絵本と児童文学、子どもの世界のあれこれを。読んで良かった本の事を中心に、子どもや育児のいろいろを書いていきたいと思います。
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お腹が空いたしろぶたくんが、食べ物を探しに行きます。 赤いりんご、黄色いレモン、緑のメロン、紫のぶどうを食べて、しろぶたくんの体の中にはきれいな色の玉が並びます。 まだまだお腹が空くので、ぴかぴかの石鹸を見つけて食べると、お腹の中で泡がぶくぶくしてきました。 きれいな線で描かれたしろぶたくんのお腹の中で、食べたものが鮮やかな色の玉になっています。 最初はイライラ怒っている様子だったのに、ひとつふたつ食べていくと、しろぶたくんの表情も明るくなって、元気が出てきます。 そして食べた物が増えると、体も伸びて、大きくなっていきます。 とてもシンプルで、「食べたら増える」という繰り返しが、子どもにもわか…
11歳の娘は小さい時から落ち着きがありません。 ちょこまかしていて、公園に行ったら、瞬きしている間にどこかへ行ってしまいます。 さっきまでそこで遊んでいたのに、振り向いた瞬間、別の場所で遊んでいたりします。 大きくなった今もあんまり変わらず、もう6年生なのに、公園に行くと水に放たれた魚みたいにいなくなります。 目に入ったものは何でも触ってみたくなっちゃって、宿題を取りにランドセルまで行ったのに、戻ってくる途中にあるもの全部に引っかかって、なかなか戻って来ません。 調理中のフライパンをちょっと揺すってみたいけど、「危ないから触らないでね」と母に言われても、そっと手を出し、揺すって怒られます。 弟…
最近はお姉ちゃんの影響で、角川つばさ文庫の『怪盗レッド』や『少年探偵 響』ばかりを読んでいる3年生の息子。 図書館へ行ってもつばさ文庫ばかりを借りてきて、児童書は借りるものの、あまり手をつけません。 アニメのコナンも大好きだし、冒険や推理ものはおもしろいのだと思います。 ライトノベルは文章も読みやすいし、挿絵もアニメ的でなじみやすい。 夢中で読んでいる姿を見ると、それもいいかなと思うのですが、母としてはまだまだ児童書も読んで欲しいのです。他にもおもしろい本はいっぱいあるよ、と。 そんなプチ刺激に慣れた3年生が読むのにぴったりかなと思ったのが、『はれときどきぶた』です。自分が小学生の頃の定番で、…
宇宙に太陽が誕生し、地球が出来、生命が誕生して、現在の私たちの生活になるまでの歴史を、わかりやすく説明してくれます。 第1幕から第5幕までの劇仕立てになっていて、初めは三葉虫などがいた古生代、次に恐竜の生きた中生代、そして哺乳類が台頭してきた新生代へと舞台が変わっていきます。 人間が登場してからは、作者の住むアメリカ大陸へと舞台が移ります。 開拓者が土地を整えていくところから、人が家を作り、家族を作っていく一生を追い、次に一年の季節の移り変わりから一日の日の移ろいと、時間の単位が小さくなっていきます。 太陽が生まれた頃から恐竜の生きた時代を経て、自分たちが生きる一日につながっていく事で、地球の…
大好きな卵を焼く仕事を、新しいめだまやきなべにとって代わられたふらいぱんじいさんが、自分の役目を探すために外の世界へ飛び出します。ジャングルでヒョウやサルに捕まったり、海で嵐に巻き込まれたりと大冒険をしながら、自分が必要とされる場所を探しに行きます。 ふらいぱんじいさんの意思とは関係なく巻き込まれていく冒険が、次から次へと展開して子どもたちを飽きさせません。狭い台所しか知らなかったじいさんが旅で出会う景色は、砂漠や海などスケールの大きなものばかりです。大きな場所で小さなフライパンが四苦八苦している様子がおもしろく、途中で出会う生き物もまた、フライパンの事を知らないので、勘違いが生まれます。 で…
人間に嫌われ、いつも追いかけられているねずみのアレクサンダは、ぜんまい仕掛けのねずみウイリーに出会い、友達になりました。ウイリーは大好きだけど、人間に可愛がられる彼が羨ましく、自分もぜんまいねずみになりたいと願います。 ある日アレクサンダは、庭の隅にいる魔法のトカゲの話を聞きます。満月の夜、紫の小石を持っていくと、生き物を他の生き物に変えてくれるのだそうです。 アレクサンダはぜんまいねずみになりたくて、紫の小石を探しますが、見つかりません。すると、物置の隅で箱に入れられ、捨てられそうになったウイリーを見つけます。 嫌われ者のねずみと人気者のおもちゃのねずみという、境遇の全く違う二匹が、初めてで…
庭に大きな木があったら、はしごをかけて登っていって、自分だけの小屋を作りたいな。台所でホットケーキが焼けるし、高い所は見晴らしもよくて、夏は涼しいかもしれない。秋は落ち葉の掃除を鳥が手伝ってくれるかもしれないし、冬はリスがくるみを持って遊びに来てくれるかも。 そんな「もしも」の子どもの夢が、たくさんつまったかわいいお話です。 男の子が大きな木に登って行く所から、ページの向きが変わります。 左右の見開きページから上下の見開きになって、ページをめくる度に上へ上へと登って行きます。 登った先には空の広がりがあり、下を見れば小さくなった家とお母さんがいます。 まるで本当に大きな木に登ったかのような気分…
やってみたい!が いっぱい詰まった『ひとまねこざると きいろいぼうし』
今では“おさるのジョージ”として有名な、ひとまねこざるの1作目です。黄色い帽子のおじさんに連れられて、アフリカから街へやって来たジョージが、次から次へと騒動を起こします。 船ではカモメの真似をして飛んでみたら海へ落っこちて、おじさんの家では電話がおもしろくて消防車を呼んでしまい、怒られて牢屋に入れられてしまったけれど窓から抜け出し、電話線を伝って風船の束で空を飛んで行きます。 目の前の事、目に見えた事を何でもやっちゃう。誰かに似ていると思ったら…うちの子です。 さすがにカモメの真似をして飛んだりはしないけど、気になったものについつい手を出してやってみたくなっちゃうのは、子どもたちにそっくりです…
女の子が森の中で迷子になってしまいました。帰り道をいくら探してもみつかりません。すると一軒の小さな家をみつけました。中に入ってみると、テーブルの上には大きいスープ、中くらいのスープ、小さいスープが置いてありました。女の子は小さいスープを食べ、小さいイスに座って、小さいベッドで眠ってしまいました。でもそこはクマの親子の家だったのです。 緑の表紙に3匹のクマが並ぶ姿はインパクトがあり、中を開くと挿絵がまた迫力満点です。子どもの頃はクマがちょっとリアルで怖かったけど、絵本全体から漂う外国の雰囲気や、心地好さそうな家の中が、なんとなく素敵だなと思っていました。 物語は非常に素朴で、大・中・小の物の比較…
大きな金魚鉢から、きんぎょが一匹逃げました。カーテン、お花、キャンディなど、日常にある物の中に逃げ込んで、どこへ行ったか探します。小さな子ども向けの、かわいい絵探し絵本です。 五味太郎さん独特の色彩が紙面いっぱいに広がっていて、眺めているのも楽しくなります。初めは似たような形、似たような色から探していきますが、そのうち部屋の風景の一部になっていたり、たくさんのおもちゃの一つになっていたりと、だんだん物に紛れていくと、意外と大人も迷います。 色とりどりの物の中に入っても、きんぎょが浮かずに馴染んでいるのは、紙面全部の色のバランスがいいからなんだろうなと思います。安定の色合いを、安心して子どもに見…
ぶどう、なし、りんごなど、普段目にする果物が、本物そっくり、それ以上に美味しそうに描かれています。果物まるごと描かれていて、次に食べやすくむかれた形で「さあ どうぞ」と差し出されます。思わず「ありがとう」と受け取って食べたくなるくらい美味しそう! 1歳前後の娘も息子も、姪っ子も友人の子も、みんなつまんでパクッもぐもぐもぐ…と食べるまねをしていました。 だんだん食べられる物が増えて食が広がり、果物もたくさん食べて、美味しいものがわかって来たころ。 食への興味もうれしいですが、それより何より、本の中の果物を口に入れるごっこ遊びを自然としたこと、もぐもぐしながら「おいしいね」と笑い会えた瞬間、鳥肌が…
おかあさんが編んでくれた赤いチョッキを、うれしそうに着るねずみくん。素敵なチョッキに「ちょっときせてよ」とお友達が次々に着ていくと…。 シンプルなモノクロの絵に、ねずみくんのチョッキだけが赤く目立っています。小さなねずみくんの着ていた小さなチョッキが、アヒル、サル、ライオンと、着る動物が変わるたびに、チョッキもすこしずつ変化します。 繰り返しの楽しさと、「ちょっとかして」という気持ちの共感、チョッキを借りて着た動物たちが、みんな誇らしげな表情なのも楽しくなります。 大きくなったモチーフは、たいてい元に戻ることが多いのですが、ねずみくんのチョッキはそのままです。 だけど最後のちょっとひねった結末…
あさえにはちいさい妹がいます。とことこ歩く、かわいいあやちゃんです。 お母さんが出かけてしまって、あさえはあやちゃんと二人で外で遊ぶことにしました。道路にチョークで線路を描いてあげると、あやちゃんは大喜びです。もっともっと喜ばせたくて、あさえが夢中で線路を描いていると、いつの間にかあやちゃんがいなくなっていました! 子どもの頃初めて読んだ時、自分の事が書かれているのかと思うくらい、びっくりしたのを覚えています。自分がちょうどあさえと同じくらいの頃、ちょうどあやちゃんくらいの妹がいて、薄茶色の柔らかい髪の毛や、水玉模様のかわいい服など、本当にそっくりでした。 そして本当に妹って、ぱっといなくなる…
黒いブチのある白い犬のハリーは、お風呂が大嫌い。ある日、お風呂にお湯を入れる音がしてきたので、急いでブラシを庭に隠して逃げ出しました。 街に出たハリーは、工事現場で遊び、機関車の橋の上でススだらけになり、石炭トラックの上で遊んで真っ黒になりました。今では白いブチのある黒い犬です。 遊び疲れて家に帰ると、家の人は誰もこの真っ黒な犬がハリーと気づきません。 逆立ちしたり、宙返りしたり、いつもの芸をたくさんしても全然だめ。ハリーは悲しくなってとぼとぼ外へ出ようとしますが、突然、庭に隠したお風呂のブラシを思い出します! 古今東西、老若男女、変身するお話はみんな大好きですね。仮面ライダーやプリキュア、シ…
小さな魚のスイミーは、たくさんの兄弟と暮らしています。みんな赤いのに、スイミーだけ真っ黒。でも泳ぐのがとても早かったので、スイミーだけマグロに食べられずに逃げました。 ひとりぼっちで泳いでいると、今まで見たこともなかった海の景色に出会います。大きな伊勢海老や昆布とわかめの林、長い長いうなぎなど。そしてスイミーと同じような、小さな赤い魚の群れに出会います。大きな魚を怖がっている仲間たちに、スイミーはあるアイデアを提案します。今度こそ大きな魚に負けないように、みんなで力を合わせる方法です。 自分の中の遠い記憶では、スイミーは一匹だけみんなと違って真っ黒で、でもそれを生かして活躍する、というお話だっ…
子どもってなぞなぞが大好きですよね。自分で答えるのも好きだけど、問題を出すのも大好き!ひとつ覚えると問題を出して、「う~ん」と考えている顔を見て満足そう。「それってダジャレじゃ…」って答えにも、得意になって教えてくれるのでおもしろいです^^ なぞなぞのすきな女の子も、あんまりなぞなぞを出すのでお母さんがお手上げになり、一緒になぞなぞをしてくれる人を探しに出かけます。 途中おなかを空かせたおおかみに出会うのですが、女の子は得意のなぞなぞを出し、おおかみは考え込んでしまいます。 おまぬけおおかみと、機転の利いた女の子のやり取りがユーモラスで、子ども達は大喜び。最後はまるで昔話にあるようなぴしゃりと…
がまくんとかえるくんの小さな友情のお話が5つ入った短編集です。 教科書に取り上げられている『おてがみ』のお話が入っているのが『ふたりはともだち』で、他に『ふたりはいっしょ』『ふたりはいつも』『ふたりはきょうも』の4冊があります。 どのお話も、がまくんとかえるくんがゆったりと丁寧に生きていて、二人の関わり方もすごくシンプルです。 相手がいると楽しいし、元気がなければ悲しいし、おいしいものがあったら一緒に食べたいのです。 好きだから一緒にいたい、好きだから悲しませたくないという思いは、おなかが空いたからごはんを食べて、眠いからねる、といった、がまくんとかえるくんの生き方そのもの。 だからこそ、子ど…
言葉を話す不思議な猫から、どうぶつ島に囚われたりゅうの話を聞いたエルマーは、かわいそうなりゅうを助けに行くことにしました。そのりゅうはまだ子どもで、うっかりどうぶつ島に落ちてしまったところを動物たちに捕まってしまい、囚われて、川の橋渡しとして働かされていました。 エルマーはたった一人で船に忍び込んで島へ渡り、猫の話を思い出しながら歩きます。途中、侵入者を嫌う動物たちから何度も脅されますが、その度に素晴らしい機転でかわし、りゅうを助けに進みます。 小さな子が読む、初めての冒険の物語にぴったりです!不思議な猫から聞く不思議などうぶつ島やりゅうの話は、日常とかけ離れたファンタジーの世界に、子どもたち…
いたずらっこのマックスは、かいじゅうみたいに大暴れするので、お母さんに叱られて、寝室に閉じ込められてしまいます。すると突然床から木が生えて森になり、波が打ち寄せて船が現れると、マックスは長い航海に出てかいじゅうたちのいる所に辿り着きます。 かいじゅうたちはマックスを見つけると大きな声を出して怖がらせますが、マックスが怒鳴り、睨み付けると恐れ入ってしまい、自分たちの王様して一緒にたくさん遊びます。 今はあまりないかもしれませんが、昔は叱られるとどこかに閉じ込められる、という事がよくあったと思います。そういえば私も何度か押入れに閉じ込められました。 真っ暗でひとりぼっちで、怖くて寂しいのですが、だ…
いずみがもりの木の上に、カラスのパンやさんがありました。 夫婦でお店を切り盛りしていましたが、4羽のかわいい子どもが生まれてからは、お世話で仕事もままならず、パンを焦がしたり、お店が汚れたりで、すっかりお客さんがいなくなってしまいました。 貧乏になったカラス家の子ども達が、おやつに出来損ないのパンを食べていると、周りの子ども達が「おいしそう!」と興味津々。 パンを買いに来る小さなお客さん達の為に、カラス一家は知恵をしぼって、たくさんの種類のパンを作ります。 かこさとしさんの絵本には、細かな物や人がたくさん出てきます。 『だるまちゃんとてんぐちゃん』では、だるまちゃんの為に家中の帽子や履物を広げ…
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