第169話 ゾウの悲哀と不思議な草 ドライバー兼ガイドの、シアンと共に僕らは沢沿いを山道を下って行く。 もう山道というより、ゆるやかな川沿いの小道である。 途中で小さな小屋の売店があった。一段上がった所に作られており、おばさん店主が、薄手の絨毯の上に座っている。 手作りのアクセサリー等の、お土産のようなものも売っていた。しかし、僕が魅力を感じるものは何も無かった。 それよりも、手に乗りそうなくらいの小さな猿を飼っていて、その小猿が、おばさん店主の周りを動き回っていた。その小さな可愛らしさに皆盛り上がる。 ベンが触ろうとするが「キッ!」と威嚇をしながら柱を登り逃げてしまう。 苦笑いをするベンに、…