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  • 千垣、払暁の空。

    (払暁の空の下@千垣駅)立山への県道から、少し下がった位置にある小さな駅舎。岩峅寺を過ぎると、終点の立山に向かって一駅ごとに雪が深くなって行く。今でこそ立山線の線路に沿った道が整備されてはいるものの、一昔前は、ひとたび雪が降れば、千垣や芦峅寺の人々には接続するバスと地鉄が頼りだっただろう。芦峅寺も、この冬の積雪が2mを超えたと聞く。駅前には、立山の修験者が住むという芦峅寺へ向かうバス乗り場があって、除雪された階段と雪の踏み跡に、駅の息遣いを感じた払暁の千垣。お世辞にも広くないホーム。雪に埋もれてさらに狭くなっていた中を、KB301列車・快速急行立山行きがやって来た。電鉄富山5:24発。シーズンであればアルペンルートへ向かうハイカーや登山者の足だ。立山に向け、ここからさらに登り坂は厳しくなり、雪は深く重く線路を囲...千垣、払暁の空。

  • 横江、雪溺の始発前。

    (雪溺の駅@横江駅)片寄せされてうず高く積み上がった雪。出入り口だけはしっかりと確保されていても、その雪は夜半の気温低下でパリパリと凍っており、軟弱な都会人の足元を容赦なく掬う。午前五時半、小さな集落の小さな駅で、手袋をしていても悴む手でシャッターを切る。駅舎の蛍光灯だけは煌々と輝いており、雪の力によって駅前は思った以上に明るさが満ち溢れていた。初めてこの駅を訪れたあの雨の日から、もう何度も撮影した駅だ。勝手知ったるところもあって、特にここで語る事もない。去年の冬は壁に掛けられていたように記憶している横江駅の絵が、外されて窓の桟に立て掛けられていた。傳言板は、誰かの落書きと思しきハートマークと名前が記されていた。折しも季節はバレンタイン、この富山のローカル私鉄の片隅から、愛が芽生える事を願ってやまない。駅舎から...横江、雪溺の始発前。

  • 本当の雪景色を求めて。

    (深夜二時・雪の中の湯@国道158号線)去年富山に行ったのは、確か2月の終わり頃。一通り撮影したんだけど、最近の暖冬傾向もあったんで雪がイマイチ少なかったんですよね。今年はエルニーニョの発生のせいなのか、北日本の日本海側の雪が物凄い。そこで今回は昨年より少し時期を早め、本物の雪国の雪景色を求めてこの冬何度も大雪に見舞われている富山へ行って参りました。ファーストショットは真夜中の中の湯・安房峠道路入口にて。島々から奈川度、沢渡と上がっていくたびにどんだけ積雪残ってるかとヒヤヒヤしましたけど、流石は天下の国道158号。信飛国境を繋ぐ大動脈は、きっちりと除雪も入って走りやすかったですね。松本ICを日付が変わる頃に抜け、真夜中の安房峠を超えるのはこれで何回目であろうか。平湯から神岡の道の駅まで走って、ここで仮眠するのも...本当の雪景色を求めて。

  • 荒川の 流れ漱ぎて 岩肌に。

    (うつりみず・ゆらめき@親鼻橋梁)夕暮れ迫る親鼻の鉄橋は、荒川が刻む河岸段丘を飛び越える、大きなガーター橋。赤いレンガで積まれた橋脚の見事さは、いつでも変わらない秩父路のシンボル。モチーフを探して河原を彷徨えば、早い流れの脇に見付けた小さなワンド。僅かながらに流れ込みがあるので鏡と言う訳にもいかず、くにゃくにゃと揺らめく水に映り込む元東急8590系。秩父・富山と自分の好みの地方鉄道に現れるこの車両。特に思い入れがある訳ではないけれど、横浜や二子玉川でよく見た顔も、すっかり地方暮らしが板についた感じがあります。夏であれば川遊びに興じるファミリーや、バーベキューで賑わう親鼻鉄橋の河原も、冬のこの時期は静かなもの。ただ、カメラを握る人々(特に秩鉄ファン?)にとっては冬の親鼻河原こそ至高じゃないですかね。きれいな北関東...荒川の流れ漱ぎて岩肌に。

  • 春は皆との別れ、皆野の別れ。

    (町の中心駅にも、合理化の波@皆野駅)秩父鉄道は、首都圏を走る鉄道ながら、長い事SuicaやPASMOなどのいわゆる「交通系ICカード」というものが使えませんでした。殆どの駅で駅員さんが窓口に居て出改札業務をこなすオールドスタイルの駅務はこの鉄道の特徴の一つでもあったのですが、とうとう今年の3月から秩鉄にもPASMO導入が決定。それに伴い、大幅な出札窓口の合理化が行われることになりました。3月以降に有人窓口が残るのは、羽生・熊谷・武川・ふかや花園・寄居・長瀞・秩父・御花畑・影森・三峰口の10駅のみで、他の27駅はPASMOの簡易リーダー導入により一斉に無人化が図られることになります。この報道が流れて来た時は、流石に驚きましたねえ。秩父線の駅ってーと、どんな小さい駅でもとりあえず一人は嘱託と思しき年配の駅員さんが...春は皆との別れ、皆野の別れ。

  • 今もなお 古豪健在 意気高し。

    (トップライトの中を@三ヶ尻~武川間)三ヶ尻の工場で荷を下ろし、身軽になって戻って来た7205レ。再び鉱石を積みに今度は武州原谷を目指します。現在の秩父鉄道、基本的に貨物列車には7000番台の列番が付与されておりますが、この日のデキ105は72**のスジを担当。朝の7204レで影森(三輪鉱山)を出て、返空7205レで原谷、積載7206レで三ヶ尻に行き、三ヶ尻から戻りの返空7207レで武川まで戻ったところでカマ替えということになった模様。個人的には72**の行路は日中の光線がいい時間帯に影森~三ヶ尻を一往復半もしてくれるので、なかなか撮りごたえのあるスジ。武川のストレートを進む姿は、今もなお古豪健在と言わんばかりの意気軒高さが見えます。昨秋、キレイに塗装し直して出場しているデキ105ですが、流石に歴戦の傷跡は隠し...今もなお古豪健在意気高し。

  • ハッピーバレンタイン、デキ105。

    (乗務員交替@武川駅)青いナッパ服にいわゆるドカジャンを着込み、運転台へ乗り込んで行く機関士氏。秩父鉄道の鉱石列車は、影森・武州原谷~三ヶ尻間を運行しておりますが、乗務員の交替などは武川駅での停車中に行われています。現在一日に上下で9往復の貨物のダイヤが組まれている訳ですけど、乗務員の交番とかどんな行路で行われているのだろう。秩父の貨物は距離以上に退避が多くて時間がかかるので、運転台と言う持ち場を離れられない機関士の仕業はそれなりに重労働なのではなかろうか。年季の入ったカマだけに、冬は寒いし夏は暑いしでしょうからね。武川で発車を待つ7204レ。三輪で積み込んだ大量の石灰石は、これより深谷市の三ヶ尻にある太平洋セメント熊谷工場に運び込まれ、セメントに加工されます。以前はセメント製品の積み出しも貨物列車でやっておっ...ハッピーバレンタイン、デキ105。

  • 空っ風 吹いて武川 冬の空。

    (北関東の冬の空@武川駅)青空の下、満載の鉱石を積んで武川のヤードに到着したデキ504牽引の貨物列車。重い雪雲が低く垂れ込める日本海側と違って、比較的晴れの日が多いのは関東の冬の特徴ですが、こと北関東については、冬の時期の「晴れの質」が一段と高いような感じがします。秩父鉄道には、架線凍結などの多い厳寒期に集電性能を高めるため、デキのパンタグラフが両方上がる「両パン」の時期に来ることが多いのだけども、そう言えばあまり天気が悪かった時がない。新潟や会津地方に雪を降らせ、三国山脈や帝釈山脈を越えて北関東に吹き付ける空っ風は・・・と筆を進めたところで、あ、いや、ここ深谷は埼玉だっけか。という事を思い出すのであった。まあでも埼玉の北部って群馬・栃木の北関東工業ベルトと関係が近いし、みそポテト・いもフライなどのイモ食文化や...空っ風吹いて武川冬の空。

  • チチブ・ヤマノススメ。

    (ある冬の日、ヤマに向かいて@秩父太平洋セメント三輪鉱業所)ある冬の日。影森の駅を降り、路地裏を抜けて広いヤードを渡る。朝の一便が撒いて行ったのか、踏切道に落ちた砂をジャリジャリと踏みながら、踏切の真ん中で山に向かって深呼吸。ピリッと冷えた空気に耳を澄ませば、ピョ!というデキの短笛。久々に聞いたカマの息遣いに心躍らせ、ヤマに向かう足も弾む清々しい朝。山の陰に当たる札所巡りの遍路道をゆるゆると歩けば、やがて道に寄り添う引き込み線。レールのカーブに合わせて左へ左へと山を分け入れば、そこが秩父太平洋セメントの三輪鉱山。時間はちょうど朝の2便目の積み込み時間。ホッパをガラガラと流れる石灰石の音。久し振りだけど、いつもの三輪の光景です。連結を済ませ、ホッパからゆっくりとヲキを牽き出して行くのはデキ105。昨年の秋に、現行...チチブ・ヤマノススメ。

  • あと僅か チルい旅への ご提案。

    (軽便軌道に揺られて@鬼怒川公園~鬼怒川温泉間)快速東武日光・会津田島行きだった時みたいに、複々線や日光線のストレートををガンガンぶっ飛ばすような走りもいいですけど、当初は軽便規格で作られた鬼怒川線のヘロヘロの線形をえっちらおっちらと走る6050系に揺られる旅も悪くはありません。北千住の西口のチケット屋で東武の株乗2枚買って、下今市で「日光・鬼怒川エリア鉄道乗り放題きっぷ」を500円で買って、昼メシに1,000円くらい使っても予算3,000円ちょいの日帰り旅。ふかふかのモケットに包まれて、車内暖房と冬の日差しが微睡みを誘います。車窓に雪残る鬼怒川線を走る普通列車。単線なので交換駅で10分程度停車するスジがあったりする。まあ急ぐ旅でもなし、乗り鉄を楽しむならばオツなもの。6050同士の交換シーン、こんな風景も貴重...あと僅かチルい旅へのご提案。

  • 雪残る 桟道を往く リバイバル。

    (雪残る桟道を踏みしめて・・・@鬼怒川温泉~鬼怒川公園間)正月明けの会津行きのお話が終わってから、特段書くこともなくなってしまってブログをアップすることも忘れてしまった。まあ、にっくきコロナ第6波という事なのですが、今年は日本海側の雪がエライ調子いいみたいですね(住んでる人にとっちゃたまったもんじゃないでしょうけど)。何もなかったらこの週末辺りは新しいスタッドレスで信州湯田中やら越中富山やら冷やかしに出掛けたり、よしんば夜行高速バスのチケットでも取って久々に津軽なんか行ったりしてたかもしれないのですが・・・何も気にしなきゃ別にいいのかもしれませんけど、一応家族もありますし、結構身近なところで普通に感染者が出ている現状では、なかなか思い切った行動も取りにくいものがあります。という訳で、いよいよ行く末の見えて来た東...雪残る桟道を往くリバイバル。

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