド系イギリス作家である作者の代表作。アフリカ最奥部の出張所で音信を絶った腕利きの象牙採取人を、船乗りの主人公マーロウが救出しに向かう、という筋書きだ。自...

  • 「夜警国家」ならぬ「夜警メディア」はいかが『誤報』

    本書『誤報』は、タイトルそのまま、マス・メディア(主に新聞)の誤報に焦点を当て、その原因と過程を分析・検証したもの。著者自身がかつて悩まされ、また他に迷惑もかけてきた誤報について...

  • 現代科学が解き明かす生物の合目的性『偶然と必然』

    本書『偶然と必然』は、ノーベル医学生理学賞受賞の著者が、合目的性を大きな特徴とする生物の謎、そしてそこに内在する思想問題に迫った本である。我々人間をはじめ、すべての生物に一定の合...

  • 名画を説く絵画のような文章『名画を見る眼』

    本書『名画を見る眼』は、岩波新書で正続二巻。続編中の一遍に驚いたので紹介したい。著者の高階秀爾氏の本は以前にも取り上げたのだが、その時の本のテーマは著者の専門外の日本の美。今回の...

  • 読書と騒音① 電車騒音は運よくクリア

    読書のためには、それなりの環境を整えることが必要である。中でも重要なのが、どうやって騒音を避けるかである。特に管理人は、それでなくても気が散るタチなので、ずっと気に掛けてきた。た...

  • 無政府主義の科学、なのか?『科学の不思議』

    本書『科学の不思議』の著者は、アンリ・ファーブル。『昆虫記』で有名な、あのファーブルである。内容はその著者や表題から想像できるとおりで、少年少女向けに、さまざまな科学上の疑問に答...

  • 近代日本の『夜明け前』の激動期を生きた「人」と「家」と「故郷」

    記念すべき100件目の記事は、この作品で。が、とにかく長かった。海外の小説では、ドストエフスキーにせよ、トルストイにせよ、長い小説に事欠かず、「プルーストの『失われた時を求めて』...

  • 実はナイーブな「ガイア=母なる大地」ではなかった『地球生命圏』

    本書『地球生命圏』の出版は1979年(日本では1984年)。当時は環境保護ブームに乗って、ずいぶんと話題になった。何より、ガイアすなわち、地球上に生きるものすべてが全体として構成...

  • 前衛詩人の短編小説『猫町』

    本作『猫町』の作者である萩原朔太郎は、言うまでもなく(当時としては前衛の)詩人である。詩人ではあるが、数は多くはないものの小説や随筆も書いている。それが珍しくて本作を手にしたのだ...

  • 本の力、思想の力『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』

    本書『一四一七年、その一冊がすべてを変えた』は、まさに「数奇な運命を辿った本」についての本である。その本とは、紀元前一世紀に生きたルクレティウスの手になる、原子論的自然学を説いた...

  • 本は買うものか借りるものか

    最初のころに書いたことがあるが、管理人は他人から本を借りることはしない。特に、友人や知人の方から貸そうとしてくるのを借りるのは禁物だ。興味が持てるかどうか分からない本を無理してで...

  • 『読んでいない本について堂々と語る方法』があるようだが結局は全部読んでしまう

    本書『読んでいない本について堂々と語る方法』は、誤解されそうな題名がついているが、読んでもいない本について知ったかぶりをするとか、読んでいない本について読書感想文を書くとかといっ...

  • 鉄道は読書の空間と時間をも生み出した『鉄道旅行の歴史』

    読書は電車の中で捗る。通勤電車の中の15分ですら、なかなか貴重だ。旅行の予定でもあれば、移動時に読む本をあらかじめ仕込んでおく。さらに時間が増える飛行機はなお良しで、管理人は機内...

  • 平凡ならざる作者の平凡ならざる思想と感情『平凡』

    本作『平凡』の作者は、言文一致と写実主義で知られる二葉亭四迷である。本作は実際はフィクションなのだが、冒頭で「近頃は自然主義とか云って、何でも作者の経験した愚にも附かぬ事を、聊か...

  • 最速投手の今昔『プロ野球ヒーロー 伝説の真実』

    史上最も速いランナーは誰か、最も強いチェス・プレイヤーは誰か、といったことは、スポーツを初めとする競技でのファンの関心事の一つである。本書『プロ野球ヒーロー 伝説の真実』は、その...

  • 「分からない」哲学の正体『「知」の欺瞞』

    著者が仮に「ポストモダニズム」と呼ぶ哲学がある。著者の説明によれば、啓蒙主義の合理主義的伝統を多少なりともあからさまに拒否すること、経験に照らし合わせての検証とは結びつかない論考...

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