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投稿実話 暗闇怪談珍奇堂 http://samosamo555komo55.blog.jp/

すべてオリジナル 本当にあった怖い話 不思議な話 闇世界で起きた残酷な事件

誰かにきいたお話を基にして小説風にしたり、ルポ風に記事にしています。 お話をきかせてくれる人は、随時募集しています。

マルク半次郎
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2021/02/15

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  • 行方不明2人⑭

    ちょっとだけ脅かしてやろうと、M君はペンライトを消して息をひそめて鳥居の根元にしゃがんでいた。女の子が着ている白いワンピースが、闇になれたM君の目に映った。すぐに黒っぽいポロシャツを着て、ハーフパンツの長身の男子が寄り添っているのに気付いた。二人が鳥

  • 【青春奇譚】幼なじみ③

    まだ、続きがある。Aさんが二度と泣かなかったかというとそれはまったく嘘である。その夜遅く、東京に戻ったAさんは翌朝出社した。新幹線のホームで買ったお土産のもみじ饅頭を同僚たちに配った。チーフはたった1日で、Aさんの仕事の2日分を仕上げていた。実力が違

  • 【青春奇譚】幼なじみ②

    O駅でのぞみを降りると、24時間営業のレンタカー店に入り一番安い車を借りた。実家にたどり着いたときには深夜2時になっていた。翌日、母親と連れだって公民館で営まれる葬儀に出向いた。長い列に並び、テントの下の受付で記帳し焼香をした。白い花で飾られた祭壇にはすっ

  • 【青春奇譚】幼なじみ①

    Aさん(男性=職業デザイナー)が語ってくれた話である。20代なかばを過ぎた頃、彼は大きなデザイン事務所で働いていた。仕事は多く、毎日、深夜まで納期に追われた仕事をしていた。土日も休めないことは多かった。月曜日だった。締め切りが迫った仕事を抱えていてその

  • 行方不明2人⑬

    OBたち先輩の到着で、一度中断することになったが、夜のイベント肝試しの打ち合わせは全体で1時間をかけたという。イベント担当幹事の2人が打ち合わせをリードし、すでに決まったことを他の5人にしっかり把握するよううながした。7人の持ち場を決めて、それぞれの役

  • 行方不明2人⑫

    その日は朝から薄曇りで、気温が高くはなかったが蒸し暑くじっとりと汗ばむような重い空気があった。風がなく、山に囲まれたこの土地では澱んだ湿り気が盆地に溜まったような感じがした。 未明の非常ベル騒ぎは、60人近いメンバー全員に様々な影響をもたらしていた。

  • 行方不明2人⑪

    前日の夕方からおかしなことが続いていた。最初は午後2時半の約束で、駅に女子大メンバー4人を迎えに行ってくれた女将から、途中参加メンバー4人を宿で出迎えたH子と点呼担当の幹事に奇妙な話がもたらされた。 女将は早めに用事が終わったために、駅前広場の駐車スペ

  • 行方不明2人⑩

    その日は、とても暑い日だった。天気がよく日差しが強かった。10時過ぎには気温が30度を超え、午後はもっと上昇することが予測できた。 M君は宿に残った点呼・連絡担当の幹事と気温が高くて熱中症の危険があるため、午後の練習を中止するか、時間を短縮して夕方にず

  • 【怪異】鏡の中の少女(1)

    私は18歳で高校を卒業して東京に出てきました。服飾系の専門学校に進学するためです。 子供の頃から、将来の夢はデザイナーとかお洋服を作る人だったので、希望いっぱいでの上京でした。でも、上京と言っても北関東の田舎にある実家までは2時間ちょっとあれば帰れま

  • 行方不明2人⑨

    キャプテンのM君にとって、とても忙しい一日になった。朝食の後、2階の奥の部屋で、DとともにKと話をした。話をした、というが、相互にコミュニケーションが取れたとは言い難かった。KはM君が加わったことで、とたんに口を閉ざして感情表現すら乏しくなる。Dがあや

  • 人を埋める⑧

    電話はすぐにかかってきた。いつの間にか、落ち着きを取り戻した声でまたいろいろ言うんだよ。命令口調だが、相手はヤクザだとは思わなかった。あれは、堅気のしゃべりだよ。しかし明らかに普段から、下に見た者に指図することに慣れた口調だった。 「ご苦労様

  • みどりが丘公園⑦

    捜査員が図書館で調べものをする場合、適切な資料への最短距離を進むために必要なことは、捜査情報は漏らすことなく本の専門家である図書館司書に協力を仰ぐことだという。これは簡単なようで難しいらしい。このみどりが丘公園の殺人事件でも、被害者に遺された傷跡と謎

  • 行方不明2人⑧

    M君は顔を洗い歯を磨いてから、食堂で熱いお茶を入れながら考えた。 まずは、Dと相談しよう。そして、あのKをいじめていたという1年生ふたりと話をしよう。Kとも話をしよう。Uさんが叱ってくれたおかげで、みんなにとっていい方向に動き始めたのだ。Uさんにも感謝を

  • 行方不明2人⑦

    Dが、「続きは明日だな」と言って二人の1年生を部屋から送り出した。意外にも彼らは晴れ晴れとした表情をしているように見えた。4人だけの部屋の中で、何があったのかM君は知りたいと思った。 Dが部屋から出てきて、二人の1年生が軽く会釈をして廊下を遠ざかって

  • 人を埋める⑦

    電話の向こうが誰なのかはわからなかったが、若くて冷たい印象だった。事務的っていうのかな、最初は淡々としていて紙を読み上げるような感じかなぁ。ただ、有無を言わせない威圧感はあった。住所を言われてまずそこに行け、インターホンを鳴らして、「ヨシダに言われ

  • ブログ主雑記 その1

     おはようございますこんにちはこんばんは半次郎です。 いつも拙ブログを訪れていただきありがとうございます。 半ばリタイアしている暇人のはずなのに、新しい記事が投入できず、滞り気味の更新で申し訳ありません。ネタの元になっている、聞き書き

  • 行方不明2人⑥

    ドアを叩いたのはDだった。M君が「どうぞ」と声を掛けた。ドアを開けて、副キャプのDとその後ろからH子が中をのぞいた。「邪魔しないほうがいい?」そのH子の言葉に、M君はUの顔を見た。Uは縁側から和室の畳の上に戻ってきて、いや後は幹事たちに任せたいと思っている

  • みどりが丘公園⑥

    捜査本部が当時まとめた、凶器についての資料、報告書だけで700ページを超える。記録として残されなかったものもあったと考えると、凶器に関して作成された文書は1000ページ以上、いやもっとあったのかもしれない。それほど、調べてもわからない不可解な部分があったとい

  • 行方不明2人⑤

     Uは布団の上に座って、少し離れた場所に立ち上がったままの二人の1年生をにらみつけていた。三つに分けられた大広間の一番奥の部屋には、低いステージがあった。そのステージの際に二人の1年生が立っている。そして、その足元には誰かが背中を向ける形でまだ布団の上に

  • 行方不明2人④

    3日目のイベントは、テニスのミニゲームでチーム対抗の勝ち抜き戦を行った。自己申告に基づく、実力ポイントを参考にしながら全体を8チームに分けるため、8人の主将が選手をドラフト方式で選んでいく。1チーム5、6人の男女混合チームを作った上で、ダブルス、混合ダブル

  • 人を埋める⑥

    俺は死んだジロさんに絶対ヤクザになるなって言われてたし、その頃面倒見てくれてた銀座のお姉さんも早くいまの人間関係から抜けて、安い給料でいいから真っ当な働き口を探すように言われていた。 それで、レストランを差配していた上の人間と話す機会があって、おずお

  • 行方不明2人③

    バスはG県に向かって高速道路を走り出した。バスにはP大学3年生男子3人、2年生男子10人、2年生女子3人、1年生男子14人、1年生女子5人。提携女子大2年生4人、1年生8人。その他大学1年女子2人が乗っていた。バスの中で、3年生幹事長が挨拶をした。サークル代表は会社訪

  • 行方不明2人②

    夏休みの大学正門近くの大きな通りに、大型観光バスが停車し、バス会社の添乗員が下りてきた。責任者M君の名前を呼び、バスの一番近くの舗道にいた同級生が走り寄るM君を指さした。M君はバスに乗車予定の名簿のコピーをバス会社の添乗員に渡した。添乗員は名簿の人数を二度

  • 人を埋める⑤

    でも、俺がジロさんに会ったのはそれが最後になった。その1年もたたないうちに死んじゃったんだよ。葬式に行きたかったけど、行けなかった。仕方ないので、その時住んでいたアパートの近所にあったしょぼい寺に行って、財布にあった小銭を全部お布施だって言って、住職に渡し

  • 人を埋める④

    俺、24歳の時にさ、ちょっと不都合があって金融やめることになったんだよ。不都合は不都合さ、言えねえよ。回していた金を全額工面出来たら、そのまま、一本独鈷でやっていいって、元締めは言ってくれたんだけど、絶対にケツ持ちなしにやっていける商売じゃないんだよ。

  • 行方不明2人①

     同じ職場の後輩M君が私に語ってくれた話である。彼の学生時代のことで、その事件からはざっと15年近くの時間が過ぎたという。本当は忘れたいと思いながらも、今も不自然な謎を残したままになっていて、どうしても当時のことを思い出してしまい考え込むことがあるの

  • 人を埋める③

    じゃあ、いい。あきらめた。最後まで全部俺の話を聞くの、覚悟できた。酒ないじゃない。頼んでよ。ウーロン杯ね。おねえさん、ウーロンと芋のお湯割りね。 それで、どうなったかというと。そのアブラムシがまったく役に立たないという、一緒にやってるとストレスの塊

  • 人を埋める②

    夏休みが終わって、最終的な進路相談をしなければなりません。もう完全に親父は壊れていて、我が家はプロパンガス、電気の順で止められていました。水道は出ていたので、風呂に入る代わりに水で体を洗っていました。洗濯ができないので、シャツは3日以上着て臭くなったら箱に

  • 人を埋める①

     あなたは人を殺したことはありますか?ないですよね。あはは、俺もないです。安心してください。 本当はこれ絶対に誰にも言ってはいけない話なので、俺が誰か、いつとかどことか、わかるようなことは言わないつもりですが、つい口がすべって言ったとしてもそれ

  • みどりが丘公園⑤

    証言は二つあった。目撃者が二人いたということだった。細部は微妙に食い違いを見せていたが、夕闇が迫る公園内の芝生広場で起きたことをそれぞれの目で見て、語った内容だった。 ニュータウンに住む50代の主婦は、飼っている小型犬を外周道路の歩道で散歩させてい

  • みどりが丘公園④

    殺されていたのは、私と同じ集落の住人・Bという男だった。20代後半で無職、たまに近隣の農家の手伝いをしていたらしい。少しばかり知的障害があるらしく、大声で歌を歌いながら道を走っていたり、奇矯な行動でご近所を騒がせることがあった。しかし、ほとんどの場合、無害

  • みどりが丘公園③

    二つ目の事件も人の死だった。 惨たらしい殺人事件。もうすぐ桜の花が咲き始める季節だった。 俺は春休みで、週に3日ほどの野球部の練習に行く以外は、自宅の周辺で過ごすことが多かった。時には、友人たちや拝み倒して「友達から」という条件付きで交際を始めたば

  • 同じ女⑤

    あの日(彼女を見つけた翌日)、この民宿で警察署から来た婦警さんが彼女から聞き取りをした。前日までの様子とは違い、途中から素直に聞かれたことをすべて答えた。それによると、彼女はH県K市に両親と暮らす家があり、そこを3日前に飛び出してあちこちさ迷いながらここに

  • 同じ女③

    予想に反して、午後一時すぎの民宿の食堂はひっそりと静まりかえっていた。二人の警察官もいないし、駐在さんもいない。女主人も厨房にはいなかった。魚の入ったバケツをどうしていいか、判断がつかなかった。とりあえず、厨房の入り口のドアの横に置いた。借りた釣り竿も

  • 同じ女②

    昨日の夜のことを、頭の中でぼんやり反芻しながら日に焼けた畳の上で大の字に転がっていた。ドアがノックされ、「シーツ、枕カバー替えるよー」と女主人の声が聞こえた。 あ、そうだった。部屋のドアの内側には、長期滞在する方へのお願いという紙が貼ってあって、細々

  • 同じ女①

    栗山さんは元中学教師で、いまはwebデザインの会社でデザイナーとして働いている。これは栗山さんが語る不思議な話だ。 栗山さんは地方都市で高校まで卒業した。高校生のころは美術部に所属していて、美大志望だった。大学進学に際して、1年目は芸大と私立の美術大学

  • みどりが丘公園②

    人々の噂や憶測とは別に、Bの容疑はすぐに晴れた。事件のあった夜、Bは隣町の親類の家の寄り合いに参加し、酒を飲みすぎてそこに泊まったことが確認された。親類という身内の証言だが、家族全員で参加しており、親類全員が詳細に記憶していた。 いっぽう、Aは長らく捜査

  • みどりが丘公園①

    実家の近所に、まあまあ大きな公園がある。仮に「みどりが丘公園」と呼びたいと思う。仮名だが、本当の名前もだいたいこんな感じだ。俺が小学校の低学年のころまでは、この公園がある場所は、もともと雑木林と竹林が連なる谷筋のような地形で背後は小高い丘のような小山

  • 超能力ギャンブラー①

    もう30年も昔の話です。当時、私は小さな出版社に職を得たばかりの20代前半の若造でした。編集者とは名ばかりの雑用だらけの毎日で、アパートの部屋に帰って布団で眠れる日より、会社の床に寝袋で横たわる日のほうが多いようなあんばいでした。編集長と副編集長の他は、私

  • はじめに

    当ブログ管理人は、長年、週刊誌などの雑誌編集部で働いてきました。平成の30年間をほぼそうやって食いつないで来ました。人に会って話を聞く、聞いた話の背景を調べる。そんな仕事を繰り返していくと、どうにも奇妙な腑に落ちないネタが溜まっていきます。調べても真偽不明

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