「月切り商い仕様の事」今日の相場格言その99、本間宗久 秘伝第九十九章
今日の相場格言その99 当限の相場では、たとえ利益が少なくても早めに見切っておきなさい。甲月のことはもう覚えたね?
「上方相場位附の事」今日の相場格言その98、本間宗久 秘伝第九十八章
今日の相場格言その98 肥後米より筑前米は四匁程度低い。筑前米より加賀米は五匁程度低い。筑前米より中国米は九匁程度低い。筑前米より荘内米は七匁程度低い。例年の地方差は、だいたい以上のつり合いです。
「七月甲に廻る時の事」今日の相場格言その97、本間宗久 秘伝第九十七章
今日の相場格言その97 七月が甲月に当たるときは、前にも言ったとおり天災が多いものです。その節は七月から急」騰して、五、六○俵が七、八月のうちに上がり、それから九、十、十一月までに百俵や一二I○俵の天井が出ると心得なさい。しかし、大坂や当地で土用の照りが良くて上作の噂も流れ、そのうえ古米が五月中に半分程お蔵などに残っている年は、新米・古米ともに七月まで上げはありません。そういう年は新米が、八、九、十月とだんだん上げになり、一二月、正月までに天井値が出ます。だから六月のうちから急ぐ必要はありません。よく考えてください。その年の古米の状況、作柄、人気の加滅など、そのときそのときで違います。けれども遅かれ早かれこのような年には必ず上がります。
「三略六韜たとへの事」今日の相場格言その96、本間宗久 秘伝第九十六章
今日の相場格言その96 『三略』 『六船』の書(中国の古典)は武芸軍術の奥義です。自らの供えを堅固にし、陣立てをする軍術の書です。これを読むと、戦うたびに敵を打ち破り、連勝するということがいかに難しいかがわかります。相場は軍術と同じなのですが、商いをする人は数万人もいるのに、戦術を立てるということをしないのです。この三位の秘伝は 『三略』 『六船』の書からも柔軟にその戦術を応用しています。例えば七月が甲月に当たるとき、三年塞がりのことは、兵法の八陣の法なのです。この秘伝は、いろんな知識の集大成でもあるのですよ。大切にしてくださいね。
「天井値段三年続きそれより変ずる事」今日の相場格言その95、本間宗久 秘伝第九十五章
今日の相場格言その95 天井、底値はそれぞれ三年続いては交代するという周期があります。これは、例えば明和五年のときを見てもぴたりと当てはまります。三年塞がりのときや、七月が甲月に当たる年などは特に顕著にその特徴が出ます。ほかの年でも、大変な不作があると、その年から三年高値が続きます。よく見てください。高回りの初年に一二○俵くらい上がるときは、二年目は百俵くらい上がるでしょう。翌春から夏まで下げた場合も、そのときから二年目、三年目と下がります。それから、その年の買いがどれだけあるかによっても変わります。よく考えてください。
「腹立ち売買致すべからざる事」今日の相場格言その94、本間宗久 秘伝第九十四章
今日の相場格言その94 うまくいかないからといって、決して感情的になって売り買いしては、してはなりませんよ。おおいに慎んでください。
「人の商いを羨むべからざる事」今日の相場格言その93、本間宗久 秘伝第九十三章
今日の相場格言その93 人の儲けをうらやましく思ってはいけません。うらやましく思うときは慌てて自分もその儲けに乗ろうとするものだから、相場の正しい状況を把握せずに手を出してしまうので、うまくいかないものなのです。
「足らぬは余る、余るは足らぬと申す事」今日の相場格言その92、本間宗久 秘伝第九十二章
今日の相場格言その92 豊年の凶作、凶年の豊作ってわかりますか?二、三年も豊作が続くと、全国に米が余り、たとえ一年くらい不作があっても相場は上げにならないのです。また、四、五年不作が続いた場合、豊作の年が来ても、全然米が足りないので下がるどころか上がります。豊作が二、三年続くときは、人々は不足のときの心を忘れ、賛沢に慣れて米をふんだんに消費します。そういうときは一両年のうちに、手のひらを返したように高値が出るものなのです。
「豊年の凶作、凶作の豊年の事」今日の相場格言その91、本間宗久 秘伝第九十一章
今日の相場格言その91 豊年の凶作、凶年の豊作ってわかりますか?二、三年も豊作が続くと、全国に米が余り、たとえ一年くらい不作があっても相場は上げにならないのです。また、四、五年不作が続いた場合、豊作の年が来ても、全然米が足りないので下がるどころか上がります。豊作が二、三年続くときは、人々は不足のときの心を忘れ、賛沢に慣れて米をふんだんに消費します。そういうときは一両年のうちに、手のひらを返したように高値が出るものなのです。
「凶年の米買い申すべからざる事」今日の相場格言その90、本間宗久 秘伝第九十章
今日の相場格言その90 凶作の年は、逆に買わないこと。凶作を見越して相場が高くなり、そのうえ地方の商人も思惑買いするし、そのほか、町の人まで必要のない米を買い、税金に納める米までも買うので割高になる。七〜十月までにはいったん上げ止まりますが、さらに上げて、翌年夏まで人気を保ちます。ここで極意を思い出してくださいね。こういうときは、そのあと下げになるのですよ。
「豊年の米売り申すべからざる事」今日の相場格言その89、本間宗久 秘伝第八十九章
今日の相場格言その89 豊作の時は米を売るなと前にも言いましたね。豊作のときは人気も弱く、それを見越して相場も安値です。しかし、日本中豊作と言うことは稀なのです。いずれかの地方で支障が出るので、九、十月から大坂に変動(上げ)が来ます。また豊作と騒がれたので安心して、それまで買っていなかった人も、冬には買いに来るものですよ。
「天井を買わず底を売らずと申す事」今日の相場格言その88、本間宗久 秘伝第八十八章
今日の相場格言その88 天井を買わず底を売らない。これは第一の心得。上がるときも下がるときも、天井と底の見通しがついていない人は、やたらに売り買いして損をするのです。上げ過ぎたあとは必ず下がると心得なさい。下げ過ぎるときは上がります。そのとき欲を離れ、思い入れを断ちなさい。
「買い八分の利、売り二分の利と申す事」今日の相場格言その87、本間宗久 秘伝第八十七章
今日の相場格言その87 買い方には八分の利があり、売り方には二分の利がある。売り方は利息をとれるし、そのうえ当たったときは大変都合の良いものですが、万一大坂、当地で作柄に支障があるときは、大坂から上げになるので、当地で買うことができず、損が出ます。買い方は数カ月の利息を払っていますが、必ず上がる保証もなく、とても買いにくいものです。が、利運が向いたときは利息などは風前の塵のごとく気にならないものです。それから多少にかかわらず秋米は上がらないということはないので、売らないように。
「一匁天井の事」今日の相場格言その86、本間宗久 秘伝第八十六章
今日の相場格言その86 大阪との差が一匁まで迫ってきた時は天井です。ただし当地が不作のときは乗せ米1六、七匁で底です。天井は一匁くらい、あるいは乗せ米がないときと心得なさい。このあと三、四匁のサヤ、八、九匁のサヤと下がり、さらに一三、四匁の下ザヤになる。こういうときは乗せ米の多少を考えながら売り込みなさい。高下を繰り返しながら五、六月に大体下げ相場になる。下げにおける売りは一ヶ月限りで手仕舞うものです。でも上げつめて乗せ米もないとき、二、三ヶ月先を見ての売りなら、はい、再三申しておりますが、二回目の追証で利食い、三回目で手仕舞い、四回目ドテン買い、でしたね。通常、五、六月の売り付けは1八〜二〇日までに手仕舞うものと覚えておきなさい
「二十匁底の事」今日の相場格言その84、本間宗久 秘伝第八十四章
今日の相場格言その84 (大坂との差が)二〇匁も差があるときは底です。ただし通例の年は古米が五、六月頃下げになり、一両年作柄が良ければ二二五、六匁位まで下がります。当地が不作のときに一六、七匁下げザヤなら底で、天井は乗せ米がない。上作の年に二0匁下ザヤならこれを底と見て良い。天井は+一、二匁と心得るべきです。作柄が懸念されるようなときは油断なく買い入れてください。この天井値が出たあとは、五、六月とだんだん売り方に精を出せば利が上がります。天井値が出ないうちは決して売らないこと。ただし五、六月は古米の多少によって予想外のことがあります。買い付たは六月に必ず割れます。
「十余、二三丁、一二三匁、廿匁より其の余の事」今日の相場格言その83、本間宗久 秘伝第八十三章
十両につき十俵のくらいの上げ(百両だったら百俵上げ)だったら売りです。ただしその年不作の時は見合わせましょう(もっと上がる可能性あるから)。二、三回の段下げがあったときは買いです。ただし(十両につき)二五俵以上、上げつめた米ならまだまだ下がる可能性があるので、急ぐことはありません。当地が大坂に比べて一、二匁三匁高めのサヤのときは天井ですから売ると良いです。同じように大坂に比べて二○匁以下だったら底ですから買うべきです。ただしこのように天井値、底値を示したからといって、その通りにならないこともある。上げかかった相場は(そのときの状況次第で)予想がつきません。
「大阪相場を以って掛け引きの事」今日の相場格言その82、本間宗久 秘伝第八十二章
大坂相場の秋は諸国の作柄を見つつ上げに向かいがちです。春夏七、八月は古米が少なくなり、作物が夏中異変なく健やかなときは例年四、五、六、七、八月まで下がります。当地の夏は大阪より米を買う船が早く来るし、お蔵の貯蔵も少なく、瀬戸内辺りの米も少なくなって買いの船が急ぐときは案外高値が出るものです。この時お蔵米の出方、農家の貯蔵米の残量、買い付け船の数をよく考慮に入れなさい。大坂はいつ頃天井か、いつ頃底か毎年のデータを調べておきなさい。そのデータを参照しながら駆け引きすると良いです。なお、加賀の米は四八、九匁から五一、二匁、大坂より下ザヤのときは底値です。
「高下の本は作の善悪の事」今日の相場格言その81、本間宗久 秘伝第八十一章
作柄の良しあしこそが相場の高下のもとです。その年その年、九州から全国各地、ならびに古米がどのくらい残っているかを、綿密に考えることが第一です。三位の伝といっても高下を知る術ではありません。三位の節(天井、中間、底の位置)が出てきたときに、どういうことがあって上げになるのか、そのきっかけを知る術です。深く考えて下さい。
「急に儲くべしと思う時心得の事」今日の相場格言その80、本間宗久 秘伝第八十章
急いで儲けようとするときは、日々の上下に惑うので、相場を追いかける状態になって、必ず損が出ます。新米は大坂、諸地方の作柄をよく考え、天井、底を考え、三位の伝に引き合わせ、買いにつくと決めたらその後はずっと買いで貫いてください。春夏の米も同じです。最初の出方が肝心なのだから、一歩踏み出す前に幾月もよく研究し、底を見極めなさい。そして当たったらさっさと手仕舞う。その後は休みます
「天一天上日の事」今日の相場格言その79、本間宗久 秘伝第七十九章
天一天井、八専入、丑日、不成日。これらに当たる時の相場はだんだん上げて百俵近く上げます。この日になって高値が出るときは、これが一年中で一番高い天井の値段です。このあとこれより高値をつけることはありません。三年塞がりの年で、七月が甲に当たる年は必ずこれらの日が大天井になります。通常の年でもこれらの日に天井が出ることがあるが、それは稀なことで、通常は普通の日に天井が出ます。だんだん上げて百俵近くなって、二九日晦日両日、二分方上げになる時は、その次の月に天井が出ると心得なさい
「三年塞り酉の方へ廻る年心得の事」今日の相場格言その78、本間宗久 秘伝第七十八章
三年塞がり酉の方へめぐる年(陰陽道でこの年回りの時は三年間、凶とされる)は、米が大いに上がります。間違いありません。しかし、お蔵米(貯蔵)がいっぱいあって、米券の空札発行で不渡りが出たり、数年の上作続きで古米が潤沢にあって安かったりするときは、行動を見合わせ、深い思惑買いをしないように。以上のようなことがなく、日本中上作で、例年より安値であれば沢山買い入れても良いでしょう。この年回りは九州、大坂、当地共に天災がある年です。冬中天井値が出たあと少し下げがあります。そのあと十一、正月、三月が甲に当たるので、このとき五、六○俵必ず上がります。七月が甲に当たる年は日本縁国、当地でも上作になったとしても、見合わせたりしないで六月から買い入れるべきです。
「売り買い気を転じ秘伝の事」今日の相場格言その77、本間宗久 秘伝第七十七章
相場が弱く見えてちっとも上がらなそうに感じ、売りたくなるときがあるけれど、そういうときは三日待ち、気を転じて買いにつきなさい。極めてチャンスです。逆にこれは上がるぞと買い気がうずうずするときもまた、気を転じて売りに入りなさい。これが極意です。忘れないでください。自分が強気なら人も強気。自分が弱気なら人も弱気。みんなで極端に片寄ると、陰陽自然の法則で逆転するものです。人間の頭で考えても及ばないのです。三位の秘伝に任せなさい。
「一と足踏みはずす時は、皆裏表になる」今日の相場格言その76、本間宗久 秘伝第七十六章
数カ月にわたって自分の思惑がよく当たっているときは、決して図に乗ってはいけませんよ。ひたすら無難に目標のところで利食いしておきなさい。数ヶ月当たると、達人になったみたいな気になって、少々の上下にも自分の読みは正しいと思い入れをしてしまいがちです。これは慎むべきです。相場というのは一歩間違えばすべてが裏目に出てしまうという恐ろしさがあります。繰り返し言いますが、相場は慎重に取り組み、粗雑な心で臨んではいけません。なにしろ、天性自然の理で動くものですから、私の秘伝を守らないで自分勝手に仕掛けても、利を得ることはないのです
「相場二、三ヶ月持ち合う時、心得の事」今日の相場格言その75、本間宗久 秘伝第七十五章
相場が二、三ヶ月も保ち合うときは、十人のうち八、九人が売りに向くものです。その後が、極めてチャンスなんですね。ただし、上りつめ、百俵上げくらいで保ち合っているときは下げになります。
「落ち掛の事」今日の相場格言その74、本間宗久 秘伝第七十四章
何十俵買い、上げは何俵上げたら落ちるか。何十俵売り、下げは何俵下げたら落ちるか。
「売り買い共心進み立ち候節、二日相待つ秘伝の事」今日の相場格言その73、本間宗久 秘伝第七十三章
「絶対上げだ、今日中に買わなくちゃ」と気が急くときは二日待ちなさい。絶対下がるぞと売り急ぎたくなるときも同じです。これ極意の秘伝です。すべて天井慎、底値になったときを見計らうことが第一。天井直段で売ることだけ考えなさい。で買うんだだというこレとだけ考ええなさい。この心掛けを忘れてはいけません。
「通い相場用心の事」今日の相場格言その72、本間宗久 秘伝第七十二章
保ち合いのときに四、五百両ほど売り、二○俵ほど利がつくと「いける」と思ってさらに売ることがある。これ心得違いです。保ち合いの上下はせいぜい一、二供ですから、十、二○俵の上下は早く見切って手仕舞いなさい。もっと売買したかった、などと未練がましく思わないことです。
「霜月前引上げ落引の米、売り方無用の事」今日の相場格言その71、本間宗久 秘伝第七十一章
十一月まで五、六○俵上げて一段下げるときは決して売らないこと。百俵上げくらいで一段下げるときは売りです。ただし、春夏の米で買い増しが多いときは百俵ーげでも売りません。
「高下に連れ米の一体を失ふ用心の事」今日の相場格言その70、本間宗久 秘伝第七十章
この書をよく読んだとしても、上下に惑わされ、米相場全体の流れを見失うことがあるものです。折に触れて三位の秘伝を参照し、全体の流れや上げ下げを判断していても、毎月毎日よく考えていたとしても、チャンスを見つけたと思っては年中売り買いしていれば、わけがわからなくなって損が出るものです。大きなチャンスは一年に二度はないものなのです。この秘伝をよく考え、(大きな流れを目標に)二、三ヶ月上がるものなのか、下がるものなのかよく考えて、自分の姿勢を決めて貫くべきです。売りか買いか決めかねるような不安な時は、「ここだ」と思える時まで幾月でも待ちなさい。繰り返しますが、三位の秘伝を忘れて、自分勝手な了見で商いしてはいけません。とても大切なことですよ、これは。もし自分のな勝手な了見で商いをしたら、損は間違いありません。
「三位の伝を以って上下鍛錬の事」今日の相場格言その69、本間宗久 秘伝第六十九章
三位の秘伝に照らし合わせて、上げ相場なのか、下げ相場なのかをまず見極めなさい。その上げ下げの限度、季節や大阪の影響、作柄などもよく研究しなさい。そのうえで買いに出るときは、上げ過程のなかの細かい上下に心を動かされずに、方針をしっかり通すべきです。思惑が当たったときは予定通り利食いしなさい。安いところで買って、ちょっと上がってきたらすぐに売ろうとちょこまかしてはいけない。上げ相場と見込んだら全体の流れのなかで一番上を狙って買い、買い、買いと進みなさい。もし予想がはずれたら、すぐに売って休み、とくと米の動きを観察しなさい。そういうときは下げ相場に見えるので売り越しすることがあるが、よろしくないです。絶対下がると-デン売りはしないこと
「立羽もなく高下に連れ候事」今日の相場格言その68、本間宗久 秘伝第六十八章
相場の上下につれて、自分の方針もなく「上げだ」「下げだ」と目先の売買をすると、五、六日も過ぎた頃、だんだん弱気になって売り過ぎて、一四、五日過ぎた頃にまた買う気になってそのたびに損を出してしまう。こういうのは儲けを急いでいるからで、欲心で売買するから間違うのです。欲を離れて天と底を見極め、上げなら上げ、下げなら下げとハッキリ見通しを立てなさい。私が伝えた三位の秘伝によく照らし合わせ、売り方、買い方の立場を貫きなさい。
「一分の存念にて売り買い無用の事」今日の相場格言その67、本間宗久 秘伝第六十七章
自分の一存での売買は、決してするべきではありません。三位の秘伝をよく参照して、相場の流れを見極め、売り買い、どちらの立場を貫くのか、決めて行いなさい。
「買気をはさむ売方心得違いの事」今日の相場格言その66、本間宗久 秘伝第六十六章
売方についているのに、ときどき買いを入れる。これはいただけません。例えば上げ相場の途中で、月末までは上がりそうにないからちょっとだけ売っておくとする。そしてその月のうちに手仕舞いせずに、翌月に持ち越し、買い方から利息(米の相場では買い方が売り方に利息を払っていた)を取ってから一、二日ころドテン買い越ししようなどと考える。これは良くないです。こういう了見のときは、必ず、下げると思えば上がるものです。逆に、まず下げるだろうと思って売り込むときは、上がったりするもので、買いそびれ、1、二日たつうちに買い遅れ、買い入れるべきときにかえって売ってしまうのです。思惑どおりにいったとしても、月末に少し下げたりすると、その間に月が替わって利息落ちすることになります。それでも動きに変化はあるまいと弱気でみているので、また買い遅れるのです。近いうちに上がると見込んだなら、ただ買うチャンスだけを狙って待ちなさい。自分の一存での売買は、決してするべきではありません。三位の秘伝をよく参照して、相場の流れを見極め、売り買い、どちらの立場を貫くのか、決めて行いなさい。
「米商いの秘伝、気を転ずる事」今日の相場格言その65、本間宗久 秘伝第六十五章
激しい相場の高下があったあとに保ち合いになったときは、何となく弱く見える。いろいろな意見を聞いたり考えたりしても、やはり強みは見えない気がする。そしてこの間にも二、三〇俵引き下げるような気配にも感じられるので「ここで売らなくちゃ」とばかりしきりに売りたがるが、ここは気を転じて買い方についた方がいいのです。これが秘伝です。自分だけ人と違うことをするのは至極心細いことで、買い方につくのはとても危なくて出来ないことのように感じるけれど、私の教えを守り、我意を捨て、買いに入るときはきっとチャンスがきます。しかし、絶対上がるからと皆が買いに走るときは、これもまた気を転じて売るべきで、これが秘伝です。常々、このコッをよく覚えていてください。自分が強気のときは人も強気と思いなさい。弱気のときも同じです。だから人と同じようになっていたらチャンスはないのです。
「米は天性自然の理、算用に及ばざる事」今日の相場格言その64、本間宗久 秘伝第六十四章
他の通過レートと比べながら、買い増するかどうかを考えていると、相場に逆らって失敗することになります。相場は天然自然の道理で動くもので、自分の頭のなかの計算によって動くのではないのです。極意は天井値と底値をしっかりとらえ、毎日の相場の動きに気をつけること。これが肝心です。
「下げ相場は上げ相場と大違いの事」今日の相場格言その63、本間宗久 秘伝第六十三章
今日の相場格言その63 下げ相場は、百俵ばかり上げて天井値に入った月から五、六月もだらだらと下がるものです。上げ相場とは大違いです。保ち合いの場合は月初めに上げ、月末に下げ、毎月一俵上げては二俵下げたりするものです。もし、一日から四、五日くらいまでに前日より少し高くなるようなときは、保ち合いのなかでも買いの場ですね。しかし全体としては下げ相場のなかの上げですから、過分に買うのは控え、その月中に売ってしまったほうが良いです。
「底直段買い重ねの事」今日の相場格言その62、本間宗久 秘伝第六十二章
底値で保ち合ったあと、上げかかる米は二〜三ヶ月のうちに急騰します。そういうときに目標に向けて買い増しするのは良いですね。
「米人我三つ揃候時の事」今日の相場格言その61、本間宗久 秘伝第六十一章
相場が低迷し、人気もなく、自分も弱気になっているとき、そんなときこそ相場は底打ちなのであって、そのあと絶対上がるんです。逆に人気も強く、人がみんな「上がるぞ」と思っているときは、下がるものなのです。とかく百俵も上がった米は、あとは下がるばかりと考えた方がいい。なんということもなしに下がっている弱い米は、これから上がるのだと考えて対応することが肝心です。
「毎日の相場に気を付け申すべき事」今日の相場格言その60、本間宗久 秘伝第六十章
相場の極意は、毎日の相場に気を付け、動きに正しく応じて売買することです。保ち合いの動きなのか、放たれる動きなのかを見極めるのが秘伝です。この見きわめの違いで、結果が白、黒に分かれてしまいます。極めてわずかな変化を見たときに、世の中や自然や相場全体の動きを察知する心が第一です。
「後悔に二つある事」今日の相場格言その59、本間宗久 秘伝第五十九章
後悔に二つあります。これを心得てください。高下するとき、もう五、六日待てばとれた利を、勝ち急いだために二、三分取り残したときの後悔。これは笑って見過ごすことができる後悔です。しかし、すでに七、八分も利が乗っている米を、欲に迷って手仕舞いかねているうちに下がって損が出てしまったと言う後悔は、笑えませんねえ。苦労した(損を出した)うえ、さらに後悔するんだから、心が参ってしまいます。慎むべきですね。自分の心が傷つくようなことはしないように。
「豊年の米、売るべからざる事」今日の相場格言その58、本間宗久 秘伝第五十八章
当地が豊作のときは売ってはいけない。秋冬のうちに底値がついたとき買いに入り、春に持ち越せば必ず利運に乗ることができます。豊作だと、諸国に噂が広まるので春に買い付けの船がいっぱい来る。冬のうちに買いに来る船もある。秋冬のうちは作柄に応じて豊作のときは下げるものです。このときの相場で春に上がらない場合でも、五、六月には上がります。
「弱気不利運心得違の亊」今日の相場格言その57、本間宗久 秘伝第五十七章
弱気で売方に転向したとき、思惑が外れて少しづつ不運(上げ)になっていくことがあります。その節は「しまった、ナンピンをしよう」と売り込むことありますが、はなはだ心得違いです。相場に逆らってうまくいくわけがないのです。買いのときも同じです。思惑が違ったら早く手仕舞い、相場の行方を見るべきです。
「上れば扨こそ決心の事」今日の相場格言その56、本間宗久 秘伝第五十六章
相場が上がると思えても、上がるまでにひと下げするのではと不安に思って見合わせているうちに、少々上がったりすると「やっぱり上がるんだ!」と思い、逆に下がると「やっぱり下がるんだ!」と思う。これはまったく気持ちが定まってない証拠です。あとから相場を振り返って考えるときは「あの上げのときに売り、この下げのときに買えば、上げも下げも利益を得られたのに」と簡単に考えるものですが、実際にやってみると高下両方取れることは稀なのです。一、二ヶ月相場をよく見て、一回の上げ下げ、どちらを取るか決めなさい。両方取る心づもりでは、年中心休まず、相場の動きに心が振り回されて結局損を出してしまいます。
「六月崩し見様の事」今日の相場格言その55、本間宗久 秘伝第五十五章
六月に崩れるのは、前年が不作または上方も不作で実米が不足していると噂されるときです。大阪が高値を付けると当地も上がり、夏米の思惑買い多く、世間の金が米相場に集中して買いがさらに多くなる。こんなときこそ要注意です。十一、十二、正月に(十両につき)一八〜二三俵くらいの天井が出て、そのあと五、六月まで保ち合うと、まず間違いなく六月は崩れます。十一月頃までに天井値を付けて一二、正月までに六、七○俵下げ、四月頃まで二七、八俵で保ち合うときは七、八月に六、七○俵上げるものです。前年が四分、半作の不作の年で冬に一七、八俵の天井値が出るときは非常一に人気が張りつめて、夏米の思惑買いも強いので、四、五月までは下がりません。六月の天気が良くて土用日照りもよく、今年は上作との噂がたち、船の買い手ももうちょっと安くなったら買おうと買い控え、貯蓄米も少ないとの情報があると、どんどん人気が下がります。そして、われ先に売り逃げようとしますが、頭金も不足し、その催促も加わって、米の売りが出回り(実米が大量に放出されて)、いよいよ下がるのです。買い付けの船がどのくらい多いか、実米がどのくらい多いかを考えておくことが第一です。足らぬというは余る、余るというは足らぬというものです。そうこうしているうちに実米がすっかり放出されてしまって、その後、相場は上がります。相場が六月に崩れると考えたときは、しっかりと見通しをつけ、六月はじめから十日頃まで二、三○俵下げても、そこで売り付けておいて、下げ始めから六、七月あるいは一二、三日の間の相場の動きを見て、底値の見当を付けて買いに出ると良いでしょう。出遅れてしまったら沢山は買わないように。、三百両程度にしておきない。ただし七月が甲月に当たるときは相場は強いです。そうでない場合は、買い付けの船が八月まで往来するのは稀です。よく考えてくださいな。
「天井の考え百俵上げ的の事」今日の相場格言その54、本間宗久 秘伝第五十四章
天井を考えるときは百表以上を目標にしましょう。底を考えるときは百俵下げを目標にするけれども、下げはいろいろ迷うことが多いので注意してください。下げかかるときは十〜1三日もずっと下がり続けるので、よくよく見合わせて、しっかり下がったところで買いなさい。暦で丑の日、不成日、天一、八専、の日はたいてい下げ留まりになります。下げ相場での「買い」は底値で買わなければ利益が浅いのです。
「天井直段底直段三年続きの事」今日の相場格言その53、本間宗久 秘伝第五十三章
天井、底値は三年続くものです。天井値の場合はそう考える人も多いけれど、底値も三年続くと考えてくださいね。通常の年でもこういうことがあるからよく気を付けておくように。
「冬より春迄金払底大崩しの事」今日の相場格言その52、本間宗久 秘伝第五十二章
冬から春になっても景気が悪い年は思惑買いする人が多く、世の中のお金が全体的に不足しています。こういう年は五月までに下がらなければ六月二○日過ぎに大崩れします。えてそれが七月甲のめぐり合わせなら、七月に六、七○俵上がりますね。明和五年に天井値から百六、七○俵も下げたことがありましたが、こんなに下げることは稀です。寛政十一年に百五○俵下げ、翌年六月一三日に百俵下げたことがありますが、この大底値は三年続きのものです。七月が甲に当たる年は、相場が下げに向かうときに油断なく売って、一二、三日動きを見ながら百俵下げを目標にして、目標になったら買い戻し、ドテン買い越しに転じると良いですね。
「7月三位頭月の事」今日の相場格言その51、本間宗久 秘伝第五十一章
土用の照りも良く、上作との見込みが立つと、相場が高すぎると考えて、買い手は買い控えます。そうするとますます人気が悪くなる。六月は買い手の五一七月が甲月に当たる年(前にも出てきた、甲申の組み合わせですね)は、六月の天気も良くて作柄も良いのです。従って上作だから下がるのかなと思われるのだけれど、かまわず三〇俵くらいは六月から抜かりなく買っておきなさい。秋には全国的に豊作だと言われていても、突発的天災等がないことが稀なのです。もし普通か、上作程度の年だったら八、九月から相場の動きを見て、底値の見きわめを付けて買いなさい。
今日の相場格言その50「諸方上作年心得の事」本間宗久 秘伝第五十章
当地や大坂もだいたい上作なのに、三〜五月にあまり下げがなくて底値が出ていない場合、その後に底値が出ると心得なさい。上作の年は四月中旬に売り崩しがあると言われているが、これはその通りです。三月が甲月に当たるときでも、例えば八〇二年、酉年の四月には二○俵の売り崩しがあった。東北地方、当地がともに上作の年は、田んぼの一回目の草卓取りが終わらないうちは、決して夏米の購入を考えてはいけない。もっとも、四、五月に相場が崩れた場合は買いに入ります。
今日の相場格言その49「夏中涼しき時は油断ならぬ事」本間宗久 秘伝第四十九章
夏中、天気が悪くて雨がちの年はお米が育ちません。気温が上がらなくて、虫害、洪水、大風等の天災まであるときは、もうぬかりなく六、七月相場の安いときに買っておきなさい。六〜七月の天気が良く、上作の噂が少しでもあるときは急いではいけませんよ。八、九月がその年の買い時期です。特に月初めが良いのです。ただ、九月では少し遅い。八月に買いなさい。上作の年でも相場はだいたい九、十月から上がるものだからです。また六月末から七月中旬まで、「今年は稀に見る豊作だ」と噂されていても、なんらかの支障があって、見込みと違うことになるものです。少しも申し分なく見込みどおりの収穫ということはごくごく稀なことなので、よく考えてください。
今日の相場格言その48「三位の外教え守るべき事」本間宗久 秘伝第四十八章
四八、新米は毎年出始めは二、三十俵下げてから上に向きます。八、九月から十、十一、一1二、正月までに上げないということはないですが、その年にカ九州、大坂が八分前後の上作のときはたいした上げはありません。天災があるときは七、八めたときの一二、一三日間を底と考える。底を打ってから戻七月が甲月に当たる年(不安定とされる年でしたね)で、四、五月に下がらないときは六月が底値の時期で、三0日頃までに必ず大崩れになります。六月末に売り込んで、下げ始月急膝です。天災でなくても豊作と言えないとき、日本全体る場合は別ですが、そうでないときは底値をよく見極めてかでは平年作になりますが、そいういう情報は九月まで大阪に_ら買い戻すか、場合によってはドテン買い越しに転ずると良いでしょう。その後の上げを待って利が合ったときは、早速知れ、十月〜一二月までに大引き上げがきます。当然酒田も上がります。この事情をよく考えておきましょう。利食いしなさい。七、八、九、十月に天井が出た米は、一三月まで下がるという私の教えを守るのですよ。七〜十底値の米は一二月に上がるというのも守りなさい。八〜十1月は底から起き上がる月大坂、当地共に平作、あるいは当地が上作の年は秋、冬の内に少し上げがあるがたいした上げにはならない。当地が不作の時は、よその相場にかまわず(当地は)大上げになります。四分、半、六分という不作の場合、だいたい十俵台に入る_だというのも守るように。また冬中から二月頃まで天井値のと心得て、二○俵近くなったらしっかり見通しをつけましょうね。天井値段は一四、一五日の間下がらず、そのあと自然に下げていきます。三、四月頃まで十俵幅くらいの保ち合いがあってから、二、三〇俵下げ、その後また保ち合うが、四、五月になって三、四○俵下げて、また二、三〇俵上がる。六月になって天候がよく、田畑の状態も良いという噂がたち、貯えの蓄積米もまだあり、相場の高さを見て買いの船も急がない時、買い方は退届して売り逃げしてしまうのだけど、そうこうしている六、七○俵から百俵、一挙に下げ、相場は大崩れになる。覚えておいてください。また五月が三位(甲月)に当たる年で四、五月に充分下がらない時は六、七月に上げがないのです。四、五、六月充分に相下かったときは八月に必ず上がります。間違いないです米は四〜六月下がると心得なさい。さらに五月に充分下がるときは六月に入って急騰。五月に充分下がらないときは六月
今日の相場格言その47「売方駆引六ヶ敷事(うりかたかけひきむずかしきこと)」本間宗久 秘伝第四十七章
一年間に、大きな上げ、下げは一度きりです。あとは小さい動きです。上げのなかの下げとか、下げのなかの小さい上げなのです。これは保ち合いであって、天井、底を見る相場では一ありません。こういう保ち合いの上下に迷うべきではありません。すべて最初の仕掛けが肝心です。買いから入るのは思い悩むものだけれど、利運に乗ってしまえば少しも苦しくない。売りは気分的には楽だけれど相場の駆け引きは難しいものです。下げているとき、どれだけ下がるか見当がつかなくなって、買い戻しが遅れます。迷ったときは、下げの動きや人の騒ぎに左右されることなく、欲を離れて買い戻すことが第一です。
今日の相場格言その46「新米は買方につくべき事」本間宗久 秘伝第四十六章
一年間に、大きな上げ、下げは一度きりです。あとは小さい動きです。上げのなかの下げとか、下げのなかの小さい上げなのです。これは保ち合いであって、天井、底を見る相場ではありません。こういう保ち合いの上下に迷うべきではありません。すべて最初の仕掛けが肝心です。買いから入るのは思い悩むものだけれど、利運に乗ってしまえば少しも苦しくない。売りは気分的には楽だけれど相場の駆け引きは難しいものです。下げているとき、どれだけ下がるか見当がつかなくなって、買い戻しが遅れます。迷ったときは、下げの動きや人の騒ぎに左右されることなく、欲を離れて買い戻すことが第一です。
今日の相場格言その45「下相場利運心得方の事」本間宗久 秘伝第四十五章
下げ相場で利に乗る人は、下がる途中で買い戻しをするものです。そして深追いせず、大底を打つ前に手仕舞うことが第一です。この点が上げ相場とは違います。動きの二回目に利食いに入り、三回目ですべて手仕舞う、四回目でドテン買いに転ずる。前にも言ったとおり、これが下げ相場の戦術の秘伝です。
今日の相場格言その44「上相場にて利運心得方の事」本間宗久 秘伝第四十四章
上げ相場で利に乗る人は底値の見込みをちゃんと立てている人は、押し目で売るようなことはしない。底値で買ったものなら、押し目でますます買い重ねる。大きく上げが見込める相場では二度くらい押しが入るものだから、ここをよく考えること。また、大きく上げたときは、さっさと利食いしておくことです。
今日の相場格言その43「霜月限買入心得方の事」本間宗久 秘伝第四十三章
今日の格言 本間宗久、秘伝第四十三章から 十月限の米は六、七月から買い入れてしまうと退屈で飽きてしまう。だから集中できなくて、利益を出すどころではなくなってしまうよ今日の格言 本間宗久、秘伝第四十三章から 十月限の米は六、七月から買い入れてしまうと退屈で飽きてしまう。だから集中できなくて、利益を出すどころではなくなってしまうよ。その年の収穫や動きをよく考えて、八、九月ごろから買い入れるのがちょうど良いでしょう。ただし、不作」と思う年は早めに準備しなくてはならないから、六月から買い入れてくことが必要ですよ。その年の収穫や動きをよく考えて、八、九月ごろから買い入れるのがちょうど良いでしょう。ただし、不作」と思う年は早めに準備しなくてはならないから、六月から買い入れてくことが必要ですよ
今日の相場格言その42「相場高下無く、十人が十人退屈の事」本間宗久 秘伝第四十二章
動きがなく、保ち合いが続いたときは、、皆、退屈して動き出す。強気の人は同様して弱気に向かうし、売り方の人は狙いどおりだと思惑を入れ、ますます売り込んだりするのだけれど、そのあとは必ず上がります。そういうとき、強気の人も弱気の人も「さあ、大変!」と騒ぎ立って慌てて買うので、相場は急変する。こんなふうに、皆がどちらかに片寄るときは、必ず逆に出るものです。相場が人間の思いどおりに動くなら楽だけど、そんなことはあり得ません。予想し難いものなのです。これが陰陽自然の道理です。
今日の相場格言その41「上げ留見様の事」本間宗久 秘伝第四十一章
今日の相場格言その41!「上げ留見様の事」本間宗久 出典:相場秘伝「本間宗久翁秘録」より [st-minihu
今日の相場格言その40「底ねらい天井ねらいの事」本間宗久 秘伝第四十章
今日の相場格言その40!「底ねらい天井ねらいの事」本間宗久 出典:相場秘伝「本間宗久翁秘録」より [st-mi
今日の相場格言その39「勝ちに乗るべからざる事」本間宗久 秘伝第三十九章
予想があたって八、九分まで目的を達成していたなら、それ以上欲を出すものではありません。そういうときは、ひたすら損をしないように心掛けなさい。欲を出して深みにはまるようなことだけは、決してしてはいけません。
今日の相場格言その38「利運の節心得方の事」本間宗久 秘伝第三十八章
予想があたって利が乗っている時は、まず良い所でさっと手仕舞うものです。その場合は一両日休むといい。休むことを忘れていい調子でそのまま行くと、気付いた時は損している。勝ちにおごっても利が出ると「よしもっと取ってやろう」という気になり、気が大きくなり、欲張って判断ができなくなって、だめになってしまう。また、焦って、すぐにも儲けようと細かい上げ下げに手を出すと、決まって損が出るものです。これは自分の方針を決めずに、ただ、欲で手を出すから、くるくる回っているだけなのです。利運にも乗れず、予想が逆目に出ると、なお狂います。そういうときは、さっさと見切ることです。慎みということを心得なさい。
今日の相場格言その37「不利運の節心得方の事」本間宗久 秘伝第三十七章
自分の予想がはずれて損勘定になっているとき、ナンピンをしてはいけません。さっさと見切って、手を出さずに休みなさい。見込みどおりに儲かったときも同じく休んで、相場の動きをよく研究し、次に臨みなさい。休むことを忘れて突っ走ると、必ず損をすると心得なさい。ただし、ここで「休む」と言うのは、ただ、ぼうっとすることではありません。人気に左右」されずに、冷静に毎日の相場の動きを考えるということです。また、前の年に売りで成功していると、また売りでいこう、なんて思いがちですが、いけません。前のことはさっぱり忘れなさい。その年にはその年の状況があり、人の心の動きも、いつも変化しているのです。きちんと考えることが重要です
今日の相場格言その36「上の内の下相場の事」本間宗久 秘伝第三十六章
底値で保ち合い、それからだんだん上がって、また少し下がって保ち合い、ということがある。こういうときは買い方も売り方も退屈して動きたくなってしまう。しかしこの時は決して売ってはいけません。売り方はここで買い戻すべきです。これは底値から上がってきたのです。上昇相場では、天井値を狙うことが第一です。
今日の相場格言その35「燈火消えんとして光増す心の事」 本間宗久 秘伝第三十五章
天井値近くでなにかの事情で急騰することがある。「もっと買っておけば良かった」と後悔し、残念に思って、少し下がったらまた買おうなんて思っているうちに、毎日上げて天井打ちになって、下がってしまう。そういうとき、少しでも取ろうと上がっているところを買い重ねるのは、はなはだよろしくない。慎むべきです。こういうところで買っても利益にはなりません。初めの安い値段に沢山利益がついても、その利益すら消えて、かえってマイナスにりますよ。また、ここで買ってしまうと二番天井のときにも買い重ねたくなってしまう。決して買ってはいけないよ。心得ておきなさい。こんなときは太陽にまで登っていくような凄い勢いに見えるけど、実は、消える寸前の灯火が一瞬パッと強く輝くのと同じなんです。「必ず明日にも利が乗るんだ」と思い込んでも、買ってはいけません。ここは相場の動きも強く、人気も強く、強気の人ばかり集まるところだ。だから「ここが天井」と判断するのが肝心ですよ。よく考えなさい。
今日の相場格言その34 「霜月限買い入れ利分利候時心得の事」本間宗久 秘伝第三十四章
底を見極めて買い、相当利が乗ったとします。そのとき相場は保ち合いに入るか、または少々下げることがあります。そのとき利息(当時、買った米に対して、翌月持ち越し分に利息を払うことになっていた)を計算すると、先に上がったときに売っておけば良かったかなと後悔することがありますが、これははなはだしい勘違いです。底値で買っているときは、落ち引きになる前に売ってはいけません。底値で買って上げてきた相場は、こうなるまでは買い増ししていくものなんです。覚えておいてください。
今日の相場格言その33「商い仕舞い四、五十日休みの事」本間宗久 秘伝第三十三章
「上がるぞ」と思って買い入れ、最初の思惑よりもっと上に上げ超して「当たった」と思う絶頂の時は、意地悪く下がるものです。その折は商いを手仕舞って四、五〇日休むべきです。休み中にチャンスありと見える場面があっても決して手を出さないのです。買い乗せだの売り乗せだの、船で他国から買いがあろうと、そういうのには惑わされないこと。当たった時にさっさと手仕舞って、そのあと四、五〇日じっくり相場の動きを見なさい。でないとすぐ有頂天になるから、そういう時こそ頭を冷やして、私の三位の秘伝を復習するなりして、自分方針をしっかりしたものにして次の相場に臨むべきです。売り方で当たった時も同じです
今日の相場格言 その32「二、三ヶ月、必死必死と引き上げ候の時」本間宗久
今日の相場格言その32!「二、三ヶ月、必死必死と引き上げ候の時」本間宗久 出典:相場秘伝「本間宗
「買い入れべく、見合わせ候時心得の事」今日の相場格言その31、本間宗久 秘伝第三十一章
今日の相場格言その31!「買い入れべく、見合わせ候時心得の事」本間宗久 出典:相場秘伝「本間宗久
今日の相場格言その30「持ち合い後、売買秘伝の事」 本間宗久 秘伝第三十章
今日の相場格言その30!「持ち合い後、売買秘伝の事」本間宗久 出典:相場秘伝「本間宗久翁秘録」よ
今日の相場格言その29!「大高下過、通い相場の事」本間宗久 出典:相場秘伝「本間宗久翁秘録」より
今日の相場格言その28!「霜月限底天井の事」本間宗久 出典:相場秘伝「本間宗久翁秘録」より [s
今日の相場格言 その27「正二売買退屈、五六崩しの事」本間宗久
今日の相場格言その27!「正二売買退屈、五六崩しの事」本間宗久 出典:相場秘伝「本間宗久翁秘録」
今日の相場格言その26!「正月利運持越しの事」本間宗久 出典:相場秘伝「本間宗久翁秘録」より [
今日の相場格言その25!「作合取沙汰前方掛引の事」本間宗久 出典:相場秘伝「本間宗久翁秘録」より
今日の相場格言その24!「上作年の米売崩しの事」本間宗久 出典:相場秘伝「本間宗久翁秘録」より
今日の相場格言その23!「五六両月相場高下の事」本間宗久 出典:相場秘伝「本間宗久翁秘録」より
今日の相場格言 その22「正月より三四月迄 天井持合いの事」本間宗久
今日の相場格言その22!「正月より三四月迄 天井持合いの事」本間宗久 出典:相場秘伝「本間宗久翁
今日の相場格言その21!「上げ相場見様の事」本間宗久 出典:相場秘伝「本間宗久翁秘録」より [s
「ブログリーダー」を活用して、本間宗久さんをフォローしませんか?